パワー9(MtG)

登録日 :2009/05/27 (水) 21:37:35
更新日 : 2017/10/14 Sat 17:34:16
所要時間 :約 3 分で読めます




パワー9(パワーナイン、Power 9) は、Magic the Gatheringの黎明期とも言える、
アルファ・ベータ・アンリミテッド環境当時に存在した、 あまりに強大な力をもった9枚のカード の総称。


概要

Black Lotus (0)
アーティファクト
Black Lotusを生贄に捧げる:あなたのマナ・プールに、好きな色1色のマナ3点を加える。
Time Walk (1)(青)
ソーサリー
あなたはこのターンに続いて追加の1ターンを行う。
Timetwister (2)(青)
ソーサリー
各プレイヤーは、自分の墓地と手札を自分のライブラリーに加えて切り直す。その後、カードを7枚引く。
Ancestral Recall (青)
インスタント
プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーはカードを3枚引く。
Mox Pearl (0)
アーティファクト
T:あなたのマナプールに(白)を加える
Mox Sapphire (0)
アーティファクト
T:あなたのマナプールに(青)を加える
Mox Jet (0)
アーティファクト
T:あなたのマナプールに(黒)を加える
Mox Ruby (0)
アーティファクト
T:あなたのマナプールに(赤)を加える
Mox Emerald (0)
アーティファクト
T:あなたのマナプールに(緑)を加える

以上の9枚がパワー9と呼ばれるカードである。

このシンプルにして異常な効果を見よ。
9枚のうち6枚が0マナのマナ・アーティファクトであり、3枚がの呪文であり、いずれもレアリティはレア。
本来カードゲームにおいて存在するべきではない「どんなデッキにも投入可能」な壊れカードたちなのである。
青の呪文は簡単に投入出来ないように見えるが青マナ要求はどれも1マナだけな上に青マナを出せるMoxがあるのでやっぱり簡単にデッキに入る。

その次元の違うぶっ飛んだ強さゆえ、誰もが当たり前のようにデッキに投入し、
終いには「デッキに投入しないと勝てない・入れなければならない」という誤った(とは言えあながち間違いではないというのが恐ろしい)認識さえ生まれるほど。
現在はヴィンテージでのみ各種1枚ずつ使用可能で、他のフォーマットでは基本的に禁止カードかそもそも使用不可カード扱い。

また、取引価格もニアミント以上であれば非常に高額になり、プアのものですら取引対象となる。
ちなみに2017年3月現在、一番価値の低い「アンリミテッドのヘビープレイド9枚セット」(印刷枚数が多い+スリーブに入れてないとマークドで反則になるレベルのヨレヨレカード9枚)が 120万 である。
そしてこれらのカードはぶっ飛んだ効果に加えてこのような資産価値があるため、再録が 紙媒体では絶対にされない事が保証 されている。
その為今後もこれらのカードの値段は上昇していくと予想される。マジックでは「カードが欲しいならその時買え」とよく言われるのはこれが理由。

まさしく、マジック創世記の混沌の象徴たるカード群であると言えるだろう。

TBSの番組『東京フレンドパーク』のダーツの景品として、格闘家の佐竹雅昭(MtGフリーク)氏が
「アルファのジェムミントのパワー9全種」 (つまり「初期ロットの最美品」=最も価値の高いカード)を要求した。
だが番組が調べた結果、その合計金額は パジェロより高くなる ことが判明し、
結果、《Black Lotus》《Ancestral Recall》の二枚 (当時の価値で総額10万円。二枚で) で妥協した、しかもアルファジェムミントではないもので。
なお佐竹氏はこの放送でダーツを外し、結局後日コレクターから買ったとのこと。
念のため言っておくが、《Black Lotus》の「リミテッドエディション・アルファ、ニアミント」(初期ロット+パックから出てきたばかりくらいの美品+9枚の中で最高価値)1枚で120万が相場である。当時のレートでもアルファジェムミントなら、パワー9最安値の《Mox Emerald》でも20万は軽く越えてくる。
このクラスのカード9枚となれば、そりゃパジェロより高くなるのも納得出来るだろう。

これらは後のマジック界にも影響を与えており、多くのカード・デザインの基礎(と言っても、 反面教師 的な立場ではあるが)となり、また数多くの調整版・リメイク版の亜種も生まれた。
パワー9そのものも世界大会優勝者に送られる「盾」代わりのカードに選ばれる事がある。
なお大判カードで公式に使うことはできない(使えてもデカ過ぎて不便)なのでこれは再録禁止には抵触しない。

ぶっ壊れカードの多いTCGの歴史であるが、パワー9はTCG史上初のぶっ壊れカードであるといえるだろう。

Magic Onlineにおいては、Vintage Mastersにのみ特殊レアリティ「スペシャル」(53パックに1枚の確率)で収録されている。
再録に見えるが紙媒体では無いので別にルール違反ではない。そもそもこの環境にはこのセットが発売されるまでパワー9そのものが存在しなかった。
また年末年始などに開催される「キューブ・ドラフト」の大会ではこれらのカードも入ったキューブが作られ、運が良ければ使用できる。
大会が終わったら消滅するので資産になることは無いと判断したのだろう。データカードだからこそ出来る技である。



なおこの言葉は「高いパワーを持つカード上位9枚」の事では無く、マジック史においても重要な意味を持つ上記9枚に対する尊畏である。

出現から長い月日が経ち、カード・プールの拡大に従って、これらよりも高いパワーを持つカードも生まれつつある。

例えば《ヨーグモスの意志/Yawgmoth's Will》などがそうであるが、それらが上記9枚に取って代わったり、数が加わって新しく「パワー10」「パワー11」を名乗ったりする事は無い。
ただ厳密に言えばある1枚が黎明期のプレイヤーに特別に仲間入りを許されたため「パワー10」と言われる事はあるのだがそれはまた別の話。


あなたはこの1ターンに続いて追加の追記、修正を行う。

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