新世紀GPXサイバーフォーミュラ

登録日:2011/10/14 (金) 13:11:11
更新日:2024/03/08 Fri 20:47:35
所要時間:約 7 分で読めます





コンピューターによるナビゲーションシステムを搭載した
レースマシン「サイバーフォーミュラ」の登場は、
F1に変わる21世紀のニューレースマシンとして、
世界中の人々を熱狂させた!



新世紀(フューチャー)GPX(グランプリ)サイバーフォーミュラ』とは、
サンライズ制作のアニメシリーズ作品。
監督はGEAR戦士電童ガンダムSEEDシリーズで知られる福田己津央。


【概要】

水素エンジン、そしてAIによるサポート等最先端テクノロジーを取り込んだマシンで競う、次世代のモータースポーツ「サイバーフォーミュラ」。
そのマシンである「アスラーダ」のドライバーとなった主人公・風見ハヤトの成長を描く。

当時のF1ブームにあやかって作られた作品で、テレビシリーズは1991年に日本テレビ系列で放送されたが、開始から終了まで一貫して低視聴率と関連玩具の売り上げ不振に苦しみ、既存の同枠視聴者から受け入れられない結果に終わった。
加えて視聴者から抗議の手紙や、カミソリ付き手紙まで届くなど一部から「見たら不幸になるアニメ」という評判も立ってしまったり、平均視聴率が僅か※パーセント寸前の数字という極度の低視聴率を叩きだし、OP・ED両方を歌っているG・GRIPが解散するなど商業的には失敗。
スポンサーの降板などによって全37話で打ち切りになってしまったものの、アニメファンから内容そのものは高く評価されていた。
同年のアニメージュ・アニメグランプリ、他を受賞。

その最終決戦の凄まじい熱さから大好評を博し、述べ10年間にも渡ってOVAで続編が作られ続ける異例のロングランシリーズへ。

シリーズ的には、無印(テレビアニメ)→11(ダブルワン)→ZERO→SAGA→SINの順。

SAGA以降、脚本家が変わって登場人物の性格も微妙に変わってしまった点は賛否両論尽きない。
さらにSINではバンク使い回しが多々。
前作ZEROが非常に綺麗に終わっていたこともある上に納期が遅れに遅れまくったというのもあるが…。

余談だが、このシリーズのOPカットは同監督作品の『ガンダムSEED』シリーズに構図を使っている。
また、小道具や車種も然り。

登場メカは当初こそ未来カーというイメージが強かったが、シリーズを追う毎にタイヤを付けた戦闘機のような先鋭的なものに変わっていった。
グランツーリスモに登場するレッドブル・X2010はその姿からリアルじゃないんだけどリアルサイバーフォーミュラとザワつくことに。

テレビアニメの第29話には三菱自動車協力の下、同社が東京モーターショーで発表したコンセプトカー・HSR-IIIが登場している。


【あらすじ】

車を超えた車・サイバーフォーミュラによるグランプリが熱狂的な人気を誇る近未来
14歳の風見ハヤトは、亡き父の遺したマシン”アスラーダ”に登録され、レースに参戦する。
彼は挫折と勝利を繰り返しながら、伝説的なレーサーとなっていく。


【登場人物】


【スゴウアスラーダ】

◆風見ハヤト
愛車:アスラーダGSX→スーパーアスラーダ01→スーパーアスラーダAKF11→ガーランドSF03→νアスラーダAKF-0
CV:金丸淳一
本作の主人公。
偶然か運命か、父の開発したアスラーダと巡り会いサイバーフォーミュラの世界に身を投じていく。
一言でいうと「3歩進んで3歩戻る主人公」
思い通りにいかなかったりレースで負けると、すぐ他人のせいにして周囲に当たり散らす。終いには劇中で「いつもの病気」と揶揄された。
かといって、それらを乗り越え成長しても次ではまた元に戻る。
完結編“SIN”では「サーキットの若き帝王」と呼ばれるまでに成長。まさに圧倒的な強さを見せる。
福田監督直筆の小説版では、レースに負けた鬱憤からマシントレーラーの中であすかを犯そうとした。

◆アスラーダ
CV:小野健一
ハヤトの父である風見広之(CV:仁内建之)によって開発され、車両に搭載されたAI。
ハヤトにとって唯一無二のパートナー。
前半はこれを入手し軍事目的に利用しようと目論むミッシングリンクのスミス(CV:平野正人)の陰謀も物語の鍵になった。

◆菅生あすか
CV:三石琴乃
本作のヒロイン
スゴウ社長である菅生幸二郎(CV:岸野一彦)の長女。
兄も行方不明だったTV版では、オーナー代理とキャンギャルを両立させていた苦労人。
料理が得意だが、そう思っているのは彼女だけでその味は殺人的(さすがに修行したらしくシリーズ終盤で多少マシになった)。
シリーズを重ねるにつれ老け……もとい容姿が大人びていく。
”ZERO”で婚約して以降、色々あったが完結編”SIN”のエピローグにてハヤトとゴールインした。

◆車田鉄一郎
CV:飯塚昭三
スゴウの監督であり、スキンヘッドが目立つ頑固親父。
なんだかんだでメンバーからは「おやっさん」と慕われている。

◆城之内みき
CV:安達忍
スゴウのチーフメカニック。新条の嫁。
勝ち気な姉御肌だが、根は結構乙女。
“ZERO”のエピローグにてアオイに移籍。
別れ際、最初は嫌っていたクレアに抱きついて涙を流すシーンは感慨深い。

◆角良平
CV:松田辰也(ZEROまで)→龍田直樹(SAGA以降)
スゴウのメカニック。
元レーサー志望で、自分の夢をハヤトに託している。
“SAGA”からはチーフメカニックに昇格した。なお、身長が劇的に伸びた。

◆牧伸介
CV:竹村拓
スゴウのサイバーシステムプログラマー。
几帳面な性格で、アスラーダのバックアップとして活躍した。

◆クレア・フォートラン
CV:冬馬由美
“11”から登場。
金髪碧眼の美女で、アスラーダの開発にも携わった天才マシンデザイナー。
修とは恋人関係。
ふわふわおっとり浮世離れした天然ボケだが、実は凄まじく聡明で頭の回転が速く、人間もよく出来ている。
ある意味作中最強で、ブリード加賀をして「見た目よりずっとおっかない人」と言わしめた。
シリーズ終盤ではオーナーとして資金繰りに駆け回る修の代理で監督まで務めている。
なお、彼女が一時預かってからアスラーダは性格が若干悪くなった。

◆アンリ・クレイトー
CV:結城比呂(現:優希比呂)
“ZERO”から登場。
少女にしか見えない容姿をした小柄な美少年。
明朗で素直な性格…………ただし、本性はとても陰湿で歪んでいる。
過去の経緯からハヤトを一方的に怨み、策略で潰そうとしていたが、最終的には彼のおかげで改心。
その後はハヤトを過剰なまでに慕う後輩になった(ガチホモなストーカーの域に達している)。
後のイザーク・ジュールの原型。


【アオイフォーミュラ】

◆新条直輝
愛車:アオイスペリオンGT→ファイヤースペリオンGTR
CV:緑川光

通称「アオイの若武者」(場合によっては「アオイの落ち武者」)。
当初は天才天才と持て囃されていたが、実力は才能よりも不屈の努力ゆえ。
もっともメンタルが脆い傾向が強く、ハヤトに負けず劣らず不調の時は周囲に当たり散らす。
ハヤトが暴走している時彼は安定し、逆にハヤトが落ち着くと彼が鬱屈するという、ハヤトとはある意味表裏一体の存在。
しかし、どん底から不死鳥の如く蘇る度、数々の名場面を魅せてくれる漢。
”SAGA”で遂にアオイを解雇され、渡米した武者修行で精神的にタフになり弱点を完全に克服。
ユニオンセイバーで復帰し、ハヤト以外誰も太刀打ちできなかったアルザードに一矢報いるという大活躍を果たした。
ランドルのお守りで心労が溜まっていたらしく、シーズンごとに移籍を試みるが”SIN”のエピローグまでアオイに戻れなかった。

◆葵今日子
CV:天野由梨
葵自動車工業の令嬢にして、アオイのオーナー。
冷酷無比な性格で勝つ為には手段を選ばず、激しい気性から「アオイの女王様」と畏怖される。
もっとも、それらはレースに対する情熱の裏返しで、徐々に人間味が増していった。

◆片桐誠
プロ意識が非常に強いメカニック。
しかし、彼が頑張る時に限って新条がマシントラブルに見舞われるのは何故だ。

◆名雲京志郎
CV:池田秀一
“SAGA”から登場。
成績不振を理由に投入された新オーナーで葵自動車工業の出世頭。
掴み所のない飄々とした態度ながら、その胸中には恐るべき計画を秘めていた。
やがてサイバーフォーミュラ界を揺るがすアオイの大不祥事「アルザード事件」を引き起こす…。
後のギルバート・デュランダルの原k(ry

◆フィル・フリッツ
愛車:アルザードNP-1
CV:私市淳
“SAGA”から登場。
アルザードのドライバーとして鮮烈デビューを果たした新人レーサー。
その実態は、違法な薬物投与でアルザードや名雲の意のままに動く人形と化している。
だが、ハヤトや加賀の奮闘で支配から脱し、“SIN”では加賀の専属メカニックとして働いた。



【アオイZIPフォーミュラ】

◆ブリード加賀(本名は加賀城太郎)
愛車:プロトジャガーZ→アオイステルスジャガーZ7
CV:関俊彦
ハヤトにとって最高の兄貴分にして最大のライバル。
飄々とした性格で面倒見が良く人懐っこい態度、それでいてしがらみや束縛を嫌う破天荒な無頼漢。
草レースではかなり有名な賞金稼ぎで、ダーティーな荒技が得意。
鬼気迫る表情での「死んでこいグーデリアン!!」まで一連の流れのカッコよさは異常。
本作の大人気キャラクターで完結編”SIN”の主役を務めるが、なんとTV版では最初は1話だけのゲストキャラの予定だった。
初代愛車のプロトジャガーZはアオイの市販車をモデルとしているが、その見た目は当時市販されていた日産フェアレディZ(Z32)そのもの。公式なレースカーではないが、玩具ではレースカーと同等の扱いを受けていた。


【ユニオンセイバー】

◆ナイト・シューマッハ/菅生修
愛車:ナイトセイバー005
CV:速水奨
あすかの兄。
F1で名の知れたドライバーだったが、アスラーダを狙う魔の手からハヤトを守るべく、ユニオンセイバーに所属する「超音速の騎士」としてデビュー。
一連の事件が片付いた後はF1界に戻ったが、優勝を果たしたハヤトの慢心を叩き伏せ、レースの厳しさを教えるべく”11”で復帰する。
その腕前は作中でもトップクラスの実力者だが、過去の事故で視神経を損傷しており限界が近づいていた。
完全引退を迎えた後はスゴウのオーナー兼監督に就任し、”SAGA”において医療技術の発達でテストドライバーとして運転できるほど回復。
これだけ書くとカッコいいが……世界中に恋人がいる上、クレアがいないと生きていけないダメ人間。
そして、ナイト・シューマッハのサングラスは本作を象徴するギャグの小道具として愛されるようになった(修自身はひどく憤慨している)。

◆カール・リヒター・フォン・ランドル
愛車:イシュザーク
CV:松岡洋子
TVシリーズ後半から登場、シューマッハに変わりハヤトのライバルを務める。
オーストリアの名門ランドル家の嫡男で、あらゆる分野の1位を独占する超天才児。爵位は侯爵。
あすかに惚れたことがキッカケで、シューマッハの後釜としてデビュー。
当初はハヤトを挑発するワガママ放題のお坊ちゃまだったが、レースを通じて一皮剥けていく。
デビュー戦で優勝するなどとにかく速いが、ここぞという時に弱く万年3位。
父から「1位になるまで帰ってくるな」と申しつけられており、彼が自宅に帰れるのはいつの日だろう。
“ZERO”で重傷を負って一時引退し、後にカムバックを果たすがどうも打ち所が悪かったのか、以降ギャグキャラとしての側面が強くなった。


【アルバトロスD.D.T.】

◆大友譲二
愛車:アルバトランダー662
CV:富田晃介
「北海道の自然児」の異名を持つ自然派レーサー。
サイバーシステムのナビゲーションよりも自然の感覚でのレースを楽しんでいる。
TVシリーズ終盤でアスラーダと接触事故を起こし、大怪我によってレーサーから引退。これが原因で、ハヤトとアスラーダの関係が決裂寸前となった。
なお、当初は事故で死亡する予定だったが、テレビ局から止められたという逸話がある。


【シュトロムツェンダー】

◆ジャッキー・グーデリアン
愛車:スタンピードRS→シュティールHG161→シュティールHG162
CV:島田敏
アメリカ出身の有名ドライバー。元スタースタンピード所属。
大のお調子者で女たらし。
堅物のハイネルをおちょくっては喧嘩になるが、彼の発明したマシンに搭乗するくらいには馬が合う。

◆フランツ・ハイネル
愛車:サイレントスクリーマーβ→シュティールHG162
CV:置鮎龍太郎
ドイツ出身で、機械工学の天才。元S.G.M.所属。
堅物なインテリ気質であり、軽薄なグーデリアンを毛嫌いしているが、彼の腕を見込んでコンビを組む。


【ミッシングリンク】

◆エデリー・ブーツホルツ
愛車:ミッショネルVR-4→ネオミッショネルVR-40
CV:龍田直樹
かつて修とライバルだった、義眼義手という異貌のレーサー。
義肢を貰った恩義からアスラーダ強奪を目論むスミスに荷担しラフプレーに徹していたが、改心後はサーキットのいぶし銀として活躍。
他チームよりマシン性能が劣るにも関わらず上位に食い込んでいる。
“ZERO”ではハヤトがアンリの策略で周囲に白眼視され孤立する中、ただ一人彼を気遣い擁護した漢。
完結編“SIN”のエピローグにてアンリとトレードされスゴウに移籍。クレアと一緒に修をからかっている。


◆レオン・アンハード
愛車:ストラトミッショネルMS-3/B
CV:林延年(現・神奈延年
“SAGA”から登場。
野心家の新人ドライバーで、無茶な運転をしては周囲から煙たがられていた。


【A.G.S.】

◆ピタリア・ロペ
愛車:エルコンドルB15
CV:西村知道
ブラジル出身のベテランドライバー。
走りは安定しているが出番は少なめで、“11”からは監督に転向した。


◆日吉明
愛車:カウンターアローT.O.S.
CV:島田敏(二役)
かつてはスゴウの専属ドライバーで、本来はアスラーダに搭乗する予定だった。
しかし、ハヤトがドライバー登録したためにスゴウを去り、地道に別チームで修業を重ねていた。
“ZERO”では兼役のグーデリアンとの掛け合いをする場面もある。

「アスラーダ、項目を追記修正しに行くぞ!」


『その言葉を待っていた』


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最終更新:2024年03月08日 20:47