スキルドレイン(遊戯王OCG)

登録日:2011/11/15(火) 14:56:25
更新日:2024/01/18 Thu 22:54:22
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A「Sin サイバー・エンド・ドラゴンをリリースし『偉大魔獣 ガーゼット』を召喚!
  攻撃力8000の一撃でお前は終わりだ!!」

B「それはどうかな?


スキルドレイン
永続罠
1000LPを払ってこのカードを発動できる。
(1):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、フィールドの全ての表側表示モンスターの効果は無効化される。

概要

2002年11月21日発売の『ガーディアンの力』で登場した永続罠カード。
1000の発動コストを要求するものの、永続的に場のモンスター効果を無効にする強力なメタカード。略称は『スキドレ』(以下はこれを用いる)。

2002年の登場から約20年を経ても尚現役であることからも優秀さがうかがえる。

冒頭の「偉大魔獣 ガーゼット」のほか、「紅蓮魔獣 ダ・イーザ」や「キメラテック・オーバー・ドラゴン」などは自身の効果で攻撃力を得るので、スキドレが存在すると攻撃力が0になってしまう。
戦闘破壊に耐性を持ったモンスターへの影響も大きく、壁の役割を果たせなくなる。

雲魔物など、モンスター効果で戦略を立てるカテゴリーはスキドレ1枚で詰みかねない(当然対策はしているだろうが)。


もちろんスキドレにも欠点は有り、
  • 1.永続罠なので阻害・破壊されやすい
  • 2.コントローラーの場も効果範囲
の2点が挙げられる。
特に2は重要な点で、スキドレを用いるだけでデッキ構築の幅は結構な制限を受ける。
が、元々効果がない通常モンスター等が主力なら自分が受ける影響は最小限となり、逆に豊富なバニラサポートで優位に立つことも可能。
さらに有効な使い方として、妥協召喚モンスターのステータスが低下というデメリットを消すために投入されることも多い。
有名なのは「神獣王バルバロス」や「可変機獣ガンナードラゴン」。
バルバロスの項目を見て貰うと解るが、本来2体のリリースを要求する彼らは、ステータスを下げることでリリースを無視できる。
そして場に出た後からスキドレの効果を適用、リリース無しの3000打点の完成である。
これ自体は愚鈍の斧や禁じられた聖杯でもできるが、使い切りではない上に打点強化と相手モンスターの効果無効化を同時にできるのは大きい。

また、初見では気づきにくいかも知れないがスキドレにはもう1つ欠点…というか、抜け道が有る。
それは
  • 3.モンスター効果の発動・発動コストの支払いは可能であり効果解決時に場に表側表示で存在しないモンスター効果は無効にならない
ことである。

実例を出して紹介すると
プレイヤーA…スキドレ発動済み、『コアキメイル・サンドマン』召喚

プレイヤーB…サンドマンの召喚に対して『奈落の落とし穴』を発動。

スキドレはどちらの場でも構わないが、
コアキメイル・サンドマンは自身をリリースする(発動コスト)ことで罠の発動を無効にして破壊する効果を持つ。
対する奈落の落とし穴は攻撃力1500以上のモンスター召喚された時、そのモンスターを破壊して除外する効果を持つ。

この状況下でも
1.サンドマン召喚
2.奈落の落とし穴発動
3.サンドマン効果発動(発動自体は可能)
4.サンドマンをリリース(コスト)
本来ならここでスキドレによりサンドマンのモンスター効果が無効にされるが、コストとしてリリースされたサンドマンは既にフィールド上に表側表示で存在するモンスターではないため、スキドレでは無効にされないことになるのだ。

これを利用して、モンスター効果でスキドレを破壊する方法も存在する。

1.上述のサンドマンのように、コストとして自身のリリースを要求するモンスターで突破したり。
一例
ヴェルズ・カイトス
このカードをリリースして発動する。相手フィールドに存在する魔法・罠カード1枚を選択して破壊する。

ならず者傭兵部隊
このカードをリリースして発動する。相手フィールド上に存在するモンスター1体を破壊する。


2.誘発効果にチェーンして『月の書』を使ったり。
※手順
1.氷帝メビウス召喚。
2.効果を発動して2枚指定。
3.チェーンして月の書を発動、対象はメビウス。
4.チェーン解決時にはメビウスは裏側守備表示なので効果は無効にならない。


このようにすればスキドレ下でもモンスター効果を使えるが、後者は専ら相手のスキドレを突破するための手段だろう。

と、幾つかのモンスターや他のカードの複合を前提とすればスキドレをやり過ごせるが、やはり強力な拘束力は魅力である。

これらを踏まえると相性の良い主なモンスターとしては

1.通常モンスターをはじめとするバニラモンスター
2.妥協召喚可能な上級モンスターやデメリットアタッカーなど、効果の無効化がメリットとなるモンスター
3.墓地や手札等、フィールド以外で効果を発動できるモンスター
4.その他召喚・特殊召喚が容易で高ステータス、チューナー、ペンデュラムモンスターなどスキドレの影響下でも活躍が可能なモンスター

ということになる。

墓守』にスキドレを採用して、墓地利用と場のモンスター効果を封じる【スキドレ墓守】なるデッキも存在する。
派生も多く存在し、Sinモンスター等を取り込んだ【Sinスキドレ墓守ギアバレー】なんてのも。

上述の通り、自身をリリースして発動することから岩石族コアキメイルとの相性は良いが、維持コストは無効にできない
これはモンスター効果としての分類を持たないためである。

また、意外にも効果モンスターばかりの植物族との相性も良い。
等、墓地で発動する効果が強力だったり、自身をリリースすれば効果が発動できるモンスターを中心に組めば、相手の効果を無効化しつつこちらの場にはモンスターがいつも通り大量展開という、相手にとっては「インチキ効果も(ry」な状況になる。
ちなみに、自身をリリースすることになるが、一応ティタニアルでスキドレを守ることも可能で、そういう意味でも相性が良い。
ただ火力は植物族なのでやや低めになりがち。使う場合はシンクロで補強するか、ブラック・ガーデンを使おう。


あらゆるデッキに突き刺さるスキドレ…。
それだけに留まらずコンボ性も内包する味わい深いこのカード、毛嫌いせずに一度使ってみてはいかがだろう?

相手の戦略を崩すのはどんなゲームにも共通する必勝法なのだから…。

しかし、モンスター効果のインフレに伴いそのメタ性能が凶悪化していき、大会環境クラスのデッキであってもスキドレ1枚で詰んでしまう事も増えたためか、スキドレを採用出来ると言うだけで強みになる程評価が上がっていった。
そして2023/4/1、【ラビュリンス】や【神碑】の様にモンスター効果を使わずとも除去や妨害をしつつ勝ちを狙えるデッキの活躍が目立ったためか、遂に制限カード指定を受ける。
登場から20年以上が経って初めて制限カード指定を受ける事となった。*1
「インフレゆえ仕方なし」「先攻側が強すぎるし当然」という声も多かった一方、【巨大戦艦】の様な「効果は微妙だが高打点を出せる」タイプのファンデッキの助けにもなっていた側面もあり、上記の様なデメリットアタッカーの活用など単なるメタ効果に留まらないコンボ性も認められていた事から、規制を残念がる声も一定数見られた。

ちなみにシングル戦*2マスターデュエルの方でも【エルドリッチ】の隆盛などで環境に度々顔を出し、OCGより早い2022/08/31の時点で(他のメタ系永続罠を含む形で)準制限カードに指定。
その後もOCG同様【神碑】での使用が目立ち、2023/04/10にて制限カードとなった。


イラストでは『冥界の魔王 ハ・デス』が自分の効果と思わしきエネルギーを何者かに抜き取られて苦しんでいる。


アニメでの活躍


遊戯王GX…ミスターTによって使用され、F・G・Dに攻撃を行った鬼畜モグラの効果を無効にして返り討ちにした。

モグラざまぁww……と言う声が一部で上がったとか上がらなかったとか。


遊戯王ZEXAL…【スキドレ墓守】と思しきデッキが写ったが、デュエル描写は(ほぼ)無し。
使用者シャークさんの因縁の相手であることから、アニメでスキドレが見れるかも知れない。

と思った?

残念!ギミックパペットでした!



関連カード

  • 冥界の魔王 ハ・デス
効果モンスター
星6/闇属性/悪魔族/攻2450/守1600
このカードは墓地からの特殊召喚はできない。
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分の悪魔族モンスターが戦闘でモンスターを破壊した場合、
その破壊されたモンスターはフィールド・墓地に存在する限り効果が無効化される。

スキドレのイラストに描かれてる魔王。
初登場は第2期7番目のパックにして2001年発売の『Struggle of Chaos -闇を制する者-』とかなりの古参。
自身含む、自分フィールドの悪魔族モンスター全てに「戦闘破壊によってモンスター効果を無効にする効果」を付与できる。スキドレの原型ともいえる効果である。

リバースした場合の効果や戦闘破壊された場合の効果だけでなく、墓地で発動する効果も封じるのも特徴。《サイバー・ポッド》《メタモルポット》《聖なる魔術師》《人喰い虫》《クリッター》《黒き森のウィッチ》など、様々なモンスターの効果を止めることができた。

なおスキドレを貼られた場合召喚制限は変わらないが、後者の無効化する効果は無効化されてしまう。よって、破壊後に墓地で発動できる効果はスキドレにもかからず発動されてしまうことになる。


  • ソウルドレイン
永続罠
1000ライフポイントを払って発動できる。
このカードがフィールド上に存在する限り、ゲームから除外されているモンスターの効果及び墓地に存在するモンスターの効果は発動できない。

第8期最初のパックである『RETURN OF THE DUELIST』で登場。
こちらは除外及び墓地にいるモンスターの効果へのメタ効果を持つ。

スキドレとは違い、無効ではなく発動を封じる効果なので、既に発動したモンスター効果に対してチェーンしても防ぐ事ができない点には注意。

また《ならず者傭兵部隊》や《スターダスト・ドラゴン》のように自身をリリースして発動するモンスター効果も発動を止められない。これらは、発動した段階で墓地に送られるが、あくまでもフィールドで発動する効果として扱われるため。

ただし《スターダスト・ドラゴン》の自己蘇生効果は明らかに墓地で発動するため、そちらは発動を封じられてしまう。

同じ理由で《コズミック・ブレイザー・ドラゴン》のカウンター効果も問題なく発動できる。こちらは一定期間の除外であるため、フィールドに戻す処理は効果の発動という扱いではなく、エンドフェイズには帰還できる。

イラストでは蘇りし魔王 ハ・デスがスキドレと同じように魂を抜かれている。


  • メンタルドレイン
永続罠
1000LPを払ってこのカードを発動できる。
(1):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、
お互いに手札のモンスターの効果を発動できない。

第8期4番目のパックである『LORD OF THE TACHYON GALAXY』で登場。
今度は手札のモンスターの効果へのメタ効果を持っている。
征竜」を輩出したパックでもあるため、そちらのメタカードという側面もあるのだろう。

有名どころとしては《冥府の使者ゴーズ》や《ダーク・シムルグ》などの自身を特殊召喚を行う効果などを封じられる。

ただし《サイバー・ドラゴン》《大天使クリスティア》などは条件による特殊召喚に該当するテキストであり、効果の発動は伴わないので止めることができない。ややこしい要素だが、第9期以降のテキストでははっきり判別できるため、よく注視したい。

エフェクト・ヴェーラー》《PSYフレームギア・γ》《灰流うらら》などのいわゆる手札誘発と呼ばれる効果を止めることができる。

ソウルドレイン同様、コストとして捨てる/除外するカードへの扱いに混乱するデュエリストも時々見受けられる。
これについては効果を処理する場所ではなく、「コストを払うのをどこから行うか」で区別すると分かりやすい。

手札から捨てて発動するモンスター効果は、効果を発動した段階で墓地にいることにはなるが、あくまで手札から発動する効果と見なされるため、発動を封じることができる。

ソウルドレインと同じく、無効ではなく発動を封じる効果なので、モンスター効果に対してチェーンしてもやはり防ぐ事はできない。

イラストはソウルドレインの続きのようで、深淵の冥王が蘇りし魔王 ハ・デスから出た魂を握り締めている。


似ているカード

そのシンプルかつ強力な効果ゆえに色々フォロワーといえる永続罠がチラホラ出ているのも特徴。

  • 能力吸収石
永続罠
(1):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、
モンスターの効果が発動する度に、このカードに魔石カウンターを1つ置く(最大2つまで)。
(2):このカードに魔石カウンターが2つ置かれている限り、
フィールドの表側表示モンスターの効果は無効化され、
お互いにフィールドの表側表示モンスターの効果を発動できない。
(3):自分・相手のエンドフェイズに、このカードに魔石カウンターが置かれている場合に発動する。
このカードの魔石カウンターを全て取り除く。

『STARSTRIKE BLAST』で登場。
カウンターが2つ乗らないと発動できない代わりに、効果発動をも封殺できるので決まった時の制圧力はスキドレ以上。
できればフィールドのモンスターの効果も使いたい【ラビュリンス】などでは、スキドレより優先される構築もある。
自分・相手を問わず効果発動が起動トリガーになるため、モンスター効果を多用する現代のデッキでは比較的簡単にカウンターが溜まっていく。
ただしスキドレと比べて即効性は劣り、エンドフェイズを迎える度にカウンターがリセットされるのがネック。


  • 暴君の暴言
永続罠
自分フィールド上に存在するモンスター2体をリリースして発動する。
このカードがフィールド上に存在する限り、お互いに手札及びフィールド上で発動する効果モンスターの効果を発動できない。

『STORM OF RAGNAROK』で登場。
メンタルドレインとは違い手札だけでなくフィールドでの効果発動までも封殺する。
制圧力は非常に高いが、スキドレと違って永続効果までは封じられないのが欠点。
何より自分フィールドのモンスターを2体リリースしないといけないコストの重さから、使うにはトークンの利用が不可欠といえる。


  • 帝王の溶撃
永続罠
自分のエクストラデッキにカードが存在せず、自分フィールドにアドバンス召喚したモンスターが存在する場合にこのカードを発動できる。
(1):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、アドバンス召喚したモンスター以外のフィールドの表側表示モンスターの効果は無効化される。
(2):自分エンドフェイズに、アドバンス召喚したモンスターが自分フィールドに存在しない場合にこのカードは墓地へ送られる。

『PRIMAL ORIGIN』で登場。
スキドレ。本家との違いは発動条件の有無、自壊効果の有無、効果範囲の違い。
元が帝サポートだけあって特化構築を組まなければ発動すらままならないが、その分発動した側はあまり制約を受けずに効果を使えるという強みもある。
特に《真帝王領域》と併用しようものなら非常に厳しいロックをかけられる。

評価については賛否分かれるところがあり、《天帝従騎イデア》《冥帝従騎エイドス》セットのリリース供給が止まってしまうため帝であっても考えなしに使えるカードではない。
逆に言えば止まるのはこのセットだけで、それ以外の家臣や《真源の帝王》でのリリース供給は回るのでロック性能を買われて採用されることも普通にある。
また、本家の帝以上に真竜との相性が抜群とはもっぱらの評判。


  • ムーンダンスの儀式
永続罠
(1):自分フィールドのX素材の無い風属性Xモンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。
そのモンスターがフィールドに存在する限り、フィールドの表側表示モンスターの効果は無効化される。
対象のモンスターがフィールドから離れた時にこのカードは破壊される。
(2):このカードを発動したターンのエンドフェイズに発動する。
フィールドのこのカードを、このカードの発動時に対象としたモンスターの下に重ねてX素材とする。

『EXTRA PACK -KNIGHTS OF ORDER-』で登場。
ライフコストが無くなり素材補充もできるスキドレだが、代わりに素材を持たない風属性エクシーズモンスターがいないと発動できないため縛りは強め。
またエンドフェイズになると強制的に素材に送られるため、スキドレと違い永続的な縛りは行えない。


  • 形勢反転
永続罠
(1):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、自分ターンの間、相手フィールドの表側表示モンスターの効果は無効化され、相手ターンの間、自分フィールドの表側表示モンスターの効果は無効化される。

『WORLD PREMIERE PACK 2021』で登場。スキドレフォロワー系永続罠の中では新顔。
ライフコストが無くなった代わりに非ターンプレイヤーに対してのみ適用されるかなり癖の強いスキドレ。



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最終更新:2024年01月18日 22:54

*1 TCGではOCGより先に【クリフォート】への規制として2015/4/1に制限カード指定を受けたが、2022/2/7に規制解除されている。

*2 対策カードを積みにくいため、マッチ戦より比較的永続罠が強いとされる