T-800/T-850(ターミネーター)

登録日:2011/07/13 Wed 22:11:34
更新日:2024/02/24 Sat 12:26:20
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“I'll be back.”

私は戻ってくる


「T-800」及び「T-850」は映画 ターミネーターシリーズ 」に登場する兵器の総称。

●目次

【概要】

ターミネーターシリーズの中でとりわけ人気の高い人物(兵器?)で、かのシュワちゃんが演じたことで有名。
ターミネーターと聞けば大体の人がコイツを想像する。


【作中概要】

機械軍を統括するコンピュータ「スカイネット」によって開発・量産された対人間用抹殺兵器(通称Tシリーズ)である。
人型の金属の骨格(エンドスケルトン)を人間の細胞組織で覆うことで、より人間に近づけたものがT-800、さらに改良を加えたT-850が存在する。

基本性能は高く、並の実弾銃器はものともしない頑丈さを持つ。さらに油圧駆動式のためパワーも人間の比ではなく、コンクリートを素手で殴り壊すほか、プラズマキャノンやガトリング砲などの重火器も片手で使いこなす。
後述するように人間に擬態して暗殺任務を行うことも想定されているためか、関節を動かす機構も、軽快に走ったり飛び起きるなど、激しい動作にも素早く対応できる驚異的なレスポンス速度を発揮できる。
勿論、潜入任務ではない通常戦力としても強力であり、未来世界ではエンドスケルトン状態のターミネーターが歩兵として戦闘を行っている描写がある。
しかし、1作目の時点では最新モデルだったが、度重なる歴史改変や未来における技術開発により旧式化。『2』以降のターミネーター同士の戦いでは基本的に不利を強いられる。

コンピューターの性能もなかなかで、任務を臨機応変かつ的確に遂行していく。学習機能もあるが、単独行動時は制限がかかっているらしく「記憶」がせいぜいで「適応」という域にはない。
旧世界の銃器や乗物の情報もインプット済みで、現地調達もお手の物。
一度聞いた声を模写する機能も備わっており、本物と親しい人間が聞いても判別できない精度を持つ。
一作目では奪ったパトカーの無線に対し警察官の声を真似て応答したり、サラの母親を装って潜伏先を聞き出した。二作目ではジョンの声を真似て養母に擬態したT-1000にカマをかける心理戦を披露している。
OSは書き換え可能で、これにより鹵獲できれば人間側の兵器として運用することも可能。

擬態能力は後継機に比べてあくまで人間に「見せかける」範疇に留まっており、会話はぶっきらぼうで単調なものになりがちで、表情作りも下手で常時ほぼ真顔。
笑顔を教えられて他者の表情パターンを再現しようとした結果、凄味のある笑顔になってしまったりオーバー過ぎて怖い笑顔になってしまったりしている。
ちなみに後継機のT-1000はある程度改良されたようで緊張を和らげるような笑顔を浮かべてみせたり、「可愛いお子さんだ」「良いバイクに乗ってるな」などの世辞やジョークも使いこなしている。

CPUは頭部にあるらしく、ここと胴体を切り離されるか、胸部の電源(原子力電池だったりイリジウム電池だったり)を破壊されると機能停止する。つまり人間と急所はほぼ同じ。

人工生体組織は細かい傷なら修復されるが一定以上は治らずにその周囲から壊死・腐敗してしまう。こうなると外見や臭いにより擬態は困難となる。
本編中ではどうやって内蔵無しで維持しているか言及が無いが、1作目脚本には「(袋ごと)チョコを食べるT-800」「生体機能を維持するための人工心臓があると説明するカイル」という没シーンがある。あのメカ骸骨と筋肉の隙間のどこにそんな機能が収まっているのだろうか……
「新起動」や「ニュー・フェイト」では人間と同様に老化する設定が加わった。

なお人造皮膚には複数の種類が存在しており、多くの映像作品でアーノルド・シュワルツェネッガーが演じているのは「モデル101」と呼称される。
小説版『新T2』では、101型の容姿のモデルは元対テロ工作員の農夫(後にコナー親子に協力して抵抗軍主要メンバーとなる)ディーター・フォン・ロスバックであるという設定。
ディーター自身は単にスカイネットの目に留まっただけの全くの善人なのだが、あまりにT-800の再限度が高すぎたせいで、彼と初対面したサラがかつてのトラウマを呼び起こしてしまう一幕も。
たまに混同されて「T-101」とか呼ばれたりするのは御愛嬌。あくまで「T-800のモデル101」である。

劇中で片腕を切断されること、サングラスを身に着けては戦闘で外される((1作目では露出した目を隠すためだったが、以降は理由もなく夜間だろうと着ける))ことが半ばお約束となっている。


【劇中の活躍】


◯T-800

◆『ターミネーター


“Your clothes... give them to me, now.”

その服、脱いでこっちによこせ

抵抗軍のリーダー「ジョン・コナー」の母親「サラ・コナー」を抹殺するために1984年へと転送される。
しかし転送時のミスで「ロサンゼルスにいるジョンの母親サラ・コナーを殺害せよ」という命令が「ロサンゼルスにいるサラ・コナーという女性を殺害せよ」になってしまったため、ロサンゼルス内の同名女性を相次いで殺害していく。

遂に本命のサラ・コナーを発見したものの、時同じくして転送されてきたカイル・リースがサラを救出に現れたため、壮絶な逃走(追走)劇を繰り広げる。

二人を執拗に追廻し、最終戦では歩行機能に支障をきたした上にタンクローリーの爆発に巻き込まれ大ダメージを受け、エンドスケルトンが剥き出しの状態になりながらも追跡を続行。
その姿と絶望的な強さから黄金バットを連想した人もいるとか
二人を追い詰めた先の工場でカイルの命と引き換えの攻撃で上半身と左腕のみの状態になりながらもサラを追い続け、最期は誘き出された工場のプレス機により圧壊されてしまった。

この時点でサラの胎内にはジョンが宿っており、任務は失敗となった。




◆『ターミネーター2


“Hasta la vista, baby.”

さっさと失せろ、ベイビー

スカイネットは、直接ジョンを抹殺すべくT-1000を1994年に送り込むが、時同じくして抵抗軍に鹵獲されジョンを守るようにプログラムを変更されたT-800が転送される。
なおT-800自体は未来の戦場では歩兵戦力として大量に投入されている。これは前作の歴史改変の結果、2029年時点での最新機種ではなくなったため。

前作の個体同様、極めて高い戦闘力を誇るも、流石に当時の最新鋭機であるT-1000には一歩後れを取る。
基本的に前作の個体と同様、機械的な物言いしかしないものの、ジョンとの交流の中で徐々に人間の感性を学んでいき、エンリケの元に身を寄せて以降、
自発的に笑顔を浮かべたり(当初は不自然な笑顔だったが、ニヒルな笑みは自然になった)、
製鉄所の戦いでは声を荒げてジョンとサラに先に逃げるよう促したり、明らかにターミネーターの範疇を超えた行動を見せるようになる。

ジョンとサラを守りつつ性能の勝るT-1000と激闘を繰り広げるが、製鉄所で左腕を破壊されたうえに行動不能になるまで追い詰められるも、予備電源で復活。
機能不全を起こしていたT-1000を溶鉱炉に落とし、破壊する。

最期は人間の「感情」を覚えるが、歴史上消えなくてはならない存在であることをジョンに説き、自分の死を悲しんでくれるジョンを抱きしめ、
当初は自身を危険視していたサラからは今まで守ってくれた事に対する感謝の握手を求められ、それに応じた後、二人に見守られながら溶鉱炉へと沈んでいった。
この時、彼はジョンに向けてサムズアップを送る。




◆『ターミネーター4

冒頭にてレジスタンスがスカイネットの基地の一つを強襲し、データを収集していた際に開発されていた事が判明。
聞かされていた未来の話より早い時期であったためにジョン・コナーを驚かせた。

本格的に姿を表したのは終盤、カイル・リースを助けようとスカイネットセントラルに潜入したジョンの前に登場。相変わらず裸である。
顔が若いのはきっと気のせい。旧型のT-600より小型で頑丈に造られ、弱点であった背後の首の隙間も克服されている。

ジョンをターミネートしようと追い回し、追跡の邪魔と判断するや否や暴走したT-600をいとも簡単に破壊する。グレネードの直撃もまるで意に介さず、久しぶりに高性能なマシンであることを見せつける。

途中ジョンを助けに入ったT-RIPことマーカス・ライトと格闘し、心臓が弱点であることを見抜いて打撃を加え沈黙させる事に成功するが、目標をロストする。

直後に声帯模写機能を使いカイルの声でジョンを誘き寄せるが、溶けた金属を被せられた上に冷却ガスを浴びせられ、一時的に行動不能に陥る。
短時間で復帰し、マーカスの蘇生を試みていたジョンの背後から胸に鋼材を突き刺すも、復活したマーカスによって口に自身が使った鋼材を突っ込まれ、そのまま無理矢理捻られた結果頭部を損壊し、ターミネートされた。
その後、スカイネットセントラル自体も救援にやって来た抵抗軍に爆破され、これによってT-800の量産化計画は8年も遅れてしまい、抵抗軍に再起の時間を与える結果となった。




◆『ターミネーター:新起動/ジェニシス


“I've been waiting for you.”

長いこと待ちくたびれたぜ

通称T-800ガーディアン。日本の視聴者からはもっぱらおじさん呼ばわりされている
幼少時を狙われたサラの前に現れ、T-1000に両親を殺害された彼女を保護。養育すると共に戦士として教育を施し、未来の知識を与えた。
サラを守るようプログラムされているが、送り主は不明。
サラからは『オジサン(Pops)』と慕われており、本人もまたプログラムの域を越えてサラを愛している節がある。

体を覆う生体組織は経年劣化で「老化」を起こすため、他のシリーズに比べて頭髪や皮膚が老いた状態になっている。
サラを守る守護者として、彼女と未来から送られてきたカイルと共に戦いに臨む。

序盤には1作目の個体に相当する、サラへの刺客のT-800も登場。
1作目同様にチンピラから服を奪おうとしたところで、現れたガーディアンを即座に敵と判断しT-800同士の戦いに突入。そのおかげでヒャッハーな若者達は今回酷い目に遭わずに済んだ
ボディの経年もあって刺客の方が優位に立っていたものの、実はガーディアンは囮で遠距離からサラが狙いを定めており、対物ライフルによる狙撃で動力部を撃ち抜かれて撃破された。
……が、後に撃ち抜かれた部分をT-1000が自分の一部を投与して擬態により補ったことで再起動してしまう。
カイルにグレネードランチャーで攻撃されたもののエンドスケルトン状態になっただけで攻撃を継続。
しかも1と違ってほとんど損傷が無い状態だったために圧倒的な攻撃力と機動力を見せつけてカイルを追い詰めるも、間一髪のところで反撃を受け対物ライフルで首を吹き飛ばされ、頭部がもげたことで機能を停止。タイムマシンの材料にされた。

ガーディアンはサラと出会ってから十数年人間社会に溶け込んでいたせいか、他シリーズの個体と比べると非常に人間臭く、
本人は至って真面目に会話しているのだが、第3者から見ると、天然な発言をしているオジサンである。
古い型である事を気にしており、やたら「古いが……ポンコツではない」という。
古いとか言っちゃうと、サラ曰く「傷つく」らしい。可愛い。

カイルが言うように古い部類の機体だが、数十年間の人間社会での生活もあってか結構柔軟な思考が備わっており、
遥か格上のT-3000相手でも即座に相手の弱点を見抜き、有効打を与える手段を思いつくなど、後期型の機体群と比較しても遜色ない戦闘力を誇る。






◆『ターミネーター:ニュー・フェイト


“For John.”

ジョンのために

通称:カール
T2にてスカイネットがT-1000と同士にジョン抹殺のために送り込まれてきた個体。劇中の冒頭にて1998年のコナー親子の前に突然現れ呆然とするジョンをサラの目の前で射殺した(この時サラの抵抗により頬に傷が出来ている)
しかしT2でのサラ達の活躍により既にスカイネットは消滅しており、ジョン抹殺を完遂したところで彼が生まれるはずの未来は既に存在しなかった(しかしそのおかげでスカイネットの呪縛から自由になれたとも語っている)。その後は存在意義を失い放浪していたが、夫のDVに苦しむ女性アリシアとその息子のマテオを成り行きで助け、2人を守り続けるために人間社会に潜伏し家族として暮らしていた。夫として父として暮らしている内にT2の個体同様人間を学習し感情に近いものが芽生えた(彼の家族写真には満面の笑みを浮かべた姿が写っている)

その一方で「自分はサラにとってかけがえのない存在のジョンの命を奪ってしまった」という罪悪感が芽生え、自身に内蔵されていた「時空転移の予兆を検知する機能」によって、未来から送られてくる他のターミネーターの出現地点と時間を割り出しては、それを記したメールをサラに送り続け、メールの末尾に「For john(ジョンのために)」というメッセージを添えていた。このおかげで、ジョンを失い絶望していたサラは立ち直り、約20年の時間をターミネーター狩りのために生き続けてきた。

ジョンを殺したのでサラからは出会い頭に発砲されるなど尋常じゃない殺意を向けられており「死んでもカールなどと呼ぶものか!」「全て片付いたらあんたを殺す」とまで吐き捨てられている。
ダニー一行と合流後には過去を精算する目的で共にREV-9の破壊に協力する。同行前には家族に別れを告げてテキサスの自宅から逃がし、家を引き払う際には「I won't be back」...かつての冷酷な殺人マシーンには戻らないことを宣言している。

劇中一行の乗った輸送機がREV9に襲撃された際は自分ごとREV-9とダムに落下し殴り付ける等攻撃するも液体金属の分身に押さえ込まれ左腕を切断されるも、何とか一行と合流する。

最終決戦では対峙したREV9に『同じ目的(敵指導者の抹殺)のために生み出されたマシーン』であることを指摘され、ダニーの引き渡しを求められるも『自分の来た未来は消滅した』とこれを一蹴(ちなみにこれはカールとRev9が互いの正体がターミネーターである事を認識した上での貴重な会話でもある)、戦闘中グレースと共に発電機にREV-9を突っ込み爆発に巻き込まれ機能を停止するも、ダニーのピンチとサラの呼び掛けにより復活。ダニーがREV-9にパワーセルを叩き込む援護をし、そのまま発電所の下にREV-9と落下、高温で表皮が焼かれる中サラとダニーを見上げ『ジョンのために』と言い残し、二人に見守られながら機能を停止した。
サラにとってはジョンの命を奪った憎き存在ではあったが、最後は自分とジョンへの償いのために自らを犠牲にしたカールにサラは複雑な感情を抱きつつも涙を浮かべていた。


◯T-850

◆『ターミネーター3


“You are terminated.”

抹殺完了

大人になった前作の主人公ジョンと未来の妻ケイトをT-Xの魔の手から救出した。
実はT2の出来事から101型T-800に思い入れのあった未来世界のジョンをその容姿を活かして抹殺した個体。その後ケイトが鹵獲し、彼女にプログラムを上書きされ、過去の彼女とジョンを守るために過去に送り込まれた。ケイトの命令に従うようプログラムされている為かジョンの命令には従わない。

機体性能的には800よりやや高いといった程度だが、心理学をプログラミングされており、嘘をついたり、ジョンが引き金を引く確率を言い当てたりと高度な知性を持っている。ただし言動や仕草はT-800と同じくやや機械的である。(彼が送り込まれた時点で審判の日は目前に迫っておりT2の個体のように人間について学習する時間がなかったためと思われる)
動力源は腹部に2個搭載されたパワーセル(燃料電池)。並列式で片方だけでも動作可能。非常用の予備電源があるのか、両方を失ってもある程度の時間は稼働できる模様。

ケイトの願いを聞き入れ、軍の高官である父ロバートの救出とスカイネット誕生を阻止すべく軍の研究所を訪れるも、既にスカイネットは独立しはじめていた。

ジョンとケイトが核シェルターに向かうまでの時間を稼ぐべくT-Xと対戦するが、圧倒的な性能差の前に敗北。ジョンを殺害するようT-Xにウイルスを仕込まれる。
その後ジョンを追い詰めるが、「自分の在り方」を問われパトカーを破壊しながら自問自答をくり返し、機能を停止する。

再起動後、T-Xに追い詰められたジョン達を救出し、最期はパワーセルをT-Xの口に押し込み爆発の中に消えていった……。

なお、ゲームでは未来で思考回路を別のマシーンに移植し、人類側の戦力となっていた。


【キャスト】

「1」「2」「3」「新起動」「ニュー・フェイト」
演:アーノルド・シュワルツェネッガー、フランク・コロンボ(1のカイルの回想シーンに登場した個体)

「4」
演:ローランド・キッキンガー
※頭のみ1時点のシュワちゃんの合成・CG

「新起動(刺客)」「ニュー・フェイト(過去のT-800)」
演:ブレット・アザー
※頭のみ1時点の(ry

余談ではあるが「1」「2」「3」でシュワちゃん自身が着ていた革ジャンのデザインはシリーズ毎に違う。


さっさと追記・修正しろ、ベイビー

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