真・女神転生 STRANGE JOURNEY

登録日:2010/12/20 (月) 00:13:58
更新日:2018/04/30 Mon 12:58:36
所要時間:約 3 分で読めます




人類最後の旅(ジャーニー)が始まる

2009年10月8日にアトラスより発売されたニンテンドーDS用RPG。
『真・女神転生』シリーズの1作で、ナンバリングタイトルではないが、ユーザーや制作サイドの一部ではナンバリングとほぼ同等に扱われている。
完全新作としては6作目(I~III、if、NINEの後)に当たる。
奇抜なパッケージでインパクトがあり、発売前から色々言われてきたが従来通り硬派な難易度でデモニカスーツもなかなか好評。

2017年10月26日にはニンテンドー3DS用リメイク『真・女神転生 DEEP STRANGE JOURNEY』(以下、3DS版)が発売された。


【あらすじ】

21世紀初頭、南極に突如出現した謎の空間「シュバルツバース」はあらゆる物質を飲み込み拡大を続けていた。
事態を重く見た国連はシュバルツバース内の有人探査を決定、「シュバルツバース調査隊」を派遣する。
主人公は調査隊の一員となり、人類の命運を掛けた奇妙な旅(ストレンジジャーニー)へ赴くことに…


【世界観】

本作の世界観における最大の特徴は、舞台がいわゆる魔界であるということ。
そのため、カオス系のボスが多く、ロウに至っては一体もいない。
ただし、シュバルツバースの成り立ち上、そこを支配する敵は「唯一神によって悪とされた神々」が主体となっており、「悪として生み出されたもの」はボス役を張らないという偏って構成となっている。


また、カオスとしても異質といえる。
+...
というのも、彼らは弱いのである。戦闘力が低いというわけではなく、性質として弱い。
本来のカオスは個の強さを重視する。支配者たちはその中でも、絶対的な強さ故に古代に君臨した主神・王クラスの神々である。
にも拘わらず、他人に頼ることを肯定してしまっている。
カオスならばせめて利用するに留めるべきであるが、その首魁ですらルート次第では己の身を人間に預けるような真似をしている。
前半のボス4体に至っては、相手が真の支配者の一柱とはいえ、敗北した後他者の手で蘇生されるというみじめな有様を悲嘆せず、
次なる蘇生も期待している。つまり、他の悪魔に依存することを恥じていない。
また、彼らは人間の殺し方は人間を真似るのが一番と言い、人間がなぜ繁栄できたか分からないと言い、文明の利器を素晴らしいと言い、それらを学び取り込もうとした。これはこれで己の不完全性の肯定であり、やはり悪魔の上の君臨者に相応しくない。

学ぼうとすること・他人に頼ること・上位存在の救済を期待すること、それはすべて人間の業であり、言ってしまえば彼らは人間に恐れを抱いているとさえ取れる。
奇しくも、後に出た女神転生IV Finalにて、ガイア教団が同じようにカオススタンスでありながら他人に頼っていることを糾弾された。
結果、余計なことをしたせいでゼレーニンは天使への道を選び(これは人間同士の事情も大きいが)、3DS版で追加された新ルートではその矛盾を突かれたことで別の可能性が生み出される事態にもなっている。


【登場人物】

CVは ドラマCD/3DS版 または 3DS版のみ

  • 主人公
CV:小山力也/広瀬淳
調査隊の一員で、最先端揚陸艦隊の1号艦「レッドスプライト号」に搭乗する日本国籍の主人公。
デフォルト名は無く、「タダノヒトナリ」、「クズノハライドウ」、「アトラスヒーロー」などが当てられる。
通称「TDN」

CV:玄田哲章/石塚運昇
最先端揚陸艦隊の1号艦「レッドスプライト号」に搭乗し、シュバルツバース調査隊を率いる屈強な黒人男性。
勇猛果敢で責任感溢れる我らが隊長。

  • ヒメネス
CV:東地宏樹/櫻井孝宏
20代のヒスパニック系アメリカ人で叩き上げでのし上がった軍人。
主に戦闘を任とする2号艦「ブルージェット号」の一員。
捻くれ者でシニカルな性格の現実主義者で、調査隊に参加したのも金のため。その性格のから問題行動も多く、アーサーやゼレーニンに反発することもしばしば。

  • ゼレーニン
CV:甲斐田裕子/坂本真綾
金髪碧眼の女性のロシア人で科学者。主に調査・研究を担う3号艦「エルブス号」の一員。
潔癖性のきらいがあり、シュバルツバース突入後の過酷な環境も相俟って悪魔を強く拒絶。召喚プログラムにも難色を示した。

  • アーサー
CV:田中秀幸/子安武人
「レッドスプライト号」を管理し、任務を支援する管制AI。
高度な情報処理能力で調査隊を導くがAI故に人の心境の機微が分からず隊員とギクシャクすることも。

  • バガブー
CV:阪口大助
身体の構成が他の悪魔とは異なる奇妙な悪魔。実験場で拘束されて虐げられていたがヒメネスの勘違いで救出され、それが縁で仲魔になる。
不気味な見た目だが所作は子供っぽい。
ヒメネスに懐き、またヒメネスからも愛着を持たれており、艦内でもたびたび召喚されているなど劇中におけるマスコットポジション。

  • マンセマット
CV:森川智之
主人公たちの前に時折現れ、協力する大天使。「マステマ」としても知られる。
シリーズお馴染みLAWの刺客なのだが……

  • ルイ・サイファー
CV:井上喜久子
メガテンプレイヤーお馴染みのあの方。今回は少女の姿で登場。
悪魔態にはならない。『真Ⅲ』以来かつ、名乗りながらも正体を現さないのはこれが初。
宿敵の方も表に出ていないため、傍観に徹することにしたのかもしれない。シュバルツバース内の存在との絡みも皆無。

あるいはシュバルツバースではなく、人類がそれを乗り越えた後に本気を出すつもりという線もある。
実際、主人公には一定の興味と期待を寄せているし、3DS版2周目以降で主人公が新たな可能性に向かった際には
ルートを問わず正体を明かし、試練と褒美を用意している。

CV:松原大典 / 斉藤壮馬
調査隊メンバーの1人。
詳しくは個別項目を参照。

  • 三賢人
CV:チョー
冒頭からシルエットだけの姿を見せる謎の3人組。
3名とも穏やかな物腰の存在だが、シュバルツバースに呑み込まれ滅びようとする人類を「ヒト猿」と嘲り見下す傲慢さと、地球意思を熟知した高い知性を有している正体不明の存在。
傍観者として主人公を見守っているが……

  • アレックス
CV:潘めぐみ
3DS版追加キャラ。黒い風変わりなデモニカスーツを身に着けた少女。
アレックスのデモニカスーツに搭載されているAIコンピュータ「ジョージ」(CV:中村悠一)が相棒。
主人公やヒメネス、ゼレーニンを殺さんとシュバルツバースで襲い掛かる通り魔ガール。

CV:門脇舞以
3DS版追加キャラ。
よりもロリな外見で現れたハーベスト女神。
彼女を無理矢理襲って妊娠までさせたロリコン弟のゼウスに「何を考えているかわからない」とか言われる。


【システム】

  • 3Dダンジョン
「デビルサマナー ソウルハッカーズ」以来の3Dダンジョン。
見た目は開発元が同じ「世界樹の迷宮」に近く、下画面にマップが表示される。但し初期のあちらと違ってオートマッピング。
相も変わらずダンジョンは複雑で、隠し扉、一方通行、落とし穴、ワープ、ダメージ床等々多数の罠が待ち受ける。
敵の強さも相俟って難易度上昇に拍車をかけている。ラスダンは踏破するだけでもかなりの時間が掛かり、
クリア後クエストは最早マゾに迫る何か。
3DS版では追加要素により本編攻略は幾分か楽になったが、
難易度カジュアルですら無策では叩き潰されること間違いなしの隠しボスが4体も追加された。

本作における主人公達の装備兼COMP。詳細は項目参照。デビルソースや本作における悪魔合体についても同様。

  • デビルCO-OP
敵の弱点を突いた時、同じスタンス(LAW-NEUTRAL-CHAOS)の戦闘メンバーが追撃するシステム。
同スタンスの仲間が多い程、デビルCO-OPの威力も上がり貴重なダメージ源となる。
基本的にデビルCO-OPありきのバランスになっているため、編成をちゃんと考えないと雑魚にも苦戦する。
一方でストーリー最終盤以降は弱点が突きにくかったりスタンスを揃えづらかったりして出番が減るのが難点。
だが、リメイク版ではこのシステムの価値を引上げさせる要素が多い。追加ルートに興味があるなら慣れておこう。

敵専用スキル。
命中するとこちらの所持金を問答無用で一気に削られるみんなのトラウマ。

【嘆きの胎】

リメイク版で追加されたエクストラダンジョン。通称「牢獄」で、シュバルツバースの支配者の意に沿わない存在を封印している。
ボーティーズでのイベントから侵入できるようになり、各セクターで新しいメインアプリを入手すると新しいエリアを攻略できるようになっている。
各エリアには前述の封印存在がボスとして配置されており、倒すことで特殊合体が解禁される。
また、デモニホらしき悪魔がおり、彼の出す条件に沿ったパーティ構成で特定の悪魔との戦闘に勝利するミッションが発生する。連続ミッションとなっており、浅い階層から順にクリアする必要がある。
さらに、ボス悪魔及びデモニホのミッションをクリアすると、サブクエスト用のレアフォルマを入手できる。
各エリアは一階層だけながらそれなりに広く、一方通行床やダメージ床が大量に用意されている。
この中限定のアイテムとして、○○香コアDというものがあり、10個につき1個悪魔専用の香を精製することができる。ダメージ床で囲まれた場所では一度に5個入手できるが、画面切り替えでなく経過時間(歩数?)によって復活する特別仕様。
このダンジョンを最奥部までクリアすることで、新ルートに進むことができる*1

  • 天女アナーヒター
第一圏の支配者。ビジュアルも言動もわざとらしい程にエロい。
比較的穏やかな応対をするが、結局問答無用で勝負となる。彼女に勝利することで、デメテルが探していた「実り」を支配者たちが持っていることが判明する。
氷結属性を得意とし、お約束通り火炎属性が弱点。しかし、3ターン火炎属性攻撃を使えなくするスキルを使用する。

  • 女神イシュタル
第二圏の支配者。実は追加悪魔じゃなかったりする(DS版ではパスワード限定)。
こちらも割と友好的ながら、実りを求める主人公の心を折るために体を折ろうとしてくる。
固有スキルはソウルスティール。相手は死ぬ…のは別のお話で、魅了状態のキャラ全員に対するエナジードレイン。デルファイナス攻略時に挑める割にはレベル45と妙に高め。

  • 魔王アモン
第三圏の支配者。出オチ。
3DS版発表当初から新悪魔として紹介されており、『if…』のアモンの例があることからキーパーソンになるかと思われたが、
蓋を開けてみれば台詞らしい台詞が1つだけ。プレイによってそこで出番終了。でも主人公の間接的な命の恩人。
火炎属性を得意とする。展開次第では後に戦闘可能。中々厄介なスキルをもっているのだが、他二人のインパクトが強すぎるため印象が薄め。

  • 堕天使フォルネウス
第四圏の支配者。デカラビアを待たせていたりはしない。
妙に小物臭いエイ。アモンを倒したアレックスを倒してやると息巻いているが、どう考えても無理である。
3ターンの間ターン終了時に恐怖を付与するフィールドを展開したり4回連続攻撃を放ってきたりと厄介な上、この後にアレックスが襲ってくるという隙の生じぬ二段構え。チャージ見てからテトラカーン余裕でした

  • 魔神ゼウス
第五圏の支配者。ロリコンファングジョーカー。
「雷霆ケラウノス」を右手首に、「アダマスの鎌」を左手首に装着している。あの、それあんたの父親が祖父を去勢するために使ったものなんですが。
下半が振るってどうする。
『デビルチルドレン 黒の書』以来で久しぶりに登場したせいか、ハッスル過ぎてケラウノスとアダマスの鎌がそれぞれ「雷ダメージ&防御力4段階ダウン」と「物理ダメージ&ゼウスの攻撃力2段階アップ」という強烈な効果を発揮。更にゼウスに不利なバフ/デバフを消した後バフ/デバフ禁止という嫌すぎるフィールドを展開してくる。

  • 女神マリア
第六圏の支配者。
ブラックじゃない方。『NINE』と同様のデザインで、2D作品かつ悪魔としては本作が初出。
終始穏やかな態度で、実りを望む主人公の資格を試すべく戦いを挑んでくる。
コンセントレイトとマハ○○ダイン系を操る他、神聖系を弱点化させるスキルを使用する。ママンなので子守歌も歌う。放っておくと永眠させられるけど。


【考察(ややリメイク版ネタバレ)】

+...
世界観及びカオスの特徴が異質であることは上記の通りだが、これにある見方を加えるととても面白いことになる。

シュバルツバースとは人類の繁栄の負荷によって膨れ上がる情報世界であり、人類にとっては影であり鏡でもある。
別シリーズの表現で言い換えると、人類史のシャドウである。
実際、古の神々の姿を取って、人間の弱さを抱えたまま、それを見せつけるように襲い掛かり、最終目的は人類の破滅、と件のシリーズ(というか2作目の邪神)を髣髴する行動原理となっている。
よって支配者らは古の神々の姿を取ったシャドウ○○(○○は戦争、退廃、消費etc)であるといえる。
その裏付けの一つとして、マンセマットはオーカスの吸収能力を見た際に「俺の知っているのと違う(意訳)」と語っている。

伊達に本家の系統に近いシナリオ構成なのにナンバリングから外れていない、ということだろうか。

となると、アレックスの語る3つのスタンスの未来すべてが破滅だったのも仕方ないといえる。
何せどれもシャドウを直視せずに無理矢理に消去あるいは身を委ねたのだから、未解決の根本的な問題に身を焼かれるか、
影に飲まれるかの違いでしかない。影を失った光あるいは光を消し去った影は存在が保てないのは道理である。
故に、主人公を殺しただけでは変わらなかった未来が、人類にフォーカスを当てて自意識を保った果ての結末を目指した途端に書き替わった理由にもなる。


追記・修正よろしくお願いします


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