来留間慎一

登録日:2010/08/29(日) 01:07:52
更新日:2023/10/27 Fri 16:53:43
所要時間:約 4 分で読めます




石川主人公に甘えは許されない。
生き地獄というか、死んだ方がマシ。いやそもそも死なせて貰えないけど。

過酷な運命の石川主人公達の中でも、ブッちぎりで厳しい道を往く男。
それが魔獣戦線の主人公、来留間慎一。

CV:伊藤健太郎(テレビアニメ)/松本保典(OVA)

元は自分の家にいる動物達と心を通わせる優しい少年だったが、身に降りかかった地獄によって全てが狂う。
人間のクズと言うにもおこがましい、漫画史上最低クラスの父親である実父、来留間源三に神が創る新時代を生きる為の「新人間(ニューマン)」に改造されてしまう。

だがそれは失敗に終わった、なのでもう用済みとばかりに源三にサディスティックなやり方で殺されそうになった慎一だが、落雷事故によって偶然にも救われる
その影響で事故の直前に怪物となった母の細胞が融合し、【魔獣】として生まれ変わった。
慎一の体を弄り、母をも殺した源三率いる13人の科学者で構成される「十三使徒」に復讐する為に慎一は戦うのだ。
見てくれは非常におっかないが普段は物静かで大人しい。
だが慎一は石川主人公の中でもおそらく最も激しい性格の持ち主。
石川作品ナンバーワンキ印の岩鬼将造に勝る勢いの凶暴さ。
いざ戦闘となると秘められた野生を解放して、悪鬼羅刹のごとく暴れる。
キレたら何をするか解らない」と言うよりも「いつキレるか解らない
魔獣戦線は結構前の作品だけれども、その闘いは今見てもダイナミック。

慎一の特徴は「魔獣」の体質。
ライオンのゴールドを始めとしてクマ、ワシ、ヘビなど様々な獣が体に同化していて、体の各所から自在に動物達を出せる。



ちょっと応用を利かせてライオンの毛皮を身に纏って防御したり、素早い敵をワシの目で上空から狙い澄ますなどという事も可能。
それらの動物を纏めて巨大で異形な魔獣になる事もできる。
また、吸収能力も持っているので様々な動物を食べれば自分の力に出来る。
その吸収能力は他人の持ってる能力まで吸収出来る優れ物。

なので無印のラストでは……
様々な動物を使って戦うそのビジュアルは非常に格好いい。しかし、無印までならまだ良かったが真説まで行くと、あんまりにも動物や人間を吸収した為に、魔獣形態がまるでゴリラみたいに筋肉モリモリになってしまってなんだかちょっと格好良さが落ちた(気がする)

無印で衝撃のラストを飾った後、何年も眠って真説の時代まで過ごす。
真説では慎一の細胞を使ってクローンを作り、慎一を量産して魔獣軍団が作られようとしていた。
……考えただけで恐ろしい。

真説では画力の向上も手伝ってか、えらいとんでもない化け物になる。
敵を蹂躙する様はまさに悪魔、実際セリフだけ抜き出せば敵役のセリフの方がヒーローっぽく聞こえる。
なんか自然現象まで操れるようになったようで、地面踏んづけたらマグマが吹き出した。
しかもマリアがノアの血を吸って神の力に目覚めた影響か、発言に電波が混じり始める。

「どこから入った!?」
『どこから?私の内ではそんな言葉は意味を為さない、私たちは同じ虚空の中にいるのを感じられる』
「虚空とは何だ!?何もない宇宙のことか」
『そうだ』
「バカな、何が虚空な物か!現にここにはお前と俺がいる」
『いると錯覚しているのかも知れない』

他には、
「創造主は俺を選んだんだあ!」
とか言い出す。

虚無っぷりに、ちょっと残念な気持ちになった人は少なくないハズ。



慎一の人生はブッちぎりで厳しいとか書いた。
父親が人間のクズで、母親は人体実験の材料にされた後に死ぬし、自分が人体実験の材料にされるし思い人も死ぬ。

だが一番厳しいのは、石川作品最悪の敵、全石川作品が総力を結集しても倒せなさそうな時天空に挑まなければならない所。
そしてその前に、神と同化したマリアを吸収して新たな進化段階に入りはしたもののまだ未熟な進化でしかないのに、宇宙を滅ぼそうと襲来する時天空のかけらを撃退しなければならない。
ゲッターエンペラーには艦隊がいる、爆烈王虎空王が挑むラ=グースは確かに強いが、彼らにはたくさんの仲間がいる。
慎一にはそれが無い、大量の生命を吸収したが、それは中で一つの命になるので仲間と言うよりもう自分の体。
(一応、額のマリアと胸の源三は自意識を持ってる可能性もある。あと戦いの足しにならないけど腐れ縁の富三郎)

だが、それでも挑む慎一は紛れもなくヒーローだ。



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最終更新:2023年10月27日 16:53