暴魂クロスランダー

登録日:2012/11/15 Thu 00:26:26
更新日:2023/06/14 Wed 02:29:25
所要時間:約 7 分で読めます




「ヒットマンはどんな汚い手を使おうが、敵を倒せばいいのだ!」


クロスランダーとは特撮ドラマ「超人機メタルダー」に登場する敵組織・ネロス帝国の軍団員。


声:木場剛(現バッキー木場)


ネロス帝国四軍団の一つ、戦闘ロボット軍団に所属する軍団員。元々は南米支部に所属する爆闘士だったが、反政府ゲリラを支援してのテロ工作で功績を挙げ、本部に返り咲き空席だった暴魂の位を授かった。赤をベースとしたスマートなボディに銀の装甲を纏った姿は一見すると正義のヒーローのようですらある。が…。


【戦闘能力】
連射性能に優れた拳銃型の光線銃を使いこなすガンマンロボットで、98%の命中精度を誇る射撃の腕を武器にVIP暗殺を主な任務とする。
元々所持している拳銃は一丁だけだったが、暴魂への昇格祝いに帝王ゴッドネロスから贈られた銃とあわせて二丁拳銃となり、以後、それが定着する。一方で格闘能力はあまり高くなく、接近時に不意を突かれるとあっさり態勢を崩してしまう事が多い。


【性格】
ヒーローかライバルキャラと見紛う容姿に反し、勝つ為には手段を選ばず、標的を必要以上に嬲るという冷酷非情、かつ傲慢で卑怯卑劣な性格。
さらに戦闘ロボット軍団員は軍団長であるバルスキーを尊敬している者が多い中、いずれ手柄を立てて自身がそれに取って代わり凱聖になろうという野心を持っている。

軽闘士ゴブリット、デデモスという直属の配下がいるが、バルスキーとは真逆で部下の扱いは最悪。暴力は当たり前。果ては囮に使って危険な目に遭わせた上、自分は手柄を独占し失敗の責任は擦り付けるなど、とんでもないブラック上司で、当然二人からの信頼はゼロに近い。

当初は蛇と鷲をモチーフにした冠を頭に装着して登場する等、虚栄心の塊でもあるが、本質的にはヘタレ。優位に立つとすぐ増長する悪癖も見受けられる。

一方で、出世しか頭に無いかと思いきや、23話の運動会では練習はサボったが「自分らしいやり方で軍団勝利に貢献する」と口にしており、
事実、空輸作戦で一気に順位を押し上げようとした機甲軍団激闘士ストローブを物陰からの狙撃で撃墜し、機甲軍団自体をリタイヤ状態に追い込む事に成功している。

なおバルスキーはその性格を「ヒットマンのプロとして手段を選ばない非情な男」と長所として評価している模様褒め過ぎなくらいである


【トップガンダーとの因縁】
前任者である戦闘ロボット軍団元暴魂トップガンダーとは体の配色(黒と赤)、武器(狙撃銃と二丁拳銃)、戦闘スタイル(一発必中と乱射乱撃)、殺しへの姿勢(フェアプレイと手段選ばず)と全てが対照的。
お互いまったく反りは合わずクロスランダーは「貴様だけは俺の手で始末したかった」と激しい憎しみを抱いており、一方のトップガンダーも「薄汚いドブネズミ」と呼んで軽蔑している。

が、二人の間にはいかんともしがたい実力差が存在し、トップガンダーを激しく意識し嫉妬しているクロスランダーに対し、トップガンダーの方は「一介の殺し屋に過ぎない」「もはや俺の敵ではない」と眼中に無い様子である。

一方で、一対一に固執するあまり他軍団との共同作戦を勝手に放棄したり、最終的に美学を貫いた事で帝国から追われたトップガンダーに対し、
クロスランダーはモンスター軍団ヨロイ軍団ら他軍団とも共同戦線を取るなど柔軟な姿勢も持ち合わせており、
組織人としてはトップガンダーより優れていると言える。


バンダイから発刊されていたホビー雑誌『B-CLUB』に會川昇氏が寄稿した短編小説「狼達の宴」には、新造されたトップガンダーに帝王ネロスの寵愛と興味が移り、それまで忠実に任務を遂行してきたにもかかわらず遊び飽きた玩具のように帝王から省みられなくなったクロスランダーが、嫉妬のあまりトップガンダーを襲撃して左腕を撃ち落とすという事件を起こした事が因縁の発端として描かれている。
この事件の懲罰という形でクロスランダーは南米支部に左遷され、一方のトップガンダーも仲間と信じていた相手に撃たれた事でフェアプレイと一匹狼的姿勢に執着するようになり、自らの甘さを戒めるために左腕を不恰好に修理したとされている。

なおこの小説で、デデモス、ゴブリットはトップガンダーの余剰パーツで生産された試作機である事が明かされており、当初は彼らの面倒をよく見ていたクロスランダーも、この事実を知った途端二人を虐待するようになる。



「暗殺しか能の無い俺が、暗殺という仕事を失ったら何が残る!」



この作品にはメタルダーやバルスキーを始め、製作者に課せられた存在意義に苦悩するロボットが多数登場するが、クロスランダーはその存在意義すら奪われるという残酷な仕打ちを受けていた事になり、
そのロボットらしからぬ出世欲は一度は自分を見捨てた創造主と「暗殺者」という自分の存在意義への執着の表れなのかもしれない。





※以下ネタバレ注意※






【作中での活躍】
16話で暴魂への昇格を果たしたクロスランダーは、メタルダーの兄貴分と名乗る青年・北八荒(実際は知り合ったばかり)を拉致、人質にしてメタルダーをおびき寄せ手柄にしようと目論む。
トップガンダーの妨害を受けるものの、有利に戦況を展開しメタルダーの頭部に銃口を突き付けるまで追い詰めるが、バイクに乗った八荒の乱入に気を取られた隙に形勢逆転。Gキックで自慢の王冠ごと頭部を破壊される。
その様が帝王の怒りを買い処刑されそうになるも、必死の命乞いもあって助命され、頭部に隠し銃を搭載する改造を受ける。

続く17話でモンスター軍団ガマドーンと手を組み、宿敵トップガンダーとメタルダーを葬るべく暗躍。トップガンダーと対決するが、二丁拳銃をあえなく撃ち落とされて敗北。
さらに部下のデデモス、ゴブリットに裏切ったふりをさせトップガンダーを羽交い絞めにし、隠し銃で狙撃しようとするが、それすらも失敗し、
卑怯な振る舞いに激怒したトップガンダーの鉄拳制裁を浴び、隠し銃と一緒に修理したばかりの頭も再び破壊され、無様に土手を転がり落ちる。ホントよく処刑されなかったな…。

しかし後、33話で四軍団の合同演習に迷い込んだトップガンダーが他軍団員と格闘する隙をついて、ついに彼を狙撃し重傷を負わせ捕える事に成功。
これまでの復讐とばかりに執拗に暴行を加えた上、偽のトップガンダーを作ってメタルダーをおびき寄せこれも始末しようとする。

案の定救出にやって来たメタルダーが偽トップガンダーに銃口を突き付けられると本物のトップガンダーを引っ立てながら姿を現し、自らの勝利と復讐の完遂を確信。悦に浸るが、隙を見て拘束を振りほどいたトップガンダーに偽トップガンダーを倒され、さらにメタルダーを狙っての銃撃も身を挺して庇ったトップガンダーに阻止されてしまう。
そのままメタルダー怒りのレーザーアームで袈裟斬りにされ、傷ついたトップガンダーを助け起こすメタルダーの背後で、出世の野望も復讐も果たせず一人寂しく爆散した。


【備考】
  • 彼がヒロイックな外見をしているのは『ザウルバイカー』という没企画の主役デザインが流用されたため。『仮面ライダーBLACK』に登場するバイク・ロードセクターも元々彼に与えられるはずのものだった。

  • 実は担当声優が長らく不明だった。バッキー木場氏説もファンから挙げられた有力なものに過ぎない。

  • 放送当時の玩具展開であるフィギュア「ゴーストバンクシリーズ」にラインナップされる予定があったがポシャった。後、メガハウスから雨宮慶太氏によってリデザインされたフィギュアが2007年に発売される予定だったが、これも音沙汰無しである。二度も玩具化がお蔵入りなのはさすがに悲惨…。造形はかっこいいのに・・・。


「この項目に追記・修正すれば俺の名はアニヲタwikiで不滅となる!」
「豪将を飛び越え、一気に凱聖だ!アーッハハハハハハハハハ!」

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 超人機メタルダー
  • メタルヒーロー
  • 怪人
  • ロボット
  • ネロス帝国
  • 戦闘ロボット軍団
  • ガンマン
  • ブラック上司
  • 卑怯
  • クズ
  • ヘタレ
  • かませ犬
  • ドブネズミ
  • 残念なイケメン
  • 二丁拳銃
  • ヒーローになれなかった男
  • 暴魂
  • クロスランダー
  • 木場剛

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2023年06月14日 02:29