扇要

登録日:2012/03/22(木) 15:18:20
更新日:2024/04/20 Sat 15:27:32
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人間はゲームの駒なんかじゃないんだ。
ゼロだって、そんなことは考えていないはずさ。



コードギアス 反逆のルルーシュ』及び『R2』に登場する人物。
読みは「おうぎ かなめ」。




CV:真殿光昭
生年月日:皇暦1992年3月18日
年齢:26歳→27歳
星座:魚座
血液型:O型


小規模のレジスタンス組織「扇グループ」のリーダー。

紅月カレンの兄ナオトとは親友同士で、元々は彼のグループで副リーダーをやっていたが、ナオトが行方不明になった為に二代目リーダーとなった。

温厚だが優柔不断で感情に流されやすく、指揮官としての能力もあまり高くないため、リーダーには不向き。ただ、これについては自身でも自覚している。
しかし外面は良く、世渡りは上手なため、周りの人間から信頼を得易い。
良くも悪くも一般的で、普通に付き合う分には何も問題なくむしろ善良。だが逆に言えばリーダーとしては冷徹さが足りないとも言える。
そのため言い争いを宥めたり、軋轢を減らしたりといったことが得意である。言ってしまえば中間管理職向き。

レジスタンスとなる前は教師をしており、敗戦後もしばらくは学校を建てて勉強を教えていたらしい。



◇皇歴2017年

シンジュク事変にて、ブリタニア軍に抵抗しながらゲットーの住民達を避難させていたところ、謎の人物からの通信が入る。
最初は訝しんでいたものの、プレゼントされた多数のサザーランドでその人物の作戦通りに動くことを決断。ブリタニア軍への反撃を行う。
それにより戦況を一気に好転させることに成功するが、枢木スザクのランスロットが出撃してきたことで再び戦況が逆転し、乗機を破壊されて戦線離脱する。
しばらくして、その人物「ゼロ」と接触し、カレンと共に彼のスザク救出に協力。
当時のブリタニアの横暴と、不可能と思われた作戦を見事に成功させたことで、彼を信頼するようになる。

その後、ゼロをリーダーとした組織「黒の騎士団」が創設されると副司令となる。
元々リーダーには不向きであることと、この時点では明日をも知れない弱小勢力であることを痛感しているので、特に軋轢などはなかった。

が、ナリタ攻防戦や日本解放戦線の救出の際のゼロの言動などから少しずつ疑念を抱き始め、それと同時期に港で負傷した女性を見つける。
その女性がゼロの正体を仄めかすようなことを口にしたことから彼女を保護。
しかし、彼女は記憶を失っていたために聞き出すことはできないままだった。
薬(リフレインという麻薬の様なもの)を使うかどうかすら悩んでいたが、思い留まる。

その女性に「千草」という名を与えてそのまま同居することになり、一緒に出かけたりするうちに互いに好意を抱く。
その影響で黒の騎士団に行政特区日本への参加を検討できないかとも言い出すが、
ユーフェミアが集まった日本人達を虐殺し始めると、当然だが「許せない」と激しい怒りを露わにした。

ブラックリベリオンでは占拠したアッシュフォード学園で指揮を執っていたが、記憶が戻った千草……ヴィレッタに銃撃されて負傷してしまった。



◇皇歴2018年

ブラックリベリオン後、ブリタニア軍に捕らえられてギルフォードから処刑されそうになるが、復活したゼロの策略で無事に救出される。
そして、ゼロに疑念を抱いていた千葉や朝比奈達を説き伏せ、皆を取りまとめた。

ゼロの策で特区日本を利用して国外追放されて蓬莱島へ向かった際にヴィレッタとも再会したが、物別れに終わっている。

この頃になるとKMFで前線に出ることはなくなり、主に斑鳩でゼロの補佐をすることが多くなった。

合衆国中華が成立した際に再びヴィレッタと会うが、彼女から銃を向けられる。

だが、それでも彼女を諦め切れない扇は自分の気持ちをヴィレッタにぶつける。
そこにディートハルトの指示で扇を追ってきていた咲世子が現れ、ヴィレッタと戦いになってしまう。
扇は咲世子の攻撃からヴィレッタを庇い、崖から落下。
その後はどうやらヴィレッタに助けられたようだが、ディートハルトから「ゼロの邪魔をしてほしくない」として彼女は斑鳩内の一室に閉じ込められる。

第二次トウキョウ決戦後、部屋から脱出したヴィレッタからゼロの正体とギアスの力について聞かされ、自分達を駒として扱っていた彼に激怒。
それまでの功績と黒の騎士団は彼がまとめていたからこそ満足に活動出来ていたことも全て棚に上げ(R2初頭は活動出来ていたという自負はあったかもしれないが)、
特使として訪れていたシュナイゼルに「日本の返還」を条件としてゼロを引き渡すことを決める。
しかし、ロロに邪魔されて失敗した。
当然日本を返還してもらえるわけもなく、黒の騎士団がゼロという頭を失い、代わりを務められる存在も精神的支柱すらも居ないという事態に陥った。

ルルーシュ皇帝の即位後は彼の世界征服を止めようとシュナイゼルらと手を組み、彼の手駒になってブリタニア軍に決戦を挑むが、
フジ鉱山を使った戦術で斑鳩が撃沈し、さらにはダモクレスを制圧されて敗北する。

また、ルルーシュの皇帝即位後の改革的行動に「ブリタニアに対する怒りは本物だったのか」と発言していた。
疑心暗鬼になるのは分かるが、流石にそれまでの行動からそこは疑うところじゃないだろ……。

皇帝直轄領となった日本で処刑されそうになっていたが、ルルーシュがゼロに扮したスザクに討たれたことでヴィレッタやコーネリアらに救出される。

下手に他の人物がトップにならず分かりやすい扇がトップになったことで行動がかなり読みやすくなったことは、
ほぼ思った通りの未来に導けたルルーシュ・全滅は免れた黒の騎士団達の双方共に結果的には良かったとも取れるかもしれない。


ゼロレクイエム後は他に目立つ集団の長が居なくなっていたからか日本の首相となり、ヴィレッタとも結婚した。


◇劇場版『I 興道』『II 叛道』『III 皇堂』

『I 興道』『II 叛道』では特に目立った変更点などは無いが、『III 皇堂』にて黒の騎士団からゼロを追放する下りで扱いが大きく変化する。
原作ではシュナイゼルらが持ち込んだ「ゼロの正体」「自分達をギアスで駒として操っている可能性」を、
以前から多少なりとあった不信感と相俟ってすっかり信じ込み、激しい怒りと失望感を露わにしながらゼロ追放を推進する……という流れだったが、
本作ではゼロとギアスの秘密を知ってもなお怒りまでは覚えておらず、この時点では未だにシュナイゼルの証言を完全には信じ切っていないため、
「どうやらゼロの正体はブリタニアの皇子らしい」程度の認識で、「あいつはペテン師だ!」という発言も無い。
あくまで『ゼロへの疑問・不信感が増した』『ギアスを使われた可能性を疑っている』程度であり、半信半疑の状態であった。
格納庫でゼロを包囲したのもあくまで ルルーシュに弁明を求めるため であって 彼(と黒の騎士団員)としてはこの場で彼を殺す気は毛頭無かった。
そればかりか、ルルーシュが自分を陥れたのがシュナイゼルと知った事で早々に敗北を悟り、
黒の騎士団メンバーを駒と吐き捨ててもなお「開き直るなんてらしくもない!」と叫ぶなど、あくまでゼロを信じようとしていた事がうかがえる。
ルルーシュの「格納庫での包囲→ロロによる斑鳩脱出」という展開も、

『扇はルルーシュに説明を求め、また有無言わさず銃撃を命じるカノンを止めようとしたが、「ギアスを使われる可能性がある」と言いくるめられてしまい、
結局そのままシュナイゼルの部下が銃撃したため(原作と同様に)ロロが蜃気楼でルルーシュを連れて逃亡する

……という流れになっており、
まとめると『扇にとってゼロを追放する事態になったのは全くの不本意だった』という形に変更されている*1
このためゼロを追放した事を後で悔やんでおり、原作の様に「もう黒の騎士団にゼロは必要ない!」と言い切る事もない。
当然、この一連の流れでシュナイゼルに「日本を返せ!」と要求する事も無い。
寧ろ視聴者から散々指摘された「むしろシュナイゼルにこそ良い様に操られたのではないか」という疑問を自ら呈していた事も後にカレンから語られている。

この他、原作に於いて 何故かディートハルトがボコボコにされていた件 も、追加カットで扇が彼を殴打しているシーンが挿入される形で補完された他*2
同時に「黒の騎士団を続けるならそれなりの覚悟をしておけ!(意訳)」と言い放っており、ディートハルトがシュナイゼル側に付いた理由付けにもなっている。
ちなみにボコボコにした理由も「上記銃撃をディートハルト以外の黒の騎士団員はみんな止めようとしていたがディートハルトだけノリノリで煽っていたから」と言う理由付けもされている。
むしろ続ける気なら冷遇はしても追い出す気はなかったと取れる発言の為、幹部達が誰一人として追放や殺害する気までは一切なかったのに率先して見捨てて殺しに行った結果追放する事態に陥った
状況の一因となったディートハルトへの対応としては甘いまであるぐらいである。

また細かい点であるが、最終決戦でルルーシュの奇策により斑鳩を撃沈させられた際の叫び声の内容も、
ルルーシュへの怨嗟ではなく策に嵌められた事への純粋な驚き・悔しさが込められたものとなった。

それ以降は大きな変更点は無く、原作同様に斑鳩生存者と共にトラックでその場を離脱、その後処刑されかかるが救出され、日本首相となった。


総じて原作終盤に於ける感じの悪さが大幅に軽減されており、もしかしたら シャーリーの次にフォローされたキャラかもしれない


◇復活のルルーシュ

劇場版三部作の後のストーリーとなるため、原作とは繋がっていない事に留意。

冒頭で 日本首相に就任から2年以内に辞職していた 事が判明する。
神楽耶から「何故首相を辞めたのか?」と問い詰められているため、「辞めさせられた」のではなく「辞めた」様である。*3
元々扇が首相になったのも「反ルルーシュ王朝ブリタニア帝国勢力の日本代表だったから」という節があったので、
本人としても流れに乗って首相にまで担ぎ上げられてしまったのは望むところではなかったのだろう*4
ナナリー救出作戦に参加している辺り黒の騎士団に戻ったのだろうか?
長男となるヴィレッタとの第一子は無事出産、一児のパパとなっている。名前は亡き親友からとって「ナオト」と名付けた。

上述の通り、ジルクスタンへのナナリー救出作戦に黒の騎士団として参加する。
玉城がギルフォードに絡む一方、コーネリアとの私的な会話などは特に無かった。
作戦前の決起集会の途中、ルルーシュに対して結果的に日本を取り戻してくれた事に感謝を述べた後、
彼を信じ切れず土壇場で裏切った事に頭を下げて謝罪、「黒の騎士団の代表」として彼の前で拳銃自殺する事でケジメを付けようとしたが、
他ならぬルルーシュから止められ断念する。

作戦中は玉城と行動を共にする。
特にこれと言った活躍は無く、相変わらずちょっと考えが足りない玉城に振り回される損な役回りとも言える*5
激戦であったが何とか生き延び無事帰還、ED絵では藤堂、千葉とも依然と仲良くしている様子が描かれていた。

『就任から割とすぐに首相から辞職』、『裏切りを自身の死を以てルルーシュに詫びる』、『泥臭く、ロクな目に遭わない』と、
劇場版三部作に引き続き、これまた扇に浴びせられた視聴者からのブーイングに対する精一杯の清算とフォローがなされたと言えよう。


■余談

他媒体においての扇は、例えば漫画版ではカレンを巻き込みたくないと思い初期は彼女をレジスタンスの活動から遠ざけて学校に行く事を優先させ、
ヴィレッタとの恋愛もないために彼女絡みで組織を危機に晒す事もなく、ラストでは教師に復職してアッシュフォード学園に赴任している。


■ゲームでは


  • 第2次スーパーロボット大戦Z 破界篇
原作通りに黒の騎士団メンバーとして登場。自軍パイロットとしても使用できる。
奪取した機体が偶然にも修理装置付きの グラスゴー で、後半には同様の無頼に乗り換える、支援向けパイロット。
HP回復精神コマンドの「信頼」「友情」に、修理装置まであるので回復の鬼。

しかし、エースボーナスが「援護防御でのダメージ0.5倍」。リアル系のテスータスでは盾になるには若干厳しい。
最後には気力を上げる精神「激励」も覚えるが、機体をいくつかから選べる上に扇より消費が少ない「激励」持ちかつ、
所持者が少ない「期待」も覚えるライバルが存在する。

不遇な部分が多いので、扱うには扇がヴィレッタに注いだぐらいの愛が必要だろう。


  • 第2次スーパーロボット大戦Z 再世篇
シナリオがR2になった事で役職も大きくなり、司令官達の会合にも顔を出す程には偉くなった。
ブラックリベリオンが序盤のプロローグに含まれているので、早速銃でぶち抜かれる。
前作での不遇を吹き飛ばすような大出世を果たした。ハドロン重砲を撃ちまくってやろう。

機体もパッとしなかった無頼から強力な斑鳩に変更され、玉城とラクシャータをサブパイロットに加える形となる。
斑鳩は癖の強い範囲ではあるがMAP兵器持ちで、武装も近・中・遠がしっかり揃っている。
波動障壁もあるので、ENさえ補強すれば多少の被弾も怖くない。
足が遅い上にP武器が無いので、その辺りのフォローは必須。

精神コマンドも前途多難なヴィレッタとの恋愛をイメージしてか、若干消費が多い複合タイプの「愛」が追加されたが、 ゼロに対する「信頼」が消滅した。
愛には火力に直結する「熱血」や稼ぎに便利な「努力・幸運」が含まれているので、これまた斑鳩とは相性がいい。
エースボーナスは「扇、玉城、ラクシャータの最大SP+20」。3人とも支様々な精神コマンドが揃っているのでとてもありがたい。
扇自身も基本はサブだが、ゼロが蜃気楼に乗った場合はメインパイロットとして使用可能。
このシステムが追い風となっており、サブでありながら技能を追加して補強が可能。
SP関係を増やして支援に回したり、底力やヒット&アウェイを付けて戦える艦長だって目指せる。

最大の特徴は、参戦時にゼロのレベル、撃墜数、PPが引き継がれる事。扇のみが当てはまる変わったバグ、もしくは仕様。
一周目こそ微妙だが、二週目以降では扇+ゼロの合算となる為、恩恵が凄まじい。
斑鳩を使わず、蜃気楼を使い倒していると面を喰らうであろう。下手をすると扇が部隊でも2番目のエースになる事もしばしばある…
これらの仕様が組み合わさり、艦長キャラの中でもなかなかに伸び代がある。



そして、再世篇ではある条件を満たすと、扇が重要な選択を迫られる事になる。その選択肢は……。




…第3次Zにて正史はゼロレクイエムルートとなった。現実は非情である。
なお「ifルートのフラグは立っていたのにゼロレクイエムルートに行ってしまった」とよく言われるが、
天獄篇のミスリルルートでシャーリーが死亡している=騎士団ルートのフラグが折れていたことが発覚している。
扇ェ……
しかしながら、原作とは違って首相ではなく教師として陣代高校に赴任しており、
エヴァに乗り始めたばかりで、神経質になっていたシンジの悩みを聞いていたりと、「頼りなさげではあるが優しい先生」と描かれている。
ただ再世篇、ゼロレクイエムEDではカレンが「扇さんや藤堂さん達は神楽耶様と共に新日本政府の人間になった」と明言している。
思うところがあって、退職したのだろうか…。*6

天獄篇では序盤にサイデリアルへのレジスタンスとして登場。


『復活』設定で登場。サポーターとして加入する。
劇場版 マジンガーZ / INFINITY』との設定の兼ね合いからか副首相に就いていたが、弓首相に頼んで辞任した模様。



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最終更新:2024年04月20日 15:27

*1 因みに、原作では扇と同じくゼロを厳しい言葉で非難し、自らルルーシュを銃撃しようとした藤堂も、ゼロへの不信感が膨らんでこそいたもののシュナイゼルの言う事も完全には信じていなかったため、扇同様カノンの銃撃指示に疑問を呈していた。

*2 一応、「ディートハルトが突然傷だらけになっていたのは扇に殴られたから」というのは初期の内からスタッフの証言という形で明かされていた。

*3 それも神楽耶が辞めた事を問い詰めている事から首相としては有能かどうかは確定していなくとも少なくとも無能ではなかっただろう事がうかがえる

*4 ストーリーを見ても分かる通り、旧扇グループのリーダーだったのも黒の騎士団副司令に任じられたのも本人としては不本意である。

*5 元々扇は白兵戦にしてもKMF戦にしても、個人的な戦闘能力は然程高くはない。そう考えると、少数精鋭チームによって決行されるナナリー救出作戦に参加しているのは結構謎である。

*6 第3次Zではこの転職についてまったく触れられないので、若干唐突な感じが否めない。