特殊警備隊(SST)

登録日 :2012/10/23(火) 22:19:36
更新日 : 2017/07/01 Sat 17:19:12
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特殊警備隊( S pecial S ecurity T eam 通称 SST )は、日本の海上保安庁が保有する対テロ特殊部隊で、第五管区海上保安本部(神戸)の大阪特殊警備基地を活動拠点としている。

部隊のモットーは 常に備えよ。




後述の理由からSATSBUSFGp等の日本に存在する全ての特殊部隊を押さえ 日本最強の特殊部隊 と言われることがある。


【前史】
特殊警備隊は、1985年に関西空港の工事現場の警備のために設立された関西空港海上警備隊と1992~1993年、再処理済みのプルトニウムをフランスから日本まで海上運搬する際、巡視船しきしまの建造と共に創設された海上保安庁プルトニウム海上輸送対策室隷下の特殊部隊(名称不明)が1996年に統合され発足した。
この関西空港海上警備隊とは中核派などの極左暴力集団が建設中だった関西国際空港にテロをしかけるとの情報を得て、その警備のために第5管区海上保安本部大阪海上保安監部岸和田海上保安署の下に設立され、関西国際空港が完成した後、関西空港海上警備隊は1988年のソウルオリンピック開催後の下関~釜山を結ぶフェリーの妨害テロ対策部隊として機能した。


一方の海上保安庁プルトニウム海上輸送対策室隷下の特殊部隊は輸送中プルトニウム警備のため創設され、あのNavy SEALsから直接指導を受け創設された部隊である。



【任務】
特殊警備隊の任務は主に海上テロ、シージャック、銃火器を用いた海上犯罪、爆発物処理などの対処であるが、こうした海上テロだけでなく、マラッカ海峡等における海賊への警戒任務や、一般海上保安官や特別警備隊(ややこしいがここでの特別警備隊とは、海上自衛隊特殊部隊である特別警備隊SBUではなく、海上保安庁隷下にある部隊のことである。海保隷下の特別警備隊は海自SBUのような特殊部隊でなく、一般的な暴動に対応する部隊であり、海保を警察に例えるなら特別警備隊は機動隊に相当する。以下本項目で単に特別警備隊という場合は海保の部隊を指し、海自の特別警備隊はSBUと表記する。)では対処が困難な事件(船内での殺人事件・密航船・密輸船制圧、船内爆発物処理等)にも出動する。

そのため日本の特殊部隊としては 出動回数が非常に多い。


また7個存在する警備隊の内最低1個が24時間の常時即応体制がしかれている。
そして特殊警備隊が一度出動命令を受けると、関西空港海上保安航空基地から固定翼機を使用して、現場近くの航空基地に移動し、そこから航空基地所属のヘリコプターに搭乗して現場に急行。
直接または巡視船を経由して、対象となる船を強襲し、船内制圧終了後は速やかに警備実施強化巡視船からやって来る特別警備隊に任務を引き継ぎ撤収する。



【編成】
一般公開された情報で判明している特殊警備隊編制は以下の通りである。
  • 特殊警備基地長-二等海上保安監
  • 統括隊長(複数の部隊が出動した時に統括する隊長:一等海上保安正)
  • 第一特殊警備隊(隊長:二等海上保安正、副隊長:三等海上保安正)他6名 計8名
  • 第二~第七特殊警備隊(第一特殊警備隊に同) 各8名である。

また各隊には朝鮮語等の語学のスペシャリストや救急救命士等の専門隊員が配属されており、7個の警備隊のうち2個はそれぞれ化学兵器防護、爆発物処理を専門としている。



【隊員の選抜】
隊員は主に警備実施強化巡視船に配備されている特別警備隊か、救難強化巡視船の潜水隊員から厳しい訓練を経て選抜されている。



【特殊警備隊は違法?】
実はこの特殊警備隊 法律に反する違法な部隊 としてその存在に物議を醸したことがある。
その根拠となったのが海上保安庁法第25条である。

以下その海上保安庁法25条を引用させてもらう。
  • 海上保安庁法第25条:この法律のいかなる規定も海上保安庁又はその職員が 軍隊として組織され、訓練され、又は軍隊の機能を営むことを認めるものとこれを解釈してはならない。
とある。

思い出して欲しい。【前史】で述べた海上保安庁プルトニウム海上輸送対策室隷下の特殊部隊(名称不明)は 米海軍特殊部隊Navy SEALsから訓練を受けている。


一応この時の結論としては、国益に反しないと判断された場合はこの限りではないとされた。
しかし米国を始め多くの国は沿岸警備隊(海上保安庁の海外での呼称)は準軍事組織として見なされる。
そのため、普通の国際感覚から言うとこの海上保安庁法25条の方が矛盾している。



【特殊警備隊最強説】
さて冒頭でも触れたがこの特殊警備隊。 日本最強の特殊部隊 とされることがある。

というのも
  • Navy SEALsから直接訓練を受けている。
  • 国際訓練(PSIなど)に数多く参加し、その都度実力を高く評価されている。
  • そして最大の理由は前述のように日本の特殊部隊として最も多く出動しているため、 最も多くの実戦を経験 していることである。
  • 近年インドネシア・フィリピン・タイ等の東南アジア諸国は海上保安庁を手本とした沿岸警備隊の設立に力を入れており、日本政府はODAの一環として中古の巡視船と共に特殊警備隊の隊員を技術協力員として派遣している。
といった事を挙げている。



【余談】
同じ海を縄張りとする海自のSBUとよく比較され、どっちが優秀か議論されているが、軍隊系特殊部隊であるSBUと法執行機関系特殊部隊系である特殊警備隊は戦略や思想が異なるため、単純に優劣を比較することは出来ない。




常に追記・修正に備えよ。



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