PANTERA(バンド)

登録日:2011/07/12 (火) 03:05:29
更新日:2023/08/17 Thu 03:57:22
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Pantera(パンテラ)はアメリカ、テキサス州出身のヘヴィメタルバンド。


概要

スラッシュメタルを基本に、BLACK SABBATHの持つ重い曲調をブレンドした、文字通りにヘヴィなサウンドが特徴。
パンテラの登場以降、メタルの音楽性は激変し、ギターやドラムの音その物がより ヘヴィ になった。

グランジやオルタナティブに席巻され、メタルが時代遅れの音楽として追いやられた90年代において、グルーブメタルという新たなジャンルを確立し、時代を生き抜く。
音の重さに重点を置いた楽曲が多く、ミドルテンポからスローテンポの曲が大半で、バカっ早い曲は少ない。

「パンテラを知らないメタラーは存在しない」と言える程、シーンの代表格に上り詰めた。


☆結成メンバー

  • フィリップ・アンセルモ
ヴォーカル担当。
初期はハイトーンシャウトでメロディを歌っていたが(黒歴史)、段々と野獣の様な叫び声に変わっていった。

全身入れ墨だらけで、スキンヘッドの出で立ちはどう見ても893。
ヘロインのやりすぎで心停止になるなど、生き方がハードコア。
短パンにスキンヘッドのファッションは、長髪に派手な格好といったメタラーのステレオタイプなイメージを覆した。

大声で人を包茎呼ばわりする。
「OK!!」の発音がガナリすぎて「包茎!!」に聞こえてしまう。失礼な奴である。

現在はスラッジメタルバンドDOWNでヴォーカルを担当している。


  • ダイムバック・ダレル(R.I.P)
ギター担当。
本名はダレル・アボット、ドラムのヴィニーは実の兄。
パンテラの音楽性を担っていたまさに天才ギタリスト。
少年時代からクラシックギターに触れており、コンテスト荒らしとして有名だったとか。使用機材はその時の賞品を使っていた。

ヒゲを長くしてピンクに染めているのがトレードマークであり、チャームポイント。

1/4音下げチューニングでドンシャリかつミドルをあげるという独特な音作りから放たれる音はVAN HALEN(バンド)のブラウンサウンドに通じるものがある。
この音のキモはグライコとRANDALLのトランジスタアンプである。是非参考に。
豪快な見た目と違い音は繊細である。

様々なニックネームがある。PANTERAではダイアモンド(笑)・ダレルを名乗っていた。

PANTERA解散後はDAMAGEPLANを結成、そして……。


  • レックス・ブラウン
ベース担当。
アボット兄弟とフィルの影に隠れがちだが、歪んだギターとドラムに埋もれる事無く、ウネるグルーヴィーなベースラインは凄まじい。いや、マジで。
ダレルが変則チューニングしているので、実はレックスのベースが無いと、初期の楽曲はヴォーカルと曲のキーが合わなくなる。
だが地味である。


  • ヴィニー・ポール(R.I.P)
ドラム担当。
“トリガー”と言う、ドラム用のエフェクターを駆使した、極端にアタック音を強調したサウンドのパワードラマー。
CDを再生すると、バチバチベチベチと、低音がまるで何かの塊の用に聞こえてくる。
90年代を代表するドラマーの一人である。
「Primal Concrete Sladge」のプレイは必聴である。
現在はアーライ!ではなくHELLYEAHで活動。
2018年に病により逝去。


☆歴史


90年、『カウボーイ・フロム・ヘル』でメジャーデビュー。翌年の92年に、傑作アルバムの『俗悪』で大ブレイク。
当時、ニルヴァーナなどのグランジ勢が台頭しており、メタルは“時代遅れ”の烙印を押され、METALLICAなどの大御所メタルバンドが路線変更する中、
ヘヴィサウンドを真っ向から突きつけ、メタルの攻撃性を世に広めた功績はデカい。
次作の『悩殺』では、ビルボードチャートの一位を獲得。メタル界の寵児となる。

ところが、この頃からフィルのドラッグ問題が表面化……。
前途の心停止事件が引き金で、メンバー間の亀裂が深まり、『激鉄』リリース後は事実上解散状態に。

フィルとレックスが[スーパージョイントリチュリアル]、アボット兄弟が[ダメージプラン]と、サイドプロジェクトに勤しむ中、
ファンはパンテラの活動再開を願っていたのだが……。

04年12月8日

ダメージプランのライブ中に、ダレルが観客の一人から銃撃を受け即死。
この日は奇しくも、ジョン・レノンが同じくファンに射殺されたのと同じ日だった……。

ダレルの死は04年のメタル界最大の悲劇であり、パンテラの復活は二度と無くなってしまったのである。
兄のヴィニーは「幸いなことは、ダレルが恐怖を感じることもなく死ねたことかもしれない」と言い残し、深く悲しむ。
ダレル無き今も、その偉大な功績は永遠に、メタラーの心にザクザクと刻まれている。

パンテラに興味を持った方は、是非『Vulgar Display of power (邦題:俗悪)』を手にとって堪能して欲しい。
ヘヴィメタルの超名盤である。

2012年は俗悪リリース20周年で五月に輸入盤が千円弱で、7月に日本盤でリマスター盤が両方ともDVD付きで発売されたので、既存のファンも要チェックだ!
ちなみに日本版は未発表曲「Piss」のビデオクリップが追加されるが、四千円と値段が上がっている。

2022年7月13日に、フィル・アンセルモとレックス・ブラウンを中心に再結成が報道された。
サポートのギターにはオジー・オズボーンのバンドなどで活躍したザック・ワイルド、ドラムはAnthraxのチャーリー・ベナンテが務める。
2023年3月にLOUD PARK 2023のヘッドライナーとして来日。


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R.I.P.ダレル

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最終更新:2023年08月17日 03:57