ワーム(仮面ライダーカブト)

登録日:2010/05/02 Sun 23:35:49
更新日:2024/01/24 Wed 23:28:40
所要時間:約 7 分で読めます





ワームは、特撮作品『仮面ライダーカブト』に登場する敵の総称。

概要

所謂怪人のポジションで、隕石の中から現れた地球外生命体。ようするに宇宙人

全てのワームは自分の容姿を他の誰かと同じものにする「擬態」と呼ばれる特殊能力を持つ。
擬態は容姿のみならず人格や能力や記憶、内部構造まで寸分違わず同じになるため、
ワームの姿に戻る瞬間を押さえること以外で見破ることは非常に難しい。
初期に加賀美が擬態を見破れるハンディカムを使用していたが、すぐになかったことになった。

内面まで完全に模倣することの弊害として、擬態した対象の記憶や人格に影響されたり、
極稀にだが擬態した人物の人格にワームとしての人格が乗っ取られてしまったケースが存在する。
この場合ワームとしての意識が存在しないあるいは希薄なためワームに敵対する場合もあるし、この状態の彼らを元の人間として受け入れる者達もいる。

実際のところ、(魂や霊が存在するという前提でなければ)記憶や人格を完全にコピーしているため同一の存在ともいえるし、
逆に基本的に擬態元を殺害しているため「記憶を奪い人格を模倣する唾棄すべき化け物」と断ずる感覚も間違いではない。

さて、この擬態能力の厄介な所は擬態したワームが犯罪を働いた場合、アリバイの証明がかなり難しい事にあり、劇中では大介が被害に遭っていた。しかし、この能力を利用すれば「ドラえもんがいっぱい」のような面倒事を押し付けるといった芸当も可能である。

また、共通の形態として「蛹態」が存在し、そこから「脱皮」する事により種類毎に外見の違う「成虫態」へと変貌する。


形態一覧


●蛹態

全てのワームの共通形態で、本作における戦闘員的な役割も兼ねる。
蛹とは言うものの、耐久性は比較的低く、数が少なければゼクトルーパーでも対応可能。
右腕に長く伸びた爪があり、攻撃にはもっぱらこれを使う。
この状態でも擬態能力を使える。
基本的に体色は緑だが、たまにクロックアップを視認できる白い蛹態も確認出来る。
色が違ったり形態に少し違いのあるワームはレアで、脱皮すればカッシスやウカの様な強力なワームになる確率が高いらしい。


●成虫態

各ワームの本来の姿と言える形態。
地球の虫や節足動物などの無脊椎動物に似た性質を持ち、外見にもそれが現れている。(基本は節足動物なのだが、カタツムリもいる為、「蟲」というカテゴリーをモチーフにしている事がわかる。)
そのためワームのモチーフは歴代ライダーでも珍しい生物が多い。
この状態になると、身体能力の強化に加え後述のクロックアップを多用し始めるため、対処は困難になる。
一応工場等大規模な建造物を消し飛ばす威力の爆破等の手段で倒せなくはないが、実質的にはまともに戦えるのはライダーのみ。
「記録上」加賀美拳銃で倒している。


主な能力


●脱皮

ワームが蛹態から成虫態に変化すること。
熱を発しているのか、体が赤く変色し蒸気まで出る。


クロックアップ

ワーム成虫態のみが使用可能な能力。
人間の肉眼では捉えきれない程の超スピードで移動する。
ライダーシステムは「タキオン粒子」と呼ばれる物を使用し、これを再現。


登場ワーム


アラクネアワーム

ライダーの最初の敵は蜘蛛モチーフの怪人の法則(?)に則り、蜘蛛のワーム。
赤と薄い青の「ルボア」、黄色と黒の「フラバス」、白黒の「ニグリティア」が確認されている。
同じ蜘蛛のワームには「ブラキペルマワーム」や「タランテスワーム」もいる。
腕から糸を伸ばす能力を持ち、集団戦が得意。


◆ランピリスワーム

蛍型ワーム。
警官殺しを目撃した女性に擬態して、濡れ衣を着せる卑劣な怪人だったが、天道の活躍で正体がバレた。武器は発光器官から放つ強力なフラッシュ。
この個体の存在によって「ワームは擬態元の姿だけでなく記憶をもコピーする」という事実が視聴者に明かされる事となった。
ちなみに女性役は一気にスピ-ド退治する警官で、彼氏は首を折られてそうな人かもしれない。
講談社キャラクター文庫『小説 仮面ライダーカブト』収録の後日談では別個体がミサキーヌに擬態して登場(本物は無事である模様)。


◆ベルクリケタスワーム

催眠音波や音速で飛ぶ能力、脚での対象の捕縛が得意なスズムシのワーム。
加賀美の弟を殺し、彼に擬態して心を弄ぶ卑劣なヤツ。
雨の中カブトと戦う戦闘シーンは必見。
モチーフはハカイダーとアルベルト・ハインリヒ。


◆エピラクナワーム

鉤爪と怪力を武器とした青いテントウムシのようなワーム。
口腔部から無数の触手を伸ばして対象の体液を啜る恐ろしい能力を持つ。


◆プレクスワーム

知っているか!このワームのモチーフはミミズではない。ノミだ!
射出できるトゲと跳躍力が自慢で、ZECT幹部の東省吾に化けて中枢を破壊しようとした頭脳派の怪人だという!


◆ベルバーワーム

髑髏のような頭部を持つウデムシのワーム。
同族のロタは被ったストッキングを引っ張られた時のような顔をしている。
発達した爪で垂直の壁を登る能力を持ち、口から溶解液を放って、敵を心臓発作に至らしめて殺す。


◆コレオプテラワーム

コガネムシ型。吸血能力と壁を攀じ登れる鉤爪を持つ。
クロセウス(金)、アージェンタム(銀)、アエネウス(銅)の三個体が確認されている。


◆ミュスカワーム

ヨロイバエ型。[[飛行能力]~を持ち、あらゆる物体を溶かしてしまう泡を吐き出す。
美人に化けていた為、カブトに倒された事を大介は納得がいかなかった様子。(彼は、ワームが倒される理屈そのものは理解している。)


◆セクティオワーム

カマキリ型ワーム。
青い目の通常種と赤い目のアクエレが確認されている。
鋭い鎌と口から吐くアルカノイドの毒泡が戦力。
通常種は麺を粗末に扱ったため、天道に説教されている。


◆フォルミカアルビュスワーム

シロアリの怪人。口から吐くギ酸で獲物をドロドロに溶かして食らい、近接戦では体が伸びるトゲで応戦する。
医師と飲み友達になり、彼に擬態しては代理で仕事を請け負っていた。
通常個体、オキュルス、マキシラの三体が確認されている。


◆ビエラワーム

バイオリンムシの怪人だが…どう見てもバイオリンムシには見えない。
バイオリンを弾く不気味な男に化けて、ゴンを襲った事のある怪人。
武器は体から伸びる触手。
低いバイオリンに似た音で鳴くが、モデルのバイオリンムシは鳴く事はない。


◆セパルチュラワーム

シデムシ型。硬い外骨格が発達した鉤爪と巨大なシールドが主な武装。
また、分解者のシデムシよろしく、顎が頑丈で鋼鉄も噛み砕く。
一応悪の怪人である事に違いないが、何故か悪人ばかりを襲う癖のある変な怪人。


◆タランテスワーム パープラ

二度目の蜘蛛ワーム。
工場に安置した卵を保護する任務を帯びており、背中から生えた脚を伸ばしての刺突攻撃が得意技。
最期は涙腺決壊必至。


◆ブラキペルマワーム

タランテスワームの配下であるクモ型ワーム。
個体毎に大きく姿が異なり、緑色のビリディス、オレンジ色のオーランタムが確認されている。


◆ジオフィリドワーム

ムカデ型のワームで、群れで行動する性質があり、渋谷隕石の欠片を持つ人間を襲っていた。合計6体が出現。
口から伸びる舌で獲物を砂に変える能力や腕に持った剣が戦力。


◆ジェノミアスワーム

アリジゴク型の成虫ワーム…ってアリジゴクはウスバカゲロウの幼虫じゃないか!
モチーフ通り、地面に潜る能力を持ち、すり鉢状の巣を作り出して獲物の体液を啜るという割とモチーフ通りな生態を持つ。


◆アキャリナワーム

ダニのワーム。口吻で獲物の体液を啜る。
近接戦では鉤爪、遠距離戦ではトゲを飛ばして来るオールラウンダー。
別個体であるアンバーは大介に化けてドレイクに変身したり、濡れ衣を着せたりと悪行三昧をやってのけた。


キュレックスワーム

がモチーフのワーム。
……だが、ライダーとの戦いはもっぱら料理勝負で、怪人態になったのは話の終盤。
おそらく彼も擬態元となった人間に意識を侵食されたものと思われる……
口腔で獲物の体液を吸い取り、左手の針を刺した相手にウイルスを注入して操る能力を設定上持っている。


◆フォリアタスワーム

コノハムシ型。
体を高速回転させて旋風を巻き起こし、瓦礫を飛ばして攻撃する能力を持つ。
こう書くとなんか強そうではあるが、戦闘力は低い。


◆キャマラスワーム

ウカワーム配下の青いエビ型ワーム。
鳴き声がやたら可愛いが、戦闘力は高く、鉤爪にエネルギーを集中させて放つ打撃が最大の武器でウンメイノーが流れている時にガタックを殺害した張本人。
ちなみに、サブストワームと人間体は全く同じである。


◆コキリアワーム

唯一の軟体生物系で、カタツムリがモチーフ。
口吻で獲物の体液を啜る能力を持ち、人間との共存を望むネイティブ「立川」を殺害した。
武器は腕から伸びる触手。


◆レプトーフィスワーム

(そうは見えないが)キリギリス型のワーム。
70mにも達するジャンプ力と殺人音波が戦力。
学園長と共謀して生徒を殺し成り代わっていた本作最高クラスの外道。
手を組んだ学園長が悪行三昧を棚に上げて開き直っている辺り、タチが悪い。


◆サブストワーム

文字通り、黄金のザリガニ。
劇中最後の通常ワームで、頑丈な外骨格に体が覆われ、エネルギーを溜めて撃ち出す光の矢が武器。
元ウカワームの配下で、ワームとしての使命を忘れた彼女を抹殺する任務を帯びている。
女性怪人なのだが、客演先では男性怪人として扱われている。


◆スコルピオワーム

坊っちゃまの真の姿である、サソリ型ワーム。
作中に登場するワームで唯一ライダーと同じモチーフ。
両腕のクローと辮髪のような毒針を備え、には対象を洗脳してしまえる効果を持ち、事実上のワームの王となった。
井上敏樹はこのワームのデザインを見て、神代剣=ワーム関連の設定を決めたとか。


◆ウカワーム

シオマネキ(片方の鋏がデカいあの蟹)のワーム。
あの天道総司ですらてこずる程の難敵。
硬い外骨格の持ち主で、右腕は鋼鉄を切り裂くハサミに変化させる事の出来る左手といった能力を持っている。声楽家である間宮麗奈に擬態しており、甲殻類系ワームを率いる。
ワームでは珍しく唇のモールドが施されている。


カッシスワーム

カブトガニのワーム。
倒されても強化再生して復活でき、その度にディミディウス→グラディウス→クリペウスと形態を変える。
ディミディウスは事実上時を止めているに近い高速移動技「フリーズ」を使い、ハイパークロックアップでさえ無効化した。
グラディウスでエネルギー還元吸収能力(主に必殺技返しに使用)を習得、クリペウスで遂に分身の術を身につけた。
人間体でも蛹ワームやガタックをいとも容易く破る。
その際のアクションが無茶苦茶かっこいい。
ぶっちゃけ能力が劣化していき(特に分身)、復活すればするほど弱くなることで有名。
強化再生とは一体……
「ゼックゥートノショクン!」


◆カンポノタスワーム

フォルミカアルビュスワームオキュルス/マキシラの色違いであるアリのワーム
超バトルDVDで登場したが、これといった能力は披露していない。
後に『ディケイド』でもクロアリ獣人の代役として登場した。


フィロキセラワーム

仮面ライダーディケイド』に登場したブドウネアブラムシに似たワーム。
本編に先駆けて『仮面ライダーG』のボスとして登場しており、主演の稲垣吾郎がワインに造詣が深いことから
ワインの原料となる葡萄最大の害虫であるブドウネアブラムシ・フィロキセラの怪人がチョイスされた…のだろう。
(『G』においてはワームは宇宙人ではなくショッカー怪人や仮面ライダーGと同じ改造人間という設定だが)


ネイティブ

本編中のワームと対立する別系統のワームで、劇中戦ってきたワームより前の1971年に地球に飛来した種。

ワームと何故対立関係にあったのか、本編終了後も未だに具体的な理由や経緯は明かされていない。
ネイティブはワームよりも暴力的な性質は多少低いが、その性質の違いが対立理由になったという訳でもなさそうではある。

蛹態の外見的特徴に巨大な角がある。
劇場版のワームはこちらの蛹態をしているが、何故その様な違いがあったのかは謎である。

ワームとは違って地球人類には友好的な態度で、地球への飛来後には敵対種であるワームに備える為に、
ZECTの結成やマスクドライダーシステムの共同開発などの事実上の同盟関係を結んでいた。
しかし、実際は一部の上層部の連中がZECTを乗っ取って地球の支配者になろうと企み、地球人類をネイティブにしようとした。
このように卑劣な思考を持つ種族だが、その一方で平穏な共存を望む個体も少なくなく、ワームよりはまだ人類との共存の可能性が高い種族ともいえる。

なお、地球の支配の方法が「人類を滅ぼして成り代わる」のではなく「人類をネイティブに変化させる」という方法だった理由は不明。
三島や影山の例を見るにネイティブ化しても個人の人格までは変えられないらしく、なおさらこの手法を選んだ意図が謎となっている。


ネイティブ成虫態


◆シシーラワーム

カゲロウをモチーフとした妖精のようなワーム。
とある人物の真の姿であるが…。


◆グリラスワーム

改造を受けてネイティブ化した三島正人が変身するコオロギ型ワーム。
両肩から伸びる爪と左腕の鉤爪が武器。また、装甲も非常に硬く、マキシマムハイパータイフーンを耐えた挙句、叩き折った。
小説版では装甲はヒヒイロノオオガネで出来ていると解説されている。
仮面ライダージオウ』ではネイティブ個体ではない通常種のワームが羽化した姿として登場。



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最終更新:2024年01月24日 23:28