シリウス(爆ボンバーマン)

登録日:2011/09/22 (木) 18:57:21
更新日:2023/08/17 Thu 13:23:36
所要時間:約 6 分で読めます





君は、ヤツらを倒しに行く気なのか?ならば、いい事を教えてやろう。ヤツラには恨みがあってね。

あの中央の基地へは、直接侵入しようとしてもバリアが阻んで、近づけないようになっている。

だが、基地に繋がる4本のアンカーを破壊してバリアを解除できれば、基地に潜入し内部から破壊することも可能だろう。

もっとも、これを君1人でやるのは無理だろう。私も協力してやるよ。


シリウスとは、NINTENDO64用ソフト『爆ボンバーマン』に登場するキャラクター。

CV:宮林康


白い鎧に身を包んだ謎の人物。
星の力を無尽蔵に吸収し、自身の絶対的な力に変換する宇宙石(コズミックキューブ)を手に、ボンバー星を侵略しにきたアルタイル
シリウスは彼に対して恨みを持っているらしく、「共にアルタイルを倒そう」とボンバーマンに協力を求めてくる。

上から目線で冷淡な物言いをすることもあるが、それも後述する彼自身の厳しい境遇故か。
しかし、口調はともかく本編では情報面・戦闘面の両方でボンバーマンをサポートしてくれる心強い味方である。

序盤ではまだ敵の正体や戦況を良く把握していないボンバーマン(とプレイヤー)に対して、
アルタイル一派が世界征服を企んでいることや、そのためのアイテムである宇宙石の性質について説明してくれる。
過去の因縁からか、アルタイルにとって星の住民を虐殺するのは「手についたホコリを取るのと同じ」であることや、
彼自身は宇宙石を完全に使いこなせてはいないために星のエネルギーを吸収していることなど、その内情に詳しい。

それ以降もゲーム中では基本操作やそのステージに関するヒントをくれるほか、巨大ボス戦前にはリモコンボムを渡してくれる。
だが、グリーンガーデンのステージ2では、腕試しの為に自ら戦いを挑んでくる。

そして、上記にあるアルタイルに対する恨みについての話は、とあるステージで聞ける。


フン、私の事について知りたいのか?

そうだな・・・私のいた星は、以前アルタイルによって、壊滅させられた。

私も何度かは、ヤツに戦いを挑んだのだが、全く歯が立たなかったのだ。挙句の果てに、ヤツに弟や妹達を殺され・・

それからだ、ヤツを倒しこの宇宙に平和を取り戻す事が出来る勇者を、私が捜し始めたのは。そして、君に出会った・・・

私が君に協力するのは、宇宙を救うといった崇高な使命感からじゃない。単に恨みを晴らして欲しいからなんだ。君には迷惑かもしれないがね。


この話を聞いたプレイヤーは、「必ずアルタイルを倒してやる!」と決意を固めたことだろう。

そして見事ラスボスのアルタイルを倒すも、トドメを刺す前に部下のレグルスに救出され逃亡。
シリウスは撤退するブラックシティからボンバーマンを脱出させる。


よくやった、ボンバーマン。アルタイルには逃げられてしまったがそれはそれで、まあ仕方あるまい。

正直なところ、君には少し失望したがね。君とは、もう2度と会うこともあるまい。元気に暮らしていきたまえ。


やはり家族の仇であるアルタイルを倒せなかったことには落胆したようだ。
そして、その言葉を最後にシリウスは何処かへ飛び去っていった……

追記・修正はゴールドカードを100枚集めてからお願いします。










以下ネタバレ















全て集めると何かが起こると言われる「ゴールドカード」。それを100枚集めてから再びアルタイルを撃破すると……


覚えておけ!

と捨て台詞を吐き、手下のレグルスの肩を借りて逃亡しようとする。
その時……


はっ!


突如シリウスが現れ、アルタイル達を叩き落とした。崖へ落ちていくレグルス。
シリウスが助けに来てくれた!

しかし彼はアルタイルが落とした宇宙石を拾い上げると力を吸収。
そして彼の口から出た言葉は……


久しぶりだな、アルタイル。

貴様が私から掠め盗っていった宇宙石は返してもらった。

これは、その礼だ!!」


シリウスはアルタイルを蹴り上げると、極太のレーザーで跡形も無く消滅させる。


ボンバーマン、君は私の予想以上に役に立ってくれた、感謝してやろう。失ってた力も取り戻すことができたしな。


なんと宇宙石は元々彼の物だったのである。その昔、アルタイル達が四人掛かりで襲って盗んでいったらしい。
なんだか腑に落ちないが……礼でも言って帰るんだろう。
なんかBGMが怪しいが、これが真のエンディングなんだな……と思う。
しかし


これさえ取り戻せば、私に怖い者などない。間抜けな嘘をついてまで、君を助けてきた甲斐があったというものだ。

もっとも君が用済みになった今、君のような下等なヤツが、存在すると思うだけで不愉快だ。

ボンバー星共々、消し去ってやるよ。


などと、とんでもない理由でボンバーマンを裏切り惑星ごと滅ぼす事を宣言。
「間抜けな嘘」とは、弟や妹が殺されたくだり、あるいはその存在、いやはたまた母星を滅ぼされたのは嘘だったということか。
そして彼は自身の拠点「レインボーパレス」に引き篭もる。

やっとの思いでゴールドカードコンプリート、だが裏切られるという……
これまでのやりとりをきっちり踏まえ、なおかつそれらに同情したプレイヤーの感情を丁寧に踏み潰しにかかる一連のセリフは、シリウスが敵対することを仮に知っていたとしても初見にはかなり衝撃的。

ゴールドカードを集め切れなかったエンディングでの「君には少し失望した」も、宇宙石を奪っていったアルタイルを取り逃がす程度の、利用するに値しないという文字通りの意味であり、だからこそ奪還に成功した場合の「予想以上に役に立ってくれた」という発言もそういうことである。


もちろん、その後は一切ボンバーマンに協力をしてくれない。
ボス戦でのリモコンはあらかじめ設置された状態になり、各ステージにいたシリウスは、全てコピーロボットに成り代わる。


シリウス様ニ逆ラウダケ無駄ナ事ダ。オトナシク諦メルガイイ


自分のコピーロボに自分を様付けで呼ばせるシリウスさんマジナルシスト。
そして、そんなシリウスをぶっ飛ばす為、レインボーパレスにボンバーマンは乗り込むのだが……

そのステージがムズイ。難しすぎるのだ


ボンバーマンはジャンプというアクションを標準では行なえない。
そのうえで、ジャンプすることを前提にしたとしか思えない地形ばかりで構成されている。

ステージ1では複雑なボムジャンプを要求され、ミスすれば即死の上空ステージ。
ステージ3はクリア目的なら即死こそしないが、更に複雑なボムジャンプを要求される。

ゴールドカード100枚ゲットおめでとう! 凄い腕前なんですね! じゃあこれぐらいは突破できますよね?
と言わんばかりの設計であり、これまでのステージと決定的に違うのはただゴールするだけでも従来のステージで言うところのゴールドカードを取るに匹敵する高等テクニックを、当たり前のように要求してくる。

シリウスの思念が生み出した中ボス「マスター」も彼の悪意が凝縮された、文字通り創造主の象徴とも言うべき存在。
見下した態度や逃げ回りながらカードを投げる戦法、隠された弱点、時折ばら撒くアイテム等は彼が実際に取った行動を彷彿させる。

門番であるマスターを打ち破り鬼畜なステージを突破すると、ついにシリウスとの最終決戦となる。

最初は彼が宇宙石で作りだした宇宙空間で戦う。
ボムと空を飛びながら爆撃攻撃を仕掛けてくるが、回避は容易。
また、この時シリウスに攻撃しても「無駄だ」と言われ、一切通じない。

だが効かなくてもチクチク攻撃し続けると(ある方法で場外アウトさせる事も可能)、痺れを切らしたのかアルタイルを葬り去った極太レーザーでボンバーマンを消そうとする。

しかしその時、突如レグルスが乱入。
シリウスを弾き飛ばし宇宙石をで破壊する。
てか宇宙石脆くね?


き きさまああっ!!


ハッ、ザマァネエナ!

おい!ボン!手前ェとの決着は、後だ! まずは、そいつをぶっ倒すぞ!


レグルスは一度ボンバーマンに敗北し、彼をライバルとして認めていた。

自身の手でボンバーマンを倒す為にはここで死なせる訳にはいかないと考え、このような行動を取ったのだ。 
この一連の展開はかなり熱い。

そしてレグルスと協力し、2回戦目に突入。
超高速移動しながらの最大火力のボムと極太レーザーで攻撃してくる。
極太レーザーと高速移動中は無敵な為、なかなかに厄介。

そして先程かっこよく登場したレグルスは、戦闘中かなりアホの子になっている。
同じ所を行ったりきたりしたり……
自分から爆風&レーザーに突っ込んだり……
ぶっちゃけ役立たず
ただしこれは徒手空拳のこだわりを捨て、捨て身でシリウスを攻撃する演出なので仕方がないだろう。

…というより、レグルスのアルゴリズム自体は前と同じでシリウスの軸に合わせて一定距離を保ちながらのボムキックが主体となっている。
シリウスの動きもハウトと同じでボンバーマンを追いかけてくるので、レグルスから離れるように動けば上手い具合に挟み撃ちにすることもできる。
ライフもシリウスよりも多く攻撃をある程度肩代わりしてくれる為、全くのでくのぼうというわけではない。
両者の動きを理解するプレイヤー(もしくは意図セずとも「逃げ」の戦法を取ったプレイヤー)には「意外と役に立った」「重要なダメージソース」と評されることもあるため、役立たずと切って捨てるには惜しい存在である。

だが彼が戦闘不能になるとゴールドカードが手に入らない。カード狙いのプレイヤーは死なせる訳にはいかない為、なお困ることに。
ハートを投げるとそちらの方に移動する事を覚えておきたい。

そしてレグルスと協力(笑)してシリウスを打ち破ると、彼は絶叫をあげながら爆散。
ボンバーマンはレグルスに連れられ、落下するレインボーパレスから脱出した。


以前、オレたち4人がかりでさえヤツからは宇宙石を奪うのが精一杯だったってぇのに・・・

そいつを倒すとはな・・・たいしたヤツだぜ。お前の強さは、認めてやるよ。もっとも、気に入らねぇのは変わらねぇけどな!

お前との決着は、いつか必ずつけてやる。それまで、誰にも負けるんじゃねぇぞ!それじゃ、あばよ!!


再戦を誓うと彼は飛び去っていった。


これが真のエンディング。
ゴールドカードを揃えずにクリアすると見れるエンディング(いわゆるノーマルエンド)は、判りづらいが実はバッドエンディングなのだ。
バッドエンディングでの「君とはもう2度と会うこともあるまい」の台詞も実は続編に出させないための台詞だったのである。

こうして続編の爆ボンバーマン2にキッチリ繋がる事になる。

ちなみに、アルタイルと戦うステージの名前は「VSアルタイル」と、レグルス達と同フォーマットになっている。
一方、真のラスボスであるシリウスと戦う時のステージ名は「ファイナルバトル!」である。

だが、今までクールな味方キャラだと思っていたシリウスが敵だと気付くのは難しいだろう。
何せ黒と紫という如何にも「悪役」らしいカラーリングのアルタイルに対し、白と青というヒロイックなカラーリングも無意識にプレイヤーに「シリウス=味方」と思わせるのに一役買っているのだ。
ステージ中でついた嘘の出来もなかなかのものであると言えよう。

しかし、全てを理解した上で改めて作中の彼のセリフを見直してみると、

「初対面、以降もアルタイル一派討伐を依頼するはずのボンバーマンに対しての上から目線」
「家族の仇であり、自分が敵わないはずのアルタイルを無能呼ばわりして見下している」
「敵の基地内部の構造や所有アイテムの宇宙石についてやけに詳しい」
「アルタイルが星の住人達を虐殺するのは『手についたホコリをとるのと同じようなこと』と、淡々と語る」

と、彼の本性である冷淡な性格やアルタイル一派と繋がりがあることを仄めかす内容となっており、
微妙な伏線が張られていたことが分かる。
真実が明かされてみればアルタイルは4人がかりでもシリウスから宇宙石を奪うのが精一杯で、
宇宙石を本来の所有者であるシリウスのように使いこなすこともできてはいないのだから見下すのも当然だろう。

だが結局シリウスも一言多かったが為に、彼の言う所の“下等生物”に滅ぼされた訳だ。

素直に礼を言って帰れば良かったのに……
口は災いの元である。

また、バッドエンディングでのラストシーンも鋭いプレイヤーは気づくであろう仕込みであり、
レインボーパレスの全景が映るシーンから始まり、暗闇の中をシリウスが飛来してきて、
この時点では飛行機能しか使っていないはずである両脇のユニットをなぜかこちらに向け、
ここまでの劇中では一度も開かなかった肩部分が開いたと思うと、
こちらへ向かって照射してくる(攻撃してくる=敵である)瞬間でムービーが停止し、メーカークレジットで〆られる。


そして爆ボンバーマン発売から25年後…まさかのボンバーガールに登場。
と言っても本人ではなくモチーフとなった「プラチナ」としてであるが、まぁなんというか見事に女体化したシリウスとでも言うべき存在で、公式SNSにて公開された設定画にも「※プラチナは爆ボンバーマンのシリウスをモチーフとしたキャラクターです」と書き添えられている。
今更隠す必要もないためか筐体デモでは『欺きと裏切りのボンバーガール』と紹介されている。
一見友好的に見えてどこか上から目線だったり、他のガールより上と宣ったり
また「正直なところキミには少し期待しているよ…」と言う風に台詞もパロディ全開である。武器も極太レーザーっぽいボムだし。
…なのだが撃破時に「貴様ぁぁああ!!」とやたら連呼する。 バグで時間停止AVみたいな状態になる。字が全ガールの中で一番下手くそ。(アカデミア所属のキャラは基本下手くそだが、プラチナは特にやばい)通称ペラチメ
インナーを見られて狼狽する。手をつなぐと赤ん坊が出来ると言い出す…等、稼働当初からポンコツ疑惑が出ている。



追記・修正はゴールドカードを120枚集めてからお願いします。

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最終更新:2023年08月17日 13:23