凱聖バルスキー

登録日 :2012/06/03(日) 21:33:50
更新日 : 2017/08/12 Sat 17:39:01
所要時間 :約 7 分で読めます




所詮人間に作られ、与えられた使命でしか生きられないのがロボットなら、俺は力の限り戦う!




特撮ドラマ「超人機メタルダー」に登場する敵組織・ネロス帝国の幹部。

声:桑原たけし、飯田道郎(初期数話のみ)

ネロス帝国四軍団の一つ、戦闘ロボット軍団を統括する軍団長。
額の電子頭脳と、黄と黒のストライプの装甲が特徴的な屈強な武人を思わせる姿をしたロボット。
重機人間ではない。

【戦闘能力】
軍団長を務めるだけありパワー、スピードに関しては軍団内最強の力の持ち主とされる。
主人公メタルダー同様、格闘術を主体とした近接戦をもっとも得意とする。
また、一切の飛び道具を持たないメタルダーに対し、指のバルカン砲、キャノピー部から放つ熱線などの飛び道具も装備している。


【性格】
メタルダー=剣流星同様、戦闘ロボット軍団員たちもそれぞれが自我と強い個性の持ち主だが、その筆頭であるバルスキーもロボットでありながら軍団長としての誇り高く非常に部下想いな性格。
部下の不始末は自らの地位を賭けてでもネロスや他軍団に執り成し、「 責任は俺が取る! 」が半ば口癖のようになっている。
メタルダーに敗れ廃棄命令が出たゴチャックをネロスの命に背いて修理させたり、軍規違反の末ネロス帝国を離反したトップガンダーを最後まで庇い、彼を評価してもいる。

また、クロスランダーのような明らかに彼の信念に反する性格の部下も、ちゃんと実力を評価する度量も持ち合わせているなど、部下の使い捨ては当たり前、失敗=処刑というブラックな企業体質の多い悪の組織界隈でも、戦闘ロボット軍団が 屈指のホワイト企業 と呼ばれるのは、一重に彼の人(ロボ)徳の賜物であろう。

一方で自身はあくまでネロスによって作られた「道具」である事を理解しており、その利益を第一に行動する。
そのため軍団内でも帝国の利益にならない行動を取るものには厳しく当たり、戦いに嫌気がさして引退したビックウェインに憤りを見せ、トップガンダーに関しても、メタルダーとともに本格的にネロス帝国と敵対してからは倒すべき裏切り者と扱っている。
メタルダーとの戦いでは非情卑劣な手段を取るのも辞さない。



※以下、ネタバレ注意※





【メタルダーとの対決】

初の直接対決は番組も終盤の第31話。
流星がメタルダーに瞬転する際に発するエネルギーに呼応して自爆する少女型ロボット・夢を記憶喪失の迷子として流星の元に送り込んだ。
ゴッドネロスはこの爆弾になるためだけに作り出したロボットに、流星を油断させるため心を与えるという残酷な手段を使ったが、それにより流星になついてしまった夢は、自らの使命と心との板挟みで回路がオーバーヒート、流星が瞬転する前に自爆してしまったため作戦は失敗する。

この時、夢の死に怒り狂う流星にバルスキーは「 俺に心の回路は不要だ! 」と冷酷に吐き捨て、これまで見せてきた名上司としての面からはかけ離れた顔を見せた。
メタルダーとの対決ではその戦闘能力で彼を苦しめるが、レーザーアームで右手首を切断され撤退。


しばらく後、36話でついに軍団の総力を結集してメタルダー打倒を目論む。
メタルダーの仲間・仰木舞の父・信吾を拉致洗脳、タグスキーの鎧を着せて送り込んだり、
自らの秘書でもある強闘士ローテールを使ってメタルダーを騙し討ちにしようとするなど、手段を選ばない戦いを見せるが、メタルダーとトップガンダーの前に軍団は壊滅。
自身もメタルダーとの激戦の末、水中に転落し大爆発とともに姿を消す。







※さらにネタバレ注意※









死亡したかに見えたバルスキーだが、38話でゴーストバンクに帰還不能になるほどの重傷を負いながらも、生き延びていた事が判明。
捜索にやってきたローテールと再会するが、彼女から帝国の壊滅とネロスの死を聞き衝撃を受ける。
戦いの中で散って行った軍団員たちを一人一人思いながら、それに対し生き恥を晒す自身を嘆きメタルダーとの最終決戦を決意。

ローテールが体内に持つ全軍団員の戦闘データを引き渡すよう迫るが、拒否された上彼女から密かに抱いていた自分への想いを告げられ、「軍団員たちを弔うために、そして私のために生き延びて欲しい」と懇願される。
一度は心動かされるが、そこにもう一人のネロス残党・ヨロイ軍団凱聖クールギンが姿を現し、修理と引き換えにメタルダーに決戦を挑むよう促す。

結局は軍団長としての誇りを守るためその話に乗り、ローテールに感謝の言葉を告げ、生き延びて軍団員を弔ってくれるよう頼むと、泣き崩れる彼女を1人残して死地へと向かうのだった。

そして修理を前に、クールギンからその正体が、本物のクールギンを身代わりに生き延びた帝王ネロスである事を明かされ、命に代えてでもメタルダーを倒すよう厳命される。
クールギンを追ってきたメタルダーの説得にも耳を貸さず、人間に決められた運命に従う生き方しかできないのがロボットの宿命と言い放ち、メタルダーも古賀博士の命令に従って生きているに過ぎないと指摘、彼のアイデンティティを揺さぶる。

……が、戦いの最中、密かに後をつけていたローテールが、メタルダーのGキックからバルスキーを庇い致命傷を負ってしまう。
ローテールは自分と合体して軍団員のデータを取り込むように懇願、バルスキーが彼女を抱きしめると光とともにローテールの姿が消え、その記録回路が体内に取り込まれた。



「俺には貴様に倒された軍団員たちの技とパワーが与えられた。俺は 軍団員たちのために 、貴様を倒す!!」



こうしてバルスキーにとって最初で最後の自らの意思による戦いが始まった。
記録回路の作用により、次々と部下たちの技を繰り出してメタルダーを追い詰め、ついに満身創痍となった彼にトドメを刺そうとするが、ローテールの記録回路が胸部に埋め込まれている事を見抜いたメタルダーのレーザーアームで記録回路を破壊され、軍団員の能力を失ってしまう。
それでもなお戦意は衰えず、最後は空中でのキックの打ち合いとなり、大爆発とともにダブルK.O。
そのダメージでついに戦闘不能となり、同時に体内の自爆装置が秒読みを開始する。

そして駆け寄るメタルダーに自爆装置の存在と、使命感でひた隠しにしてきた本当の心を明かすと、最後の力を振り絞ってメタルダーを自分から引き離し、一人、爆炎とともに軍団員たちの待つ場所へと旅立っていった。




メタルダー……俺もお前のように生きたかった……!

「これでいいんだ。俺は精一杯戦って敗れたのだ。俺は、ローテールや、皆の所に逝く……」

お前は誰にも利用されずに、俺たちの分まで生き抜いてくれ。 さらばだ……!



心を持つロボットの未来を彼から託されたメタルダー。
だがバルスキーの死を悼む間すらなく現れたクールギン、いや帝王ネロス
最後の決戦に再び強い決意を燃やすのだった



ネロス帝国戦闘ロボット軍団は、凱聖バルスキーの死によって壊滅した…。
残るは、クールギンの鎧に潜む、ネロスただひとり!
ラストファイトにかけろ!メタルダー!!



「僕は許さん……自分の欲望のために様々な命を創り、そして意のままに操り、死に追いこんだネロスを……」



【備考】
  • 実はバルスキーは最初から凱聖として描かれる予定だったわけではなく、他の戦闘ロボット軍団同様、各デザイナーが沢山描いたデザイン画の中の一つだった。
企画書では戦闘ロボット軍団長の名はバグビヤーとされ、全身に重火器を装備した闘争本能の塊という、今のバルスキーとは似ても似つかない設定。

  • また当初の構想では帝王ネロスは番組途中で斃れ、その後釜を狙ってクールギンと対決する展開が考えられていたが、
番組の打ち切りが決定して実現せず、打ち切り決定後はローテールともども 本当に36話で死亡する予定だった
しかし、後番組・世界忍者戦ジライヤの制作遅延で、急きょ2話分の延長が決定され、サブライターの藤井邦夫氏が、メインの高久進氏に掛け合い二人を生かしておいてもらい、38話が描かれる事になった。
バルスキーはともすればキャラ崩壊したまま、ローテールは空気のまま死んでいたわけで、それら後半の冷酷非情な姿すら昇華した名エピソードが描かれたのはまさに怪我の功名。
そして藤井氏の筆力に感謝である。

  • 38話のクライマックスで初使用の挿入歌「ネバー・ギブアップ」は作詞者自ら認める名曲。
特に2番はそのままメタルダーとバルスキーの関係を歌い上げているような内容となっており、一聴の価値あり。

  • OPやEDではジープの上でノリノリで軍団旗を振ったり、ガシーンガシーンとロボ歩きしている。 可愛い




「Wiki籠り……俺もお前のように追記・修正したかった……!」


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