エレンディラ・ザ・クリムゾンネイル

登録日: 2012/04/26(木) 05:32:40
更新日:2023/02/02 Thu 17:20:27
所要時間:約 6 分で読めます





今の私はくだらないイザコザを見過ごす気分じゃないの

慈悲なく 容赦なく 満遍なく



えぐるわよ?




No.13
エレンディラ・ザ・クリムゾンネイル


漫画『トライガン』の続編、『トライガン・マキシマム』の途中から登場する人物。

概要

ナイヴズ率いる殺戮集団GUNG-HO-GUNSの一人にして、存在しないはずの十三人目(ロストナンバー)

戦局が重要なシーンに移行してからその存在が明かされる、言わばナイブズ陣営の隠し札。後付けと言ってはならない。
この特殊性からGUNG-HO-GUNS統率者であるレガート・ブルーサマーズの指揮下には入っておらず、レガートがヴァッシュに持ちかけた“ゲーム”とも無関係。
当然、レガートが他のメンバーに1枚ずつ持たせた計12枚のコインも持っていない。


見た目は細身のスタイルを備えた、金髪ロングで美形のオカm……もとい女性。
おどけた風な女性的言動に同居する超然とした態度、それを後押しする圧倒的戦闘力などから、涼やかでいながら強力な存在感を漂わせる人物である。

人物

各々が様々な思惑で動くGUNG-HO-GUNSにおいて、彼女(と記述する)は純粋にナイブズに尽くす数少ない人間。
「忠誠心で自分とタメを張るのはレガートくらい」とまで語るが、かといってレガートと仲が良いというわけではない。
むしろ実際は逆で、ただ一人“ナンバーを課されていない”彼に対し嫉妬の念を覗かせる事もある。
ナイブズへの向き合い方も二人の間では違いがあり、レガートが激しい狂信を撒き散らすのに対し、彼女は冷静かつ淡々とした信奉を表明する……といった風。

しかし彼女自身の精神もまともとは言い難く、人間の根絶を目論むナイブズに従う=自身もいつか殺される』という終末を楽しげに待ちわびる姿がそれを感じさせる。


能力

戦闘時の武装は、太く巨大な釘を無制限に高速射出する謎兵器。飛び道具のためパイルバンカーよりはネイルガンに近く、恐らくはこれが『クリムゾンネイル』の由来かと思われる。
形状がアタッシュケース型(側面に空いた穴から釘を撃ち出す)な辺り、ちょっとどころではないロマン成分も含む。一体どこに弾が入ってるんだとか気にしてはいけない。
弓の引き絞るの強さで弾速、威力が変わるが分厚い壁すら簡単にぶち破る程度は当然で最大に引き絞るとも外宇宙、他銀河に進出する技術力のロストテクノロジーのミサイルはおろか、宇宙戦闘機を粉砕するもの余裕。
ちなみに作中のサイボーグたちの装甲もその宇宙船の船体の技術を応用したもので、その船体に劣るがそれに近い強度で地球時代のどの兵器も遥かに超える。※
奥の手はケースの外装をパージすることで通常時に最大以上に弦を引き絞り弾速、威力の限界を突破させる。


上記の武装を扱う彼女自身の実力は、『ミカエルの瞳』(ウルフウッドリヴィオラズロ)の連中も真っ青な人外レベル。
具体的には、一発分の発射音の間で数十発の釘をあらゆる方向から目標にぶち込む芸当を楽々やってのけ、初遭遇時のウルフウッドを戦慄させたほど。
こうした身体能力が強化手術などによるものかは不明だが、“素の人間”と言われてもそれはそれで疑わしい*1
なお、この状態ですら拘束具で身体能力を抑えている。なんなんだこいつ。

ちなみにトライガンの世界の兵器の類はプラント製によるもので所謂現実のものと次元が違うレベルの性能持つものばかり*2。※
エレンディラ自身の身体、肉体能力は劣りはするがレガート並で超光速の尖翼に対応、先んじて行動しヴァッシュの背後を取るほどからその異常さが分かる*3
よくこいつらは音速で攻防などと言われているがそんな程度ではない。

特異な能力・魔技持ちが珍しくないGUNG-HO-GUNSの中にあって、自身の純粋なスペックや戦闘センスだけでウルフウッド、リヴィオなどのエレンディラを除くガンホー最強格の彼らを凌ぐという異端にして正統派な人物。
加えて冷静な戦略眼なども備えており、登場後はナイブズの補佐や雑事などにも力を発揮していく。

※:BBS、ブログ,まんがの森,内藤と仲間達がトークショー

活躍

ガントレットミッドバレイヴァッシュウルフウッドの戦いが佳境を迎えた頃に初登場の機会が訪れる。
部下二人のナイブズへの裏切りを知ったレガートは暴走し、戦場に現れるなりミッドバレイを殺害。更にガントレットを手にかけようとしていた。
それと同時、ヴァッシュは記憶や意識の混濁によって自身の“プラントの力”を暴走させかけていた。そこに加えてレガートの非道を目の当たりにしたため、その力は最早爆発寸前に。


このまま行けば全てが消し飛ばされる……というところでエレンディラ登場。
レガートが操っていた生体兵器を滅多刺しにし、さらにはレガート本人にもネイルガンによる胴体貫通のきつい一撃をお見舞いし、レガートを連れ帰って行った。(これで死んでいないのだから流石レガートである)




以降は直接的な戦闘から長らく離れ、裏方に徹する。
「方舟」で各地を回る間、憲兵軍やブラドたちを相手に対空防御を担当しているが、生身で甲板に立ち、上記の通り超性能のプラント製のネイルガンで同様の宇宙レベルのロストテクノロジー超性能のミサイルや宇宙戦闘機を迎撃するという無茶苦茶なやり方だった。しかも不意打ち以外に被弾なし。とんでもない射撃精度と動体視力である。
最終決戦直前、ザジ・ザ・ビースト(女性版)がナイブズに反旗を翻した時は、不意の毒攻撃で行動不能に陥ってしまう。
(とは言ってもこの毒は一時的にとはいえナイブズですらその行動が読めず更に未知の毒により沈黙させた代物で、エレンディラに非があるわけではない)
結局、この場はレガートがザジを返り討ちにして事なきを得た。




そして迎えた決戦の日、最後のGUNG-HO-GUNSとしてナイブズ、レガートと共に戦いに臨む。
彼女の相手として立ちふさがったのは、ヴァッシュの側に寝返ったリヴィオだった。

「俺達は死なない。人類(ヒト)は生き残る」

と語り、一度はほぼ自身とほぼ互角になったリヴィオを拘束具を外した万全の状態で完全に圧倒するが、その時、彼のもう一人の人格であるラズロが表に出る。

「ダセェなリヴィオ…この俺を…殺す気か?」

リヴィオと違って自分の動きに追従するほどの身体能力ちセンスを持つラズロの反撃を受け、一度は拮抗状態に。
……が、ラズロの“心を折られ、そこから這い上がった経験が無い”という精神的な弱みを読みきり、異常な密度の殺気をぶつけることでこれを無力化した。


リヴィオ単体では本気になった彼女の動きに着いて行けず、ラズロ単体ではその心の弱さゆえに竦んで動けなくなる。
このように両者の短所を的確に突き、リヴィオ・ラズロの両方を完全に追い詰めることに成功するのだが……。



「俺が『見』てやるよ」
「その代わり、お前は死ぬ気で凌げ」

二つの人格のコンビプレイという機転で深手を負わされ、


「あんたは強い」
「あんたは負ける」
「俺と、ラズロと、あの人に負けるんだ」

最後は『ミカエルの眼』の真骨頂である“死に難さ”を生かした、心中に近い攻撃で止めを刺されることになった。


彼女が逆転負けを喫した原因は、何度挫けても立ち上がるリヴィオの根性と、比類なきラズロの戦闘センスという二人の長所を甘く見すぎた点にあるのだろう。


最期はそんな自分の終わりを認めきれず、一筋の悔し涙を流しながら果てていった。




まだよ…!! まだまだ…!!


私…に、こんな終わり…が…




許さ…



余談

彼女の亡骸はこれより少し後、レガートの“技”で操られ、レガートと対峙しているヴァッシュの元へ向かう。
……彼女との激戦による負傷で動けないリヴィオを手に抱えながら。

この後、リヴィオという“人質”を取られたヴァッシュが『何をさせられてしまうのか』は、レガートの項を参照されたし。



追記・修正お願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • トライガン
  • GUNG-HO-GUNS
  • 番外
  • オカマ
  • 拘束具
  • エレンディラ
  • 人間CIWS
  • エレンディラ・ザ・クリムゾンネイル
  • ネイルガン
  • 忠臣
  • 側近

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2023年02月02日 17:20

*1 少なくとも『ミカエルの瞳』のように傷を超速再生する能力は持たない

*2 どれほど桁が違うかは不明

*3 ウルフウッドやリヴィオはそいつらになんとか追従、ラズロは肉体的には同党とガンホー上位陣は化物具合に拍車がかかっている