機動戦士ガンダム シルエットフォーミュラ91

登録日:2011/11/14(月) 20:38:56
更新日:2023/03/18 Sat 11:55:11
所要時間:約 4 分で読めます





『機動戦士ガンダム シルエットフォーミュラ91』とは、1992年に発表されたプラモデルガンプラ)企画、漫画及び小説作品である。
この内『模型情報(MJ)』誌で連載されていた小説版は中途の内容で掲載が中断されたため現在でも復刻の類はされていない。
ただしガンプラや『HJ』等模型誌や『B-CLUB』誌などで特集された内容は小説版の設定を基にした文字設定が為されている。
余談になるがあくまで本作の「ゼブラゾーン事件」はシルエットフォーミュラという作品の「第一章」に過ぎず、後発の第二章以降が
発表される予定だった様だ(シルエットガンダム改やクラスターガンダムはその「第二章」以降の登場機体だった模様)。
漫画版は『MS SAGA』誌で掲載され小説版とは違うアレンジが施された所謂「基礎設定・内容以外は別作品」な代物。
こちらは完結した事も有り単行本復刻などが為され『G-GENERATIONシリーズ』での物語や設定等はこちらがベースになっている。
本項目でも基本的に漫画版の内容を記載する。


[ストーリー]
サナリィ製小型モビルスーツに遅れを取ったアナハイム・エレクトロニクス社は、失地回復の為、非合法諜報活動を含む新型モビルスーツ開発計画「シルエットフォーミュラプロジェクト」 (SFP) を極秘裏に発足。地球連邦軍パイロットであるトキオ・ランドールは、これにより完成した3機の試作機の一つRXF-91シルエットガンダムのテストパイロットとしてアナハイム試験艦ブレイウッドに派遣され、月の裏側の暗礁宙域・ゼブラゾーンでの実動試験に参加する事になる。

数ヶ月に及ぶスケジュールも残すところ後一週間と迫った、宇宙世紀0123年2月18日。トキオ搭乗のシルエットガンダムとケビン・フォレスト搭乗のRGM-111ハーディガンは、模擬戦中に所属・機種不明のモビルスーツと遭遇、攻撃を受け交戦に入ってしまう。



[主要登場人物]
声優はゲーム『SDガンダムGジェネレーションシリーズ』より。

トキオ・ランドール
CV:中原茂
本作の主人公。21歳のコロニー生まれ。元々はガレムソンの指揮する残党狩り特殊部隊に所属していた。
しかし己の正義感から残党狩りに抵抗し服務規程違反で独房入り*1した一件の後、隊を追い出され軍からの出向テストパイロットになった。
シルエットガンダムネオガンダムも難なく乗りこなす等、腕は確か。エピローグで正式に軍を辞めた。
Gジェネレーションでのセリフ「ガレムソオオオン!!」が有名なほど熱演されているが、中の人はトキオをやったことを失念していた

アイリス・オーランド
CV:深見梨加
アナハイムから出向しているシルエットガンダムハーディガンGキャノンマグナ担当のエンジニア。20歳。
「アイスドール」の異名を持つが、結構おてんば。血を見ると気絶する。
父は連邦軍テストパイロットだったが彼女が幼い頃に事故死。そのせいも有ってか若干ファザコン気味であり、年相応に色恋に積極的なケビンよりも父に近く朴念仁で淡白な軍人気質のトキオの方が好みの模様。
決戦は彼女なしでは多分勝てなかった。
漫画版では寝起きの際に1カットだけパンツが見える。

ケビン・フォレスト
CV:難波圭一
民間上がり(訓練自体は軍で受けているが)のテストパイロット。19歳。ハーディガン搭乗。
最初は実戦に恐怖するがそれを生還し乗り越えたおかげか中盤から中々の活躍をする。
特にギラ・ドーガに対し向こうの方が大きいながらも、サーベルを囮にした徒手空拳で制し、更に相手を殺さずに投降させているのは彼の腕前が優れている証拠だろう。
軍人嫌いだがトキオは別。それとおばけが嫌い。
「ブレイウッドのエース、ケビン様が助けに来たぜ!」
エピローグでトキオ達共々民間人化した。

カール・シュビッツ
CV:大川透
ブレイウッドのベテランテストパイロット。52歳。元ネオ・ジオン兵士。
Gキャノンマグナに搭乗。
厳しそうなベテラン軍人であるがケビンに「ゆーれいの話」を良くしてたりとおちゃめな一面もあるようだ。
30年前、地球に降下するアクシズの落下を防ぐためギラ・ドーガでアクシズの押し返しに参加していた。
設定的にもメタ的にも同時期に活躍し、同じ光を見たボッシュとは色々と比較されがちだが、向こうほど「ガンダム」に近くなかった為に悪魔に魅入られることがなかったというのは皮肉であろう。
後の漫画『F90FF』で実際に押し返しに参加していた場面が描かれる。
実は貴重なアクシズ押し返しに参加したネオ・ジオン側のネームドキャラ。
勘違いされがちだが死んでません。


アイトール・ホルスト
CV:牛山茂
ブレイウッド艦長。元連邦軍少佐。55歳。
普段は弱腰と言われる程の慎重派だが、大胆な行動も採る事は出来る。少なくとも弱気で臆病な男ではない。
AE出向者にして最後の良心。
「ここまでコケにされてやられっぱなしってのもシャクだろう」

アルバート・エルゼナー
CV:大山高男
ブレイウッドの整備長の古参AE社員。42歳でアイリスの親代わり。MSから艦まである程度は整備可能なレベルの博識者。

ブレイウッドオペレーター
CV:なし
名無しだが結構出番が多い。可愛い女性オペレーター。
シュビッツの愚痴に驚いたり、ケビンにブチ切れる艦長を見てこっそり笑うなど仕草は可憐だが、仕事はしっかりこなしている。
唐突なトラブルに若干慌てながらも状況を説明するなど地味ながら優秀な彼女であるが、アイリスがほぼ下着姿でいたことには困惑し言葉を詰まらせるといううぶな一面も持つ。
Gジェネでは未登場で彼女の代わりはアルバートさんが務めている。

エリザベス
CV:無し
アイリスの同僚。可愛い。何年経ってもアナハイムは女性社員は顔で取っているようだ。
ネオガンダムの調整のために他のスタッフと共にエイジャックスに「ほぼ軟禁」されていた。
サブタイトルにも採用された…のだが特に活躍しておらず、Gジェネでも基本的に出番を省かれる。コミックスでも上の名無しオペ子より登場シーンが少ないし…。

バズ・ガレムソン
CV:池田勝
トキオの元上司で特務部隊「306部隊」の司令官である大佐。見た目からは40代辺りに見えるが実は35歳のツルっ禿げのオッサン。
ガンダムでは珍しい程の分かりやすい悪役であり、禁止されていた無抵抗のジオン残党の虐殺を遊びで行ったり、卑劣な罠を仕掛けてくる。
彼に大儀など無いだろう。
だが立ち回りの旨さとパイロットとしての腕前は一人前で、トキオですら彼にはタイマンでは勝てなかった。

しかし過去自分に刃向かったトキオを左遷程度で済ませたり*2、再会時にはどう考えても信用されてない筈なのに最新型で自分の物と同じネオガンダムを乗機として与えて原隊復帰を呼びかけるなど、能力の有る人物はそれなりに認める様子。
一方でネオガンダムを開発していたAEの社員やエンジニア陣は軟禁状態にし、それらがトキオ達に全員解放された際部下に「機密が漏れる位なら射殺しろ」と命令するなど冷酷ながら柔軟な対応もできる優秀過ぎる男である。

終盤ネオガンダム1号機に乗ってくるが、彼には勿体無いと思える程格好いい機体である。(全身真っ黒で目が赤い。)
「貴様!軍法会議にかけるまでもない!ワシが裁いてやるッ!!」

リディア・ドーフマン
CV:天野由梨
ガレムソンの副官で大尉。彼に負けず劣らず悪どい性格。エイジャックスの艦橋で最終的にトキオの一撃を喰らって蒸発した。
割と女に見えないけど、女。
小説版だとガレムソンが艦に篭る代わりにこちらがMS(ヘビーガン重装型)に乗って襲って来る。
余談になるが漫画版では306部隊の機体はヘビーガンやGキャノンではなくジェガンである。
またまた余談だが『F90FF』でフルネームが設定された。

レイラ・ラギオール
CV:原えりこ
ジオン残党の少女。18歳。かわいい。
ガレムソンの虐殺で両親が失われる様を目撃しており、彼を目の前にした時は激昂した。
最初は骨董品のギラ・ドーガに乗っていた*3がケビンとの戦闘で機体の性能差から敗北し、その後はケビンのハーディガンに同乗していた。
その後ネオガンダムにトキオが乗り換え、乗り手の居なくなったシルエットガンダムを駆り、両親の仇を討つ。その際の台詞から恐らくヤンチャな娘だったのだと推測される。
エピローグではトキオ達と共に民間人化した。
ちなみに12歳辺りの頃からMSに乗っていた。そのおかげかハーディガンに乗ってる間ケビンの操縦を見ただけで
操縦系も違う上にピーキー寄りな操作追従性のシルエットガンダムを初搭乗で乗りこなすなど、パイロットとしての腕はなかなかのもの。
というか初めて乗った小型MSの上に冷静さを失った状態で狙った場所に的確にパンチできてる時点で色々おかしい。
「みんな、あたしの…あたしの父さんも母さんも殺したじゃないかッ!」

シェルフ・シェフィールド
CV:稲葉実
クロスボーン・バンガードのエースで大尉、23歳。「焔の虎」の異名を持つ。ザビーネとは竹馬の友(ザビーネの方が一つ上の24歳)との事。当時は美点だったが今だと割りと黒歴史な設定。
軍人として愚直であり、騒ぎ立てるオバリーに「命令に従え」と厳しく接するが、同時に彼の言うことに同意する等頑迷な男ではない。
「仕組まれた戦い」によってゼブラ・ゾーンでトキオ達ブレイウッド側と接触してしまい交戦。その後連邦軍との裏取引の際にネオガンダム1号機に殺されかける。
ちなみにC.V.側関係者として本編キャラからジレ・クリューガーの名がガレムソンの口から挙げられている。
その後はブレイウッド側を同じく「嵌められた者同士」と認識しビギナ・ゼラでガレムソン討伐に向かう。
この際「AEには手を出さない」と約束をし、事実ガレムゾンを倒し満身創痍の彼らを見逃している。Gジェネでは第3勢力として普通に攻撃を仕掛けてくるけどね。
搭乗機はベルガ系のカスタム仕様であるベルガ・バルスとビギナ系のV.S.B.R搭載機であるビギナ・ゼラ。

モーリス・オバリー
CV:野島裕史
シェルフの部下で少尉。19歳で若さと浮き足立ったり経験不足による焦りなどが目立つ。ガレムソンとの取引に立ち会うが、彼の裏切り(あちらから見れば証拠隠滅行為)で生身でG-B.R.D.のビームを浴びせられ、死亡した。

委員長
廃棄コロニーでジオン残党(シュビッツと同じCCA系の難民との事。)を取り纏めていた。シュビッツに昔のよしみとしてこの物語の真相を話す。



この物語の真相は、AEが小型MSの実戦データ入手を目論み、そのため連邦軍やC.V.と裏取引をして「新型機による仕組まれた戦い」を起こしたのである。

そのため、シルエットフォーミュラプロジェクトの完成形かつ別プロジェクトだった「シークレットフォーミュラプロジェクト」の産物である
ネオガンダムが完成した後はトキオ達を用済みとし、証拠隠滅にガレムソンの306部隊を送り込むが返り討ちにされその目論見は失敗したため
アナハイムと軍は0083デラーズ紛争時の様に政治的な記録抹消と生存関係者のへの緘口のみの処置で済ませていた。*4
ただしブレイウッドの関係者の内トキオやアイリス達は軍からもアナハイムからも離れ一民間人として生きる事にしている。

F91』の物語が起こったのは、ここから3週間後であった。






追記・修正はガレムソォォォン!と叫んでからお願いします。

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最終更新:2023年03月18日 11:55

*1 この時代既にジオンと言う名の組織は消滅しており、旧ジオン軍に対する残党狩りも禁止されていた。 本来なら軍の服務規定違反となるのは司令官のガレムソンとなるのだが連帯責任を恐れて他の配下や上官が口裏を合わせたと思われる。

*2 ガレムソンのやっていた事は軍法会議待ったなしの行為であり、それを認知している上に反抗しているトキオを生かしておく必要性は皆無である。

*3 ちなみにGジェネだとレイラ機意外にもウジャウジャ出てくるが、漫画版では彼女のものだけの登場である

*4 ちなみにアナハイムとしても「人材は惜しい」とは言ってたがMSの方はどうでもいいと思ってたようだ