銀河漂流バイファム

登録日:2011/06/01 Wed 20:51:39
更新日:2024/04/12 Fri 19:02:46
所要時間:約 4 分で読めます






■「銀河漂流バイファム」は1983年に放映された日本サンライズ制作のロボットアニメである。

コンセプトは、「ロボットアニメ版『十五少年漂流記』」。

監督は「太陽の牙ダグラム」の神田武幸、構成・脚本は星山博之。
さらに「魔法のプリンセス・ミンキーモモ」等で人気だった芦田豊雄をキャラクターデザインに起用。

13人もの個性豊かな子供達をほぼ均等に主人公として描ききり、そのピュアなストーリーは、当時乱立気味だったリアル系ロボットアニメの中でも特に好評を博した。

放映終了後には新作OVAが2巻発売。

更に13年後、外伝的新TVシリーズ「銀河漂流バイファム13」も放映された。






■放送データ

原作 原作:神田武幸、星野博之
原案:矢立肇、富野由悠季
監督 神田武幸
キャラクターデザイン 芦田豊雄
メカニックデザイン 大河原邦男
音楽 渡辺俊幸
アニメーション制作 日本サンライズ
製作 毎日放送
日本サンライズ
放送局 毎日放送
放送期間 1983年10月21日~1984年9月8日
話数 本編 全46話
OVA 全3話
オープニングテーマ HELLO, VIFAM
歌:TAO
エンディングテーマ NEVER GIVE UP
歌:TAO




■あらすじ

突如として謎の異星人からの攻撃を受けた、地球人の開拓星群。
緊急脱出した宇宙船ジェイナス号だったが、船を守る為に大人達は次々に戦死。
取り残された13人の子供達は囚われた家族や友人達を救出する為に、自分達だけで異星人の母星を目指す旅に出る。



■登場人物

■13人の子供達

14歳。(量産機だけど)主役メカバイファムを駆る。
年上の女性とファーストキスしたり、異星人の女の子といい感じになったりと、主役らしく華やかな女性遍歴を送っていたが、
最終回でまさかの事態、13人のカップリングの中から唯一あぶれる羽目となる。また中の人が引退したため「銀河漂流バイファム13」ではマキ共々声が変更されている。
ちなみにロディの後任が保志総一朗・他アニメの持ちキャラ後任が石田彰となぜか後の『SEED』コンビが彼の役目を継いでおり、その縁か『SEED』ギャグ版ではスコット声のトリィが飛んでいた。
後日談OVAでは他の子供達と同じくTVシリーズでの功績から英雄扱いされ、マスコミに悩まされる日々が続いていると語られている。

  • バーツ・ライアン
    CV:竹村拓
14歳。一見ヤンキーっぽいが友情に厚い良い奴。
ジェイナス号の影のリーダー。
愛機のネオファムは名前とは裏腹に旧型機。
サジ?マジ?何の事です?

  • スコット・ヘイワード
    CV:鳥海勝美
15歳。年長だからという理由だけでジェイナス号のキャプテンとなる。
要領が悪く真面目だけが取り柄の青瓢箪だが、なんのかんのと立派に責務を果たしていた。
しかしエロ本が絡んだ時は年相応とはいえかなりのキャラ崩壊を見せた。
頻繁に航海日誌もつけている為、今作における語り部も務めている。
ちなみに中の人は、本作の3年前に『3年B組金八先生』の第2シリーズに出演しており、同作品には本作の2週間前に放送されたスペシャル2と1985年12月放送のスペシャル4、2011年3月放送のファイナルにも出演している。
さらに同作品の第1シリーズの後番組で、第2シリーズの前番組である姉妹作品の『1年B組新八先生』には岩田光央氏が2学年後輩の生徒役で出演した他、1988年の第3シリーズには宮島依里氏が、1990年のスペシャル8には飯塚雅弓氏が、1998年のスペシャル9には木村良平氏と宮野真守氏が生徒役で出演している。

  • フレッド・シャッフル
    CV:菊池英博
11歳。機械に強いロディの弟。
初っ端の失禁シーンがあまりにもインパクトがありすぎた為、何だかその後の印象が薄い気がする。
ちなみにロディとの兄弟設定は企画段階で顔が似ていたためらしい。

9歳。軍曹。
軍人一家の影響か、軍に憧れを抱く少年。ただ行き過ぎて何かと攻撃的思考をしてしまう。
メンバー屈指のトラブルメーカー。問題発言にとどまらず、猪突猛進、不用意な行動で自分も味方も危機に陥れること度々。
しかし根は良い奴。
搭乗機はバイファム8番機、トゥランファムのメインパイロット、しかし13ではガンナー担当。
しっぽは無いが声が声だけにあってもおかしくない。

  • ジミー・エリル
    CV:千々松幸子
8歳。自称カチュアの騎士(ナイト)。
地味で無口でドンクサいが実はロディの最大のライバルだった(恋愛的な意味で)
ケンツとは蒙古斑で結ばれた心の友。
地味だからジミー。覚えやすい。

  • マルロ・Jr・ポナー
    CV:佐々木るん
4歳。大抵ルチーナとペアで行動している。

14歳。スコットの幼なじみでマルコやルチーナの母親代わり。
真面目で優しいが、ややババくさく、たまにヒスを起こす。
特に潔癖な性格で、スコットの持つエロ本を目にした時は口も聞かなくなったほどだが、後に笑って流せるほどの余裕を持つようになる。
放送開始当初はヒロイン的に紹介されていた為、ロディとくっつくかと思われていたが、ロディとの絡みは全くと言っていい程無く、普通にスコットとデキ上がっていた。

  • マキ・ローウェル
    CV:羽村京子/手塚ちはる(13)
13歳。ボーイッシュな女の子。「MAKI」と書かれた帽子がトレードマーク。
サッパリした性格でメカに強い。
似たタイプのバーツと良い感じになる。
パペットファイターという戦闘機に乗ったり、13ではトゥランファムのメインパイロットを務める。

  • ペンチ・イライザ
    CV:あきやまるな
10歳。フレッドが片思いしている女の子。
文学少女でいつも何かしら本を読んでいる。
自作のポエムの破壊力はシャロンでなくてもツッコミを入れたくなる。

  • カチュア・ピアスン
    CV:笠原弘子
10歳位。ジミーと共にジェイナスに救助された、ちょっとフシギちゃん入った娘。
その出生には本人も知らない秘密がある。
何か人型コーラリアンの少女にも似てる。
ククト星編からは時々トゥランファムに乗るようになった。

※バレバレなネタバレ
実は赤ん坊の時に地球人に拾われた異星人(ククトニアン)

  • シャロン・パプリン
    CV:原えりこ
11歳。放送当時は良くパープリンとか揶揄されていた。
ちょっとガサツなオレっ娘で協調性の無いトラブルメーカーだったが、ケンツと良いコンビになる。
イチゴパンツを吐いているが、それを3日履き替えてない事をペンチに責め立てられていた。
しかしパンツなどその気になれば4日は履く事も可能である。

  • ルチーナ・プレシェット
    CV:滝沢久美子
4歳。ロリ担当。
マルロのお嫁さんになる事を夢見る少女。
多分数年後にはミンキーモモ。


■地球の大人達

  • ケイト・ハザウェイ
    CV:滝沢久美子
26歳の地質学者。
ジェイナス号唯一の大人。
おばさんと呼ばれると、速攻でお姉さんと訂正してくる。
酒におぼれたりロディとプライベートレッスンな関係になりかけたが、フェイドアウト。
OVAで奇跡の復活を遂げる。

  • メルビン・クレーク
    CV:笹岡繁蔵
クレアド星の遺跡調査に派遣された宇宙考古学者・地質学者。
逞しく頼れる人物で、軍人が全滅した後のジェイナスを導いてベルウィック星まで到達したものの、救援を呼びに行った帰りに乗っていた輸送機が襲われ、消息を絶った。*1


  • 中尉
    CV:山田俊司(現:キートン山田)
本名不明。
クレアド星脱出の折、艦長が戦死してしまった為に先任士官としてジェイナスの指揮を執った人物。
敵の追撃部隊によって次々と大人達が死んで逝く中、クレーク博士に後を託して自爆装置を仕掛けたバイファムで単身突撃、命と引き換えにジェイナスを逃がすことに成功した。

  • フレデリック・ローデン
    CV:仲村秀生 / 藤本譲
地球連邦宇宙軍駆逐艦レーガンの艦長で、階級は大佐。
地球からの先遣艦隊を率いて進軍していた最中にジェイナスと接触、一時的に保護するも襲撃してきたククト軍との戦闘で再びはぐれてしまった。
後にタウト星で再会したが、直後の戦闘の影響で爆発したタウト星に巻き込まれて消息を絶つ。(状況的に生存は絶望的と思われる。)


■ククトニアン

  • シド・ミューラァ
    CV:古田信幸
異星人ククトニアンと地球人のハーフで、後半に登場するロディのライバルキャラ。通称三浦。
優れた操縦技術を持ち、幾度となくバイファムを追い詰める。
出自が出自だけに反地球感情の高まるククトニアンの社会で激しい差別を受けてきた過去があり、居場所を求めて実力主義の軍に身を投じた経緯を持つ。

ククト軍に反抗するリベラリストグループのリーダーであるククトニアン。
時として大人らしいリアリストな一面も見せるが、地球との和平の為にロディ達に協力してくれるいい人。

リベラリストグループの精神的支柱にして優れた科学者。
ミューラァの父の友人で両親を失った彼の育ての親であり、道を違えた彼のことを常に気に掛けていた。

  • ガイ、メル、ケイ、ユウ
    CV:真柴摩利(ガイ)、吉田美保(メル)、綾崎みき(ケイ)、西宏子(ユウ)
ククト星で出会ったククトニアンの子供達。
軍に反対して収容所に囚われた両親を探してククト星まで密航、旅をしていたところをロディ達と出会い、紆余曲折を経て一時的に旅の仲間となる。
最終的に子供達の助けを得て収容所の解放に成功し、両親達と共にコロニーに帰っていった。




■ラウンドバーニアン

地球軍の使用する人型機動兵器。
大河原邦男氏のベーシックなデザインのロボットでこれといって大きな特徴は無いのだが、宇宙空間での慣性移動を強く意識した演出や、タイムリミットを定めたミッションを盛り込んだシナリオと相まって、劇中での戦闘シーンはやたらと格好いい。

主役機のバイファム
旧式のネオファム
新型で復座式のトゥランファム
地上用のディルファム
が登場した。

どれも武装は多くなく、主にビームライフルと格闘戦がメインである。
また、大気圏内では「スリングパニアー」というユニットを装着することで飛行も可能。




■ジェイナス号

13人の子供達が乗り込む練習用宇宙艦。
ちょっとお茶目なボギーというAIを積んでいる。エロ本が大量に貯蔵されている秘密の倉庫がある。
途中、老朽化が進んだのかトラブルに見舞われる。
緊急事態用に大気圏突入能力を持つが、あくまで非常用なので二度と宇宙に戻ることは出来ない。
その為、ククト星に到着した時点で名残惜しくも子どもたちと別れた。
厚い装甲は数々の苦難から子供たちを守り抜き、別れの際は切り出した装甲を盾としてバイファム、ネオファムを最後まで守った。
企画段階での名前は実はグラドスだった。




■バイファムとガンダムの関係

本作の企画は、「機動戦士ガンダム」の初期構想「フリーダムファイター・ガンボーイ」を出発点としている。
原案として富野由悠季不吉な名がクレジットされているのは、このためである。

有名な「十五少年漂流記」の翻案作として、暗黒版ともいえるウィリアム・ゴールディングの「蝿の王」という小説があるが、
サンライズは後に同作も暗黒版バイファムと言える「無限のリヴァイアス」としてロボットアニメに翻案しており、同作には『13』版ロディ役の保志総一朗も参加していた。
そしてリヴァイアスの脚本を担当した黒田洋介も、後に「機動戦士ガンダム00」を担当することとなる。




■余談

オープニングで映る文字列は、実は一時代を築いた8ビットCPU・Z80のソースコードである。

ちなみにスーパーロボット大戦シリーズにおいて、参戦が難しい事が理由付きで明言されている作品の一つだったりする。
寺田貴信プロデューサー曰く「好きだけど(自軍に)合流したら話が終わる*2



「遠い遠いケンタウロスより遠いお星様、私の願いを聞いて欲しいの・・」

「追記・修正してくれたら私の大事なファーストキスをあげる・・」

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最終更新:2024年04月12日 19:02

*1 死を暗示するシーンがあったものの、遺体は見つかっていない。

*2 そもそも本作の大雑把なストーリーは「難民の子供たちが味方の軍隊に保護されるまでの話」なので、味方の軍隊=自軍と合流した時点でストーリー的には最終回を迎えてしまい、同時に子供たちが戦う理由も無くなってしまう。