TISTA(ティスタ)

登録日:2010/04/16 Fri 04:08:02
更新日:2022/12/08 Thu 09:44:16
所要時間:約 5 分で読めます






贖罪の十字を背負いし彼らに永久なる安らぎを。





概要

『TISTA』とは、ジャンプSQ.で連載されていた遠藤達哉による漫画作品である。
2007年12月号から連載が開始されるも打ち切りとなり2008年8月号にて全9話で完結。単行本は全2巻。

あらすじ

事件が絶えぬ街ニューヨークシティ。この街で"シスターミリティア"と呼ばれる暗殺者がいた。
姿を晒さず標的を仕留めるその正体は、悲運な宿命を背負う一人の少女。
彼女は銃弾を放つ、贖罪の祈りを捧げながら…。
(単行本1巻より引用)

登場人物

【メインキャラクター】

○ティスタ・ロウン
この漫画の主人公。愛称は「ティスタ」「ティセ」
大学の教育学部の生徒であり、成績は優秀だが誰とも話さず、どこで遊んでいるかも誰も知らない暗い子。

だが、夜はこの10年間、マフィアや犯罪者、汚職政治家を暗殺するNYの死神“シスターミリティア”としてNYを騒がせている。

彼女の狙撃の腕前はターゲットを1000ヤード以上離れたビルから、時速40マイルで走行中の車を、しかも建物の隙間から見えたほんの一瞬の内に撃ち殺すほど。
それを可能にしているのは彼女の特殊な「目」の力である。

「エイメン」


○アーティー・ドロワー
ティスタと同じ大学の芸術学部の3年生。自称「未来の超大物画家」
気さくな人物であり、交友関係も広い。

父親が事故で亡くなってから美術館館長の叔父に面倒を見てもらっている。元施設上がりであり、ヤンキーのグループにも詳しい。

美術館館長の叔父に展覧会用の美術品の運び入れを頼まれるが…。

「おまえ 笑うと可愛いな…。」


【聖心十字会】

○ブラザー・ロウン
ティスタの養父。教会の中で殺されているのが発見された。
幼少のティスタに銃器や「目」の使い方、修道騎士としての生き方を教えた。

「おまえといて変われる気がした。だが結局、この血塗れの手はオマエに何一つ与えてやれなかったな…」


○コロナ修道院院長
通称「ママ先生」穏やかそうな老婆。ティスタの運命を哀れに思っている。

「ねえプロコ…何故この世界は誰かが救い手を担わなければならないのでしょうかね…?」


○プロコ助祭
黒人アフロ ティスタの任務を手伝う。かなりいい人。

「ロウン先生…これで良かったのでしょうか…?」


○ペルトス神父
黒い帽子と眼鏡、変なモミアゲが特徴的。
ティスタに指令を出す係。
子供達には優しいが、ティスタや犯罪者には慈悲もない。

「なればこその!!罪には罰を!そのための私達聖戦の徒による贖いと祈りです!!」


○2巻から出てくるヒゲ
本名不詳
ファンからは「ヴァカな!!!!」と呼ばれている。
若本っぽいしゃべり方をする。

「メリィィイクリスマスっ」


【警察】

NY市警

○マクミラン警部
いつも帽子をかぶり、ヒゲを生やしている。ベテラン。

「利用されたんだ。まったく馬鹿野郎が…」

○チャーリー
マクミラン警部と一緒にいる眼鏡。基本テキトー。

「いっそ教会にでも頼んじゃいます?あれ修道院か?」


FBI

○スノウ・ワイトハート
FBIの心理分析官。27歳とまだ若いがセンスはあり、“シスターミリティア”の身長、体重、体格、性別、年齢、思考を現場から読み取るほど。
早くからティスタの事を疑っている。

「あたし心理学部のニクスって言いますー(ウソ)20ですー(27)」


用語

十字眼(ゼロイン)
修道騎士特有の特殊な力を持った目。スコープ無しでの狙撃、ガラスや金属の反射像から位置を割り出しての跳弾や曲射弾道による狙撃を可能とするだけでなく、
瞳孔の収縮やその奥の血液の流れからある程度相手の感情を読み取ることが出来る。
感情を媒体に傍らに立つ不特定の一人に受け継がれるという性質を持ち、千年近くもの間受け継がれ続けてきた。
暗殺には極めて秀でているが視界が極端に狭い為守りには向かないという弱点がある。

○聖心十字会
表向きには、救済修道院の運営などを行っているがその裏では自らの教理に基づいた"悪"を裁いている組織。
ティスタはここに所属している。

修道騎士(ミリティア)
聖心十字会に所属し、十字眼の力によって暗殺を行っている者の総称。その歴史は古く始まりは千年近く前にさかのぼる。


~登場武器~

(この作品には大量の銃器が登場するので、ティスタが所有している物のみ書きます)

○I.H.S.V-P3
いつも使っている中折れ式リボルバーライフル。この銃に限らず組織で使用する銃には全て
"In hoc signo vinces"と刻まれている。
口径 7.62mm
全長 1192mm
重量 7282g
装弾数 3発

○I.H.S.V-キュンティア
アンチマテリアルライフル。バイポッドとスコープが取り付けられる。組み立て式なので持ち運び便利。
サプレッサーが付いているがめっちゃでかい音がする。この世界の人達は耳が悪い。(作者談)
口径 12.7mm
全長 1820mm
重量 14600g
装弾数 1発

○I.H.S.V-センチュリオン
フルオートハンドカン。ずっと撃ってると手がしびれる。
口径 9mm
全長 290mm
重量 1740g
装弾数 いっぱい


本編未登場
○I.H.S.V-超電導悲劇粒子相転移砲(ガッデム・クエンチ・カノン)
終わりなき悲しみを、貴方に。
口径 .30K
全長 1650mm
重量 232300g
装弾数 ∞

この作品はネタが随所に隠されているので、探してみるのもいいかもしれない。
例えばカバー裏とか。


解説

この作品は遠藤達哉の初連載作品であり、長年連載を待ち続けたファンを狂喜させた。
が、わずか9話で終了したため、「打ち切られた…」と嘆く人も多かった。
何故早期に終わってしまったかは読んでもらえばわかるが、「話が暗い」「(少年誌にしては)人が多く死ぬ」といった所が少年誌に合わなかったのではないか、と言われている。

しかし、連載されていた頃は匿名掲示板などではかなり人気があり、コミックスを探して本屋をさ迷い歩く人達もいたくらいである。
そして、「最初からこれ位で終わる予定だったはず」「むしろこれ位がちょうどいい」という意見もある。

本作の連載終了から10年後、作者の遠藤は『SPY×FAMILY』でようやく連載漫画のヒットを得る事となり、
その影響か長らく絶版状態が続いていた本作のコミックスも久々に増刷され、手に取り易くなった。




「プロの殺し屋の犯行現場には大抵感情なんて残ってないけどね。シスター・ミリティアのそれにはあったのよ。垂れ流された千切れるような心の叫びが」

「過去の心的外傷と主従的な組織の中で自尊心なんて打ち捨てられたんでしょうね。そんな目をしてた」

「間違ってるわ!」

「きっと後悔してるんでしょう?自分の存在を!これまでの生を!憐れみたまえってね!!だけどそうじゃない!そうじゃない…!!」

「懺悔するなら彼女が殺めた人達と!!不幸にしてきた人達に向けるべきよ!!」



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最終更新:2022年12月08日 09:44