CLOTH ROAD/クロスロオド

登録日 :2012/03/09(金) 11:33:48
更新日 : 2016/12/25 Sun 22:22:20
所要時間 :約 6 分で読めます




CLOTH ROAD(クロスロオド)は、脚本:倉田英之、作画:okamaによる日本の漫画作品。
月刊ウルトラジャンプ(集英社)にて、2003年12月号から2011年6月号まで連載されていた。
全11巻。話数単位は、本編は「Stitch-」(スティッチ)、番外編は「Snap-」(スナップ)。

okamaの本気が遺憾なく発揮されており、漫画と言うよりは美術品。
美術に昇華された漫画としてはジョジョが有名だが肉体美を扱ったあちらと衣服の美しさを扱ったこちらではベクトルが異なる。
特に背景の書き込みは素晴らしいの一言。
人気作ゆえアニメ化を望む声は多いが、その情報量の多さからアニメーターが死ぬとも言われる。
なんせモブが1人1人喋ってたりする。
CG多用したらしたでお金かかるし実質アニメ化不可能。

地味にVOMIC化されているので興味がある人はとりあえずそれで我慢しよう。
主役2人の声は上条さんとかんざきさんじゅうはっさいでありアニヲタも大満足。

ストーリー

極限まで発達したナノテクノロジーによりコンピュータの小型化が進み、服とコンピュータが融合した時代。
服飾ブランドの影響力は著しく強くなり、服を仕立てる「デザイナー」と、その服の機能を最大限に引き出す「モデル」は時代の寵児となった。
一方で貧富の差は拡大し、スラム街の貧民達は「ウォーキング」(WAR-KING))と呼ばれる、モデル同士が戦うファッションショーと決闘の要素を併せ持った見世物でウサ晴らしをするのが日常となっていた。

駆け出しデザイナーのファーガスは2流モデル「8823(ハヤブサ)」のために「ウォーキング」の服をデザインしていた。
ある日他の街からやってきたモデル・美美介に8823はなすすべもなく倒され、負けた腹いせにファーガスを罵倒する8823にファーガスは決別を宣言する。
その日の帰路、師匠であり育ての親のグスタフが体内に侵入したナノマシン(麻薬的なもの)が原因で倒れたとの知らせが入る。
投げやりになってしまうファーガスであったが、そこに1人の少女が現れる。
彼女はファーガスの生き別れの双子、ジェニファーだという。

主要人物

ファーガス
主人公。デザイナーでメガネ男子。
物語当初は見習いレベルの腕しかなかったが、過酷な運命を経てトップレベルのデザイナーに成長していく。
基本的に冷静だがかなりネガティブ。
高いだけのプライド、否定されるとムキになってキレるなど仮にもジャンプ系列誌の主人公としてはかなり異端。
まあ最終的には人間的にもいいやつになるのでご安心を。

ジェニファー
もう1人の主人公。ファーガスとは双子だが性格は真逆で破天荒。明るく前向きな太陽のような存在。
似ているところは髪の色と背丈くらいなもので、ファーガスとは喧嘩ばかりしている。
グスタフ親方の治療費を稼ぐためにモデルになることを決意。
元モデルのペルリヌさんの指導のもと熟練モデルの美々介に(半ばまぐれとは言え)勝利を収める。
その後はファーガスと2人で自分たちのルーツを探すたびに出た。
ジューン・メイに見初められ彼女の最初で最後の弟子となる。
ぱっとしない描写が多いが最終的に作中最強クラスの腕前になっている……はず。

アルジャンヌ
双子の実母。
元トップモデルだが現在行方不明。

グスタフ
ファーガスの師匠であり育ての親。
物語開始時は酒とドラッグに溺れた駄目な人だが、実は元トップデザイナーでたくさんの人に笑顔を届けていた。

ペルリヌさん
元モデルの娼婦。作品より先に項目が立った。
さり気なく最後のほうまで登場する。

トーガ
グスタフの元ライバルであり相棒。
ファーガス第二の師匠となり、彼の特訓でファーガスはトップレベルの実力を手にいれる。
いろんな意味で人間らしい人。

ジューン・メイ
詳しくは項目で。
作中最強の存在として描かれており、彼女が出てきた時の安心感は異常。
一度負けた相手には負けない主人公体質の人でもある。
どこぞの赤色とは多分関係ない。

ガーメント
ラスボス、外道、マッドサイエンティスト。
ファーガスたちの実父だが、才能のある人間以外不要と言い切り実の子供たちを切り捨てた。
デザイナーなので戦闘力は皆無。しかし自動防御兵装とか持っているので並のモデルでは歯が立たない。

ジュリエット
作中で最も才能のあるモデル。
こいつが強すぎるせいでジェニファーが輝かない。
あと幼女。

用語

ドレス
服の総称。
コンピューター繊維が使用されており、簡単に言うとパワードスーツ。
日用品としてジェット噴射がついた服やテレビモニターのついた服とかが普通に売られている。勿論貧乏人には手が出ない代物。
モデルが着るものは戦闘に特化しており銃器や爆弾が仕込まれているものも多い。袖が剣になるのは当たり前。
世楽のみ天然繊維を利用し、ギミックはからくりを応用して服を仕立てている。

ブランド
大小様々なものがあるが七大ブランドと呼ばれる「ロイヤルカストラート」「チャリオット」「グラウンドダーク」「モノリス」「ユニイズム」「ニケ」「世楽」の7つは大きな権力を持ち、国家を形成している。
その中でもロイヤルカストラートが最も影響力が大きい。

ドレス・スカイ
放射線や紫外線から地球を護るために地球に着せられた「服」。
勿論コンピューター繊維でできており、作中の空はドレス・スカイに映し出された映像である。

クロスロオド
元々は七大ブランドのトップモデルが威信をかけて争う武闘会の名前。
しかし最終盤には……

よもやま

近未来の話だが服のデザインは現在とさほど変わらない。

ファッションとバトルという今までにない斬新なテーマが話題を読んだ作品。
UJ掲載の漫画は癖の強いものが多く手が出にくいかもしれないが、意外にも王道の少年漫画展開なのでジャンプ漫画しか読まないような人にもおすすめできる。
多少グロいけどな!

七大ブランドはモチーフがある。
ロイヤルカストラート→イギリス王家
チャリオット→帝国時代のドイツ
グラウンドダーク→パンクやV系
モノリス→北欧
ユニイズム→ユニクロとコムサイズム
ニケ→ナイキ
世楽→和服
それぞれ得意としている分野が違い明確に差別化されているのが特徴。
デザインにも如実に現れている。
(例:ニケの服は人間工学を高めた高速挙動を可能にする、ユニイズムは大量生産可能がモットーなので信頼性の高い服を作る、など)

基本的には勧善懲悪のわかりやすいストーリーなのだが、衣服の限界ということが裏テーマとなっており、身体論や認識論といった視点で読むとなかなか深く考えさせられるものがある。
昨今の作品でガーメントのような清々しいマッドサイエンティストはなかなかいないので、人体改造なんかが好きな人はたまらない……かもしれない。



追記修正はご随意に。

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