珠魅(聖剣伝説)

登録日:2012/06/17(日) 11:29:36
更新日:2023/12/22 Fri 00:13:22
所要時間:約 7 分で読めます




珠魅(じゅみ)とはゲーム「聖剣伝説LEGEND OF MANA」に登場する種族の1つ。
物凄く率直に言うならば「宝石を擬人化したキャラ達」といったところだろうか?



■概要
本編での三大ストーリーの1つである「宝石泥棒編」で深く関わってくる種族。外観は人間そのものだが元が宝石である為に寿命による死は存在しない。
しかし珠魅には人間で言う胸の部分に自分の元となったのと同じ巨大な宝石、「核」というものが埋め込まれており、この核が珠魅の生命線となっている。


珠魅が死ぬと言う事はこの核が大きく傷ついたり、肉体から抉り取られる事を意味する。彼らにとっては力の源…文字通りの「核」だが同時に剥き出しの弱点に他ならず、普通の武器で傷つけられるなど耐久性に難がある。
煌めきの強い珠魅なら核を抜き取られても少しだけなら肉体を維持できるみたいだが。
珠魅の核には膨大な力が宿っているとの事で、その為昔は核を狙って珠魅を殺害しようとする輩が後を絶たなかったとの事。


珠魅の核は簡単に傷つく割に修復は困難で、治すには同族の涙によって生まれる特殊な力を持った「涙石」が必要。
どうやら核だけになって死亡した状態からでも復活できるらしい。
ただし魂はちゃんと奈落に行く。
涙石は珠魅の命を削って生み出されるもので、その事からかつては同族を思いやる友愛の種族等と称されていたらしいが前述した核を狙う者達から種そのものを守る為に、今では命を削らずに生きるように変化。つまりは涙を流せないようになってしまった。


外観上での男女の区別は為されているものの、生殖能力を持っていない為に本当に便宜上のものでしかない。
種族としてのルーツや誕生の経緯は謎に包まれているが本編では「人手に触れなかった宝石が長い年月を経て、 その宝石の美しさに見合う心と体を持つにいたった」という説がある。
逆に煌めきの足りない宝石だと珠魅になれず、ジュエルビーストとよばれるモンスターと化してしまう。

種族としての階級社会が存在しており、上から順に「玉石の座」「輝石の座」「半輝石の座」「捨石の座」 がある。

珠魅は騎士と姫という2人1組のパートナーで行動するのが基本となり、戦闘能力を持つ騎士が姫を守り、代わりに姫が傷ついた騎士を涙石によって癒すという仕組みである。
しかし珠魅が涙を流せない今となっては騎士はともかく、姫というのは名ばかりの位置づけになってしまっている。
また前述の通り性別に意味はない為、外見が男の姫もいれば女の騎士もいるし、同性同士のパートナーもいる。ただし本編、設定共に男同士の組み合わせはいない。
ちなみに、騎士に関しては同族である必要は特にないらしいが、一人の騎士が二人の姫を守るというのはよろしくない様子。
その話題が出た際の「騎士」は未熟な少年であるため単なる力不足なだけだったのかもしれないが、どちらにせよ作中に登場したのは基本一対一の関係ばかりである。


「宝石泥棒編」はそんな彼ら珠魅と、彼らの核を狙う宝石泥棒サンドラとの対立を中心とした物語となっている。
最終ステージである煌めきの都市の音楽や感動的なラストも合わさり、三大ストーリーの中では特に評価が高くなっている。


■逸話
  • 「珠魅の為に涙する者は、すべて石と化する」
珠魅と他種族の関わりが忌まわしきものであり、それを絶やす為に伝わってきたらしい。実際にそれを確認した例はない。

  • 「珠魅が泣くと嵐がくる」
涙石という自己犠牲と言える珠魅の習性を称えたもの。その行為に天も涙すると言われている。


■主な珠魅一覧
○ゲーム本編に登場した珠魅
  • 瑠璃(るり)
CV:梅原裕一郎

ラピスラズリを核とした男性の珠魅。後述の真珠姫の騎士。物語の最序盤に出会う事にになる。胸の核とは別に宝石の塊でできた右腕を持つ。
珠魅としては若い存在で一族の集落である煌めきの都市崩壊後に生まれた為同族を求める気持ちは人一倍強い。
そのような理由からパートナーの真珠姫には依存とも取れる程の愛情を注いでおり、彼女の事を思うあまりに厳しい事を言う事も。
運命の剣という「一度だけ何でも斬ることができる剣」を所持しているが、戦闘では使わない。

出会った当初は口調も乱暴でどこか冷たい印象を持たせる感じであったが、物語が進むにつれて主人公にも信頼を寄せる熱血漢へとなる。
また、自分達一族のイザコザに巻き込んだ事を申し訳なく思い、宝石泥棒との戦いが本格化する直前に主人公を気遣い「アンタもよく考えてほしい、手を引くなら今がいい、アンタを巻き込みすぎた…」という風なセリフも発している。
どっちにつくか悩んだり、無関係を決め込もうとしただけで襲い掛かってくるどこぞのスパッツ騎士やネコミミ女と比べたらよほど人間デキてる奴である。
身につけている耳あてのような装飾品は彼が激昂するとしばしば叩き壊されるが、その後何事もなかったかのように元に戻る。武器は片手剣・特技はタックルで、派手さは無いが初心者でも扱いやすく最後まで活用できる。
NPCの中で唯一武器にユニーク名が与えられていないキャラ。しかし仲間にする時期によってちゃんと性能は変化するので安心を。

  • 真珠姫(しんじゅひめ)

白真珠を核とした女性の珠魅。前述した瑠璃のパートナーで姫である。
心優しい性格だがおっとりしていて方向音痴でよく迷子になる。宝石泥棒編は迷子になった彼女を瑠璃と共に捜すのが全ての始まり。
過去の記憶が殆ど無く、その為に瑠璃に対して絶対の信頼を寄せている。また、自分を助けてくれた主人公にも懐いており、おにいさま(おねえさま)と呼んで慕っている。
NPCとして仲間にする事はできるが、戦闘能力はまったくない。
ただしシンクロは結構便利。

  • レディパール
CV:名塚佳織

黒真珠を核とした女性の珠魅。一族の希望である玉石姫のパートナーを務める玉石の騎士で女性ながら戦闘能力は非常に高い。寡黙で男性的な性格。
玉石の騎士の座をアレクサンドルに託した後に聖剣を探す旅に出かけたまま行方知らずとなる。その性格と立場故に同族からの信頼も非常に高いものであった。
彼女も仲間にする事ができ、 攻撃力の高いバトルハンマー・回避能力を持つイリュージョン・実質必殺技が使い放題になるシンクロが強力 な為クリア後連れまわされる事が多い。逆に言うと宝石泥棒編をかなり進めないと仲間にならない。ある意味ではお節介な主人公(プレイヤー)に対するご褒美キャラと言うべきか。

過去の所為か主人公含む人間に対しては付き合いづらい印象を受けるが、ガイアや他の珠魅達に話すと彼女が慕われる理由はわかるだろう。

  • 蛍姫

フローライト(蛍石)を核とした女性の珠魅。かつては最下層の捨石の座に属していたが、泣けなくなった珠魅の中で唯一涙を流せる事が判明し玉石姫へと大出世する。
元来の優しい性格も合わせて同族の為に涙を流し命を削り続けた為に彼女自身の核はボロボロになってしまっている。

CV:天﨑滉平

アレキサンドライトを核とした珠魅でレディパールから蛍姫のパートナーである玉石の騎士の座を受け継いだ。
元となった宝石が昼夜の光によって色を変える特殊な宝石で、それ故に彼も外観を変える力を持っていたとの事。
一族の為に命を削っていく蛍姫の姿を見ているのが耐えられない事、蛍姫1人に依存する一方彼女を一切顧みない同種たちのあり方、そしてそんな蛍姫が衰弱しても嘆くしかない自分自身にすら絶望。突如として蛍姫を連れて脱走するが、それが煌めきの都市が崩壊するきっかけとなった。

  • ルーベンス
CV:矢野奨吾

ルビーを核とした男性の珠魅。煌めきの都市では一族の騎士を纏める立場である「騎士長」を務めていた。
都市崩壊後は断岸の町ガトで炎の管理をしているも、都市崩壊の経緯から同族すら信じられない冷たい性格になってしまう。
本編での宝石泥棒の被害者その1。

  • エメロード

エメラルドを核とした女性の珠魅。名ばかりの姫という立場に苛立ちを覚え、都市崩壊後は魔法学園の教師であるヌヌザックに匿われ彼の下で魔法を学んでいる。
シナリオ上仲間として加入はするがその間街の外に出られなくなるので戦闘に出す事はできない。ちなみに能力やアビリティはNPCのエレと全く同じ。
本編での宝石泥棒の被害者その2。
実はゲームに置いて物語が解決しても再び仲間にできない唯一のNPCキャラである。

アニメでは街を出て旅に出ることができたが、やはり宝石泥棒の被害に遭ってしまう。

  • ディアナ
CV:沼倉愛美

ダイヤモンドを核とした女性の珠魅。実質的な一族の指導者だったが種の保全の為に冷徹とも言える独裁を強いてきたので同族からの信望は薄かったとの事。都市崩壊後は全てを諦めて石の眠りについている。
話だけ聞くと圧政を敷いた挙句王の責務を投げ出した暴君とも言えるが、珠魅の核を狙う帝国の侵攻により他の都市が滅んだ為、最後の都市を守る為に致し方なかった部分はある。
そして本編での宝石泥棒の被害者その3。



○作中での言及、アルティマニアに記載などの設定だけ存在している珠魅
  • サフォー
CV:土屋神葉

サファイアを核とした男性の珠魅。戦う力が無かった為に一族の姫を纏める「姫長」の地位にいたというルーベンスの対になっている人物。
本編では名前と彼の核のみが登場している。何故ザル魚みたいなヤツと友達になれたのかは永遠の謎。
尤もザル魚も財産を失ったことよりサフォーの形見を奪われた事の方にショックを受けている為言うほど悪い奴ではないのだが。

が、長い時を経て2022年放送のアニメ版において公式のビジュアルが判明。ザル魚と友人となるまでの経緯についても語られた。

  • アクア
CV:陶⼭恵実⾥
アクアマリンを核とした女性の珠魅。サフォーのパートナーで別段戦闘能力に優れていたわけではないが、戦えない彼の為に無理に騎士を務めている。
サフォーからはマリーナという愛称で呼ばれていたものの奴隷同然にコキ使われていたらしい。彼女が宝石泥棒に殺されてからサフォーは彼女の存在の大きさに気付いたんだとか。
この辺りはサフォーの核で財を築き、いざ奪われたら財よりも絆の大切さに気付いたザル魚と似ている。因果は繰り返されるのだろう…。

サフォーと同様に2022年放送のアニメ版にて公式ビジュアルが設定。公式Twitterのアカウントでは愛称であるマリーナの名前で紹介されている。

  • 黒ダイヤ
黒ダイヤを核とした珠魅らしいが特定の肉体を持たず、プレイヤーの進め方で特定の候補者からランダムに選ばれて珠魅として登場するという興味深い設定が書かれていた。

  • 白雪
氷晶石を核とした男性の珠魅で気性の激しい性格。氷原の妖女とは友人同士で宝石泥棒に殺されるくらいならと、自分から核を毟り取って粉々に砕いたという。その砕けた核が雪原に溶け、やがては氷晶花の花園となったらしい。
核を粉々に砕いた所為で「コイツは最後に復活できなかったんじゃ…」というなんとも悲しい考察がされている事もある。

  • ムーン
月長石を核とした女性の珠魅。月夜の町でランプ屋をしていたという設定があり、本編登場キャラのリュミヌーと似通った部分がある。

  • セレスタイン
天青石を核とした男性の珠魅。ドラゴンキラー編に登場する知恵のドラゴンの一体、メガロードのドラグーンである風読み士の1人であったらしい。
彼が登場していたら宝石泥棒編とドラゴンキラー編とのクロス話が展開されていたかもしれない。

  • エスメラルダ
  • スマラクト
  • イズムルート
CV:幸村恵理 / 久住琳 / 三川華月

アニメで設定が追加されたエメロードの姉たち。
珠魅狩りからエメロードを守るために犠牲になっていった。
エスメラルダだからといって鳳凰座の聖闘士とは何の関係もない。

他にも漫画版では敵の来襲に怯える親子、薙刀使いの騎士、敵の爆弾を打ち返す野球選手風の男等が確認されている。






こんな言葉がある。珠魅の為追記・修正する者全て石と化す…
珠魅と他種族の交流を禁ずる為の言葉なのだろう。

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最終更新:2023年12月22日 00:13