ザウート

登録日:2012/03/13 (火) 00:21:56
更新日:2024/04/12 Fri 10:21:56
所要時間:約 4 分で読めます




機動戦士ガンダムSEED』に登場するモビルスーツ(MS)。


目次





ザウート
ZUOOT

基礎データ


型式番号:TFA-2
全高:17.86m(タンク形態時:13.57m)
重量:83.59t
武装:
2連キャノン砲×2
2連副砲
重突撃機銃
スモークディスチャージャー×4

パイロット:ザフト兵
マーチン・ダコスタ
アール


機体解説


C.E.71の大戦中期にザフトが開発した量産機
戦場が宇宙から地球上へと広がる中、地上侵攻用の機体としてバクゥディングーンなどと共に公表・ロールアウトした機種。

赤茶色の分厚い装甲に覆われたボディが特徴。
頭部にはジンなどと同じトサカ状のセンサーマストとモノアイを有するが、ディテール自体はかなり簡略化されている。

高機動仕様のバクゥや空戦型のディンに対し、ザウートは陸戦用の砲撃機として開発された。
そのため大型の固定火器を備えており、中・遠距離戦における火力は同時期のザフトMSの中でも特に秀でている。

反面、装甲と武装の重量による重力下での機動性・運動性の低下は他の機体に比べ大きな物となった。
両足を前に伸ばし状態で腰を下ろし脚部と後腰部に設置された無限軌道を接地させ、全面投影面積を抑えつつ砲撃時の安定性を高める「タンクモード」への変形機構を備えるがこれでも機動性の向上には限界があった。

そもそもこの機体はMS以前の作業用宇宙服から発展して形となった機体であるため、火力面はともかく本体性能自体はジンなどに比べると大したことがなく機構的にも旧式扱いされかねないものだった。
機能的にいえば戦闘用MSというより「MSにも変形できる巨大戦車」と言った方が近いかもしれない。

因みに、タンク形態への変形ギミックはF91に登場したガンタンクR-44とほぼ同じである。



武装


  • 2連キャノン砲
両肩に装備されている。
固定式だがその分射程が長く、威力も高い。

  • 2連副砲
左腕に籠手のように装着されている。

  • 重突撃機銃
右手に持っているマシンガン。
一見するとジンが装備している物に似ているが、ショートバレルでかなり形状が違っている。
弾薬の口径、互換性などは不明。

  • スモークディスチャージャー
頭部に4基取り付けられている。
撹乱用の装備。



劇中の活躍


ザフト軍の地球侵攻の際に投入されたが、モーガン・シュバリエ率いるリニアガン・タンク部隊にフルボッコにされるなど当初からケチの付きっぱなしであった。
そのため、バクゥの配備が始まると地上戦での主力機の座を明け渡すハメに…。
ちなみに当初、連合軍はバクゥの存在を軽視しており、砲撃性能の高い本機を脅威と見なしていた。
だが、実際に戦ってみると地上での機動力が高いバクゥの方が圧倒的に脅威であったため、痛い目を見ることになった。

本編ではアンドリュー・バルトフェルドの隊とアークエンジェルの決戦に際し、撃墜されたバクゥの穴埋めとしてジブラルタルの司令部から送られてきた。
しかし当のバルトフェルドからは「なんでザウートなんてよこすかねぇ」とストレートな愚痴が飛び出す始末。
彼らは火力戦や拠点防衛などではなく砂漠を生かした機動戦を中心に立ち回っており、失ったバクゥも前述の通り機動性を重視した機体なので…
ザウートではまるで代替にならないことは明らかである。
結局実戦ではレセップスなどの甲板上で対空砲台として使われていたが、そのレセップスに対する攻撃に巻き込まれて撃破された。


オペレーション・スピットブレイクでも投入されたが、リニアガン・タンクに乗っている地球軍兵士にまで「ザウートなど仕留めてみせろ!」と言われる始末。
しかもこの直後実際に砲撃を受けて擱座し、後ろからやって来たバクゥの引き立て役を演じさせられてしまう。


そんな感じで当然というべきか不遇と言って良いのか、何とも言えない機体だが、
第三次ビクトリア攻防戦にて火力支援機としては有効と評価され、改良型が開発されることになった。


C.E.75年が舞台の劇場版『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』にもガズウートを押しのけて登場。
プラント経済特区オルドリン自治区の防衛隊に配備されており、ブルーコスモスを迎え撃った。



派生機


◆作業用ザウート


ジャンク屋が使用しているザウートの改修機。
武装は全て外され、代わりにクレーンなどが装備されている。
ギガフロートの建設作業に使われていた。

ちなみにザウートは作業用の重MSをベースに開発されたので、先祖帰りしたとも言える。



◆ガズウート

型式番号:TFA-4DE
全高:18.00m(タンク形態時:不明)
重量:81.71t
武装:
フルカ 2連装ビーム砲×2
MMI-M19 14mm2連装近接防御機関砲×2
MMI-M70トリウィム 3連装軽砲×2
ファルコーネSSM 地対地対艦ミサイル×4


C.E.73年時に運用されていたザウートの改良型。
火力がさらに強化されていて、ミサイルやビーム兵器を搭載している。
また、腕のマニピュレーターもオミットされて「MMI-M70 トリウィム3連装軽砲」が追加された。

タンク形態への変形機構は残されている他、宇宙でも運用可能。

アーモリーワンでのMS強奪事件やベルリンでの戦闘などに投入されたが、あまり大した活躍はできていなかった。
宇宙でも空母ゴンドワナ上に配置され砲台として運用されていた。


ゲームでの活躍


無印からザウートは登場。
MS形態はステップ性能こそ優秀だが、歩行含めた基本的な機動性は劣悪。
MA形態はその機動性が逆転するが、どちらにしてもグリーンホーミングに対してほぼ無力。
攻撃性能は悪くないが、取り立ててザウートを使うべき機会がネタプレイ以外に無いというのが実状。
スカイグラスパーやストライクダガー等と戦ってみれば、当時のパイロットの気分を味わえるかもしれない。

Ⅱからはガズウートも参戦。一応後継機なはずだが、コスト帯は一緒。
4連装ミサイルにビーム砲など基礎的な攻撃性能は上がったが、リロードが遅く"当たりさえすれば"という希望的観測に基づく性能なのでお察し。
機動性は言うまでも無くザウートと同等。
両機共、変形を連打しまくると少しずつ浮き上がり、ブースト無しで天井まで行けるネタがある。

…には登場せず。
まぁ、名のあるパイロットも目立った活躍も存在しないので仕方ないのかもしれない。

ザウート、ガズウートが登場。
低性能・陸上専用・実弾偏重・接近戦に弱いなど欠点が目立つが射撃の火力と射程はさすがに優秀。
大正義である連射系武装も完備。
陸戦系向きアビリティや射撃寄りの能力を持つパイロットなら戦力として使っていくことは可能。
『SEED』以降『ウォーズ』まで登場していたものの、『ワールド』以降は欠席。
しかし『クロスレイズ』で久々に復活し、初期生産リストにも登録された。
時代の流れで連射能力は消えワンオフ機との性能差も開いたが、射程1にもそこそこの火力で反撃可能になった。
またアビリティ『戦車乗り』の対象となる機体は全体的に貧弱(参戦作品がW,SEED,OO,鉄血に絞られているので、対抗馬はWのトラゴスや鉄血のモビルワーカーくらいしかない。)だが、
このザウート(と後継機のガズウート)はその中では比較的マシな性能。特に宇宙で使える戦車系はガズウートと鉄華団モビルワーカー(宇宙用)くらい。
開発素材としてはバクゥからガイアガンダム、そしてインパルスガンダムへと繋げていけるため優秀。


余談


ザフト系量産機として初期にデザインされた物の一つで、「ボーグ」という仮称が付いていた。
脚部をドム系のホバーにするといった案もあったが、最終的に現在の無限軌道タイプに決定した。

なお、余談だが『機動戦士ガンダム 水星の魔女』には類似したザウォートというMSが登場しているが、全くの似ても似つかない別機体である。とはいえザウートの方はプラモが販売されていないので、店頭で買い間違える事は無いだろうが……、一応間違えないようにしよう。(ちなみにザウォートの方は2023年2月に販売予定。)




追記・修正は、『ザウート』『ザウォート』を間違えないように覚えてからお願いします。

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最終更新:2024年04月12日 10:21