シオン・アスタール

登録日:2010/06/27(日) 00:57:26
更新日:2021/08/20 Fri 12:02:26
所要時間:約 6 分で読めます




俺についてこい、ライナ。





出典:伝説の勇者の伝説、第1話より、2010年7月1日~2010年12月16日まで放映、ZEXCS、 伝勇伝製作委員会、
©2010 鏡貴也/伝勇伝製作委員会

鏡貴也のライトノベル伝説の勇者の伝説の登場人物。
スピンオフ作品「堕ちた黒い勇者の伝説」の主人公でもある。


CV:平川大輔(ドラマCD)/小野大輔(アニメ)


銀髪と金の瞳を持つ、容姿端麗な青年。十七歳。
明晰な頭脳と高い戦闘能力を持ち、その高いカリスマ性からローランド帝国王立軍事特殊学院の中でも人気が高い。

表面上は優等生を演じているが、気に入った相手や打ち解けた相手には年相応な面を見せる。

彼が、落ちこぼれ扱いされていたライナ・リュートに手を差し伸べた事から、この物語は始まる事になる。


以下、ネタバレ注意










実は、ローランド国王の妾腹の子。
母が庶民の出だった事から兄弟達に疎まれ、特殊学院に放り込まれたという経歴を持つ。

シオン自身は母に強い誇りを抱いており、その母を死に追いやった父王や兄弟に強い憤りを抱いている。
また、極めて貴族主義的で平民の生活を省みない国の体制そのものにも怒りを感じており、いずれ王となって国を変えるという野望を持っていた。

シオンがライナに目を付けたのは、彼の経歴や複写眼(アルファ・スティグマ)の事を事前の調査で知っていたからであり、
当初は「国に戦いを挑む為には、複写眼保持者のような化け物も御す必要がある」と考えたからであった。
しかしライナと付き合っていく内に彼自身に強く惹かれ、いつしかライナの能力ではなく、ライナ個人を必要とするようになっていく。

学徒兵として隣国エスタブールとの戦争に徴兵された際、シオンはライナ達を率い、一番安全な戦地に赴くはずだった。
しかし部隊員であるキファ・ノールズがスパイであった事を見抜けず、ライナとキファ以外の仲間を失ってしまう。
その際、ライナが「瞳」を暴走させて精鋭部隊である魔法騎士を葬り、ローランドを勝利に導くが、
「複写眼という怪物を国の英雄にする訳にはいかない」という理由から、その功績は全てシオンのものとなる。

その戦果を利用して軍部の中で伸し上がり、フェリス・エリスルシル・エリスという強い味方を手に入れた事で王座へと上り詰めた。

そして二年後、投獄されていたライナが獄中で書いた「勇者の遺物」についてのレポートに興味を持ち、
お目付け役のフェリスと共にライナを「遺物」探索の旅に(強制的に)向かわせたのだった。


王となってからは、今まで悪政を敷いていた貴族達を追放、
貴族主義体制を改善し、その手腕とカリスマ性から「英雄王」として絶大な人気を得ている。
軍部出身である事から軍人の人気も高く、国内で彼に心酔している人間は多い。

シオン自身も表面上は「英雄王」を演じているが、ライナやフェリスの前では素の性格が表れ、
二人に意味もなく嫌がらせを仕掛けるシオン・アホターレ王(ライナ評)となる。
しかし素の自分でいられる時間が非常に貴重である事から、ライナには深い感謝の念を抱いている。

また当然王なので女性にモテる。
が、本人は女性関係にあまり興味がなく、世継ぎの問題も後回しにしてしまっている事から、
一部では「実は男色家なのでは……」という不名誉な噂(フェリス、ライナ発)が出回っていたりする。
ちなみに、初めての恋人は兄にレイプされた上に殺された
後に殺されるが、自業自得である。

国内外を問わず話題の王ではあるのだが、物語が進むと同時、徐々に彼は豹変していく事になる……。


以下、大伝勇伝のネタバレ注意










ローランドの王族は、かつて人を産み出した存在『女神』を大量に殺した、
堕ちて狂った勇者』アスルード・ローランドが創った『人間α』の血を引いており、
王座に就けばその狂気に侵され、狂うという運命がある。
その為、王座に就く以前は温厚な人物であっても、王座に就いた途端に人の命を省みない狂気の存在に変わってしまう。
代々のローランド王があまりにも非人道的であったのはこの為。

正確に言えば、王となるにはエリス家に封じられている「勇者」アスルードの存在に触れる事が不可欠の条件であり、
殆どの王はそのあまりに異質な存在に触れる事で狂ってしまうのである。

戦争で英雄となったシオンはルシルに導かれてアスルードに触れるが、
その強い器と意志の為に、歴代ローランド王の中で初めてアスルードを取り込む事に成功した。
しかし同時に勇者の呪い(聖呪)を受け、常にその苦痛と戦っている。
勇者の影響で人格分裂を引き起こしかけており、『勇者』の人格がシオンの知らない間に謀略を張り巡らす事もあった。
が、現在は逆にその存在を喰らい始めている。


かつて『勇者』は『女神』によって『人間』という魔法で呪われ、追放された。
しかし追放された地で『全ての式』という『悪魔』に出会う。
『悪魔』は初めての友達となった『勇者』の為に、自らを『全ての式を解く者』と、
『全ての式を編む者』に引き裂き、『人間』を打ち破る為の魔法『人間α』を作成する為に『編む者』を、
『勇者』が手に入れた『何か』の苦痛を肩代わりする為に『解く者』を差し出した。

アスルードを取り込んだシオンが支配した人間は、『人間α』にその存在を書き替えられる。
つまり、ローランドの支配領域が広がれば広がる程にシオンの力は増していき、やがては誰も止められない存在へと成長していく。

シオンが物語中盤で突如豹変し、各国に侵略を開始したのは世界を支配し、狂わせる『女神』達を本格的に滅ぼす力を得る為。
本来ならば『全ての式を解く者』である『寂しがり(ライナ)』を喰らう事で『真』となるのが手っ取り早いのだが、
シオンには親友であるライナを永遠の地獄に落とす事は出来ず、彼の逃亡を許す事になった。

純粋な戦闘力という面では、当然ながらライナやフェリスに遠く及ばない。
しかしローランドとエスタブール国民を『人間α』に変えた事で、勇者の力たる『剣』を扱えるようになっている。
この『剣』で貫かれた物はその存在を失い、「最初から存在しなかった物」になるという反則武器。
ライナはこの『剣』によって、自らの得意魔法「稲光」をこの世から消される事となった。

現在は『女神』達やその使いを滅ぼしながら北上を続けており、南大陸を完全に制圧した大ローランド帝国の戦力を中央大陸に向けている。
しかしレムルス帝国の攻撃に遇い、「神の子」を名乗る、
レムルス・レムルド・アークエドの手によって自らの護衛であったルシルと引き離されるという危機に陥った。


『女神』や『勇者』の存在は知っているが、未だアスルードと完全な融合は果たしていない為、
それらを創った『司祭』という謎の存在やレムルドの事は良く分かっていない。
また、突如「悪魔王」と名乗って建国したライナの真意を計りかねている。




「俺がやってやるよ、ライナ。俺が、かつてお前が望んだ世界を作ってやる。だから……俺についてこい、ライナ」

「知るか。俺の命令を聞かなきゃ死刑だ」

「お、俺は今ここで人を殺してしまうかもしれない……だが、やめる訳には行かない。行かないんだ」

「愚痴があるなら言えよ。泣きたいなら泣けばいいだろうが。それとも何だ?
悩みを話せないくらい、俺らは何でもない他人なのか? 親友じゃ……なかったのか?」

「いやまぁ、十日くらいは寝なくても全然平気……」

「……ごめん、ライナ……約束を守れなくて……ごめん……」

「もし戻れるなら ……もしも戻って、そしてなにもかもを取りもどせるのなら……ライナや 、
 フェリスと過ごしたあの日々を取りもどせるのならきっと、この命さえ惜しくないのに……」

「喰ってくれれば、ずっと一緒だ。二人で世界をなんとかしよう 」
「ライナ、じゃあな 。もし次生まれ変われたら、また友達だ」

「知ってる。俺が好きなんだろ? 」

「俺らなら、やれる。そうだろ、ライナ 」




いやぁ、もし追記・修正に失敗したら……っておいおい、俺にそんな怖い事言わせるなよ……。

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最終更新:2021年08月20日 12:02