どこでもドア

登録日:2010/08/27(金) 12:09:08
更新日:2023/08/28 Mon 10:47:34
所要時間:約 4 分で読めます




世界旅行に 行きたいな

「ウフフフ、どこでもドア~!!」



●目次

◆概要

ドラえもん」に登場する最も有名なひみつ道具の1つにして、危険なひみつ道具の1つ(しかもこの道具はその手の描写も実際に幾つか描かれている)。
使用者の思念・言葉を聞き、使用者の行きたい場所へと繋がる扉となる。
初登場は1973年「小学五年生」4月号掲載の『ハイキングに出かけよう』(現在は藤子・F・不二雄大全集2巻収録)*1
単行本初掲載はてんとう虫コミックス6巻の『山おく村の怪事件』。

ワープ理論の応用であり、出発点から到達点への距離を「ドア一枚ぶん」の距離へと短縮するものである。

劇中では原理は説明されていないが*2、公式ではどうなっているかというと、複数の解説本にて前述のように0距離にしてドアで繋げる設定だとされている*3

空想非科学大全』では「通過している最中は真裏から見たら断面丸出しになるのでは」「それじゃ気持ち悪いから出口の風景が見えていて欲しいものだ」と考察されている。


一度繋がればドアが仕舞われるまで繋がっており、出発点からドアが閉められただけでは帰れなくなることはない。
閉じただけで空間接続が解かれる描写もある。

水中や宇宙空間を開いてしまった場合、水がドババババと流れ出したり、気圧差で吸い込まれたりしてしまうので注意が必要。
ロクに考えもせずに既にダムや火山脈などの下に埋まったポイントを指示して開けたりしたら地獄絵図である。
「どこでもいいから広い場所へ!」等の曖昧な台詞でも広い場所に繋がるが、
場所はランダムでそこにいる「なにか」に酷い目に遭わされるというのが常である。

例:
マタドーラ「行くぜ! 『銀行の大金庫室』!!」
→金庫の中にダイレクトにワープしてしまい一歩も動けなくなる


またのび太が家出した時にもドラえもんがこの道具を使い迎えにいくが、のび太がスネて帰らないというのもお約束。

のび太がしずかちゃんの家に行こうとした際には、よくしずかちゃん家のお風呂に繋がる。
のび太のイメージではしずかちゃん=お風呂、と言うことなのだろう。

ちなみに、大山ドラ時代に作った熱気球「ドラバルくん」を紹介する特番などでは到達点にドアを置きっぱなしにしたまま
タケコプターで別の場所へ移動する場面があった。
この特番ではドラえもんとのび太が、野比家に風船で届いた小学館からの手紙を手に「ドラバルくん」を製造したイギリスへ行ったが、
ロンドンの市街地に堂々とどこでもドアを置きっぱなしにして、タケコプターで空からビッグベンとロンドン橋を観光した後、製造工場へ移動するシーンがあった。
何の説明もなかったが、よくよく考えたら危ない映像である。


ワープ距離の制限に関しては曖昧で、地球から10光年以内*4という場合もあれば、無制限*5という場合もある。
また、地図のない場所(未開拓惑星等)にも行くことはできない。
そのため、地形が全く異なる大昔の世界では使用が難しい…と大長編第1作『のび太の恐竜』では言われていたが、
その1年後に掲載された『恐竜さん日本へどうぞ』では中生代でどこでもドアを使用している場面がある。
ただし、学習機能があり、一度訪れた場所ならそれ以降も使える。
ほぼルーラ(もしくはコズミックステイツ)である。
『宇宙ターザン』では、タイムマシンの出入り口をどこでもドアで繋げることにより、現代の東京から1億年前の恐竜時代までダイレクトに行けるようになった。

時間移動がある程度可能になる付属品もある。

このような道具が発売されたせいで既存の交通業界はかなり影響が出たらしい。
とはいえ、観光や運輸に関してはどこでもドアでは難しいこともあり、エアカーや観光ジェットなどは22世紀でも隆盛を極めている。
ドラベース』によれば、重要なイベントの際にはどこでもドアでのダイレクトワープは規制が入ることもあるらしい。

◆構造

●扉上部:空間探査機
●柱:四次元電流変換機
●扉下部:定着装置

4次元フィールド装置:内蔵型。3次元空間を4次元的に折りたたんで2か所を近づける為の装置。


例によってドラえもんがもっているピンク色のタイプは旧式であり、ドアよりも大きいものは通過できない。
(ドラミが持っているものはこれが可能。伸縮する)


未来においてはこれの登場により「天の川鉄道」が廃止になっている。

一度だけドアノブに時間を超える機能が付いた事がある。
そのせいで災難が……。


◆大長編

脱出アイテムとして便利すぎるため、序盤にこれを使ってワープ→なんらかのアクシデントが起こり故障→帰れない。
ということが度々発生する。
燃やされたり、ワニに噛み砕かれたり、壊されたり、バラバラに切り刻まれたり等ロクな目に遭わない。映画版で最も頼りにならなくなる道具のひとつ。
ドラえもん のび太の宇宙漂流記』のように使えなくなることも。

皆のトラウマは、なんと言っても「雲の王国」のノア計画のシーンであろう。

ドラえもん のび太のひみつ道具博物館』では、初代どこでもドアが登場した。


◆類似した道具

・どこでも窓
34巻『水たまりのピラルク』に登場した道具。
見たまんまどこでもドアを窓にしただけの道具。たぶん、こっちの方が安いんだろう。

もっと小さく持ち運びできるように改造された「どこかな窓」というのもある。
こちらはニンテンドーDSくらいのサイズしかないので覗き見くらいにしか使えない。
開発者はスケベなのであろうか

・プッシュ・ドア
20巻『プッシュ・ドア』に登場。
どこでもドアの廉価版であり、行き先を書いたキーを貼り付け、赤いボタンを押すことで、その場にワープできるようになるドア。
白いボタンを押すと普通のドアに戻る。

・どこでも切符
カラー5巻『ふしぎな海水浴』に登場。
単行本7巻『行かない旅行の記念写真』で何の説明もなく再登場したため、てんとう虫コミックス派は「そんな道具あったか?」と混乱したことで知られる。
所謂駅の案内板みたいなプレートで、プッシュ・ドア同様に行き先を書いて既存のドアに貼り付けることでそこに行けるようになる。
しかし杓子定規なAIなようで、「海」と書いたらダイレクトに海中に繋がり、ニューヨークと書いたら銭湯に繋がってしまった。しかも男湯

・旅行地図/魔法の地図
プラス5巻『魔法の地図』に登場。単行本11巻のフロクにも登場した。
でっかい地図(虫メガネを使わねばどこに何があるかわからない縮尺)で、ペンなどで印をつけて、それに包まることでその場所にワープできる。
裏返して包めば元の位置に戻ってくることができる。
スネ夫がロクに確かめもせずに使用した際には地球外惑星に出てしまった。


◆余談

  • わさドラではこれと同等の機能を持つ「どこへでもドア」をハツメイカーで作ろうとするエピソードがあるが、その材料として木材や砂糖小さじ1杯、塩少々等を使っていた。

  • 過去に永谷園から販売されていた「ドラえもん クリームスープ*6」のCMでは出演した実写の男の子と女の子がどこでもドアを通過することで二次元化するという描写が描かれた。アニメキャラ化どこでもドアとかなにそれ欲しい。

  • コロコロコミックに連載された『まんが版 ドラえもん百科』(西田真基/藤子プロ)では、ドラえもんがこの道具の修理がてらのび太を連れて行った工場見学にてキテレツくんの子孫が発明したことが明かされた。
    • ついでに、回転ドア型や高級などこでもドアやタケコプターの様々な上位機種がある中、ドラえもんが使っているお馴染みの道具は 一番安物 であることも暴露。
    • また、グレードアップパーツがあることも判明。安物がバレてのび太に笑われたドラえもんが説明を聞かずにどこでもドアにつけたところ、時間も移動できるようになり、ママから逃げようとどこでもドアに駆け込んだのび太が恐竜時代に行ってしまった。

  • ローグライクゲーム「ドラえもん 魔界のダンジョン」では、シレンの持ち帰りの巻物のような脱出アイテムとして登場するのだが、 なんと未識別で落ちている。 使ったら最後、脱出してしまい冒険が失敗になる。

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最終更新:2023年08月28日 10:47

*1 この短編はドラミが初登場したエピソードでもある

*2 ただし『ドラえもん のび太の宇宙開拓史』では、ロップルがのび太にワープの原理を「空間と空間をくっつけて瞬間移動する」と説明した時、ドラえもんが「どこでもドアみたいなものだよ」と補足するシーンはある。

*3 「ドラえもん道具カタログ スーパー・メカノ=サイエンス 2112年版」「ドラえもんのひみつ道具使い方事典2」など

*4 『ドラえもん のび太の宇宙開拓史』では、ドラえもんがこの制限について言及している。

*5 『天の川鉄道の夜』では、文字通り「星さえ存在しない」宇宙の最果てまで移動している。『宇宙開拓史』より後に作られた『ドラえもん のび太と銀河超特急』でも「銀河の外れと地球」という、どう考えても10光年を遥かに上回る距離を移動していたり、超空間を抜け出して元の世界の野比家に帰る描写すらある。

*6 https://www.youtube.com/watch?v=yOjPMN57f4A