黒の騎士団

登録日:2011/03/10 Thr 22:25:12
更新日:2024/04/24 Wed 21:07:07
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力ある者よ、我を恐れよ!


力なき者よ、我を求めよ!


世界は!


我々黒の騎士団が、裁く!!


黒の騎士団とは、アニメ『コードギアス 反逆のルルーシュ』の主人公ルルーシュ・ランペルージ扮する「謎の仮面の人物」ゼロが率いる武装組織。
冒頭のナレーションで語られる所の「ルルーシュが持つ2つの力」の一つ。

時期によって「小規模武装集団」→「多数の協力員を持つ大規模武装集団」→「日本最大のクーデター軍」→「指揮官行方不明、活動可能な残党は数名」→「事実上の巨大国家の正規軍」と在り方は変わっているが、
ルルーシュにとっては「妹ナナリーが安心して暮らせる世界を建設するための軍隊」
初期のメンバーにとっては「日本を取り戻すための軍隊」である事だけは一貫している。
また体制側であるブリタニアにとっては「テロ集団」、植民地支配を受けている日本側にとっては「レジスタンス組織」である。


【体質・風土】

元々がブリタニアへの対抗としてテロ行為を働いていた小組織や旧軍残党を纏め上げたものであるため、
メンバー、特に中核・幹部格は良く言えば士気と団結力が高く、勇猛果敢、
悪く言えば血の気が多く愚連隊めいて荒っぽく、また短絡的で大局眼に欠ける傾向が見られる。
メンバーは多かれ少なかれ不可能と思われた事を次々に成功させたゼロの圧倒的カリスマ性に惹かれている面を持つ一方、
素性を一切明かさず、他にも団員にも秘密にしている事が多い秘密主義的点を疑問に持たれる事もまた少なくない。
それでも彼の圧倒的頭脳があってこそブリタニアと戦えるという現実もあり、ある程度は割り切っている部分はあった。
ともあれこの信頼はできるが信用はできない(面もある)という歪な構図が、後の大事件を起こしているのは間違いない。

時期にもよるが、基本的に首領であるゼロがそのカリスマと頭脳で纏め上げているワンマン経営の感が強い。
これは黒の騎士団が実現した無謀とも言える作戦や戦力・装備調達にはゼロが持つギアスの力に頼っている面も大きいという部分もある。
また、戦力としてのエースこそカレンや藤堂らだが、基本的に組織の運営や作戦指揮はほぼ全てゼロに依存していると言っても過言ではない。
おまけにゼロはその性格上後方に鎮座する事なく最前線で陣頭指揮を執ろうとする傾向が強く
もしゼロが何等かの理由で指揮不能になったら、最悪戦死か逮捕でもされた場合は*1
一気に烏合の衆と化し作戦が崩壊するどころか組織自体がそのまま壊滅しかねない危うさを持っている。
もっともここらは持論の通り立場的に前線指揮しないと人がついてこないことや、前に出る必要があるから(ギアス行使や他人に任せられないことなど)ということが大きいので、無駄に前に出ているという場面はあまりない。

一応、指揮能力の面は藤堂らが加入してからは彼らが前線指揮官や小部隊の隊長となる事で、
指揮官が致命的に脆弱である面もガウェインや蜃気楼を入手してからはいくらかマシになっている。
以上から身も蓋もなく言えば鉄砲玉としては合格ラインではあるが、頭脳戦や戦略の構築に関しては今一歩な、小規模ゲリラに毛が生えた程度の集団である。


組織が「人種に関わらず虐げられる弱者の味方」を標榜して公表された事もあり、黒の騎士団は反ブリタニア勢力でありつつブリタニア人そのものは排斥していない。
何しろ総指揮官であるゼロが「顔も本名も経歴も不明、確かなのは類稀な頭脳と、後で判明した日本人ではない事のみ」という不審極まりない人物であるため、
黒の騎士団は日本人至上主義ではなく実力主義の組織として運用された。が、玉城をはじめブリタニア人排斥よりの思考の人間はブリタニア人それも学生に銃を向けるなどゼロをはじめカレン、藤堂、扇と言った分別のある人間のいないところでは勝手な行動をとることがあり、後述のブラック・リベリオンの敗因にもなっている。

ブラック・リベリオンの敗北による壊滅後は元々内包していた弱点が浮き彫りになる。かろうじて潜伏や国外活動で逃れていたカレンや卜部と連携ができた団員たちは組織の最低限のルールと統率を保っていたが、それ以外はブリタニア憎しに任せて素性も把握できない貴族の誘拐(実際は末席レベルとはいえブリタニア皇女のマリーベル)を犯行声明や身代金という最低限の段取りもしないままに暴れた結果、同じ反ブリタニアのピースマークのオズにマリーベルは救出される。
その直後にもKMFを有する戦闘部隊がアッシュフォード学園の占拠というこれもまた、思い付きの行動を起こす。これもまた、ただの勢い任せで身代金をもらう程度しか考えなかった。しかも、それを巻き上げようとした相手は既に没落して学園事業以外ほとんどの財力を持たないアッシュフォード家という政庁さえ相手にする発想ができない素人集団の醜態をさらし、挙句に生徒の殺害未遂に走ったことで同業者のオズとグリンダ騎士団に壊滅させられ、そのオズに凋落の烙印を押された。しかものこの間、理事長の娘の立場を利用して時間稼ぎを行っていたミレイ・アッシュフォードに論破されて逆上、特区日本を言い訳に射殺しようとする暴挙に出た。
特区の記憶が色濃いこの時期で言えば、無理ないがやはり所詮は素人でゼロがいなければこの程度という裏付けで、ゼロが死んだ後のエリア11は残党の追撃は行っていたが、それ以上にE.U.と中華連邦、各エリアの反乱と本国からの分離・独立を図るユーロ・ブリタニアの警戒が最優先だったことからも組織がゼロのワンマンチームであることをブリタニア当局も看破していたことがうかがえる。

「正義の味方」という看板だけが独り歩きして、「武器を持たない人間にはブリタニア人でも危害を加えない」という理念さえ無視するのは組織の腐敗としては起こりうることだが、黒の騎士団は正真正銘の素人集団であるためにそれがより顕著。なにしろ、後のゼロ復活の時期にはブリタニアの正規軍さえテロ鎮圧を言い訳にした略奪を行って、総督やナイトオブラウンズを悩ませてブリタニア軍の同士討ちにさえ発展するほど。

【沿革】

成り立ち

ルルーシュとしては、ブリタニアと戦うつもりは元からあったが、当初はこの様な組織を作るつもり等は無かった。
シンジュク事変*2がそうであった様に、自身の能力とギアスを以てすれば、その場その場で戦力の調達で事足りると自負していた様であった。
しかしサイタマゲットーでの戦いでコーネリアに完敗を喫した事とC.C.の指摘を受け、
「不意に現れ無線越しに指揮を下す謎の男と、その辺のテログループ」では指揮官の統率力と兵士の忠誠心が圧倒的に足りていない事を痛感、
ブリタニアと戦うための軍隊、即ち「黒の騎士団」を結成する事を決意する。

組織の前身となったのはシンジュク事変の際に指揮した、当初紅月ナオトが率い、後に扇要がリーダーを継いだテログループである。
上述の通り当初ルルーシュは自分の組織を作る事は考えていなかったため、
扇グループがシンジュク事変、スザク奪還作戦の後に「次の行動」を求めて連絡を取って来た時も「馴れ馴れしい奴」と見て近々切り捨てるつもりだったが、
サイタマゲットーでの敗北を受けてグループと本格的に組む事を決断する。
扇グループと出会った当初のゼロは仮面と変声機で素性は全く不明の胡散臭過ぎる謎の人物であり、
ゼロが「正体の代わりに自分を信用するに値する力を見せる」として行われたデモンストレーション、「枢木スザク奪還作戦」にて、
不可能を通り越して自殺同然と思われた作戦を見事に成功させた事で、扇・カレンら一部メンバーから一定の信頼を獲得していたが、
多くのメンバーからは依然として信用できない奴と見做されていた。

そして直後の草壁一派によるカワグチ湖ホテルジャック事件を受けて行動を開始、人質救出と共に「黒の騎士団」のお披露目を行う。
しかし、この時点で動いたのはルルーシュにとっては完全な想定外であった。
この時期は黒の騎士団結成直後も直後で行動を開始するのはあまりに早過ぎであり、彼としては動きたくても動く訳には行かない状況だったのだが、
ホテルジャックに巻き込まれていたアッシュフォード学園生徒会メンバーを助けるべく、やむを得ずこのタイミングで動く結果となった*3


活動初期

設立当初は活動内容の派手さに反して、トレーラー1台をアジトにする程度の小規模組織だった。
また、具体的な時期は不明だが、少なくともナリタ連山での戦いまでにリーダーの座は正式に扇から移譲される形でゼロに移っている。

「テロリストでもレジスタンスでもない、正義の味方」「人種に関わらず弱者の味方」として旗揚げした黒の騎士団はしばらく一種の義賊の様な行動を取っていた。
劇中で描かれた違法薬物リフレインを流通させる組織を壊滅したのを含む、民間人を巻き込むテロリスト、犯罪組織の撲滅や悪徳企業・政治家の吊るし上げ等も行っていた。
勿論これはあくまで団員を纏め上げ、民衆の支持を得るための方便でもあったが*4
その影響もあって徐々に人気と協力者、入団希望者を獲得、その過程でシンジュク事変の際に喪失したグラスゴーの代わりとなる無頼も1機調達に成功、
再びカレン専用機としてナイトメアを保有する事となった。
更に続いてキョウト六家からの紅蓮弐式を始めとしたナイトメア複数機の提供の約束も受け、程なく供給される事となった。

その後のナリタ連山での戦い――コーネリアの軍に包囲されるという絶望的な状況*5を逆転し逃げおおせるという「奇跡」を齎した事で、
いよいよゼロは彼に懐疑的だったメンバーからも一定の信頼を獲得する事となる。
なお、この戦闘はコーネリアとしてはまんまと罠に嵌められ大損害を被った挙句に作戦目標達成も黒の騎士団討伐も失敗した事から敗北と認め、
生還した騎士団員もコーネリアを出し抜いたと勝利に湧いた。
(ただし、最大の目標であったコーネリアの生け捕りには失敗していたため、戦略的に大勝とまではいかなかった)
ゼロとしてもランスロットによって敗北間際にまで追い詰められたもののC.C.の活躍でどうにか逃げ切り、前述の目的をほぼ達成したことでブリタニアともやりあえると自信を深めた。


日本解放戦線・キョウトとの合流、組織再編

ナリタでの戦いの後、黒の騎士団はその戦果をキョウトに認められ、今後本格的な支援を得られるかを見定められる直々の面会を許される。
本来であればキョウトからの資金提供など無くても活動に問題は無かった筈なのだが、玉城が後輩相手に散財し続けたために資金状態が悪化、ひとまず会計番は玉城から扇に移された。

キョウト六家の一人、桐原との面会の中でゼロは自分は日本人ではないとその場にいた騎士団幹部に告白すると共に、
また桐原にだけ素顔――自分の正体がルルーシュ・ヴィ・ブリタニアである事を明かすと、
桐原はそれまでゼロに懐疑的であり、あまつさえ「日本人でもない奴が率いる反ブリタニア勢力など信用できない」と抹殺しようとしていたのを一転、
「ゼロは間違いなくブリタニアの敵」「正体を鑑みれば顔を明かせないのも納得」「ゼロに着いて行け」と太鼓判を押し*6、黒の騎士団に協力する事を約束した。

その後、ナリタでの敗北により壊滅し国外へと逃亡しようとする日本解放戦線残党の救出をキョウトから依頼され、ゼロはこれを受諾するも、
ゼロの真意は日本解放戦線をブリタニア軍部隊諸共爆破し、コーネリアの本陣を急襲する
つまり日本解放戦線を救出するつもりは更々無く、あまつさえ自分で全滅させておいて「日本解放戦線はブリタニアを道連れに自爆した」と喧伝するという非情な策だった。
ただしリーダーの片瀬は非常に希少な流体サクラダイト*7を手土産に亡命する気だったこと、乗っているのは民間人ではない、情報は筒抜けでルルーシュも把握していたしブリタニアも既に万全な手を打っていた=救出は非常に困難で被害に見合わなかった*8という相応の事情もあった。
加えて、ホテルジャックでの遺恨もさることながら藤堂と四聖剣を除けば残ったのは仲間にしたところで役に立たないような連中で仮に上手く仲間にしたところで片瀬を筆頭とした組織の派閥化を誘発させる上に、肝心の片瀬も大して能力もないのでいたところで邪魔にしかならないという組織の観点もあった。
そのためか事前にシャーリーの件で気弱になっていたルルーシュに覚悟を決めろと言っていた様にC.C.も止めていない。
ナリタでの戦いとも似た冷酷な作戦*9を前に扇はゼロへの疑問と不信感が僅かに芽生え、
逆に同時期に黒の騎士団に参加していたディートハルトはゼロの真意を見抜き、カオスの権化を見出した事でゼロに心酔して行く。
扇がヴィレッタを拾ったのもこの時で、彼女がうわ言でゼロの正体を知っているような発言を残した事から保護したが、
いつの間にか彼女を女性として意識するようになる。

その後、メカニックとして紅蓮弐式の開発者であるラクシャータ、ブリタニア軍に捕まった「奇跡の藤堂」の救出を依頼した四聖剣、その藤堂本人も参加した事で組織は更に拡大、ディートハルトの草案を元に組織を再編成する。
再編完了後は、藤堂は軍事部門総指揮官、朝比奈と仙波は部隊長、扇は副司令官、ディートハルトは情報部門の総責任者(事実上の「参謀」)、カレンは零番隊隊長(ゼロ曰く「ゼロの直属部隊。親衛隊のようなもの」)に任ぜられた。
元々のリーダーであった扇や歴戦の軍人としてのカリスマ性を持つ藤堂はともかく、いきなりやって来たブリタニア人であるディートハルトに要職を任される事に疑問の声も発生したが、
そもそもリーダーのゼロが日本人ではない事、「黒の騎士団は日本人至上主義ではなく実力主義の組織である」との方針から一先ず認められる事となった。
またC.C.も制式にメンバーとして出入りするようになった。
この時期になると黒の騎士団の協力員が少なからず摘発され初めているが、
組織再編で下部構成員を全14階層と無数のブロックに分け、拠点もダミー含め大量に分散、組織自体の情報も上と下を分断させる構成にした事で、
芋づる式に組織が纏めて摘発される事態を防いでいる。

神根島で一時行方不明となっていたゼロがガウェインと共に帰還した後、
旧政府の要人にしていままで中華連邦に亡命していた澤崎がフクオカ基地を占拠、中華連邦と共に独立宣言を行ったが、
これは実質的には中華連邦の傀儡と見て協力はせず、そればかりかゼロがランスロットと協働して澤崎の逮捕に動いている。
ディートハルトはこの事は「黒の騎士団のスタンスを示すもの」として肯定的に受け取っている。


空中分解の危機と巨大化、そして壊滅

十分に戦力が蓄えられ、「東京に独立国家を樹立する」という目標も発表され、いよいよこれからという矢先、
ユーフェミアにより「行政特区日本」構想が発表された事で、黒の騎士団はその存在意義を失いかけ崩壊の危機に陥る。
部分的かつ限定的とはいえ平和裏に日本が返って来るならば、どうしても武力でブリタニアから日本を奪還しなければならない訳でも無くなったためである。
おまけにユーフェミアからも黒の騎士団までも特区日本に参加を打診され、団員内からも「原則として反対」というスタンスながらどうすべきか議論となる。
黒の騎士団は「参加すれば武装解除を余儀なくされブリタニアに吸収される」、「参加しなければ『正義の味方』というお題目を失い単なる『暴力主義のならず者』扱いされる」という詰み一歩手前状態となってしまっていたのである。

これに対抗しルルーシュは、ギアスでユーフェミアを操り自分を撃たせ、「反ブリタニア勢力の頭目を騙し討ちした卑劣な皇女と、『奇跡の復活』を遂げたゼロ」を演出し、
特区日本構想の失敗と黒の騎士団の強化を同時に行う予定であったが、
ユーフェミアの真意と決意・覚悟を知った事で予定を変更、「一旦特区日本は受け入れ、それを最大限活かせる方策を何かしら考える」という方針とし、ユーフェミアに協力する事を決定する。

……が、ギアスの暴走によりユーフェミアは日本人の大量殺戮を実行、「日本人を卑劣な罠に嵌めたユーフェミア」が既成事実化してしまい、
ルルーシュとしては極めて不本意ながら、当初の想定かそれ以上の「成果」を挙げる。
黒の騎士団メンバーと生き残った日本人の反ブリタニア感情は最高潮に達し、ゼロはその場で「合衆国日本」の建国を宣言、キョウト六家も黒の騎士団傘下に引き込み、日本各地で蜂起した日本人の一般市民や反ブリタニア勢力と合流し、その規模を数万人まで膨れ上がらせつつ東京租界に向けて侵攻する。
規模の拡大と士気の高さ、そして租界外縁部を崩落させた混乱に乗じて政庁を落とす寸前まで行ったが、記憶を取り戻したヴィレッタが扇を銃撃した事で幹部メンバー間に動揺が走り、更にルルーシュの下に「ナナリーが誘拐された」との情報が入る。
ルルーシュにとっての最重要人物にして黒の騎士団の結成理由であるナナリーの身に危険が迫っていると知り、
ゼロは「全指揮を藤堂に任せ自分は戦線を離脱、通信も受け付けない」と一方的に通告、事実上の作戦放棄・黒の騎士団を見捨てての敵前逃亡を行う。

とはいえ非常に好意的に見ればの話だがこれは戦略的に見れば『総帥にしてトップである人物の人質として有効な人物が拉致され、それを元に降伏勧告を迫られる危険性』が存在しており、放置するのは『黒の騎士団』としては非常に危険な状況であった。
ナナリー等パーソナルな部分を伏せてその旨を幹部陣に通達すれば理解は得られる事は可能性としては無くはなく、少なくとも藤堂等は戦略的な観点から、扇等は感情的な観点から理解を示してくれる可能性は高い。とはいえここで『腹心』を一人も有していなかったのは痛く、どれだけ最高の布陣を敷いても『通信越しに指揮を出しながらゼロ本人が救出に向かう』しかブラックリベリオンに勝利する布陣は無かった。
が、それでも『勝利できる布陣』や『最低限以上の体裁』を整えてナナリー救出に向かえる事ができたのにもかかわらずその場の一時的な感情で一方的に戦線離脱し、致命的な戦略的敗北を招いたのは愚行としか言うしかない。

指揮官にして頭脳であるゼロを失った事で黒の騎士団は統率を失った上に、本来そうなる前にカタを付けなければならなかったブリタニア軍の増援到着により形勢は逆転、明け方には黒の騎士団の敗北という形で決着、藤堂や四聖剣、扇グループメンバーといった生存していた騎士団員はそのほとんどが逮捕された。
公的には、ゼロもこの時死んだものと思われている模様。

小説版ではこのゼロの離脱以外にも外部から合流した武装勢力が勝手な行動をして、それを呼び戻すために黒の騎士団の正規兵を派遣するという結果として民兵や外部の武装勢力が黒の騎士団正規部隊の足を引っ張ったのも敗因の1つになっている。

この戦いは後にブラックリベリオンと呼ばれる事となる。


残党化、潜伏期

第一期から『R2』の間の時期。
卜部、カレン、C.C.といった生き残ったメンバーは黒の騎士団残党と化し、
表立った行動こそできなかったものの再起の機をうかがい小規模ながら行動を続けていた模様。
その一つがみんなで全裸で逃げ出すハメになったという「青森の時」である。
この時期のエピソードは後に番外編などで語られている。


ゼロ復活と再始動

R2序盤。
自分がゼロであった記憶を失っていたルルーシュであったが、C.C.との再会により記憶を取り戻し、ゼロとして復活する。
ブリタニア軍に包囲されていたバベルタワーを倒壊させると共に、その先にあった中華連邦総領事館に逃げ込み*10
更にその場にいた大宦官をギアスで操る事で「中華連邦総領事館内の一室」を領土として合衆国日本は再出発、ゼロの復活を宣言した。
なお、この時期はゼロの正体を知らない者からの「このゼロと前のゼロは同一人物か」という問いに対し、
「ゼロとは記号であり、中の人の連続性は重要ではない」とはぐらかしている。

その後処刑されようとしていた元黒の騎士団員を救出、名実共に黒の騎士団は復活を遂げる。
当然ながら元団員達からはブラックリベリオンでの突然の戦線離脱について詰め寄られたが、
ゼロはあくまで「ブリタニアに勝つため。詳細は言えない」とお茶を濁し、団員もそれで納得できる筈も勿論なかったのだが、
藤堂が「時に作戦は秘密にせねばならない時もある」「自分はゼロ以上の能力を持った者は知らない」と弁護し、
扇も(南から「自分も一度は駒扱いされただろう」と指摘されても尚)ゼロ以外誰もブリタニアとの戦争などできないと庇ったため、
「藤堂と扇がそう言うなら」とその場は一旦収まった。

その後の「太平洋奇襲作戦」(ナナリー奪還作戦)の失敗等を経て一時ルルーシュはゼロとして活動する気を無くしてしまう*11が戦意を取り戻し、
次の一手としてナナリーが再建を計画する特区日本への参加を宣言する。
当然これは降伏でも闘争を止めるという訳ではなく、ゼロがその条件として提示した「100万人の人員を提供する代わりにゼロのエリア11外への追放(実質「団員と100万の人員は差し出すから自分だけは見逃してくれ」という命乞い)」を逆手に取った、
100万人全員がゼロに変装する奇策により、黒の騎士団メンバーとそのシンパ、約100万人のゼロ全員を中華連邦の人工島「蓬莱島」に安全かつ理屈の上では合法的に移動させるのが目的であった。
以降は蓬莱島を新たな拠点とし、後に超合集国が建国された際もそこが首都となる。
更に天子の政略結婚の一件を経て中華連邦と黒の騎士団は正式に協力関係となる。
その後はしばらく中華連邦の国内を平定すべく反乱分子の掃除と諸外国との協力取り付けに務めていた。

またこの後、シャーリーが「ギアスに関わったばかりに」死亡した事を受け、
ギアス嚮団を殲滅すべく黒の騎士団の一部隊を使ってその本拠地を壊滅している。
ただし、理由はそれだけではなくルルーシュ暗殺を狙っていたり、人を兵器として扱ったり、ギアスが単純に脅威であることや、
(ルルーシュはまだ知らなかったが)真の目的が人類全体への敵対行為の様なものなどの放っておけない団体だったことも大きい。
そのため嚮団に思い入れのあるC.C.も最終的に殲滅に同意しており*12、嚮団に協力させられていたバトレーも協力したことそのものを酷く後悔していた。
だが、事情を知らない者には「非戦闘員の虐殺」にしか見えなかったため実行チームから疑問を持たれ、
嚮団殲滅の詳細は実行メンバーだけの極秘となっていたが、「幹部にも内緒で何か、それもナイトメアに人血が付着するような事をさせていた」のは確かであり、
朝比奈と千葉は元から揺らいでいたゼロへの信頼が更に落ちて行く。


再々編成、超合集国の軍隊としての黒の騎士団

合衆国日本と中華連邦改め「合衆国中華」が中心となり、EUから脱退した複数国家が連合する同時に全軍事力を放棄した事で誕生した超合集国に対し、
黒の騎士団は「各国の軍に代わってその安全を保障する、どこの国にも属さない軍隊」「超合集国と契約する傭兵組織」に変化、
超合集国から資金・人員を供給してもらう代わりにその安全を保証するための武装集団となる。
超巨大PMCMSFダイアモンド・ドッグズが目指していた究極形に近いとも言える。

そして超合集国から黒の騎士団への最初の仕事として「ブリタニアに不当に占拠されている日本本土の奪還」を依頼され、これを受諾した事、
そして超合集国憲章批准式典に電波ジャックを仕掛けたシャルルがそれを宣戦布告と受け取り受諾したため、日本奪還の為の2度目の戦争の幕開けとなった。

黒の騎士団としては「九州から上陸しようとする星刻の部隊を囮とした上陸作戦」、
ルルーシュとしては「何よりまず確実にナナリーを保護するため」に決行された第二次東京決戦にて、
一時はナイトオブラウンズの実力を前に劣勢に立たされるも、紅蓮聖天八極式と共に帰還したカレンの力もあって逆転に成功、
後は目の前のスザクさえ倒せばナナリー確保までの障害は無いと思われたが、
スザクがフレイヤ弾を使用した事で東京租界の大部分が消滅、両軍共に戦闘は一時中断された。

しかしルルーシュにとってそれは大問題どころではなかった。
黒の騎士団として戦う意味そのものであるナナリーが政庁諸共消滅してしまったためである*13
ルルーシュはゼロとしての体裁を繕う事すらせず半狂乱で全軍を挙げてのナナリー捜索を命じ、
しかも黒の騎士団も痛手を受けている上に長らく幹部格として共に戦った朝比奈もフレイヤ弾に巻き込まれて戦死したにもかかわらず、
それを「知った事かそんなもの!」と言い放ってしまった事、フレイヤ弾起爆の直前に朝比奈からギアス嚮団殲滅の事を聞いていた事から藤堂もまた彼への不信感を募らせて行く。
ひとまずこの場は藤堂が一時後退を命じ、状況は一時停戦となる。

そこへシュナイゼルが特使として斑鳩に乗り込んで来る。
彼は黒の騎士団幹部に向け、ゼロの正体がブリタニアの第11皇子である事、そして人を操るギアスを持っている事を明かす。
「虐殺皇女事件がゼロの自作自演」だった事*14、自分達もギアスによって操られた駒同然である可能性を知るや、
ゼロへの不信感は急速に膨らむと共に激しい怒りに転じ、ゼロを追放する事を決定する。
結果としてそこは事実だったが、具体的な証拠はよりにもよって敵国の皇子であるシュナイゼルが持ち込んだテープ音声程度であり、黒の騎士団としては証拠の信頼度や偏りは別に考慮する必要があった。更に言えば依然として黒の騎士団にとってはあくまで疑惑でしかないのにそれまでの多大な功績を忘れ、将来的に追放するのならともかく大きすぎる穴埋めはどうするのか?といった現実的な問題を棚上げにしてまで敵に誘導されるがままにその場で追放する(しかもシュナイゼルも立ち会っていたので騎士団の内情がバレバレ)というとんでもない行動だった。
一応その中で、扇は「信じて付いて行った者を裏切る対価」として日本の返還をシュナイゼルに要求した。*15
またこの行動はゼロと同じく黒の騎士団内のトップである(いわばゼロと同格の)星刻や神楽耶たちを完全に無視しており、そちらの意味でも統制・判断・交渉手順*16全てに問題があった。
結論から言えば、この要求はその後のゴタゴタで有耶無耶になり、またルルーシュが皇帝となった直後に全植民エリアが解放された事で、要求とは無関係に達成される。

格納庫にて黒の騎士団幹部に包囲され銃を突きつけられたゼロは、
シュナイゼルの姿を見つけるや、ナナリーを失って自棄となっていた事もあり「周到な彼の事だから最早逃れる隙は無いのだろう」と完全に諦めてしまい、
自身を庇うカレンを巻き込まないように、突き放しながら扇らに向かって「察しの通り、黒の騎士団はただの駒に過ぎない、全てはゲームだった」と居直り、彼らを挑発した。
(扇達は最初から処刑する気満々で、仮に扇達が撃たずともシュナイゼル達も処刑する気で包囲していたのでギアスでの対処も追い付かず、残る択はカレンを巻き込むか否かぐらいだったが友人や仲間を駒扱いできないルルーシュとしてはそんな自殺当然の行動に付き合わせるわけもなく、実際にほぼ詰んでいた)
だがその場で処刑されようとしたその時、ロロによって救出され、そのままどこかへと逃亡した。

結局ゼロの行方を掴む事ができなかった騎士団幹部はゼロの処遇について、
黒の騎士団の存在そのものを揺るがしかねない「ゼロはブリタニアの皇子だった」「ギアスという特殊能力を持っていた」事を馬鹿正直に公表する訳にも行かないため、
結局ギアスについては隠蔽、またゼロは「決戦の中で重傷を負い死亡した」と公式発表する事とした。
なお、九州で戦っていた星刻や神楽耶らはシュナイゼルが持ち込んだゼロの疑惑についても、それを受けてどうするかも一切聞いておらず、
表向きの発表であるゼロ死亡の報せを聞いた後、斑鳩に合流した所でようやく詳細を知った模様。
星刻としては「黒の騎士団総司令」に何の断りも無く事後承諾でゼロを追放された恰好であるが、これに何を思ったかの描写は存在しない。
ゼロ追放の件を後で問題視している様子は特に無いため、おそらく後からの説明である程度納得したのだろう。
神楽耶については最終決戦で明らかになったが、ただ従うわけにもいかず皇帝になったルルーシュの行為を問い詰めてはいたが実は目的は理解しており、黒の騎士団の大勢とは心情面は異なっていた(対立自体は黒の騎士団と同じだが、目的を推察していたためにあくまでルルーシュを救いたかったが故の行動だった)。

この後、黒の騎士団ではなくルルーシュ個人に仕えていた咲世子とジェレミア、
ゼロが居なくなった事で黒の騎士団に在籍する意義を失ったディートハルトが黒の騎士団から脱退する事となる。

またルルーシュのクーデター時はブリタニア軍と協働してクーデター軍を鎮圧に動いている。


シュナイゼルとの同盟

行方不明となったゼロがブリタニア帝国の皇帝として再登場した後、なし崩し的にブリタニアと超合集国の全面戦争に突入した際は、
ブリタニアの旧シャルル派を吸収したシュナイゼルと同盟、事実上彼の指揮下に下る事となる。
しかし実の所、シュナイゼルとしては黒の騎士団はそれこそ「ただの駒」に過ぎず、ただルルーシュと戦うために使い潰されている格好だったが怒りのあまりそれには気付いていない様子だった。
今までにゼロが残したものから黒の騎士団自身もかなりの奮戦を見せたが、
藤堂、星刻といった黒の騎士団の主力が失われた後はシュナイゼルもいよいよ興味を無くすなど、完全に(あれほど嫌っていた)捨て駒扱いをされてしまっていたことは皮肉である。

決戦の末にアヴァロンの撃墜と各国首脳の救出(実際にはルルーシュによる解放だが)、スザクの撃破に成功するも、
黒の騎士団も斑鳩が撃沈させられ、エースを全て失い、遂にはダモクレス要塞を制圧されシュナイゼルもルルーシュの支配下に置かれた事で、
事実上黒の騎士団は敗北、ブリタニア帝国に降伏する事となった。


最終決戦後

「ブリタニア帝国に対抗する『それ以外』」である超合集国を下した事で、世界はブリタニア帝国、
延いてはルルーシュに制圧され、またルルーシュはブリタニア皇帝であると同時に黒の騎士団CEOに就任、或いは返り咲く。
そしてルルーシュに反抗した大罪人として、黒の騎士団幹部メンバーは公開処刑される事となった。
それでも一部メンバーはまたしても残党化して潜伏、コーネリア、ギルフォード、ヴィレッタ、南らは地下で反撃の機を待っていた。

だがそこにルルーシュとは別のゼロが現れルルーシュを殺害、三度復活したゼロは「魔王ルルーシュ」を討ち取った英雄として平和のシンボルとなった。
ゼロは再び黒の騎士団CEOの座に収まり、そしてダモクレスにて「『ゼロに』仕えよ」と命じられたシュナイゼルもまたゼロの補佐として活動を続けている。


劇場版三部作での活躍

基本的にTV本編と大差無いが、ブラックリベリオンの頃から変更点が出始める。
まず、学園を占拠した時点で既に中華連邦との協力を取り付ける事に成功しており、
ブラックリベリオン失敗後は各メンバーはそのまま中華連邦に落ち延びているため、R2序盤で描かれたメンバー逮捕と奪還の場面が存在しない。

特に大きいのがゼロ追放の下りである。
第二次東京決戦の折に斑鳩に乗り込んで来たシュナイゼルがゼロの秘密を話すまでの流れは本編と同じだが、
本編とは異なりこの時点で扇ら幹部メンバーはシュナイゼルの証言を完全には信用し切っておらず
「どうやらゼロの正体はブリタニアの皇子、らしい」程度の認識に留まっている。ギアスの事も半信半疑であるためペテン師とまで言ってもいない。
そのためゼロを引き渡す条件として日本返還も要求していない。そもそも引き渡す事で意見が一致した訳でもない
斑鳩格納庫内で問い詰めた際も、扇や玉城を中心とした組織内では付き合いの長かったメンバーがせめて弁明だけでもしてほしいと言っており、
寧ろゼロに疑いを否定してほしいと思っていたらしい様子が覗える
特に扇に関しては、完全に自棄を起こしたゼロに対して「ゼロ、君らしくないぞ、開き直るなんて! 本当のことを言ってくれ!」と言い返すなど、ゼロに対する捨てきれない信頼の思いや、この状況からでも『奇跡』を起こして巻き返すことを期待していた節が見受けられる。
また銃撃を指示するシュナイゼルに扇は「待ってください、まだ彼の言い分を!」と抗弁しており、「ギアスを使われるかもしれない」と切って捨てられたあとも、「ゼロ、何か言ってくれ!」と最後まで対話を求め続けていた。
その後、ロロが現れてゼロを連れ去る流れはTV版と同様。

ちなみに本編ではギリギリまでゼロの擁護に回っていたディートハルトだが、劇場版では彼だけがノリノリでゼロを突き放す形になっている*17
一方で古参メンバーはこの結果をかなり悔いていたようで、扇は富士決戦直前にこんな形になってしまったことを無念に思う言及をしていたり、
またTV版との違いとして、カレン経由で「実は自分達こそシュナイゼルに良い様に操られたのではないか?」とも疑っていたとも語られている。

このように、劇場版では『ゼロの追放』という結果だけ見れば同じ展開であるものの、そこに至るまでの黒の騎士団メンバーの心情については大きく異なる形になっている。
ただし「虐殺皇女事件がゼロの自作自演」だった事について言及する流れもカットされており、この展開はゼロ=ルルーシュに対して甘すぎるのではないか、というツッコミが入ることもあるようだ。


『復活のルルーシュ』での活躍

※『復活』は劇場版三部作の後日談であり、TV本編からは直接繋がっていない事に留意*18
ゼロレクイエムから2年後の世界でも黒の騎士団は超合集国体制下の軍事組織として健在であり、旧ブリタニア帝国の『グリンダ騎士団』がその監査役に就いている。
相変わらずシュナイゼルは「ゼロ」を補佐しており、ブリタニア帝国改めブリタニア公国も超合集国に加盟しているため、
かつてのブリタニア軍も黒の騎士団に吸収されており、ジノも参加している様子がある他、コーネリアは黒の騎士団中将という肩書を持っている。
カレンは予備役として基本的に学業に専念している他、扇は日本国総理大臣をいつの間にか辞していた。
玉城はカフェ経営者としてそれなりに成功している様で、冒頭でオープンさせた二号店開店記念祭は旧黒の騎士団メンバーの同窓会会場の如き様相であった。

この時代に於けるゼロは自らをお飾りのトップに過ぎないと考え、最強の騎士として専ら戦働き(特にナナリーの護衛)を主任務としている。
だが「ハシュベスの戸惑い」事件にてジルクスタンにナナリー共々捕らえられてしまったため、
コーネリアを始めとした一部の精鋭メンバーと、呼び戻されたカレン・扇・玉城による救出作戦が決行された。
なお、視聴者目線では明らかなゼロレクイエム以前と以後でゼロの在り方が変質している点について、
作品内でも同様の違和感を抱いた者、延いては新ゼロの中身はスザクではないかと勘付いている者はまま居たようである*19

また本作戦の間は、ナナリーを救い出すべく「今夜限り」としてルルーシュが扮するゼロが復活、彼の指揮によりナナリーの救出は成功した。
復活したのならとルルーシュはゼロに戻るよう依頼されるも、「自分という存在は不安定でありいつまた消えるか分からない」「自分は死んだ人間」として辞退、
ゼロの座は残った者たちに託し、ルルーシュはC.C.と共にどこかへ旅立っていった。


【構成員】

時期によって役職・肩書は結構頻繁に変わっているが、
少なくともアニメ第一期の間は旧レジスタンスグループ時代から所属していたメンバーは常に幹部扱いだった様である。

  • ゼロ
創設者にして首領。
役職は黒の騎士団総司令→CEO
本組織は彼の頭脳とカリスマによって成り立っている面が非常に強い。
体格からして男性であろう事を除いて素顔も素性も一切不明という謎の多さから不審に思う者も多かったが、
数々の「奇跡」を齎した事で信頼を勝ち取って行くが、しかし「信用」を構築する事をしなかったのが、後々自らの首を絞める事になる。
身の上を明かせない事情があるのでそこを責めるのも酷だが。
(実際に明かしていれば違ったと評する視聴者も居るが、迂闊に正体を明かした結果巡り巡ってシュナイゼルに知られたらすぐに反逆失敗していた可能性が高い)

黒の騎士団のエース。専用機は共通して赤系のカラーリングが施されている。
役職は零番隊隊長。
最初にゼロを信頼したメンバーの一人であり、ゼロの事を心酔しているような描写が特に多かった。
組織再編以降は一貫してゼロ直属の親衛隊(の様なもの)として活躍している。
後にゼロの正体がクラスメイトのブリタニア人であると知り、その当初は衝撃の余り逃げ出してしまうが、
その後はゼロ=ルルーシュである事、ルルーシュは人を操るギアスを持つ事(=自分は操り人形である可能性)を承知の上でゼロを慕い、従って行く。
エースであると同時に幕僚・部隊長である藤堂らとは違いあくまで「エースパイロットに過ぎない」という扱いなのか、
幹部格としては扱われていない模様(一応肩書上は隊長である)。

ゼロの共犯者。黒の騎士団としての役職は無いが、実質的にゼロの側近的なポジション。
具体的な素性は謎のままにしている様だが、組織再編成の頃から組織に加わる。
ゼロとの距離の近さから、メンバーからはゼロの愛人などとあらぬ疑いを掛けられていた。

組織の前身となるレジスタンス組織を率いていた男。黒の騎士団の制服は常に前を留めずに着崩していた。
役職は黒の騎士団副司令→事務総長
自称奇跡しか起こせない男(=「奇跡的」な成功しか起こせない男)。
レジスタンスチームは元々はカレンの兄・ナオトが率いており、その跡を継いだ形であるが、
彼には組織のリーダーたる器は無いと自負しており、リーダーを務めていたのは不本意だったのか亡き親友に弱音を吐く場面もあった。
実際彼は上司と部下の間を取り持ちその摩擦を減らす事に長けた中間管理職タイプと言え、
劇中でも信用に問題を抱えっぱなしなゼロをフォローして「扇がそう言うなら」と周囲を納得させる形は(信頼が崩れるまで)噛み合っていたと言えよう。
一介の教職から小規模ゲリラ組織のリーダー、大レジスタンス組織副リーダー、国際巨大軍隊最高幹部を経て、
最終的に1年後には日本のトップにまで上り詰めたという点だけ見れば超ド級のラッキーボーイだが、
権力欲は特に無く、そして自他共に認める「リーダー向きの人材ではない」彼にとって、
担ぎ上げられるまま日本国総理大臣という能力的に向かない上に重責ある立場に就任してしまった事が幸運、ましてや幸福と言えるかは極めて怪しい
実際『復活のルルーシュ』では僅か2年以内に辞職した事が語られている*20

  • 玉城真一郎
旧レジスタンスグループ以来の古株。
役職は第二特務隊隊長→宴会太政大臣役職無し→内務掃拭賛助官、及び(自称)事務総長代理
お調子者キャラにして馬鹿キャラ、弱いが毎回脱出にだけは成功する腕の悪いコーラサワーみたいな奴といった印象が強いが、
最初期だけはどちらかと言えば怒りっぽい、かつシニカルな面も描かれていた。(きかんしゃトーマスのジェームズに近いかもしれない
R2で描かれたゼロからの能力評価も、「戦闘能力」「忠誠心」「カリスマ性」「知性」4項目全て100点満点中10点、合計400点満点中40点とぶっちぎりで低い。
彼より1項目でも点数が低いのは、非戦闘員故に低くても仕方ないディートハルト、ラクシャータ、神楽耶の戦闘能力0点のみである*21
一応、千葉は忠誠心の評価が10点と、玉城と同点で低い。彼女はブラックリベリオン以降ゼロへの不信感を強めていたため、この評価は妥当であろう。
それに対してゼロの親友を自称する玉城が同点というのはさすがに不当な気もするが、
軽薄さ故に「簡単に裏切るか、誘導されると簡単に口を割る」とでも思われたのだろう。実際シュナイゼルとの対談時もあっさり失言していたし。

当初はゼロへの不信感が非常に強く、「いざとなれば自分がゼロを始末する」と息巻いていたが、
ナリタ連山での戦い辺りを境に態度を一変させ、後に「ゼロの親友」を自称するようになる。
自分たちを救い成り上がらせてくれたゼロへの感謝も強かったようで、追放の際も特に強くゼロを庇っており、
追放後も怒りが収まらない様子だった扇ら他の面々とは異なり、しばらくしてからもゼロとの関係が破綻してしまった事を涙ながらに惜しんでいた。

調子が良く無駄にデカイ態度と野心とは裏腹に、自分の限界と周囲から道化として見られていることを自覚していたらしく、
最終戦ではスザクの前に立ちはだかって瞬殺された後、「夢くらい見てぇじゃねえか!」「何で皆俺を馬鹿にすんだよ!」と医務室で悲痛な思いを吐露している。
一方でスザクに一瞬で撃墜されながらも、「俺にも意地があんだよ!」という言葉の通り、スザクの意識を一瞬逸らさせたことで、
星刻らがアヴァロンに突入する時間を稼ぐという地味ながら重要な活躍を果たしている。

最終決戦後、他の幹部メンバーの一部は黒の騎士団や解放後の日本政府の要職に就いたらしい様子を見るに、
彼もその気になれば長年の夢であった官僚になる事もできたはずだが、彼は何をどうしてか喫茶店Cafe Zeroのマスターとなっていた。
ゼロの名前を店名に冠している辺りに、思い入れの強さがうかがえる。*22
黒の騎士団では悪運の強さ以外は無能でおバカとして散々コケにされて来たが商才だけはあった様で、
2年後はCafe Zero二号店をオープンさせるなど経営状態は順調な模様。これには団員達からも意外に思われていた様子。
もしこの面がブリタニアとの戦いで活かす事の出来る状況がでてきていたら、磨けば商業的な資金調達におけるプロになれたかもしれない*23
なお『R2』ラストの喫茶店内にある黒の騎士団メンバーからの寄せ書きの中には「男前の玉城さんへ」と書かれたCV担当の田中一成からの色紙もある。

超合集国建国後は「内務掃拭賛助官(ないむそうしょくさんじょかん)」なる謎の役職に就いているが、
これは役職を寄越せとうるさい彼を黙らせる為にゼロがテキトーにでっち上げたもので、その実態は斑鳩の甲板・弾薬庫掃除である。
また、「ゼロは何故こんな無能をずっと手元に置いておいたのか?」という視聴者からの至極真っ当な疑問について、
スタッフは「古参中の古参故に、士気の面などの都合で無能だからと軽んじる訳にも行かなかったのではないか」と語っている。

なお、田中一成氏は劇場版三部作の製作前に亡くなってしまったため、以降は檜山修之氏が引き継いでいる。
ハチマキがチェンシンになった

  • 杉山賢人
旧レジスタンスグループ以来の古株。
『R2』での再編後の役職は特務隊長。また斑鳩のブリッジクルーになっている。
ギアスにはよくあるCVと名前が同一なキャラの一人。
際立って高い能力は描写されていないが、いずれの時期でも幹部として要職に就いている。
ナイトメアに搭乗し戦場に立っている事が多いが、特に活躍こそ無いものの遂に最後まで生き延びた辺り、それなりの技術と相当な強運は持っていた模様。

最終決戦後の玉城の喫茶店に集まっていたが、スーツ姿にビジネスバッグという出で立ちだった南に対して彼はラフな格好でギターケースを持っていた。
ミュージシャンにでもなったのだろうか?

  • 南佳高
旧レジスタンスグループ以来の古株。三角形の眼鏡の男。
どちらかと言えば戦場で戦うより後方支援の姿の方が目立つ。R2では斑鳩艦長を務める。
最終的に斑鳩は撃沈されるも、ブリッジは無事であったため、ブリッジ要員共々生還、最後まで生き延びた。
ブラックリベリオン終盤、扇が銃撃され人事不省となった事をゼロに連絡した際、「後で代わりの者を手配する」「それより車椅子の少女はどこだ」とだけ伝えられた事をかなり根に持っており、
これ以降「ゼロは(黒の騎士団としては)長い付き合いの扇を捨て駒扱いした」と見做し不信感を強めている。
但し、この時は戦況、延いてはゼロが置かれた状況(ナナリーが行方不明&ジークフリートと戦闘中)も逼迫しており、ゆっくり話をする余裕は無かった点、
そもそも戦闘中に指揮官が行動不能になった時に直ちに代わりの指揮官を用意するのは至極当然、用意しない方が余程どうかしているという点を踏まえると、
ゼロが非情というより南の方が必要以上に感情的になっていて戦士としての心構えが出来ていないとも言える。

総督着任挨拶をするナナリーに顔を赤らめていたり神楽耶や天子の傍にいる事が多かったりと、視聴者からロリコンだ何だとネタにされている。
一時期は斑鳩のオペレーターの女性(若いが幼女という程ではない)といい雰囲気になっていたような描写があったが、スタッフからは「単なる吊り橋効果だった」とされている。

  • 吉田透
旧レジスタンスグループ以来の古株。
玉城にも通じる比較的荒っぽい性格の男。
第一次東京決戦(ブラックリベリオン)では雷光に搭乗するもランスロットに一瞬で撃破され戦死した。

  • 井上直美
旧レジスタンスグループ以来の古株。第一期では希少な女性団員の一人。
当初はゼロの事を信用していない口振りが多かった。
ナリタ辺りまではナイトメアに搭乗する事は少なく、歩兵として行動している場面が多い。
第一次東京決戦にて、ゼロが突然の戦線離脱をした後に戦死。
最期は悲鳴を上げる間もなく、一瞬にしてコクピットを含む乗機の上半身が消し飛ぶという無残なもので、
彼女の死とゼロ行方不明という状況を前に杉山は激昂するのだった。

  • 藤堂鏡志朗
旧日本軍中佐にして日本解放戦線幹部メンバーの一人。
ブリタニアを前に僅か1ヶ月足らずで敗北した戦争の中、唯一ブリタニアに白星を挙げた「厳島の奇跡」の立役者。
通称「奇跡の藤堂」
戦後は片瀬少将を主君と慕い、日本解放戦線の幹部格として参加していた。
黒の騎士団としての役職は軍事総責任者→統合幕僚長。
四聖剣共々、一期では旧日本軍の軍服を着用し続けていたが、『R2』では扇らと同系統デザインの黒の騎士団幹部用制服を着用している。

血気に逸りがちな日本解放戦線の中では珍しいかなり落ち着いた人物で、時に弱気と詰られようとも冷静に務めていた。
ランスロットをあと一歩まで追い詰めながら撤退を命じたゼロに対し、敵の増援が間近に迫っているのを見て判断の冷静さを支持して撤退を受け入れるなど引き際も弁えている*24
部下思いで人望は非常に厚い。 特に四聖剣からは強い信頼を向けられている。

ナリタでの戦いの後、部下を逃がす為に自身がブリタニア軍に捕まり、そのまま処刑されようとしてもなおジタバタする事なく運命を受け入れようとしていたが、
「お前が奇跡など見せたばかりに日本人は諦め切れないでいる」「奇跡を見せた責任を取ってズタボロになるまで戦え」とのゼロの説得により奮起、
そのまま黒の騎士団と共に戦う事を決意する*25
ナイトメアのパイロットとしての腕は超一流で、前述の通り冷静な判断力と広い視野を持つことから前線指揮にも長けており、専用の月下を駆り黒の騎士団のエースの一角を担う。
作中では一度も使用していないが、日本解放戦線に居た頃から『R2』に至るまで、常に日本刀を携行している。
『コードギアス』の世界では21世紀に入って尚刀剣類が幅を利かせているため、おそらく飾りではなく彼も白兵戦でも高い実力を持つのだろう。
刀の使用場面は無いが、藤堂はナイトメア戦でも「三段突き」や「影の太刀」といった必殺技を持ち、白刃戦が苦手ではないのは確かである。

一方で恋愛感情には鈍感で、周囲にも視聴者にもバレバレな千葉から好意を持たれている事に全く気付いていない。
『復活』の時代でも千葉との関係は一切進展が無い
ED絵では上半身裸の彼とディートハルトがセットで映っているカットがあったが、本編中では特に絡みは無かった。

視聴者間でも一部からは「ミラクル藤堂」「ミラクルさん」と慕われており、
二次創作物では奇跡の藤堂なら仕方ないとばかりに有能扱いなら何をやらせても良いキャラ・如何なる分野でも有能さを発揮するキャラとしてムダな万能っぷりを見せる役回りが多い。
まあ、これは作中においてその肩書きに見合った活躍が乏しかったことの裏返しという面も多分にあると思われるが*26

  • 四聖剣
    • 卜部巧雪
    • 仙波崚河
    • 朝比奈省悟
    • 千葉凪沙
藤堂の部下の四人の旧日本軍軍人。
自分達を庇ってブリタニアに捕まった藤堂の救出をゼロに依頼、奪還が叶った後は藤堂と共にそのまま黒の騎士団に加わる。
いずれも藤堂への強い信頼と忠義、そしてエースと呼ぶに相応しい能力を持つ。
その様はブリタニアからも自身らの「騎士と主君」の関係に近いと形容された*27
実力もまた高く、ランスロットに乗るスザクをあと一歩まで追い詰める程の巧みな連携を見せる。
第一期での再編成にて、朝比奈は一番隊隊長、仙波は二番隊隊長に、また『R2』での再編では千葉は四番隊隊長となっている。

卜部は第一次東京決戦の失敗により他の黒の騎士団メンバーの多くが捕まった中でも健在だった数少ない団員の一人。
ルルーシュ回収作戦の折にゼロの正体がブリタニアの学生と知るが、それに驚きつつも黒の騎士団のリーダーとして認めた。
彼がゼロの正体がブリタニアの学生と知ってもなお共に戦うと宣言していたのを見るに、
ゼロが黒の騎士団にその身の上を明かし腹を割って話せば物語の結末は違ったのかもしれない。
最終的に自分を犠牲にして時間を稼いだ事でゼロを逃がす事に成功するなど、
出番こそ少ないながらその生き様や物語終盤の黒の騎士団の在り様と相俟って、視聴者間では四聖剣随一の漢と名高い。
一方でドラマCDでは、潜伏期間中いい加減な情報を持ち帰っては残党メンバーを困惑させカレンにもぞんざいに扱われるなど、一種の三枚目キャラを演じていた。

仙波はR2での黒の騎士団再結成直後のナナリー奪還作戦にて、ジノの駆るトリスタンの奇襲を前に致命傷を受け戦死。
何かしら見せ場のあった他の四聖剣メンバーと比べて語るべき活躍が少なく、最期もあまりに唐突かつあっけないものであった。

朝比奈は比較的落ち着いた人間の多い藤堂周りの人間の中では珍しい飄々とした人物。
しかし上述の通り藤堂への忠義は厚い。
ゼロの事は当初は認めていたものの、東京決戦を途中で投げ出して以降は不信感を強め、救出されても尚完全な信頼回復はできなかった。
その後も木下を使って何か(ギアス嚮団の襲撃)を行わせた事など疑念を強めて行く。
第二次東京決戦の折に瀕死の木下から得た情報を以て遂にゼロへの不信感が頂点に達し、
ロロ捕縛の為に政庁深くに侵入していた所でフレイヤに巻き込まれ、戦死した。

千葉は四聖剣唯一の女性。これまたCVと苗字が一致しているキャラ。
些かキツい目の性格の女性だが、一方で藤堂を恋慕しているという一面も。
実力もあり、第二次東京決戦では不意打ち気味とはいえグラストンナイツのガレスを撃墜する場面も見られる。
R2で炊き出しをしている場面があったが、タンクトップの上にエプロンという格好であったため視聴者から裸エプロンではないかと誤解された。
朝比奈同様、ブラックリベリオン以降はゼロへの疑念が噴出、遂に拭い去る事はできなかった。
ゼロとしてもそれは感じ取っていたようで、ゼロからの彼女の評価は「忠誠心」の項目が(玉城と並んで)10点と非常に低い。
玉城とワースト1位タイの評価項目があるのは千葉の「忠誠心」のみである。
最終的に四聖剣唯一の生還者となる。
『復活のルルーシュ』の時代になっても未だに藤堂に想いを告白できておらず、藤堂に気付かれてもいない様で、
一児のパパとなった扇への「身を固めるのは良い事だ」などという千葉の想いを鑑みれば皮肉にしか聞こえない事を言い出す藤堂に呆れる場面も。
実はR2の超合集国批准式典前には「この戦いが終わったら藤堂に聞いて欲しい事がある」という分かりやすい死亡フラグを建てていたのだが、
結局最後まで生還していると共に、お互い後で色々あり過ぎてそのような話をした事を覚えていないのか2年経っても話せてはいない様子。

R2序盤から参加。
黒の騎士団ではなく、あくまで自分とルルーシュの為に戦い続けていた。
一方で突然現れた割にゼロから重用されたりゼロを妄信している様子やスタンドプレー振りが藤堂や四聖剣の朝比奈にゼロへの不信を抱かせる一因となった*28
組織外でもシャーリーを嫉妬心から殺害してしまい、そこをターニングポイントに物語が急変していった*29
度々物語を悪い方に持っていく起爆剤的存在。一種のトリックスターとも言える。

R2中盤から参加。
元々はエリア11の中華連邦総領事館にて業務を行っていた中華連邦の武官。
黒の騎士団とは無関係に彼は同志と共に大宦官の一掃、つまりは中華連邦でのクーデターを目指していた。
『R2』にて黒の騎士団に協力したのも、エリア11に赴任していた大宦官の高亥(ガオハイ)を始末するに当たり、黒の騎士団が高亥を殺害した事にしてもらうためである。

その後黒の騎士団が天子を誘拐した事で敵対するも、大宦官との戦いを経て黒の騎士団と同盟を結び、
超合集国建国に伴う再編で黒の騎士団総司令に着任。

  • 周香凛
  • 洪古
どちらも星刻と共に大宦官に反発していた中華連邦クーデター派の人間。
後に周香凛は参謀長官、洪古は弐番隊隊長に就任する。

R2中盤から参加。
黒の騎士団にとっては最初の敵の一人である。
さらに言えばブリタニア軍純血派ということもあって思想面でも本来は黒の騎士団とは決して相容れない人物だった。
R2での再々登場時もルルーシュをつけ狙い、咲世子にも怪我を負わせるなど三度ゼロの敵としての復活と思われたが、
ルルーシュがかつて忠誠を誓ったマリアンヌの息子と知った事と実際に会って目的を知ったため、忠義を果たすべく彼に仕える事としたため黒の騎士団に加わる。
黒の騎士団に参加して最初の任務は極一部の者しか詳細を知らないギアス嚮団粛清、次が第二次東京決戦であり、
直後ルルーシュが騎士団を追放された事に伴い彼も脱退したため、彼が公然と黒の騎士団として作戦に加わったのは実質1回と在籍していた時期は極短い。

  • 木下
R2から登場。
零番隊副隊長。特殊任務を請け負う零番隊の副隊長に任命され、隊長機である暁直参仕様を任されていた辺りゼロからの評価はそれなりに高かったと推察される。
騎士団メンバーでも特に不幸な人といっても過言ではなく、カレン不在時に彼が呼び出されたのはギアス嚮団殲滅任務だった。
非人道的実験を行う軍の関係施設であると聞かされていたが、無抵抗の施設や子供達の虐殺(実は子供たちはギアスで攻撃をしていたがそれを知るものは少ない)という、まるでブリタニアが自分達にしてきた仕打ちの様な真似には大きな不信感を持つ事となった。
第二次東京決戦で撃墜されるも、死の間際にこの任務のデータを朝比奈に渡しており、間接的に黒の騎士団の崩壊に繋がった。

  • ディートハルト・リート
ブリタニア人のテレビマン。その出自からか、「打ち切り」「ミスキャスト」などテレビ用語を交えた言い回しを多用する。
役職は情報全般・広報・諜報・渉外総責任者→媒体情報管理長
ゼロに早くから興味を持ち、後に彼を「カオスの権化」と見てゼロが世界を作り替える様を一番近くで記録したいという思いから黒の騎士団に参加。
度々情報提供者として黒の騎士団にブリタニアの情報をリークし、更に黒の騎士団再編案の提出*30を経て仲間に加わった。
なお、ブラックリベリオンまでは表向きブリタニアのテレビ局員としての地位のまま黒の騎士団としても活動していた。
比較的新参かつブリタニア人という立場ながら、テレビ屋として培った能力の高さから早くも幹部の地位に就いていた。
その後も長らく黒の騎士団の情報・広報・渉外部門の責任者として活躍する。特にR2の中華連邦総領事館におけるゼロの復活宣言は彼の下準備あってこそ。
一方で興奮のあまり戦闘中に高笑いを上げながらスキップして駆け出すという奇行を働く場面も*31
また黒の騎士団にとって非常に大きな障害であるスザクの暗殺(あまつさえカレンにスザクを暗殺させようとけしかける)や*32、捕虜となったカレンを見捨てるよう提案するなど、
良く言えば現実的、悪く言えば非情であり、しかし正論ではあるだけにゼロにとっては胃が痛い思いをさせられる場面もあった。
とはいえ刺激を求める快楽主義的(あと自分の欲望に忠実過ぎる)側面と些か現実的過ぎるという点を除けば非常に優秀な人物で、ゼロもその有能さは認めていた。

『R2』でシュナイゼルが乗り込んで来た際も、「ゼロは記号であり、実績と能力によって成り立つ」「ギアスなどという能力を持っているなら心強い」と、
他のメンバーがシュナイゼルに同調していく中でも最後までゼロの味方に立っていたが、遂には折れて「番組は打ち切り」と見切りを付ける。
その後もゼロの正体を公表するかどうかの議論で真剣に話し合うも、最終的には脱退しシュナイゼルの側に着く。
なお、彼の扇への評価は扇の暴行後でも「リーダーとしては低評価」と無能扱いしていない辺りは客観的評価は出来ていた*33
劇場版では逆に他の(特に古参の)団員が見切らずに半信半疑といった中で、ディートハルトがゼロを擁護するシーンはほぼカットされたうえで「番組は打ち切り」と発言するくだりだけは残ってしまったため、一人だけ率先して見捨てた構図になってしまった。
事後に扇からボコボコに暴行された挙句黒の騎士団に残った際の冷遇を示唆する発言まで受けた*34為に脱退してシュナイゼル側に着いた表現がされている。
性格的にはTV版と劇場版のどちらの行動もおかしくないだろう。

  • ラクシャータ・チャウラー
新兵器の開発実験を一手に引き受ける妖艶なインド人女性科学者。
役職は技術開発担当→科学長官
とんでも兵器を作ったりしているが、本分は医療科学技術ということもあり、故意に人命を見捨てる真似はしない。
ロイドの事は「プリン伯爵」と呼んで嫌っている。この因縁の詳細は最後まで明かされなかった。
後に視聴者からの質問にてスタッフは「セシルの言う様に『ラクシャータのプリンをロイドが食べてしまった』程度の、本当に些細な事」と回答している。
気だるげな、艶っぽい喋り方の印象が強いが、初登場時は結構はきはきと喋るキャラだった。

アッシュフォード家に雇われている身だが、ブリタニアと黒の騎士団の行いや日本人ということから自発的に参加。
そこからルルーシュ(ゼロ)直属の地下協力員という立場であったが、後に正式に参加。
活動しているうちに気づいたら黒の騎士団ではなくルルーシュに仕えていたという心情から、ゼロの騎士団追放後に彼女も脱退した。


【組織外の人間】

厳密には「騎士団員になりかけた人」「なれたかもしれなかった人」。
もしもロロが暴走しなければ、黒の騎士団は違う未来を迎えていたかも知れない。
というか、第2次Zで実際に違う未来を迎えた。
『復活』でも組織外の人間故に誰からも何の注目もされていない事を活かし、C.C.から秘密裏に特殊な任務を請け負っていた。

  • 桐原泰三
日本の反ブリタニア組織に資金援助を行っていた「キョウト六家」の代表の一人。合衆国日本宣言からは黒の騎士団の傘下に入った。
ブラックリベリオン後に他のキョウト六家共々処刑されてしまい、R2以降は登場しない。
1期中盤から黒の騎士団にも資金援助を行い、この交渉を成功させたことで扇をはじめとする初期黒の騎士団メンバーは驚きと歓喜を露わにしゼロに感謝の言葉を並べていた。
その時彼が黒の騎士団のメンバーたちに「この男(ルルーシュ)がブリタニアを憎む敵である事は儂が保証する。この男に付いていけ」という言葉を掛けていた……が多分誰も覚えてない。
と言うか覚えてて思い返してから裏切った方が、まだTV版の黒の騎士団初期メンバーへの評価はマシだっただろう。

それと言うのも、その言葉の直前の状況が「顔を隠した推定日本人ではない人間がリーダーの反ブリタニア組織など信用出来ん」と黒の騎士団ごとゼロを殺害しようとしたが、
ゼロが仮面を外して(黒の騎士団メンバーからは見えない角度で)素顔を晒し、その素顔を見た瞬間桐原が180度掌を返して資金援助を申し出たため、
2人の関係を知らない黒の騎士団メンバーからしたら「あそこでギアス使ってたんじゃね?」と思うに足る状況であった。
実際には前述の通り「桐原がルルーシュの事情を知っていたため、顔を見せただけで反ブリタニアであることを証明できた」だけであり、全くの濡れ衣なのだが。



【保有装備】

ブリタニア軍現主力機サザーランドの前世代機であるグラスゴーの日本製コピー機。
一期中盤から終盤にかけての黒の騎士団の主力。ゼロ専用機は頭部の形状とカラーリングが若干異なる。
日本解放戦線所属機は緑系の色合いだったが、こちらは黒・焦げ茶系のカラーリング。
グラスゴーとは頭部など一部の形状が異なる他、機銃の追加など改良点もあるが所詮は旧式機であり、
対人制圧なら十分過ぎる程だが対ナイトメア戦では苦戦を強いられがちだった。
身も蓋も無い言い方をすれば、序盤に於ける黒の騎士団のヤラレ役メカ。

第一期に於けるブリタニア軍の主力機。
黒の騎士団として旗揚げする前はゼロが度々鹵獲してはテロリストたちに与えていたが、
黒の騎士団で正式に(というのも変だが)運用されたのは第一次東京決戦の時とギアス嚮団殲滅時のみ。
前者は識別の為に鹵獲機は緑色に塗り替えられ、後者はジェレミア専用機として登場、飛翔滑走翼を装備した「サザーランド可翔式」となっており、
かつての乗機と同様にファクトスフィアのカバーと両肩部を赤色に塗った純血派カラーに塗装されていた他、
武装としてブリタニア軍ナイトメア共通アサルトライフルと暁用のキャノン砲を装備していた。

  • トレーラー
活動初期に移動拠点として使用していた大型キャンピングカーのようなもの。
ゼロ曰く「物好きな貴族が快く譲ってくれたもの」。十中八九ギアスで奪ったものだろう。
初期の設定資料集ではかなり大きく扱われているが、実の所使用時期は短く、出番もあまり多くはない。
出て来たとしても幹部が揃ってリビングルームを会議室として使う場面が大方で、トレーラーの外観が映るシーンやトレーラーでどこかに移動するような場面は少ない。

  • 雷光
元々はホテルジャック事件の際に草壁一派が使用した兵器。
グラスゴー4機で神輿を担ぐかの様に巨大な大砲を運用する、移動砲台のような代物。
どこから調達したのか第一次東京決戦では黒の騎士団も使用、障害物を破壊し黒の騎士団の進路を作ったが、
ゼロへの怒りに燃えるスザクが駆るランスロットには敵うべくもなく一瞬で撃墜された。

カレン専用機。
そのスペックとカレンの技能が合わさり、黒の騎士団としては数少ないランスロットやコーネリアと互角に渡り合えるエース機として活躍した。
後に何度か改修された後、紅蓮聖天八極式に生まれ変わり最後まで黒の騎士団のフラッグシップ機としてあり続けた。
その後も紅蓮特式として新生、新たなシンボルとなった。

藤堂と四聖剣専用機。
紅蓮弐式の量産型に当たる機体。
藤堂専用機は黒系のカラーリングとなっており、赤い髪状のパーツと制動刀と呼ばれるスラスターを内蔵した実体剣を装備する。
無頼を大きく上回るスペックを持ち、四聖剣の能力を持ってすればサザーランド程度は軽く蹴散らす事ができる。
第一次東京決戦にて卜部機以外の全機を喪失、その後残っていた予備機もナナリー奪還作戦の折に全て撃墜された。

  • 潜水艦
長距離移動手段として再編成以降から使用する。
ゲフィオンディスターバーの応用技術により高いステルス性を持っている。
R2でも紅蓮可翔式のパーツを積んで太平洋に出ていた。

神根島でゼロが鹵獲して以来ゼロ専用機となった、元はブリタニア軍の機体。
絶大な火力を持つハドロン砲と非常に高い演算能力を持つドルイドシステムを装備し、指揮官機として大活躍した。
最終決戦で海没した後に残骸はサルベージされ、ハドロン砲は後に斑鳩の主砲に転用された。

R2に於ける主力機。
見た目は月下を簡素化したような印象だが、性能上は月下を上回っている。
当初はほとんどの機体が地上走行しかできなかったが、後に飛翔滑走翼が標準装備となり飛行可能になった。

改良・強化が施された「暁 直参仕様」も存在し、こちらは四聖剣や部隊長クラス専用機となっている。
直参仕様は基本的に紺色、C.C.専用機はピンク色の塗装。

  • 斬月
R2に於ける藤堂専用機。
藤堂専用月下とは間違い探しの如くそっくり。
スペックは非常に高く、スザクのランスロットやブリタニア軍の最新鋭機ヴィンセントとも単騎で互角以上に渡り合える。

R2に於けるゼロ専用機。
カラーリングはガウェインに似ているが一般的なナイトメアと同程度にサイズダウンしている。
非常に強靭なバリア機構「絶対守護領域」と可変機構を持つ。

ロロ専用機。
機密情報局メンバーとしてのロロに一時貸与されていた初期試作機で、一度は返却されたがロロが強奪同然に持ち出し、そのまま黒の騎士団で運用された。
その後は飛翔滑走翼を装備され「ヴィンセント可翔式」となる。
ギアス嚮団殲滅作戦にも投入されるも、ジークフリートに両脚を破壊されて以降は出番無し。

ジェレミア専用機。
黒の騎士団としてのジェレミアの初陣であるギアス嚮団粛清では「サザーランド可翔式」に乗っていたため、
本機が参戦したのは第二次東京決戦のみ。

R2から登場。
黒の騎士団の移動拠点にして旗艦。
当初は高度を高く取れなかったが、後に主翼を増設し高度を取れるようになった。
主砲としてガウェインから流用した大型のハドロン砲を持ち、高い破壊力を持つ。
おそらくはこれの量産型と見られる小型の浮遊航空艦も存在する。

『反逆のルルーシュ外伝 黒のアルビオン』および『復活のルルーシュ』(漫画版)にて登場。
初めて黒の騎士団で運用されたランスロットで、その名の通りゼロ(スザク)専用機として建造された。
しかし塗装こそ金と黒というゼロのイメージカラーに変更されているものの、見た目も仕様もほぼ完全にアルビオンのコピーなので大衆受けは最悪。
そんなわけで一戦限りで封印され、ゼロ専用機の地位は後述の真母衣波に譲ることとなる。

  • 真母衣波 壱式/真母衣波 零式
『復活のルルーシュ』の時代に於けるゼロ専用機。
指揮官機だった蜃気楼を直接戦闘仕様に再設計した機体で、絶対守護領域などの特殊装備は廃されている。
金のアクセントが入っているのは共通で、儀礼用の壱式は紫系のカラーリング、実戦用の零式は黒系のカラーリング。

  • 月虹影
『復活のルルーシュ』にて登場。
高い通信能力を持つ指揮官機であり、二人乗りの大型機というこちらはガウェインに近い印象。
但し造形やカラーリングは大きく異なる。
劇中登場時点で未完成であり、脚部が付いていない。
完全版の月虹影師はなんとスパロボでお披露目となった。

『復活のルルーシュ』(劇場版)にて登場。
アルビオンゼロの後継機となる、新たなランスロット。
フレームコートと呼ばれる巨大な外装を装備し、ナイトギガフォートレスとして運用することもできる。


R2ではこの他、中華連邦の鋼髏、神虎、大竜胆、EUのパンツァーフンメル等が加わっている。
『復活のルルーシュ』ではブリタニアも超合衆国に参加したため、ブリタニア軍の戦力も「黒の騎士団の保有装備」となっている。


【外部作品キャラクターとの関係】

◆ライ
コードギアス 反逆のルルーシュ LOST COLORSの主人公。
良くも悪くもチート野郎。
活躍は項目にて。
時として頼れる味方、時として難敵になるお方。


◆マリオ/マーヤ・ディゼル
コードギアス 反逆のルルーシュ ロストストーリーズの主人公。
アッシュフォード学園の生徒で、カレン同様日本人とブリタニア人のハーフ。
色々あってルルーシュのクロヴィス殺害を目撃、その後ともにブリタニアを破壊するという目的の元、彼の「契約者」となる。
原作では希少な「ゼロの正体とその素性、目的を知る協力者」であり、スザク救出やサイタマの一軒などといった騎士団結成前から彼のサポートを行っている。
黒の騎士団内においても専用の無頼やキョウトから提供された蒼月を与えられる、ブリタニア軍への潜入任務を任される、騎士団再編成後の配属は零番隊になる・・・など、名実ともにゼロの懐刀として重用されているが、ブリタニアへの復讐がかなうなら命すら投げ出すその姿勢にはゼロも手を焼いている様子。
なお、ゼロからの信任ゆえなのか、騎士団本隊と離れて任務に参加する場面が散見される*35


◆カミナ
第2次Zにおけるゼロの「ダチ」であり、黒の騎士団名誉団員。
ゼロの覚悟を誰よりも認め、ゼロもカミナのリーダー性を認め、その死を悼んでいた。
(再世篇におけるシモンとの戦闘前会話でも「あの男がここにいたら真っ先に向かってきた」と評している)
なお、第3次Z時獄篇の多元宇宙迷宮において素顔のルルーシュとの邂逅が実現する。


◆キリコ・キュービィー
第2次Zでゼロが雇った傭兵で黒の騎士団の用心棒的存在。
ある女が絡まなければ命令に忠実な為ゼロからは重用されたが、同時にあらゆる支配や束縛を拒むその本質から警戒してもいた。
他の団員との仲は悪くなく、特にカレンからは何かと気にかけられ、当初は警戒していたゼロも逆に「俺もお前のように生きたかった」とその人間性に憧れるようになり、絶対の信頼を寄せる。
その最たるものとして、再世篇にてゼロは彼に対しては自分から仮面を外して正体を明かしており、(同作で、ゼロが正体が露見する前に自分から正体を明かした他作品キャラはキリコだけである)
シュナイゼルの告発でメンバーに疑われた時には擁護した。
第3次Z天獄篇でも、その時の縁で新日本義勇軍として再編された黒の騎士団に参加し、厳島防衛隊に加わっていた。


◆ヒイロ・ユイ
第2次Z再世篇においてアッシュフォード学園祭での戦闘においてゼロの正体を知り、ゼロの共犯者となる。
その際(ちなみに、その前に破界篇でも一度)「お前を殺す」とゼロに宣言しておき、見事に生存フラグを確立させた。
ルート分岐で他のガンダムW組が分かれていても一人だけ黒の騎士団に付いてくるレベルでゼロに入れ込んでいる。


◆ロジャー・スミス
第2次Z破界篇において、その名前を気に入ったのと、エリア11の雰囲気がパラダイムシティに近かったことから黒の騎士団と行動を共にする。
その際、ユーフェミアの急変に疑いを持っており、破界事変から再世戦争までの間、独自に調査を重ねていた。
そして、自力でゼロの正体へと辿り着き、破嵐万丈と共にシャーリィの救出をも成功させる。
第3次Z天獄篇でも、キリコ(や竜馬、五飛と共に)厳島防衛隊に参加した。


【余談】

『第2次スーパーロボット大戦Z 再世篇』においては、黒の騎士団の選択によってルルーシュの命運が決まるルートが存在する。







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最終更新:2024年04月24日 21:07

*1 実際何度か撃墜されている。ただし、ゼロを撃墜したのは常にランスロットなどウルトラエースであるため、無策というわけではないし逆に勝率を上げるために囮を担っていることもある。

*2 本編第2話で描かれた戦闘。毒ガスに偽装していたC.C.という機密を保持するべく、ブリタニア軍がシンジュクの一般市民を虐殺した出来事。指揮官のクロヴィスが軍事には不慣れだった事もあり、ブリタニア軍は新兵器ランスロットが投入されるまでほぼ一方的にルルーシュが指揮するテログループに翻弄されていた。最終的にランスロットの活躍で鎮圧されたものの、ルルーシュは目標であったクロヴィスとの接触に成功したため、「戦術的敗北と引き換えに戦略的勝利を手にした」結果となった。

*3 ただしコーネリアの動向から付け入る隙と勝算を見出したから動けた面も大きいため、想定外ではあっても無策での見切り発車ではなかった。

*4 ルルーシュは「民衆好みの組織となった事で活動しやすくなった」「みんな『正義の味方』は好きだろう?」と嘲笑しつつ皮肉っており、C.C.から「それは正義の味方がする顔ではないな」と同じく皮肉で返されている(なおこれは「共犯者」という関係性の二人が皮肉の応酬に興じている図であり、非難のニュアンスはない)。もっとも、「強者が弱者を虐げることは許さない」「撃っていいのは撃たれる覚悟がある奴だけだ」というのはルルーシュ自身の信念でもある。

*5 これはコーネリア確保以外の為にも組織が巨大化し民衆の支持を得てきた黒の騎士団における『母体となる組織からの最古参』という立場に浮かれていたメンバーにあえてこの状況下で戦闘を挑ませ喝を入れさせると同時、物見遊山気分で当事者意識が無い新団員に戦場の厳しさを直面させて実戦にて『選別』する思惑もあった。これは幹部メンバーを初心に帰させると同時に生存した新団員をそれこそ『奇跡』を起こす事で士気継続と心身掌握を成す大成功を成した

*6 桐原とルルーシュは、ルルーシュが幼少期に日本に預けられた時に面識があり、桐原もルルーシュがブリタニアの皇子である事、彼が外交の道具として事実上親と国に捨てられたという事情と経緯を知っていた。つまり、「ゼロにとってブリタニアと皇帝は、母を守らず自分と妹を捨てた憎い仇」「ブリタニアの皇族が日本人のレジスタンス組織を指導しているなどと言える訳がない」というルルーシュの個人的事情を理解していた。

*7 これを欲しがってブリタニアも船を大破させようとしなかったほどに希少。それがなければ容赦する理由もなければ実際にも降伏しようが構わず撃ちまくっていたので、すぐにも船は爆発していた。

*8 船に取りつかれた時点でほぼアウト、かといって早めに妨害するとブリタニア軍とまともにやりあい勝てるかも怪しい、完膚なきに叩けなければ最終的には逃がすぐらいなら爆発させるという判断になって当然であり、この形になった時点で極めて厳しい

*9 勿論ゼロは馬鹿正直に全てを喋った訳では無く、事前に「助けに行くタイミングをうかがっていたら助ける前に自爆された」という体裁を整えている。尤も、ディートハルトや扇、スザクなど傍で見ていた者には「黒の騎士団は日本解放戦線を囮にしてコーネリアを攻撃しに行った」と見抜いていた者が居た。

*10 中華連邦にとってもブリタニアは邪魔者であり、また総領事館に務めていた星刻は大宦官を始末したかったため、それに加担する事を条件に黒の騎士団と協力関係を構築していた。

*11 ナナリーの保護こそ失敗したものの、ナイトオブセブンとなったスザクが守ってくれるという当初目指していた状況が成立してしまったため、「ナナリーが安心して過ごせる世界の建設」というゼロとしての目標と戦う意味が無くなってしまった。

*12 これまでも本当に悪いと思った作戦については断固として否定してきた(実際悪いのでルルーシュも受け入れていた)のがC.C.である。

*13 後にフレイヤ弾から逃れ生存しており、政庁で消し飛んだのは影武者だった事が判明する。その伏線として、ナナリー(の影武者)がミス・ローマイヤーと共に乗り込もうとしていた輸送機に先立って同型の輸送機が飛び立っているシーンがあるが、この輸送機に乗っていたのが本物のナナリーだった。

*14 厳密には事故なのたが、それは本人以外にとっては大した違いではないし、ルルーシュが心変わりする前の本来の計画もギアスでユーフェミアを操るというものではあった。本来の計画でもあんな命令をする気は毛頭なかったが。

*15 ただし、シュナイゼルがこの要求を飲むかは別だし、そもそもこの時の彼にそんな権限はなかったためザル要求である。仮に要求が通ったとしても、前述の通りゼロのおかげで黒の騎士団が成り立っていたのにその大きすぎる貢献や追放後の穴埋めを考慮せずに敵国の言う通りに即断してどうするのか?(上手く事が運んでもそのうち再侵攻されて詰むだけなので割に合っていない)というつっこみどころなど、いくら不信感が深まったとはいえ短慮だったと言わざるを得ない対応だった。

*16 簡単に言えば下の立場のものが重要な約束を独断でして良いものではなく、それが認められたら軍も政治も成り立たない。クーデターとしか言えない行為なので正規手順を踏む必要はないともいえるが、上記の通り問題が山積みなので星刻や神楽耶の意向を無視すべきような状況では全くなかった。

*17 より正確には彼がゼロを擁護するシーン自体がカットされており、一方で最終的にゼロを見限った際のシーンと台詞についてはTV版から変更がないため、結果として古参メンバーと温度差がある状態になっている。

*18 ただし漫画版はTV版からの地続きでほぼ同じストーリーを描いているため、概ねTV版に準じる設定であると考えていい。

*19 スザクの得意技だった回転蹴りを多用しているなど、注意深く観察していればそれをうかがえる面もある。

*20 神楽耶から「何故辞めたのか?」と不満気に尋ねられている辺り、短期政権だったからか少なくとも旧騎士団関係者からは扇政権はそこまで悪い印象ではなかった様でもある。

*21 彼等は知性や忠誠心など他の点が高いため、合計点では玉城より圧倒的に高い。因みにR2ではナイトメアに乗る事は一度も無く、斑鳩での指揮に徹していた扇すら戦闘能力は20点評価である。

*22 復活の漫画版でもスザクが現在のゼロ=ナリタを通して惹かれていった『初代ゼロ』ではないと知っていながらも『親友』の平和への尽力ぶりを誇らしげに杉山に語るなど、結末こそ苦いものとなってしまったものの未だに彼の中でゼロとの軌跡は輝く思い出である事は間違いない

*23 実際、キョウトがバックアップについてからブラックリベリオンで騎士団が壊滅状態となり、その後残党勢力がゼロの復活させて一気に1期における全盛期以上の戦力と規模を誇るようになったR2等本編を通して見れば、「黒の騎士団の偽装した『商業用』の資金調達源」という部門を設ける余裕も理由もなかった

*24 実際にはランスロットのパイロットがスザクである事に動揺したルルーシュが、チャンスだからとそのまま殺しにかかる訳にも行かず一旦頭を整理する為に撤退させた面が大きく、敵増援の到着により結果的に正しい判断になったのは偶然、延いては幸運に過ぎなかった。

*25 藤堂としては耳の痛い言葉であり、ブリタニアとの戦力差とそれが分かっていても抗うべしという信念からそうしたい本心もあったため闘志を取り戻している。ルルーシュの分析通りだったと言える。

*26 もっとも作中では厳島の奇跡について「あれは奇跡ではない、情報収集を踏まえた戦術的成功だ」とルルーシュは評しており、それを踏まえれば地味な役回りが多いのは寧ろ正しい描写なのだが……。

*27 例えば朝比奈の「藤堂の居場所が自分の居場所」という発言は、コーネリアを追いかけてブリタニア本土から遠く離れた砂漠の地まで着いて来たダールトンも同様の事を発言している。

*28 重用に関してはゼロとしてもむしろ嫌悪していたのにそうせざるを得なかったからだし、態度やスタンドプレーはロロ自身の問題だが

*29 朝比奈がゼロへの不信感を爆発させた決定的要因であるギアス嚮団殲滅をルルーシュが決意したのはロロがシャーリーを殺害したためであり、『R2』後半の怒涛の展開の遠因でもあると言える

*30 ディートハルト自身はこれを「入団の為の最終試験」と見ていた。

*31 入団直後の出来事だったという事もあり、扇からは逃亡したと誤解され威嚇射撃されている。

*32 他の幹部メンバーは「黒の騎士団は正義の味方・弱者の守護者という建前上、暗殺という手段は肯定できない」として反対されていた。

*33 ただしこれが騎士団から離反した最大の理由。彼にとって扇の騎士団はつまらないためである

*34 他の特に古参メンバーがリーダーの事を見切っていない状態で率先してリーダーを見捨てたため、むしろ冷遇はしても追い出す気はなかった扇が甘すぎるまである

*35 ストーリーの大筋に変化や矛盾を引き起こさないため。例えばナリタでは、土砂崩れ発生以降は同じくTV版で出番のなかったダールトンの足止めに回っている