風の大地

登録日:2011/01/24(月) 20:13:42
更新日:2024/03/09 Sat 23:13:40
所要時間:約 6 分で読めます



風の大地とは、ビッグコミックオリジナルに1990年から2022年まで連載していたゴルフ漫画である。
原作はゴルフファンにはお馴染みの坂田信弘、作画は本作を筆頭にゴルフ漫画を多数手がけていたかざま鋭二。
連載中にかざまが死去したことに伴い、氏の絶筆作品となった。

【概要】

24歳でプロゴルファーを志した主人公、沖田圭介が世界的な実力派ゴルファーにまで成長するまでを描く。

連載開始当時は原作者である坂田の体験談も兼ねており、作中の年代も昭和40~50年代で進んでいたが*1、その後、グレッグ・ノーマンやジャンボ尾崎が既に一時代を築いていたり(1980年代)、タイガーウッズの名前が出てきたりと(1990年代)、連載の長期化が進むにつれ作中年代も連載中の現在へとシフトしていった。

一方でウッズの名前が出た後にもかかわらず、クラブメーカーのマルマン社がゴルフ事業を立ち上げたばかり(1970年代)といった話があったり、メタルヘッドのドライバーが最近出てきたものと言ったり(1980年代)、小型の携帯電話が出てきたり(1990年代)と、実際の時代背景と作中の年代とはあまり関連性がないようである。

尚、二十年以上の長期連載にもかかわらず、作中時間では63巻(2014年)までで3年強しか経過していない。その後一気に7年飛ぶ。
何故か毎回最後のページにポエムが掲載されている。

なお2022年6月20日号より原画担当のかざま鋭二氏の膵臓がん治療のために休載となり、その間は過去の傑作選を連載していたが、同年10月に死去。そのため、同年12月5日に掲載されたの764話を最後に打ち切りとなった。

漫画好きで知られる政治家、麻生太郎の愛読書の一つでもある(他に好きだと明言されているものは『ゴルゴ13』、『勇午』あたり)。

1993年に小学館漫画賞を受賞している。

【登場人物】

  • 沖田 圭介
熊本県出身で、二人の弟のために京都大学を中退してプロゴルファーになるため、鹿沼CCの研修生(ゴルフ場の雑用として働きつつプロを目指して練習する人たちのこと)となる。性格は初期こそ若さゆえの喜怒哀楽の激しさや売られた喧嘩に対する我慢のなさを露呈しつつも、成長するに従って寡黙かつ温厚で誠実な人物になっていった。しかし喧嘩を売ってくる相手には相応の態度を取ったり、自分のことに関してはものすごく頑固な面もある。そのせいで特にチンピラやDQNとは相性が最悪である*2
プレー中に黙ってモノローグが入ることが多いため、読者からは修行僧などと呼ばれることも。

24歳というプロを志すには遅い年齢だったが、持ち前の努力と忍耐力で頭角を現し、海外でも活躍するトッププロにまで成長する。プレー中、よく宇賀神さんと脳内で会話する。
彼の身近にいる人々は大体不幸になる。現在死者7人(うち通勤中に挨拶を交わしていただけの小学生が5人)、プロテストに合格できず挫折したのが一人、不倫したあげくゴルフに挫折して北海道に逃げたのが一人(これは自業自得だが)、ゴルフと俗世に挫折して寺で修行しているのが一人、会社が倒産しかかったのが一人、拉致られて危うく殺されそうになった婚約者が一人。

風や調子にもよるが400ヤード近く飛ばす化け物。その化け物じみた飛距離と、小針プロから伝授された棒の玉*3でパッティングも苦手としない万能タイプ。
メジャートーナメント直前に現地で不遇な扱いを受けているキャディと出会う→好調のまま三日目を終える→最終日最終組としてコースを回り、結果的に二位。というテンプレを確立させている。
また、あまりにも超人に拍車がかかりすぎた力を押さえ込むためか、交通事故でケガ→療養→リハビリ→地方大会で復帰戦→優勝するもケガぶり返す→治療するも医者の言うこと無視して無理なトレーニング→またケガぶり返す・・・と繰り返したり、定期的にチンピラに絡まれてトラブルを起こしたり、果ては裏社会のマフィアもどきに目を付けられて紆余曲折経てイップスにかかりかけたりと本人の性格とは裏腹に波乱万丈な人生を(たった3年程度の間に)送っている。
63巻にして「自分は関わった人を不幸にする存在なのか」と初めて気付く。若干メタ的な発言の気がしないでもない。ただ自分が事件を呼び込む死神であることに同じく20年以上の長期連載で全く自覚のない某探偵よりは気付いた分マシである。

だがそれまでは死者が出てショックを受けてもどうにかゴルフは続けてこられたものの、ついに沖田本人が挫折を味わう事件が起き7年もの間選手としてゴルフに携わることができなくなる。いやいや流石にそれは沖田のせいではないしこじつけが過ぎるだろう…
その間コース管理者として働き、息子6歳、娘3歳になった年にようやく復帰を決意することになる。

+ 【沖田の戦績】
赤字はメジャー大会
トーナメント名 スコア 順位 優勝スコア 主な選手 収録巻
アジアサーキット
フィリピンオープン
-10 2位 -11(呂) 呂西釣、デービス、ブロー、小針 5-6
アジアサーキット
タイオープン
-10 優勝 -10(沖田、呂)
プレーオフ
呂西釣、デービス 6-8
アジアサーキット
9戦時点総合
- 4位 - 各試合内容は割愛 8
アジアサーキット
ダンロップオープン
-17 2位 -18(杉原) ジャンボ尾崎、杉原輝雄 8-9
アジアサーキット総合 - 2位 - 9
日本プロゴルフ選手権 -21 2位 -22(尾崎) ジャンボ尾崎 10-12
全英オープン -19 2位 -20(ノーマン) 河内、グレッグ・ノーマン 13-19
オランダオープン -16 優勝 (ダイジェストのみ) 19
全米プロ -12 2位 -13(リーマン) ウォーレン、ノーマン
トム・リーマン
20-25
ドバイ・デザート・
クラシック
-30 優勝 -30 ウォーレン、アベル
ウィリー、バネット
30-35
マスターズ -20 2位 -20(ウォーレン)
プレーオフ棄権
ブラッド、クレッグ
ウォーレン、アベル
37-49
サン・クロレラ・
クラシック
51


  • 笠崎 孝
沖田の先輩で親友で師匠な鹿沼の研修生。たぶん沖田が振りまく不幸の最大の被害者。
アドレス中に雷が目の前の木に落ちて立ったまま気絶→ドライバーイップスにかかったり、交通事故に遭って危うく選手生命が危ぶまれたり、プロテスト中に胸に球が直撃して胸筋断裂して合格ギリギリで通過するも色々と魔の手が及んで結局プロになれずと散々な事が起こる。実力はプロとして通用するらしいが本番に弱い。最後のプロテストで覚醒するも、ついに悪魔の手(と言う坂田御大が差し向けた堀田の物言い)によってゴルフ界から強制退場させられる。
もっとも、メジャー大会で沖田と肩を並べてラウンドするのが目標などという大それたことを言ってしまった時から自分でフラグを立てていた感はある。多くの読者が「お前じゃ無理だから沖田の足は引っ張ってくれるな」と思ったとか思わなかったとか。そうは言ったけど、足を引っ張るなつっても流石にあそこまでひどい仕打ちをしろと誰が言ったよ!むしろあんなご都合主義丸出しの胸糞展開なんて望んでないヨ!

連載初期は女好きで「夜這いの孝チャン」と呼ばれていた肉食系だが、連載が進むにつれて沖田に感化される。
死ぬ間際まで追い詰められながらも合格出来るスコアでラウンドしたプロテストを沖田に逆恨みしていた政治家の介入によって潰され、栃木の男体山に登山してから福井県の永平寺まで徒歩で移動し、僧職系にクラスチェンジした(出家はしていない様子だが、かなり僧職が板についてきている台詞回しをするようになった)。

読んでいない人にとっては何を言っているのかさっぱり分らないと思うが、ご心配なく。俺ら読者ですらワケがわからないし、そもそもこの漫画の登場人物が超展開で不幸になるのは本作の様式美なので深く考えたら負け。
彼とこの漫画がどこを目指しているかは誰にも分らない。殺されなかっただけマシとしておこう。


  • 宇賀神 正行
鹿沼CCの料理人で元研修生。笠崎とともに沖田にゴルフの基礎を教えた師匠。沖田の才能に惚れ込み、研修生時代にかのニクラウスに貰った、伝説の名器とまで言われたマクレガーのドライバーを沖田に譲り渡すなど沖田への期待は人一倍あった。そのせいか沖田の振りまく不幸の被害をまともに受け連載初期に癌で死亡しているが、プレー中の沖田の回想で何度も登場しているため、死んでからの方が出番が多い。
生前沖田と共にあった期間は、沖田がある年の12月頃に鹿沼CCに入ってから翌年9月のプロテストまでのわずか10ヶ月ほどしかないにもかかわらず、その存在感は沖田にとって1,2を争うほどのものとなった。沖田はプロテスト前に宇賀神に借りた格子柄(?)のジャケットを形見とし、毎回着用してツアーに臨んでいる。享年36。


  • 石倉 三郎
栃木の土建屋の社長で鹿沼CCの常連。会社が倒産しかけた時、丁度マスターズでいつものように準優勝した沖田に救われる。それからはゴルフばかりしていたことを反省して仕事とポエムに精を出す。
頭はアフロ寸前のパンチパーマで何故かコテコテの関西弁をしゃべる。


  • 小針 春芳
実在するプロゴルファーで、一貫して那須を本拠地としていたことから「那須の神様」と呼ばれた。
本作では沖田の才能を見抜き、ゴルフクラブや棒の球の伝授、プロテスト合格後の参戦ツアーの提案など、いろいろ手を回してくれる。沖田の師匠。登場初期はやや腰の曲がった背の低いおじいちゃん的な雰囲気だったが、中盤以降かなりガタイがよくなっている。その年で鍛えなおしたのだろうか。


  • 石原 建
沖田の先輩の鹿沼の研修生でそれなりの実力を持っていたが、プロテストで上手くいかず長年燻ぶっていた。
年齢的にも最後のチャンスとなるプロテストで前半を好調で進めるも、キャディーのおばちゃんの判断ミス*4でドライバーを破壊。
大きくスコアを落として今回もプロテストに不合格。彼も沖田が振りまく不幸の被害者だろうか。
その後、鹿沼CCでキャディマスターとして働く事になった後もプロを諦めきれずにいたが、沖田のゴルフに衝撃を受けてプロへの道を断念する。
現在もキャディマスターとして働いており、プロを諦めてからはそれなりに幸せをつかんだ様子。


  • 長谷川 博
初代ウザキャラ。鹿沼CCの研修生で、研修生としては沖田の先輩になるが年齢は1つ下。しかし学生ゴルフ界の雄、日本大学ゴルフ部出身で、ゴルフ歴10年ほどと言う当初の実力は鹿沼CCではトップクラス。
元々協調性のない唯我独尊な性格だったが、特に沖田に対しては敵意剥き出しでことあるごとに突っかかってくる。沖田もプロテスト合格前までは長谷川の挑発を受けて我慢できないことも多くやり返してしまうこともあった。
アジアサーキット出発前に新品の薬を詰め込んだ餞別を渡すなど沖田の実力は認めるようになったが、帰国後の沖田に対してより一層のライバル心を抱くようになる。沖田はうまいこと挑発をかわしつつ長谷川との和解を望んでいたがプライドの塊である長谷川はそれを受け入れることができなかった。
日本プロゴルフ選手権では成り行きで沖田のキャディをすることになり、いつにも増して反発していたものの、ラウンド中ようやく沖田と和解する。その後のプロテストでは前半は調子よかったものの、後半の後半というところで大叩きをしその結果通らず、結局ゴルフを捨て不倫関係にあった鹿沼のキャディを連れて北海道へ逃げるように去っていった。沖田と和解したせいで作者の大好きなウザキャラとしての役目を終えたため退場させられたのだろう。


  • 物部 麗子(沖田 麗子)
初登場は5巻。宇都宮の神社の娘。歯医者の帰りに鹿沼の神社に遊びに来ていた境内を掃除している当時大学生だった彼女を見かけて一目惚れした。最初の頃はろくに会話もなかったが、笠崎の計らいもあって麗子の父親を介して家に呼ばれたりするうちに徐々に距離を縮めていった。大学卒業後は毎朝新聞というなんだか縁起の悪そうな名前の新聞社に入社し、定年退職していた木曽の下、観戦記者としての頭角を現す。
このあたりから急激に距離が縮まり結婚秒読みか?というところまで来たがそこは風の大地、やたら展開が遅く結婚したのは実に62巻である。とはいっても作中では沖田と麗子が知り合ってから結婚までとなるとそれこそ2年かそこらのことであるので特別遅いわけでもない。元々ロングだったのを沖田と付き合うようになった時にミディアムくらいまで髪を切って、社会人になった時にはショートまで短くなっていた。沖田の趣味かな。あと社会人になってからは化粧がちょっとケバい。すっぴんだと可愛らしい(実際学生時代は可愛かった)。


  • チッタ
アジアサーキット・フィリピンオーブンで雇ったキャディ。フィリピンオープン戦後、他国開催のアジアサーキット選手権での随行を沖田に望まれついてくる。だが家族に散々注意されたにもかかわらず次戦のタイオーオプンでは前夜祭で酒をしこたま飲み翌日寝坊→危うく逃亡寸前だったがタイで知り合っていたお金持ちの粋な計らいによってラウンド中の沖田の下へ戻って来た。4時間程の遅刻だったが、その時沖田は怒るような素振りを全く見せずチッタにキャディを任せた。沖田ぐう聖伝説の始まりである。
乱視のせいでパットラインの曲がり幅の読み間違いをよくやらかしC級ライセンスだったが、それを見破った沖田によって乱視矯正眼鏡をプレゼントされのちに上位ライセンスを獲得した模様。沖田の歴代キャディの回想で1番手として出てくることが多い。


  • リリィ・マクガン
全英編でのキャディ。祖父は伝説のキャディと呼ばれ、彼女もその才能を受け継いでいるが、とある一件により男性不信に。最初は嫌々沖田のキャディをするが、次第に沖田の誠実さやゴルフの実力に惹かれ沖田を愛するようになる。全英終了後、沖田の練習中に暇つぶしにバンカーに描いた絵が貴族階級の実業家の目に留まり、アーティストとして契約を求められるもこれを固辞、沖田への同行を強く希望するも沖田にもアーティストになることを勧められる。直後一人で帰る途中、飛び出してきた子供を避けたトラックにはねられる。意識もはっきりし命に別状はないと思われたが、数日後沖田がオランダオープンに遠征中突然の脳内出血で死亡という形で以って物語から強制退場させられた不幸な女性。享年17。
この辺りからこの漫画の迷走(瞑想)も始まる。後々読者たちが忘れたころになんと妹のスザンヌ・マクガンが出て来る。兄貴や本人からそんな事一言たりとも語られてないし、寧ろどっから出て来たんだよお前は。


  • 河内 俊一郎
二代目ウザキャラ。数年前はシード権を持つほどのプロだったがケガと不調でスポンサー等周辺の人間にことごとくそっぽを向かれヒネくれた選手。ウザキャラ役の長谷川が退場したのでその穴を埋めるかのように入れ替わりで登場した。人の話を全く聞かない、プライドの塊、いちいち周りに喧嘩売りまくるかのような言動、沖田を全く認めようとしない等性格もまるで長谷川2世のようだがそのウザさは長谷川を遥かに超える。顔つきも心なしか長谷川に似てないこともない(元々描き分け甘いけど)。
一応マンデートーナメント(推薦選手選考会)を上がって来ただけの実力はあるものの、全英オープンで沖田と同じ組になった時、ちょっと騒いだリリィにブチ切れ沖田の手の甲をクラブのグリップで思いっきり叩くという暴力沙汰を起こした。その後もことあるごとにギャースカ騒ぎまくって沖田に喧嘩を売ってくる遠慮のないウザキャラっぷりを発揮し読者と沖田らをもイラつかせる。ノーマンと沖田で最終組を回らせる大叩きをし4日目の最終組からは脱落したが、リリィの兄貴がキャディをやり始めたせいか怒涛の追い上げで図々しいながらも3位で全英を終えた*5。その後の全米プロでもノコノコと出てきては相変わらず沖田に喧嘩を売ってくるも最早沖田は相手にしていない上、偉そうに無様なスコア出すななどとほざいていたくせにキャディが優秀じゃなかったのか当の自分は(おそらく)あっさり予選落ちしたのであった。全英3位の実力を誇ったのに…??沖田の洗脳が通用しなかった数少ない選手。
だが沖田7年ブランク後にはなんと・・・?


  • 木曽 晋
毎朝新聞のゴルフ担当観戦記者。登場当初は日本人ゴルファーのふがいなさに呆れ果て、初日で好成績を残した選手ですらどうせすぐ崩れる等全く期待していない上、口も表情もガラも悪い、いかにもマスゴミ的なオッサンだった。沖田の力を認めてからはきれいな木曽さんとなって沖田に入れ込む。毎朝新聞社に入社してきた麗子を鍛える。定年退職後も毎朝新聞にコキ使われる。


  • グレッグ・ノーマン
実在の選手がモデルでホワイトシャークと言われたオーストラリアの英雄。まさに伝説のゴルファーと言えるほどの紳士で実力も凄まじい。沖田の力もすぐに認める。非の打ち所がなくて逆に書くことがない。実在の人物であるせいか、ウォーレンやアベルが登場するにつれ名前はスコアボードに出てくるが試合の描写はどんどんなくなっていった。


  • シルバー・スコット・ウォーレン
U・S・A!U・S・A!なオキタのライバル。ウォーレン財閥の跡取り息子でアマ戦歴115戦111勝、プロ転向後7戦全勝というエリートゴルファー。登場初期は傲慢かつ独善で尊大がゴルフをしてるようないけすかない男で、河内に代わる新たなタイプのウザキャラ登場かと思われたが、全米プロで優勝を逃しその後もオキタのゴルフに触れるうちに感化されてオキタを終生のライバルと認め、オキタ以外の他人に対しても物腰を改め人間的にも成長した。その為か終生のライバル扱いされると同時に、人格者としてヒロイン扱いされる事しばしば。アベルとの初会話時の切り返しは見事。
何度かトーナメントで優勝争いを繰り広げているが、未だ決着はついていない。ついた時がこの漫画が終わる時と思われるが一寸先が真っ暗な漫画なのでいきなり殺されたりする可能性も考慮すると油断は出来ない。そもそも決着を付ける気が作者にあるかどうかすら定かではない。初登場は20巻。


  • グレゴリー・オースティン
全米プロ編でのキャディ。2日目まではキャディなどやったことのない黒人少年を雇っていたが、沖田の負の力に巻き込まれて至近距離に雷が落ち気絶、病院送りにされたので、少年の知り合いでもあり縁もあったオースティンがキャディとして名乗り出た。15年前にゴルフを捨て、普段は場末のバーでサックスを演奏している。


  • 小川
堀田議員とつるんでいる賭けゴルファー。やっとDQN河内が消えたと思ったらまたDQNがやってきた。風の大地にDQNがいない章はないのか…と思ったら、小川は絵に描いたような(実際そうだけど)どチンピラなので河内よりも遠慮がないKINGオブDQN。というかキ○ガイそのもの。最後までチンピラを貫き通したが、最終的に沖田には完敗したと認め飼い主である堀田に反旗を翻す。


  • 宮寺
堀田議員とつるんでいた賭けゴルファー。元プロで小針の弟子。それなりにまともな性格だが過去の過ちから道を踏み外し、現在では小川にいいように使われていた様子。真っ先に沖田の力を認め真剣勝負をするもお仲間がアレらだったので実力を発揮できないまま、沖田との勝負中に鹿沼までやってきた小針に説教されて改心、勝負を放棄する。


  • 堀田 益造
25巻登場。栃木県選出の国会議員。チンピラを使って賭けゴルフで稼ぐ悪徳議員。賭けゴルフを沖田に持ちかけ勝負するも沖田の圧倒的な力に手も足も出ず、雷にビビって勝負放棄した。チンピラ小川が沖田に感化されて反抗してきたので沖田を逆恨みし騒いでいたところ、静かにブチ切れた沖田によって雷轟くコースに無理やり連れ出されて死にそうな目に合わされる。
その時吹っ切れたように穏やかになり沖田を認め「力になろう」とまで言った…たかに見えたが、読者の誰もが存在を忘れた頃に無駄に再登場しいろいろとやらかしてくれた(果てに所詮は田舎県選出の議員だったのか、大物国会議員の秘書に「私の声を忘れたか」と一喝されて慄く)。28巻ラストのあの沖田とのやり取りは一体何だったのだろうか。もしかして坂田御大、やりとりを忘れてたのか??


  • アベル・コスタ
神の子(笑)、欧州の天才(笑)、本能のゴルフ(笑)。ポルトガル出身。初登場は31巻
ドバイ・デザート・クラシックで初登場し、前評判はウォーレンと同等とまで言われ新たな沖田のライバル登場かと思われたが、短気で超攻撃的な性格、人の話を聞かない、構ってちゃん等かませ丸出しの言動を繰り返した挙句、沖田に構ってほしくて独自に編み出した技術を披露した結果技を盗まれるという何しに出てきたのかよく分からない存在と化した。序にウォーレンにアメリカ英語は下品だとケンカを売っておきながら、ポルトガルの素晴らしさを説く見事な返えし方に言い返せなかったヘタレ。
ドバイで役目を終えたのかその後完全にかませ犬化。大体最終日には沖田とウォーレンと新キャラの次くらいにつけてはいるものの、ほとんどいい所なく結局四位くらいの成績でラウンドを終えることが多くなっていた。しかし、いつも野生児のような敵意剥き出しの言動をしていたアベル君だったが、しばらく見ないうちに沖田の結婚直前にさわやかな笑顔で「結婚式には俺も呼んでくれよ」みたいなことを言ってきた時はお前誰だよと思わされたものである。


  • 杉山 健三
クラブ職人。自分の作ったクラブに散々ケチをつけられ責任転嫁させられてプロ自体に不信感を持っており初対面の沖田に対しても喧嘩腰だったが、ドバイで割れた宇賀神から譲渡された伝説の名器マクレガーのドライバーの代わりを探していた沖田が、偶然出会った杉山の作るドライバーを試したいと申し出たことで自身の意地とプライドを賭けてドライバーを作ることになる。その後沖田の活躍によって有名になり引っ張りだこの人気職人になった。
マスターズでは笠崎とも縁があり、最初はお互いあまりソリが合わない感じではあったが、一緒にマスターズを回っているうちに笠崎も認めるようになりプロテスト前にはドライバーを作って贈った。その後テストに合格したと思われた笠崎に新たに2本のウッドを進呈したが、例の逆恨み政治屋に合格を潰されたせいで笠崎はその2本のウッドはおそらく一度も使うことなくゴルフを捨ててしまうことになった・・・
マルマンに在籍する同名のクラブ職人がモデルなのだが、実際の性格との違いについては不明


  • クレッグ・オーウェン
三代目ウザキャラ。南アフリカ出身の強豪アマ選手で最強クラスの飛ばし屋。全米アマ選手権で優勝しマスターズの出場権を得る。ものすごくでかくて太い。円盤投げや砲丸投げの選手でもある。オーウェン兄弟の弟。初登場37巻。
飛距離に絶対的な自信を持っており、沖田の飛距離に対してケチをつけてきたり、飛距離だけでマスターズ優勝するだの調子に乗っていたが、さすがの沖田もこの勘違いデブには頭にきたのか珍しく「優勝or予選落ちの極端なアマチュアですよね知ってますよ(pgr」みたいなことを言って黙らせた。ウォーレンにも下品で不愉快と評され、アベルにまで単細胞バカと思われたあげく笠崎には兄のオマケとまで言わしめ、兄貴にすら窘められた。
それほど興奮していない時は沖田への文句等あっても心の中で長々と思っているだけだが、ちょっとでも興奮するとすぐ騒ぎ出してはマナー違反行為を故意にやったり言い掛かりをつけるなどなかなかのウザキャラっぷりを発揮する。そのくせ沖田が冷静に対処すると勝手に自分のプレイのリズムを崩してミスをしたり、思い通りに球が飛ばなければクラブを地面に叩きつけて曲げたり池に放り投げたりと瞬間湯沸かし器級の超ド短気脳筋馬鹿さを惜しげもなく披露した。3日目後半に大叩きをしスコアを大きく落とし、いつもの3日目のウザキャラ同伴ラウンドの役目を終えたかに見えたが、順位が下がったことによって最終日のスタートが早めになったことと、持ち前のDQN節で無理やり前の組を追い抜かすよう競技委員に対して強要し早々にホールアウトして兄ブラッドのキャディとして引き続きウザキャラ役としてマスターズ編を盛り上げる()。
一方で沖田を意識してからは自身のスコアを沖田に合わせて-1だけ上回ってやろうと思っていたり、沖田のドライバーショットに沸いた観客に対して60ヤードも前に打てば俺様が見えるようになる、と考えたりするなど実は謙虚なのではないかと思うシーンもあるが、謙虚さとは地球の裏側程も遠い存在であるので単に数字に弱い馬鹿なだけだろう。しまいには「沖田は自分に輪をかけた単細胞」と評するなど、自身が単細胞馬鹿である自覚は持っている模様。
結局最後まで沖田の実力を認めるような発言はなかったが、その後沖田の結婚式直前にトーナメントで再会した時はまるで友人のような態度で接してくるなど、良くも悪くも単細胞馬鹿キャラであった。ってかアベルもそうだが誰だよお前はって位豹変してやがる。


  • ブラッド・オーウェン
マスターズ編のボス。オーウェン兄弟の兄。全英アマ選手権で優勝しマスターズの出場権を得る。陸上では走り幅跳びの選手。序盤はクレッグが存在感を出しすぎて空気だったが、冷静かつ堅実なゴルフでいつのまにか圧倒的トップに立っていた。飛距離は並だがアプローチ技術が神がかっており度々チップインバーディやイーグルで周りを絶望させてきた。アマチュアの経験不足ゆえ風を読みきれずスコアを落とすこともあったが、最終ホールまでトップを独走しその力を見せ付けた。
足首のケガで死に体寸前だった沖田がどうやってブラッドのスコアを超えるのかという状況だったが、この漫画の伝統である「トップ者は意味不明で理不尽な物理現象でスコアを叩き落される」ジンクスにもれなく嵌り、最終ホールで優勝を決めるチップインバーディショットが、カップに入ったのにいきなりスピンして2度飛び出して打った場所まで戻ってくる(書いててもわけわからん)という超現象の後パーセーブできずでトップから陥落する。
結婚式前に再開した時は、マスターズ時のたまに悪そうな笑みをこぼす以外ほとんど無表情だったブラッドが爽やかな笑顔で祝福しており、不気味兄弟揃って根はいい奴なんだと思わせるエピソードであった。


【その他】

作者

  • かざま鋭二
ベテラン漫画家。芝の一本一本にもわたる緻密な作画に定評があるが。原作者に振り回されている人。腹の出たオッサンの入浴シーンをよく描かされる。2022年10月2日にすい臓がんで死去。

  • 坂田信弘
みんな大好きプロゴルファーの皮を被った漫画原作者。登場人物を不幸にする達人。どこまで連載を引き伸ばすつもりなのか、そもそも終わらせる気があるのか不明。邪魔になった登場人物を退場させるのに手段は問わないことで有名。また定期的に読者をイラつかせる屑役を登場させるのが趣味。
主人公が余りに現実離れしていることで一部のマニアには有名なゴルフ漫画「天才伝説」の原作者でもある。「天才伝説」は単行本が入手困難なので2nd.geocities.jpを参照してください。
氏は元自衛隊員で、スパルタ教育を施す事で有名な「坂田ジュニアゴルフ塾」を主宰し、なんと古閑美保、上田桃子、笠りつ子、原江里菜など多数のプロゴルファーを生み出した天才指導者として著名である。


ポエム

毎回最後のページに綴られるどの層を狙っているのか分らない原作者の人生観。
赤兵衛や百年川柳と違って、読み飛ばしても全く一切問題ない。
五十以上の既刊を読破した上級者ならばそれっぽい文章を簡単に作ることが出来る。
最近は石倉の台詞がポエムにまぎれていたりする。

  • 「詳しく……」「説明して下さい。」「今、僕は冷静さを欠こうとしています。」
麗子が誘拐されたと聞いた時の台詞なのだが、無表情のままに同じ構図で段々とアップになりつつ吐いたこの3コマがコラ素材として一気に広がってしまい、漫画の存在以上に有名になってしまった。





人、別れるとき木々は泣く。
人、振り返るとき森は啼く。
「あのお方は、ただ前だけを向いてはりました。
振り向きもせず、泣くこともなく」
「でも、ワテには涙が見えました。泣かないあのお方の涙が」
風が吹き、森は啼いていた。
wiki篭り、26歳と8ヶ月の追記。
アニヲタ、28歳と9ヶ月の修正。

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最終更新:2024年03月09日 23:13

*1 1巻時は高卒初任給が4万円だったり、中島常幸がアマ時代の18歳位として描かれていた。設定的に大体1972年前後とされる。

*2 沖田の澄ましたように見える態度やDQNに遠慮のない発言が連中にとっては火に油を注ぐ様な言動となっているため。

*3 詳しい説明はなされていないが、無回転で精密なコントロールを可能にするらしい)を最大の武器とする。ドライバーを得意としつつもアイアンも得意(特に7番アイアンが終生の得意クラブらしい。

*4 ドライバーの罅に気づいたが、言えばせっかくの好調を崩すのではないか?試合終了までは保つのではないか?と悩んでいる内に打たれてしまった。

*5 とは言え実際の全英オープンでの日本人最高成績は1982年大会における倉本昌弘の4位であり、しかもマンデートーナメント経由で3位と言う成績を叩き出してるので図々しいどころかとんでもない実力と言わざるを得ない。あくまでキャディが優秀だったのもあるが。