クロゴキブリ

登録日:2010/10/02(土) 14:14:26
更新日:2023/11/10 Fri 19:44:08
所要時間:約 6 分で読めます





ゥうぎゃあああああああああああッ!!!!
ごッ、ゴッキちゃああああああんッ!!!!??







クロゴキブリは 昆虫綱 網翅目 ゴキブリ科 に属する昆虫。
学名はペリプラネタ・ファリギロッサ。
英名はブラック・コックローチ。
漢字表記は黒蜚蠊。

※注:この時点で頭の中に例の姿が思い浮かんで気分が悪くなった方は、悪い事は言わないのでブラウザバックをお願いします。


本州、沖縄全域と非常に幅広く生息しているゴキちゃん。
すっかりお馴染みのように扱われているが実は外来種であり、その原産地は中国の南部と言われているがハッキリとした確証は得られていない。


日本にはかなり昔(少なくとも平安以前)から根付いたと思われており、古くからお付き合いして来た仲だと言える。

平和的なお茶の間や台所を阿鼻叫喚の地獄絵図に変えるのは、大体この子かチャバネゴキちゃんのどちらか。
因みに外来種であるこの子の勢力に押されて、在来種であるヤマトゴキちゃんが住処を奪われてしまっている。


綺麗な楕円形のボディラインに黒褐色の体色を持ち、表皮はテカテカとした光沢で覆われている。
これは皮膚呼吸をする為の脂分であり、決して油ぎった場所を徘徊して付着した訳ではない。因みに可燃性。
また、この脂分はホイホイなど人間の仕掛けた粘着性トラップを無効化する役割も果たしている。ゴキちゃんすげえ。

クロゴキブリは翅の色が薄い茶色のため、完全に真っ黒な「オオゴキブリ」と間違えられがち。
まぁビジュアル的に一番恐怖を感じるのがクロゴキブリだと思ってさし支えない。

見た目の全長は5〜6cm程度とかなり大きく見えるが、これは腹部を覆う程に長い翅と異様に長い触角の所為であり、実際の体長は3〜4cm程度と小さめ。
メスの方が大きい。


気候や致死温度の関係上、北海道には生息できないと言われていたが、暖房の普及や地球温暖化の影響、更に他のゴキちゃんより寒さに対して強い事も重なり、今では北海道にも生息域を広げている。
しかし強いとは言っても僅かに強いだけであり、流石に17℃以下の気温下では動きが鈍る。それでも、暖房による保護がなくても越冬する事は可能。
ゴキちゃんすげえ。


元々は多くのゴキちゃんと同じく森林に生息し、朽ち木や落ち葉を食べる無害な昆虫だった。
しかし何でも食べる雑食性が行き過ぎ、更に『人間の住処には美味しいものがいっぱいある』と言う事を覚えてしまった為、好んで民家に入るようになった。

出現時期は決まっておらず、クロゴキちゃんが好む環境さえ整っていれば1年中見る事が出来る。
身体が平べったいので、隙間さえあれば何処からでも侵入して来る。

繁殖力や生命力も高く、メスは単体で卵を産む事が出来(単為生殖)*1、餌を何も与えなくても半年以上は生き延びる事が可能。
乾燥に弱いとされているが、これは誤り。
しかし多少水分があった方が落ち着くらしく、湿気のある場所にいる事が多い。


その見た目のキモさと、そっこら中這いずり回った脚で食品上を彷徨(うろつ)く為、不快害虫衛生害虫とされているが、狭い場所が好きで電気機器などにも入り込み故障を引き起こすので電気機器害虫ともされている。

排泄物は染みとなり、アレルゲン物質なので吸い込むとアレルギー性喘息などを引き起こす。
これにより病原菌媒介害虫にも指定されている…と、世の害虫のいいとこ取りのようにされているが、実際ゴキちゃんによる病原菌媒介問題はそこまで酷い訳ではない。

人間の本能、更にホイホイや殺虫剤のCMによる煽りとイメージ効果で必要以上に汚い生物として見られているだけである。
むしろ透き通った黒い翅の中には琥珀のような色合いがあり、楕円形のフォルムも昆虫としては機能性に富み、完成された姿形は美しいとさえ言えるだろう。


一般的に害虫として嫌われているクロゴキちゃんだが、何でも食べる雑食性と、環境さえ整えれば1年以上生き長らえる寿命などから非常に飼育し易い昆虫で、好んで飼育する人もいる


餌はとにかく何でも良く、水の入った容器と通常の土、落ち葉さえあれば虫かごでの飼育は容易い。
しかしオスとメスを入れて放っておくと無類の繁殖力でどんどん増え、前述の通りメスは単為生殖が可能なので少なくともつがいで飼ったりメスを飼う事は止めておきましょう。
ちなみに飼育容器は市販のプリンの容器を洗って使うのが適している。

「何故オスのゴキちゃんなど好き好んで飼わにゃならんのだぁあああ!」
「オスのゴキちゃんなど言語道断!」

と言う方はメスでも構わないが、卵が付いたら直ぐに切り取る事。
ゴキちゃんには悪いが増えすぎて捨てるよりかはご近所様にも迷惑はかからない。



また、クロゴキちゃんは虫の割に比較的知能が高く、前述の通り民家に美味しいものがある事を覚えたりするのは勿論の事、壁に張り付いている時に人間が退治しようと身構えていると、いきなり飛びかかって来る事がある。
これは『人間は自分達が飛ぶとビビる』事を理解しているためで、意図的に飛んでくるのだ…とされていたが、これもだいぶ誇張されたイメージ。
ゴキブリは飛翔を可能としているが、どちらかといえば高所からの滑空を得意としている。「人間に向かって飛んでくる」と言うよりは、壁から飛び移る際にたまたまちょうど良い位置にいた人間を誤って着地地点と認識してしまっているだけである。


以下その様子(CVはお好みで)。

「うぉおおッゴキちゃんじゃねえかああ!畜生おお! 出でよエクスリッパー!!」

『ひッ、に、人間さん!? ひゃあああッ!! やめてやめて! スリッパ怖いよぅ!』

「逃がさねえ! 逃がさねえぞ! 食らえ食らえ食らえ骨の髄まで散れええッ!」

『いやああんやめてえええッ! 何にも悪い事してないのにい!』

「くそぉおッちょこまかとおお!! こいつめこいつめこいつめぇええッ!」

『ひぃいん! も、も、もういい加減に……して下さーーーいッ!』

ブゥーーーン……ピト

「……………」

『(あ、やっちゃった…)』

「――――――――…(卒倒)」

『あ、あれ!? 人間さん!? あ、えーっと……こーゆー時って何て言うんだっけ…あ、そうだ』

「…………………」

『ちょ、ちょろいww』


更に、ホウ酸団子や殺虫剤に対する抗体も徐々に身に付けており(といってもホウ酸団子の場合は耐性と言っても食べれば必ず死ぬ。なんらかの要因で食べないだけ)
現在では市販のスプレータイプ殺虫剤でクロゴキちゃんを致死に至らしめるのは極めて困難である。



人間だけではない。
生物は皆、食べねば生きていけない。
ゴキちゃんにした所でそれは同じである。

民家に侵入して来るのも、自分の好きな物を食べたいが為。人間がハンバーグやエビフライを食べたいと思う事と同じなのだ。
ゴキちゃんだって生きているのである。
今度から彼女らを見かけたら、そっと見逃してあげましょう。(近所の人のために心を鬼にして仕留めても良いが・・・)


因みに、某ミサイル国家ではちゃんとした飼育環境で大量に繁殖させ、栄養失調に悩む国民に食べさせようと言う計画があるとかないとか……
きちんと調理されたゴキちゃんは、白身魚のような味がするらしいが…



因みに殺虫剤より食器用洗剤のが効く。お湯のほうがもっと効く。




あぅ〜…
白いネバネバに引っかかっちゃった…
どうしよう…このままじゃ死んじゃう…



ひッ! に、人間さん!?
ごめんなさい許して下さい〜!



ひょいッ



あ、あれ……?
あの…もしかして…助けてくれたんです?



あ、ありがとうございます…
人間さんにも優しい方がいるんですね…



え…私の項目を立ててくれたんですか?
つ、追記修正まで…?



……わ、解りました
でも、ひとつ条件があります



今度から私の仲間を見つけても…
見逃してあげて下さいね★




―― HAPPY END ――

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最終更新:2023年11月10日 19:44

*1 ただし単為生殖で正常な子供が誕生する確率は16.7%と低く、生まれる個体は全てメスである事が確認されている。