槌のコス/Koth of the Hammer(MtG)

登録日:2010/11/08 Mon 23:02:48
更新日:2023/05/07 Sun 14:10:26
所要時間:約 4 分で読めます




《槌のコス/Koth of the Hammer》とは、マジック:ザ・ギャザリングに登場するプレインズウォーカー、及びミラディンの傷跡に収録された同名のカードのことである。略称は「つちのこ」。


性能

槌のコス/Koth of the Hammer (2)(赤)(赤)
伝説のプレインズウォーカー — コス(Koth)
[+1]:山(Mountain)1つを対象とし、それをアンタップする。ターン終了時まで、それは赤の4/4のエレメンタル(Elemental)・クリーチャーになる。それは土地でもある。
[-2]:あなたがコントロールする山1つにつき、あなたのマナ・プールに(赤)を加える。
[-5]:あなたは「あなたがコントロールする山は『(T):クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。この土地はそれに1点のダメージを与える。』を持つ。」を持つ紋章を得る。
初期忠誠度:3

解説

山に関連した能力を3つ持ち、そのどれもが非常に強力。

まず[+1]能力では、山をアンタップし、一時的に4/4のクリーチャーにする。
この効果の厄介な点は(殆どの場合は)既に出した土地をクリーチャー化する為、召喚酔いしていないクリーチャーとしてそのターンに攻撃できること。
つまり、ブロッカーがいなければ出していきなり相手のPWを狩りに行くことも可能。
ターン終了後は普通の土地に戻るため、除去をソーサリーに頼っているデッキに特に効果的。
また、アンタップする効果も含むため、疑似的なマナ加速として運用できる。

ガラクやギデオンもトークンやクリーチャー化能力を持つが、場に出したターンにダメージを稼げるのはこのコスのみ。
後に土地をクリーチャーにするPWは少なからず登場したが、それでも赤単色というのは貴重な個性と言える。

[-2]能力は山を参照したマナ加速。
山の数と条件はやや厳しいが、他の能力のために山を多くするはずなので問題はないだろう。
赤単でX火力を打つ、ドラゴンやタイタン、エルドラージ等を出す等が可能になるなど恐ろしい爆発力を秘めた能力だと言える。

奥義の[-5]能力は、山をティムにする豪快な紋章。
ダメージこそ1点と微弱だが、山全てがこの能力を得るため生半可なクリーチャーもPWも生き残れなくなる。
「紋章」に干渉できる呪文・能力はごく僅かな例外除き存在しないため、一度起動してしまえば盤面を制圧し続け、最終的には相手を焼き切ってしまえるだろう。

ちなみに『ミラディンの傷跡』時点で「紋章」を得る能力を持つのは《槌のコス》と《遍歴の騎士、エルズペス》、《滞留者ヴェンセール》程度であり非常にレアな能力だった。

派生カード

レジスタンスの火、コス / Koth, Fire of Resistance (2)(赤)(赤)
伝説のプレインズウォーカー — コス
[+2]:あなたのライブラリーから基本山・カード1枚を探し、公開し、あなたの手札に加える。その後、ライブラリーを切り直す。
[-3]:クリーチャー1体を対象とする。レジスタンスの火、コスはそれに、あなたがコントロールしている山の数に等しい点数のダメージを与える。
[-7]:あなたは「山1つがあなたのコントロール下で戦場に出るたび、クリーチャーやプレインズウォーカーのうち1つを対象とする。この紋章はそれに4点のダメージを与える。」を持つ紋章を得る。
初期忠誠度:4

『ファイレクシア:完全なる統一』で再登場したコス。やはり山に特化した能力を持つ。

[+2]では《山》を手札に加える。ショボいように見えるかもしれないが、忠誠度を上げつつ手札を増やす能力は4マナPWでは多くない部類。後述の2つの能力にも密接に関わってくる。
[-3]では山の数だけダメージを与える。こちらは土地タイプを参照しているため基本土地でなくてもいい。連発はしにくいがプラス能力が[+2]なので再使用は行いやすい。後半ほど威力が上がるため、火力としてはなかなか心強い。
そして奥義の[-7]では《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》を彷彿とさせる紋章を得る。残念ながら相手本体には使えず場を制圧するだけだが、最速で起動した場合でもコス自身が場に残れるのが特徴。

いずれも《山》もしくは山を参照する能力であり、必然的に採用デッキは単色になりがち。
とはいえ各能力、奥義の速さは制約が多い分優秀であり、赤単の中速デッキならば心強い戦力となるだろう。

ちなみにこのカードには別版があり白黒バージョンでは公式から先行でネタバレされた「10名のうち5名が完成します」という”IFファイレクシア化”のコスバージョンの絵が完成化を免れたコスのカードイラストに用いられているという非常に紛らわしい構図となっている。

背景ストーリー

ミラディン出身で、赤の人間種族『ヴァルショク』の若きリーダー。種族固有の特徴として、肉体は鋭角な金属で覆われ、体内温度は発火するほどの高温。

岩や金属を操る『地操術/Geomancy』の達人であり、その力でファイレクシアに汚染された金属を浄化することすら可能だという。

ミラディンの傷跡ブロック

ミラディンに迫るファイレクシアの脅威と戦うために、ヴェンセールとエルズペスをスカウト。
しかしヴェンセールは機械の始祖として「完成」しかけていたカーンに自身の灯を託して落命。
カーンがミラディンを去ったあとメリーラと離れ離れになってしまい、自身は新たな機械の父を決めるために集結していた法務官を呪文爆弾で道連れにしようと決意。エルズペスを巻き込まないようにテーロスにプレインズウォークさせた。

その後

ミラ傷ブロックでは生死不明で幕を閉じエルズペスも死んだと思っていたが、その後基本セットのカードのFTで登場。『プレインズウォーカー達の現状』という記事で語られたところによると、ウラブラスクの管理区域に匿われて生き延び、抵抗軍として活動しているようだ。さらにモダンホライゾンの《溶岩の投げ矢》のFTでも登場。不定期にFTに登場することからプレイヤーからは「生存報告」と親しまれている

そして、多元宇宙へと侵略の手を伸ばすファイレクシアの脅威を描くセット『ファイレクシア:完全なる統一』で、遂にメインストーリーで再登場。

『ファイレクシア:完全なる統一』にて久し振りに登場し盟友エルズペスとも再会。ファイレクシアとの決着が描かれた『機械兵団の進軍』でも無事に生き延び、故郷はファイレクシアを永遠に封印するため放棄せざるを得なかったが、彼と数少ないミラディンの生き残りはテフェリーの故郷であるザルファーへと避難することができた。

今は生き延びることができた喜びと喪われた盟友達への哀悼の意を胸に抱き、じっくりと長年の死闘の疲れをいやしてもらいたいものである。

余談

登場した際はこれまで赤に強いプレインズウォーカーがカード化されていなかった事から、「チャンドラさん涙目」「チャンドラさんお疲れ様でした」等チャンドラの立場が無い発言がゲームジャパン等の雑誌、揚句の果てにはウィザーズの公式サイトでさえ、言われようになっている。

チャンドラ「ムカついたからジェイスで貯めた手札全部燃やして三枚にしてあげるわ。」

そんなコスだが、プレインズウォーカーコミックの「Scarred」で「Ready?」「Ready.」という会話と共に《堕落した収穫者》に不意打ちで襲い掛かったが一撃で返り討ちにあってしまった場面のせいでヴェンセール共々よくネタにされる。
《堕落した収穫者》は6マナ6/3とサイズこそ大きいがアンコモンのカードであり、仮にも神話レアのPWが一撃で負けてしまったのだからこの扱いもやむ無しではある。

一応擁護しておくと、新世代PWは旧世代のようにPWだからというだけで強大な力を持っているわけでは無く、収穫者自体もかなりの巨体で描写されており十分な脅威だったと考えられる。




追記、修正は、定期的にフレーバーテキストに登場しながらお願いします。

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最終更新:2023年05月07日 14:10