ウォルト(FE)

登録日:2009/05/31(日) 01:52:33
更新日:2024/02/27 Tue 00:26:55
所要時間:約 3 分で読めます




出典:ファイアーエムブレム ヒーローズ、任天堂、インテリジェントシステムズ、2017年2月2日配信開始
(C) 2017 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS

ウォルトとは、『ファイアーエムブレム 封印の剣』に登場する味方ユニットである。
二つ名は『義に厚き弓使い』

クラス:アーチャー→スナイパー
チュートリアル及び第一章で仲間になる。


  • 初期ステータス/成長率/CCボーナス
アーチャーLv1
HP18 / 80% / +3
力4 / 40% / +3
技4 / 50% / +3
速さ5 / 40% / +2
幸運2 / 40% /
守備4 / 20% / +2
魔防0 / 10% / +2
体格7 / +1
属性:氷
弓D

装備
てつの弓
きずぐすり

フェレ騎士団の一員。
主人公・ロイの乳兄弟*1であるが、彼とは一人の臣下として接している。
騎士団の中では若いせいか、マーカスアレン、ランスらを尊敬している。
ソフト表紙にもロイとリリーナに次いでに目立つ形で配置されている。留学にも同行しているためかチュートリアルにも登場するなど出番が多い。
下級クラスLv1で加入すること、そのポジションから、いかにも育ちそうなユニットなのだが……



非常に使いにくい。

この一言に尽きる。
以下にその根拠を列挙する。


●彼が使いにくい理由
  • 初期ステータスが異様に低い
紋章の謎に登場するゴードンを全体的にこじんまりとさせた感じ…というよりはライアンの方に近い。
もちろん封印内で見比べても明らかに弱く、例として一緒にいるアレンやランスに勝っているステータスが一つもなく、ほとんどが劣っている。
そして弓の攻撃力の低さと相まって、序盤では削るのもやっとな程。
弓兵のくせに技の初期値が4とふざけた事になっているので、ある程度伸びるまでは支援による補正抜きでは命中も決して安定しない。
外部書籍の「あるきかたシリーズ」では遊牧民のシンと同じレベル(LV5)まで育てて同じ装備で戦わせる企画があり、ウォルトの完敗という結果に終わった。
ハードモードでは序盤から火力が余りにも足りず、命中もやや安定しないわで悩まされることになる。

  • 平べったい成長率
左半分(HP~速さ)はロイと同じ成長率で平均的。むしろ合計値を見れば高い方である。
しかし初期値の低さを覆す程ではなく、序盤で1つ2つレベルアップしても戦力にはなりにくい。
特に力と速さの成長率が40%というのが微妙なところで、Lv10まで育ててもステータスが1つも2桁になってない事もザラ。
というより実際に期待値でも全ステータスが9未満。
平均的な成長率はヘタやすいと言うが、ウォルトの場合期待値通りでさえ弱いのである。
また魔防が全く伸びず、期待値で2桁行かないスナイパーはウォルトしかいない。1章のメンツ同士や遊牧騎兵含めて比べても堂々の最下位。

  • ライバル候補が多い
6章で仲間になるドロシーは、女性ながらウォルトと似た成長率を持つが力は堂々の50%、HP・速さ・魔防も5%勝り、合計値でも上回る。ウォルトが勝っているのは技・運・守備が5%高いだけ。
彼女も初期値がやや低めなのが弱点だがウォルトよりかはマシであり、
期待値でウォルトが勝っているのは守備と運が多少高い程度で最重要の速さで負け、力と魔防も大差をつけられ、HPすら負けており散々である。
体格も同じでここらもネタ化に拍車をかける。
ドロシーがゴツ過ぎるだけとか…すみません、失言でした。謝りますからどうかそのゆうしゃの弓をしまって(必殺)

北ルート10章、西ルート11章だとクレイン、15章ではイグレーヌが加入。
二人共初期スナイパーLv1で初期ステ、成長率ともにそこそこと言ったところ。
しかし、CCを目指して頑張って育成しているウォルトを超えうる初期ステを持っており、特に段々増えてくる魔法系ユニットと撃ち合える魔防の高さはウォルトにとって羨ましい限り。
そもそも初期ステどころかスナイパーLv1まで育てても期待値でイグレーヌにだいたい負けている。
クレインはノーマルではほぼ全能力でイグレーヌに劣る程貧弱でしかないが、ハードブースト対象のため、
それがかかった場合はイグレーヌに迫る初期値に加え、
Lv20の期待値でもウォルトと大差ないステータスに育ってしまうのでわざわざ初期値が貧弱かつクラスチェンジアイテムが必要なウォルトを育てる必要がない。
挙句、北ルートに至ってはクレインが登場する章に闘技場まである。

6章ではスー、9章ではシンが仲間に。
二人は遊牧民であり、馬に乗って軽快な移動して弓を放て、CCすれば剣も使える。しかも騎兵特効がないので事実上「移動力8で剣も使える歩兵」のように運用できる。
スーは回避率が伸びる成長性を持っており、難関の7章では救出にドラゴンナイト狙撃も任せられる。
シンに至っては普通に使っても強いのにこれまたハードブースト持ち。
上級職のステータスの上限すら好みの差はあれど、概ねこちらの方が使い勝手が良好もしくは差がほぼない。剣が使えて移動力も違うのに…。
優っている点は「悪路では移動力が勝ることがある」「アーチを使うことができる」程度であり、どちらもほとんど影響がない。

ちなみに20章サカではダヤンが仲間になるが、ここまでくればさすがに育てたウォルトの方が基本的に強い。
しかし戦死者が出るなどした場合に限って即戦力として使うようなユニットでようやく比べものになる時点でお察しください。

  • 本作におけるアーチャーとスナイパーの特色、『アーチを扱える』がプレイヤーサイドだと産廃
基本的に敵が使用する事を前提にした配置なのでこちらが使ってもおいしくない*2。敵のアーチを奪うだけでも無理のある進軍をしなければならず撃つ機会は全体通して数回あるかないか程度。
弾も5発限りで、アーチにたどり着いたときにはすでに弾切れなんてことも珍しくない……というか攻略における上策が弾切れを狙うことなので自分から使う機会がない。
しかも重さ20で命中の低さや移動出来ないことなどから単純な性能も非常に悪く、役に立った時に謎の感動を覚えるレベル。ある意味では楽しいのだが…。
クリア後に解禁されるトライアルマップ『雪の中の防衛戦』では唯一こちら側にアーチが複数あるので思う存分使えるが、普通に進軍して迎撃した方がずっと早いし確実。
なおアーチの悲惨さには開発側も気づいたのかアンケでも届いたのか、烈火の剣では移動可能・置き場改善などによって普通に使えるようになる。

  • 支援候補がパッとしない
いずれも関係性はおかしくないのだが、ロイ以外は騎兵なので足並みを揃えづらい。
そして残りのロイは主人公なだけあって支援候補が非常に多く、取られがち。
弓兵ということもあり、彼の移動に合わせれば問題無いとは言えるのだがプレイスタイルと地形によっては中々機能しない。
ロイ・アレンと組むと回避と命中、ランスと組むと回避と守備が大きく上がるので、効果自体は悪くない。
マーカスやスーとの支援会話は遊牧民系との格差に関わる切実な内容なのがなんとも言えない。

……と言う訳で、封印に慣れてウォルトに愛着の無いプレイヤーなら5章を最後に出撃させることはまずないといっても過言ではない。
とはいえ、前述の通り成長率自体は十分なので、相応の愛さえつぎ込めば人並みの活躍は可能。上手く軌道に乗れば一軍クラスも夢ではない。
ストーリー上、特に終盤で竜騎士との戦いが多くそしてそこらが一番の難所なので、活躍の場がないということもない。
序盤に育てることさえ出来れば、そこらの低速低防連中や多くの初期上級ユニットよりは遥かにマシ。
もっともハードだとその「序盤に育てる」が絶望的だが……。戦績などを気にしない人は1章の敵将ダマスをチクチクしてレベルを幾つか上げておくと成長次第では多少は楽になるだろう。

良くも悪くも、相対的に見てわざわざ使う理由がないことが問題。
頑張って育てた多くのプレイヤーの期待を打ち砕いてくれたことから、発売当初から「ヲルト」というあだ名をつけられてネタキャラとして扱われることになる。
そして同じく本作屈指のネタキャラであるセシリアさんや、数年後にこの2人をもしのぐレベルで有名になったサザとともに「FEの緑髪伝説」の一翼を担うことになる。

それもこれも初期値とスナイパー不遇が悪いということで、「烈火の剣」ではスナイパーの立場が大きく向上した。設定上ウォルトの母親になるレベッカは、烈火きっての強ユニットである。
しかし烈火は時系列的に20年前であり、父親候補3人もかなり優秀ということもあって「どうしてこんな母親からこんな味噌っかすみたいなのが生まれたんだ」とウォルトのネタ化に拍車をかけてしまった。

これだけネタキャラ化しているのでそういう意味でも根強いファンは多く、
ウォルト単騎で封印の剣を全章攻略する」というとんでもない縛りプレイをする人もいる。


●ウォルトの周りの人々
  • ロイ
フェレ家の跡取り。前述の通り、ウォルトとは乳母兄弟。
ロイは彼を実の兄弟同然に想っておりもっと近い距離で接したがっているのだが、騎士になったウォルトはロイとはけじめの様に敬語を使ったり、「(口うるさい)マーカスやマリナスみたいだ」と言われれば「二人の様(な尊敬している臣下)に思われて嬉しい」と返したり、完全に主君と臣下の関係。
支援Aでは珍しくロイが周囲への不満をウォルトに愚痴るのだが、ウォルトが見事に空回っている。
ただしウォルトの本編での出番は1章のみなのであまりこの設定を活かせていない。
ちなみにロイとの支援をAにした状態で終章の出撃メンバーに選ぶと、エンディングが完全に空欄になるというバグが存在する*3

  • マーカス
フェレ家の老騎士。
ロイを守るために剣も使いたいと言うウォルトを諭し、今ある自分の強みを見つめさせるなど、老騎士らしい風格を見せる。
ウォルトも、下手に色々な武器に手を出すより自分の強みである弓術を鍛え上げる事が確実だと理解し、鍛錬に励むようになる。
後の兵種変更システムがあったなら彼の望み通り色んな武器を扱えた…かもしれない。

  • アレン
フェレ家の熱血騎士。
戦場の中でも訓練を欠かさないアレンだが、ウォルトもそれに同調して最後には一緒に訓練に励む。
熱意は結構だが、拠点でもなければ行軍中でもない戦場で2人揃って行動に移すのは流石にまずかろう。

  • ランス
フェレ家の冷静騎士。
他の騎士には無い経験と場数が多いため、戦場に立つ者としてウォルトに戦術などのアドバイスをする。
ウォルトも彼を見習い勉学に励もうとするが、まず手始めに…と用意された膨大な参考書に閉口するのだった。

  • スー
クトラ族長ダヤンの孫娘。
馬に乗って弓を射る少女と、地に立って弓を射る少年の関係のためか、段々といい雰囲気になっていく。
ちなみに、スーはロイと結婚する可能性もある。

封印の剣の20年前、烈火の剣に登場したアーチャーの少女。
エンディングでは彼女がウォルトの母であり、乳母としてフェレ家に仕えた事が語られる。
父親候補はのんびり屋アーチャーのウィル、女好きの騎士セイン、大食い騎士のロウエンの三人。
四人ともよく育つが、ウォルトの成長率はご存知の通り合計値の割に微妙。
ちなみにウォルトの髪型はウィルによく似ている。



こんな彼だが人気投票ではなんと8位。
しかしコメントを見る限り戦場での活躍からと言うよりは、ネタにされてる&腐ったお嬢様方の支持のおかげな気がしないでもない。



遊んでいても、ロイさまの周囲は常に警戒しているよ。

2019年7月に開催された限定召喚で登場。
原作でのネタのされっぷりからかヤケになったのか、服を捨て馬を得ての登場。
まさかの参戦で多くのエムブレマーが驚きと歓喜の声を上げて、一時期はTwitterで「ウォルト」がトレンド入りするという快挙を成し遂げた。

武器は敵に不利な状態異常がかかっている時に、攻撃・速さが+5される「大漁の弓」をもち、
更に自身のHPが80%以下になると攻撃+9、速さ+10の「攻撃速さの大覚醒4」を所持。
自前のスキルのみで最大攻撃+14 速さ+15という猛烈な強化が可能。
仲間から「騎刃の鼓舞」などで強化を受ければ+20以上の強化が見込め、原作のネタっぷりはどこえやら屈指の高火力快速アタッカーとして活躍できる。

ただし、コレは「敵に不利な状態異常をかける」ことに加え「自身のHPが一定以下」になっていて初めてこれだけの火力が見込めるだけであり、コレらスキルを活かせないと自身の平坦なステータスが祟って目立った活躍は見込めない。
ハンパな速さで追撃は受けやすく、狙えないことに加えて
平坦な守備、魔防も祟って一撃死もありえる。癖は強いがハマった時の爆発力は随一というスペックとなっている。


「はい
 アレンさまを見ていたら
 ぼくも じっとしてられなくなりました
 ぼくも追記・修正をして
 ロイさまをお助けしようと思います


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最終更新:2024年02月27日 00:26

*1 ちきょうだい。同じ女性の乳をのんで育った者同士の間に結ばれる擬制的な兄弟関係のこと。昔の貴族は自分の母乳で赤子を育てることを「卑しいこと」と考えており、自分の子供ができると部下とその妻に育児と養育を任せた。擬制的とはいえ兄弟であり、しかし同時に堅牢な主従関係でも結ばれるという封建時代の習慣。……つまり乳母兄弟ではないし、レベッカの母乳を吸って育つことには我々が考える以上に重い意味があったということである。

*2 敵陣のド真ん中など当たり前、飛行系でしか入れない小島や果てはワープの杖を使わなければ入れない場所にも平然と置かれており、総じてとても自軍が使う事を想定した配置ではない。

*3 これはアレン、ランス、マーカスも同様。他の6人の女性キャラにはロイとのペアエンドが実装されているのだが、このペアエンドを読み込む処理で用意されていない部分を読み込んでしまうことが問題を起こしている。