ギルバート・デュランダル

登録日:2011/12/23(金) 22:09:45
更新日:2018/07/13 Fri 15:52:58
所要時間:約 10 分で読めます





ならば私が変える!全てを!

戻れぬというのなら初めから正しい道を。


機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の登場人物。


人種:コーディネイター
生年月日:C.E.41年11月19日
年齢:32歳
星座:蠍座
血液型:AB型

パトリック・ザラ亡き後、新たに就任したプラント最高評議会議長*1
ウェーブのかかった長い黒髪と白い肌、鋭い瞳が特徴の男性。
ガンダムで「議長」と言えばまずこの人を指す。

政治派閥としては前任のアイリーン・カナーバ同様故シーゲル・クラインの思想を受け継いだ穏健派として知られ、ナチュラルとの融和策を取りながら大戦で疲弊した国力の回復と増強に努めた。
基本的に温和で紳士的な性格だが、巧みな話術やミーア・キャンベルを使ったプロバガンダ活動等、様々な分野で才能を発揮した。
目的のためには手段を選ばず、「用済み」と判断した者を即切り捨てようとする非情な策士の一面も持つ。

一方、最高議長という立場にありながら有事の際には自ら軍艦に同乗し前線に出るなどやや活動的過ぎる部分も見られ、性格故か政治家として問題のある言動もしばしば見られた。


本業は遺伝子科学者で、DNA解析の専門家。
かつてはメンデルの研究施設に籍を置いていた時期もあり、その繋がりでラウ・ル・クルーゼとは青年期から親交があった。
また、レイ・ザ・バレルの面倒を幼い頃から見ており、彼から「ギル」と呼ばれている。
ラウとレイの出生に纏わる事情も把握しており、彼らの服用していた薬もデュランダルが用意していた。

ミネルバの艦長であるタリア・グラディスは元恋人で相思相愛だったが、出生率改善のために行われた遺伝子調査で「子供ができない」と判明。
彼女の意向もあって別れることとなった。
…その後も関係は続いているけど。


ちなみにフレッツ光で種死本編の再放送を毎話必ずチェックしている。
シン「何で議長までチェックしてるんだァァァッ!」


【作中での活躍】

前大戦後のユニウス条約締結に伴い、カナーバから議長職を引き継ぎプラントの指導者となる。


本編には1話から登場。ミーアをラクスの偽者として用意して世論を操作し、巧みな話術(?)でアスラン・ザラをザフトに復隊させ、
キラやラクス達を暗殺しようとするなど*2
視聴者から「こいつ今回のラスボス候補なんじゃね?」と思わせるほどの大物感が漂っていた。
…だって声が。

戦争を引き起こす存在であるロゴスやテロリストの動向を察知しながらも、
あえて見過ごすことで戦争を意図的に激化させていき、民衆が自分の主張や計画を受け入れやすくするように世論を良い方向へと誘導していった。
この手法でシン・アスカはデュランダルを信用していき、ステラの死や(不満は多くあれど)抑え役だったアスランとの決別もあって、その考えは盲信へと変わっていった。

中盤にロゴスの存在を公表することで、ブルーコスモスの影響を小さくしつつ、自身は地球・プラント問わず圧倒的な支持を受けるようになる。
途中ロード・ジブリールを追うという名目でオーブに侵攻したり(難癖かけられてオーブに攻撃されたこともあるが)、
用済みになったアスランを排除したりもしたが、ブルーコスモスの盟主であるジブリールを倒すことに成功。
終盤には自らが描いた最終目標であるデスティニープランの投入を宣言した。

しかし、ラクス・クラインを始めとするプランに反対する勢力が現れると、
レクイエムネオ・ジェネシスを使った強引な武力行使をする等、一転して独裁者の顔を見せる。

序盤での視聴者の予感が的中した瞬間である。
そもそもアスランやミーアの件からして、視聴者からすると明らかに強引な手段も取るキャラであることは分かっていたので何もおかしくはなかった。
しかもデスティニープラン自体が良くも悪くもプロレタリア独裁のSEED世界版みたいなものだったので、
反抗勢力が誕生したり、それに対する抵抗・弾圧手段を用意しておくことも半ば必然である。

最終的にはオーブ・クライン派連合軍に敗れ、切り札であるレイとシンも倒される。
機動要塞メサイアでキラ・ヤマトと対峙し、舌戦を利用してレイに不意打ちをさせようと試みたが、
最も信頼していたレイが「明日」を欲したことで撃たれてしまう。
しかし、彼は恨み言一つ言わず、「(意図せず)自由を奪ってしまっていた」とレイに詫びていた。
タリアとの関係から計画が始まったが、その後大局を見過ぎた結果、自身が大切にしていた絆(家族も同然のレイ)を蔑ろにしてしまっていたことに撃たれた後に気付いたのだと思われる。

その後、レイと駆け付けてきたタリアと共にメサイアの爆炎に消えていった…。


終盤では独裁者に成り果ててしまった彼だが、支配欲などに突き動かされている様子は見受けられず彼なりに世界の為に動いていたと思われ、本質的には善人と言える…独善的でもあったが。
しかし、最早後戻りのできない状況になってしまっており、その為、心の中では誰かが自分を止めてくれる事を何処かで望んでいた節もあった。
どこまでを思っていたかは不明だが自身が亡くなった後、プランのかじ取りをどうするのかとかも特に表明されておらず、
最後の最後まで執念を見せていた前作ラスボス達(パトリックアズラエルクルーゼ)と異なり、レイの言葉を聞いた後はプラン導入への執念を見せなかった。
ただレイにキラを不意打ちをさせようと目論んでいた辺り、最後の方まで諦めもしていなかったと思われる。

ある意味では、彼も戦争の悲しい犠牲者であったと見るか、女に振られたからと身勝手で情けない男と見るか視聴者次第。 



人格面はさておき、野心だけを見ても短絡的な行動が目立ったと結果的には言えるのだが、
明確な敵対者であるブルーコスモス(連合)を大義名分をなるべく得ながら弱体化させ、世界中を混乱させて判断を難しくさせつつ、
一番厄介なプラン初期導入をミーアも利用することによって出来る限り勢い付かせ、
それと同時に反対勢力も炙り出してこれが大きくならないうちに打ち倒し、勢力の安定化*3を図る……
と言った具合にかなり強引な手法で穴も多いのだが、一つ一つを議長視点で考えると割と理に適った行動になっている*4

ラクス暗殺の件も彼女が告発するだけでプラン導入の重要な人材であるミーアが機能しなくなる上に、そのまま自らにも嫌疑をかけられかねないため、
ラクスの主義主張など関係なしにプラン導入が困難になるためだと思われる。
ミーアを使った操作可能な偽ラクス製作は彼にとって最も博打だったかもしれない。
暗殺前から活動させているので事前にラクスの人柄(恐らく表に出たがっていない)なども熟知していた可能性も高い……暗殺すればいい程度に思っていたかもしれないが。
最後には使い物にならなくなりかけたミーアを囮にして暗殺を狙うこととなった。

カガリの演説を電波ジャックした件も、施政者に対してではなく世界中の民衆に直接訴えかけるためのものであり、
各国の敵意が増すことを承知で、各国の国民からの働きかけや国民運動の高まり(ぶっちゃけると革命)を意識させて導入を促すと同時に、
施政者側からしても反対をさせづらくするものであると取れるが結局は自身の見通しの甘さが原因で失敗している。

だが、その後はロード・ジブリールを倒したことにより戦争が終わるという意識が広まっていただろうところにプランを発表。
今までの行動が功をさしたのもあったのか当初は発表の混乱もあって静観した勢力が多く大衆の支持も受けいられたと思われる。
カガリへの電波ジャックの件と合わせて考えればこのプランは徹底して人が管理されることによって戦争根絶も目指している……
それはつまり、各国の従来の政治の否定でもあるので(それも国民からというより他国の議長による意思である)、
全世界への導入は非常に困難であり、平時ではなおさら不可能に近い。

この様な事情やら、人類が滅びかけた前大戦の経験などからも、独善的でも即効性の高いやり方を決意させた一因ではないかと思われる。

彼のデスティニープランへの内心の想いはそれほど描写されなかったので、プランのデメリットの有無の想定やどんなデメリットがあるか考えていたのかは不明。
ただし、前述したように秘密裏に計画して独善的に進めようとしたことを踏まえると、導入促進のためにデメリットは承知の上で黙っていた可能性が高い*5
作中でシンやラクス達が思った様な分かりやすい問題程度は予測済みだろうし、キラとの対話で彼の意見*6を耳にしても全く驚いておらず否定もしていないことからも、(途中から時間稼ぎを狙っていたとは言え)それが見て取れる。


【ゲームでの活躍】
スパロボシリーズではほぼ原作通り。味方に付くことはあっても敵対してしまう場合が多い。
だが作品によってデスティニープランの詳細が異なることもあり、プレイヤーが抱く印象も変わってくる。
某赤い彗星の人との声ネタもあるよ。


スパロボSC2
ほぼ原作通りで、シロッコとは同志。
某グラサンの人との声ネタもこの頃から。


スパロボZシリーズ
終盤までは基本的に味方で、こちらではシロッコと敵対。ある理由からフロスト兄弟に恨まれていた。
ifルートでは死の寸前にシン達の危機を救うことになり、その想いはティファを介して伝えられる。
変たi…もとい黒のカリスマには流石の議長も警戒していた模様。
後に第3次Zにて、かつてクロノ改革派に所属していたことが判明する。


スパロボK
原作通り…と言うよりは悪の独裁者的な雰囲気になっている。
キラもラクスも大人しいのでなおさらデュランダルが悪人臭く見える。
キラとの対話時に勝手に付いてきて介入してきたミストさんに困惑していた。
結果、ミストさんが地球人に絶望するきっかけをつくった。


スパロボL
高蓋然性世界から来た面子を快く迎え入れる等、Z同様に終盤まで味方。
裏ではセントラルと組んでいたが、圧倒的技術力を持つセントラルに対抗するためには仕方のない部分もあったが故。
実際、セントラルからはキラ達の抹殺を依頼されていたが、侵略者に対抗するために敢えて見逃していた等、可能な範囲で抵抗していた。
終盤ではデスティニープランを発動しようとするが、LOTUS及び反旗を翻したミネルバ隊に阻まれて失敗。
しかしこの作品におけるデスティニープランは「外界からの侵略者に対するカウンター」と言う根本目的があり、
SEED因子を持つ者の発見だけでなくゼントラ化可能な人間の発見*7など、原作や他のスパロボよりもプランの運用に現実味があった他、
対抗すべき侵略者に該当するセントラルと手を組んでいたのも、プランの成就およびそれまでの延命に必要であったが為。
LOTUS側もその真意に気付いていたため、プランに反対し反旗を翻したものの、
最後まで投降を呼びかけて説得をする、という「主義の相違によるやむを得ない対立」という形になり悪役感はかなり薄れていた。
この件は一時命を狙われたキラ達ですら「あなたはその気になればやれたはずなのに、本当に僕達を殺そうとしなかった」とデュランダルに同情的だった。
最期はクトゥルフ要塞の外壁バリアに阻まれて絶体絶命のLOTUSの前に爆沈寸前のメサイアを引きずって現れ、メサイア落としを決行してバリアに穴を開けLOTUSを救う。
その死を見届けたレイはクトゥルフ打倒後、「ギルが開いてくれた俺達の未来を守る事が出来た」と万感の思いを口にしている。


スパロボUX
原作終了後のため既に故人だが、シン総士に対してデュランダルのことを語る場面がある。
シン「かつて、人の能力を遺伝子レベルで解析し、その人生を運命づけようとした…。しかし、結局その計画が人々に受け入れられることはなかった。なぜだか分かるか?」
総士「人の運命は、生まれながらに決定されるものではないと…?」
シン「そうだ。たとえ明日、散るとわかっていても花を植え続ける…。人って、そういう生き物なんだ」


ガンダム無双
デュランダル本人は出ないが、キラがシャア(『逆襲のシャア』ver.)と対峙した際に、本編のメサイアでのデュランダルと対峙した時と同じ会話をする。


小説版ではシャアもデュランダル同様アクシズを落としを誰かに止めてもらいたかったという心情が明らかになっていた事もあり、全く違和感がない。





追記・修正は自らの運命を見定めてからお願いします。

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*1 カナーバは臨時議長であり、パトリックの後に正規手続きで就任したのはデュランダルが最初

*2 議長があの大量の暗殺部隊を送り込んだと明かされたわけではないが、自分が操作するミーアの件があるので本物に出て来られると困るという最も大きな動機がある。作中の頭の切れっぷりから命令したわけでなくても明らかにその程度の動きは読んでいるはずである。ついでにザフトの最新MSを多数揃えていて破壊もされているが事件になっていない・統率された部隊・失敗時に全員が服毒死する程の覚悟あるメンバー揃い…など、命令者はザフトで絶大な権力を握っていると見るのが自然であり、動機も含めると劇中でこれに当てはまる人物は議長しかいない。

*3 議長からすればプラントも決して味方だとは限らない。急激な社会変化を促す計画であり、議長やレイがとことん秘密にしていたことからも彼ら自身も簡単に理解は得られないことを承知していたと取れる。

*4 ただし、あくまで議長視点でしかない為、自分の予想外のことが起きるとかなり痛手を受ける羽目に。

*5 メタ的にはそういう話を言いだすと残りの尺の関係もあって話がややこしくなってまとまりが悪くなっていたという事情もあるだろう

*6 キラのプランへの意見を説明すると、確かに人類は愚かで再び危機的状況(全面戦争)に陥るかもしれないが、一方で喜び合ったり分かり合うことも出来るし、滅びを回避する選択だって出来る。何よりもプランで戦争を無くせたとしても『徹底的に管理された人類』は自分の意思では選択・行動出来ない(※補足するとプランの理念上、自由に選択・行動しようとする人の許容が出来ないため、そういう人は良くて社会的に抹殺、最悪粛清が予測される)という意味で『生きている』とは言えない。といった内容が台詞に詰まっている。

*7 これは完全に遺伝子の問題でありプランの目的に合致する