美幸線

登録日:2013/5/30(木) 14:30:57
更新日:2022/12/07 Wed 17:55:50
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美幸線(びこうせん)とは、北海道の路線(地方交通線)である。
路線の由来は美深の「美」、北見枝幸の「幸」と起点・終点の駅から1文字ずつ取っている。
北海道北部開発の拠点であった枝幸と宗谷本線を短絡する目的で、終点の北見枝幸では興浜北線(のちの興浜線)と接続する。


予定だった。


え?
どういうことかって?



実はこの美幸線は現存しておらず、1985年に全線開通しないまま廃線となってしまった。
元々は上記の通り、美深から北見枝幸まで建設される予定だった。
1964年に美深駅~仁宇布駅まで部分開業したはいいものの、1979年に完成間近で工事が凍結されてしまう。
そして1981年に国鉄再建法の特定地方交通線に選ばれ、そのまま…。


実際、部分開業した区間の状況はというとですね…。


1974年度の営業係数が3859という数字。
これは、100円稼ぐのに3859円の費用がかかるという国鉄ワースト1の超赤字路線ということになる。
JR現有路線ワースト1位である留萌本線の12倍弱という数字である。
「日本一の赤字」というのをネタに当時の美深町長が東京で宣伝活動したりもしたが、そんな簡単に状況が改善されるほど甘くはなかった。
北見枝幸で接続予定先の興浜北線と合わせて第三セクター化も目指したが、コンサルタントに黒字の見込みはないと言われ、興浜北線共々廃線となってしまった。
現実って厳しいよね…。



【廃線当時の駅一覧】

○美深(びふか)
宗谷本線接続駅。そちらは現在も残っているが、旭川から北へ向かう唯一の路線となってしまっている。

○東美深(ひがしびふか)

○辺渓(ぺんけ)

○仁宇布(にうぷ)
終着駅。本来ならここからオホーツク海まで繋がる予定だったが、夢かなわず…。

【未成区間】
○北見大曲

○上徳志別

○志美宇丹

○辺毛内

○歌登

○下幌別

○北見枝幸


【その後】
歌登駅建設予定地には線路や枕木が置かれていた。路線の建設を担当していた鉄道建設公団はこれを青函トンネルの建設現場へ運び出そうとしたのだが、
何の連絡もなしにレールと枕木が持ち去られようとしている!
と考えた歌登町が工事用道路を除雪車などで封鎖。睨み合うという騒ぎがあった。何やってんだよ鉄建公団…。

1998年より仁宇布付近の廃線跡地を利用し、「トロッコ王国美深」によって保線用軌道自転車での体験運転ができる。
エンジンが付いているため運転するには自動車運転免許証が必要だが、なくてもスタッフが運転してくれるので乗車は可能。
興味がある方は是非とも体験してみてはいかがだろうか。



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最終更新:2022年12月07日 17:55