劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲

登録日 :2009/06/06(土) 00:34:14
更新日 : 2017/08/08 Tue 19:51:30
所要時間 :約 12 分で読めます




―――此処は何処だ? 私は誰だ?



誰が生めと頼んだ?

誰が造ってくれと願った?


私は私を生んだ全てを恨む。



だからこれは攻撃でもなく宣戦布告でもなく


私を生み出したお前達への――――――






逆襲だ。











1998年7月に公開されたアニメ映画。
今では恒例になった、一年に一度公開されているポケモン映画の記念すべき第一作。
同時上映は「ピカチュウのなつやすみ」。

アニメ本編でも同時期にプロテクターを纏ったミュウツーが出る等、リンクしている。ただしポリゴンショックの影響で時系列にズレが生じた。
(本当はアニメ60~63話→映画→我ココのハズだが映画公開→アニメ→我ココになった)

テーマは『己の存在意義』

国内の観客動員数は650万人を記録し、国内興収は75.4億円、配給収入は41.5億円を記録した。
また、本作は全世界で公開されており、1999年にアメリカで『Pokemon The First Movie』として全米約3000の映画館で公開。
興行収入8000万ドルを記録し、日本映画初の週間興行ランキング初登場第1位という快挙を成し遂げた。

プロローグを加えた完全版が出ており、DVDには完全版が収録されている。
エピローグとしてTVスペシャル『ミュウツー!我ハココニ在リ』がある。

映画で語られなかった設定は『サウンドピクチャーボックス ミュウツーの誕生』で明らかとなっている。


◆ストーリー


とある研究所で遺伝子工学を用いて新たなポケモンが造られた。
幻のポケモン“ミュウ”の遺伝子から造られたそれは“ミュウツー”と名付けられる。
彼は人工的に造られたという不純な生い立ちから己の存在意義を見いだせずに苦しんでいた。
そして研究者への裏切りをきっかけに、ポケモンを統御するシステムへの反発や自分を利用する為だけに生み出した人間達への憎しみから、
「人類への逆襲」 を開始する。

旅を続けるサトシ達は“最強のポケモントレーナー”という差出人からポケモン城への招待状を受け取る。


それが悲しき逆襲劇の始まりとは知らずに…


◆主な登場人物


サトシ
(CV:松本梨香)
ご存じ主人公。
海賊風トレーナーに勝利したことで目をつけられ、「将来有望なポケモントレーナー」として“最強のポケモントレーナー”からポケモン城への招待を受ける。
序盤から漢全開だが、ラストの漢っぷりは泣ける。
ピジョンはその時点で手持ちにいるはずだが本編には登場しない。(短編には出るが)

カスミ
(CV:飯塚雅弓)
俺達のマーメイド。

タケシ
(CV:上田祐司(現うえだゆうじ))
ぱっとしない元ジムリーダー

ジョーイ
(CV:白石文子)
ミュウツーに拉致られて調教され、ナースからメイドにジョブチェンジ。

ロケット団
ムサシ (CV:林原めぐみ)、 コジロウ (CV:三木眞一郎)、 ニャース (CV:犬山犬子)のいつもの3人組。サトシ達を追ってポケモン城へ潜入する。

ウミオ
(CV:高木渉)
ポケモン城に招待されたトレーナーの1人。サトシ達を除けば一番熱血。
水タイプの使い手のピザ。手持ちはギャラドスニドクインドククラゲシャワーズ

ソラオ
(CV:古谷徹)
ポケモン城に招待されたトレーナーの1人。自然系の使い手。
手持ちはフシギバナ(NN バーナード)、ピジョットストライクサワムラーサンドパン、サイホーン。
13年後にはイッシュ地方のジムリーダーに転身した。

スイート
(CV:佐藤藍子)
ポケモン城に招待されたトレーナーの1人。ファンシー系の使い手。ネーミングセンスが酷い。
手持ちはカメックス(NN クスクス)、キュウコンジュゴンプクリンギャロップラフレシア

ボイジャー
(CV:小林幸子)
波止場を仕切っている港育ちのラスボス

海賊風トレーナー
(CV:レイモンド・ジョンソン)
冒頭でサトシと戦ったトレーナー。手持ちはドンファンカイリキー等。
ドンファンは後に発売された金銀バージョンで新登場するポケモンの中の一体で、
公開時には全く知られていなかった為に「あのポケモンは何だ?」と疑問を持った人が多かった。

因みに、彼はゴローニャを繰り出したりもしたが、ピカチュウの10万ボルトによって倒された。


◆主な登場ポケモン


ピカチュウ
(CV:大谷育江)
我らがマスコット。
ラストのサトシに対する電撃は涙無しには見られない。

トゲピー
(CV:こおろぎさとみ)
チョッゲップリィィィィィ!!!!!!

コピーポケモン
黒いモンスターボールで捕獲したポケモン達の遺伝子を元に作り出された存在。
オリジナルより技の性能は洗練されているが、身体スペックはほぼ互角で、最後は彼らと純粋な肉弾戦による死闘を繰り広げる。

コピー初代御三家
最初に登場したコピーポケモン達。それぞれ謎の文様が浮かんでいる。
それぞれ恐るべき戦闘力を発揮し、ソラオのバーナード、スイートのクスクス、サトシのリザードンを圧倒した。どういうわけだか前述のコピーポケモン同様に御三家と死闘を繰り広げる。

コピーピカチュウ
(CV:林原めぐみ)
オリジナル(サトシのピカチュウ)とは耳や尻尾が微妙に違う。
(何故か)戦いを拒むオリジナルを一方的に叩き続けるが、最後は共に崩れ落ちる…

ミュウ
(CV:山寺宏一)
元祖幻のポケモン
ミュウツーの気配を察知してポケモン城に姿を現す。
犯罪的に可愛いが、

  • 殺気立ってるミュウツーの目の前でシャボン玉クッションと戯れる
  • サイコウェーブが直撃したのに、何もなかったかのように反撃
  • 戦闘力が大幅に増強されている筈のミュウツーと互角に渡り合う

等、恐ろしい。
脚本の首藤氏によると、ミュウもまた自分のコピーであるミュウツーを許せず、だからこそ嘲笑うように飛び回り、戦ったということらしい。(映画本編で書けよ……)
また、意外にも知られていなかったが声優は山寺宏一で山ちゃんはこれ以降のポケモン映画全てにゲスト出演しおり、
2008年時「同一シリーズで、もっとも多く違う役で出演した人」としてギネスにも乗った。

ミュウツー
(CV:市村正親)
ミュウのマツ毛から取り出した遺伝子を元に造り出されたポケモン。
マッドサイエンティストのフジ博士が生み出した。
己の存在意義に悩み、自問自答を繰り返した末に自分を生み出した人類への逆襲を画策する。
非常に強力な超能力を持ち、人の心や天候、小島程度の規模なら空間すらも支配することが可能。
また非常に高度な知能を持ち、コピーポケモン製造機や他人のポケモンを無理矢理ゲットする黒いモンスターボールを作り上げた。
テレパシーで人と対話することもできる。

ゲーム設定と同じく攻撃的ではあるが、これは人類への憎悪からきているものであり、ただ単に凶暴という訳ではない。
哀しい過去と高度な悩み等から、どこか虚無的な雰囲気を漂わせている。

以前はサカキの下にいたこともあり、シゲルをはじめとする数多くのトレーナー達を葬っていた。
この時の制御用プロテクターを装着した姿は格好いい。
このプロテクターはポケスペ5章でオマージュされている。

最後はサトシとポケモン達との絆に心打たれ、自ら憎しみを断ち切る。

その後、その場にいた人々から自分達に関する記憶を消し、コピーポケモン達と共に新天地を求めて旅立った。




※余談だがこの映画中にミュウツーは黒い塊を飛ばす技を頻繁に使用しているが、この攻撃に該当する技は当時ゲーム内に存在しなかった事から議論を呼んだ。
後にスマブラ等から金銀の新技「シャドーボール」と思われた…が、
ビデオ版『ミュウツーの逆襲完全版』に付属している設定資料によると、上記の技は「サイコウェーブ」であると記されている。


※さらに余談だが、テレビ放映中の本編ではポケモンリーグにすら到達していないのに、
海賊トレーナーがサトシをセキエイ大会ベスト16のトレーナーと知って勝負を吹っかけている。
また、数ヶ月後のテレビアニメ本編ではトキワジムでシゲルのポケモンががミュウツーにフルボッコにされたり、
ミュウツーがサカキの研究所を破壊して脱走する場面が描かれている。

当初予定ではテレビ本編でサトシやシゲルの視点からミュウツーを描き、
本編では明らかにされなかったサカキやミュウツーの視点は映画館で見られると言う仕組みであった。
映画の中でシゲルの後ろ姿がチラッと出ているのはこのため。
ポケモンリーグのストーリーが終わった頃に知られざる舞台裏を語るつもりだったようだ。
しかしポケモンショックが原因で放送日程が5か月もズレてしまい、
本編と映画を連動させてストーリーを描くと言う計画は台無しになってしまった。
以後、アニポケでは放映日程の変更に柔軟な対応が出来るよう、映画は殆ど本編と連動しないストーリー構成となっている。

主題歌は小林幸子の『風といっしょに
まさに神曲。EDで流れた際は多くの観客の涙腺を破壊した。
現在では廃盤となっているが、いまだに根強い人気を持ち、コンピレーション・アルバム等で収録されることも多い。





「僕の目から何かが…これは?」

『涙』

「涙?」

『生き物は身体が痛いとき以外は涙を流さないって。悲しみで涙を流すのは人間だけだって』


『ありがとう』

「え?」

『ありがとう。あなたの涙。でも泣かないで。あなたは生きてるの。生きているって、ね、きっと楽しいことなんだから』


「あ…」

「…アイ、止まらないよ、涙。どうしたら…」







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