役満(麻雀)

登録日:2011/12/30 Fri 03:41:10
更新日:2024/01/15 Mon 18:45:31
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マサオくん 「よっしゃ!!」 (中打牌)

ボーちゃん・しんのすけ・風間くん 「「「ロン!!!」」」


ボーちゃん 「大三元!」

しんのすけ 「四暗刻単騎!」

風間くん 「国士無双!」


マサオくん 「うわーーーん!! 身包み剥がされちゃった…!」



「クレしんパラダイス! メイド・イン・埼玉」より





役満とは麻雀における最高役の事である。
正式名は役満貫。子なら32000点、親では48000点。
満貫*1の4倍の点数が与えられる。

麻雀を打つ者なら誰もが夢見る役であり、和了れたならばその日のヒーローになれること請け合い。
その分どれも難易度は高く、一日中打っても見ないことなど当たり前である。
が、登山家がそこに山があったら登らずにはいられないように、麻雀打ちならば目指さずにはいられない。そんな魅力もとい魔力が役満にはある……のかもしれない。




役満の一覧


【一般的な役満】

では、まず一般的に採用されている役満について。

国士無双

数牌の1と9六種と字牌七種を各1枚ずつと、そのうちの一種をもう1枚揃えることで成立する。
4面子1雀頭の原則から外れる特殊な形であり、鳴くこともできないため門前限定。
テンパイは多くの場合「どれか一種が既に2枚あり、最後の1枚を待つ」…というパターンだが、先に十三種を揃えた形でテンパイすると「国士無双十三面待ち」というどの牌でも和了れる状態となる。
この「国士無双十三面待ち」(「純正国士無双」とも)をダブル役満とすることもある。

詳細は当該項目参照。

大三元


四暗刻(スーアンコー)


以上三つは三大役満と呼ばれ、役満の中では比較的難易度が低いと言われている。実際に見かける役満といえば大半はこの三つだろう。
確率はそれぞれ0.04%ほどなので門前清一色、三槓子よりかは確率が高い。
とは言え国士は配牌から狙わなくては上がれないので見ない人は本当に見ない。大三元は鳴いた時点で他家に警戒される。決して数字通りの確率ではない。

字一色(ツーイーソー)

字牌のみで構成された役満。対々和の形と七対子の形がある。
牌の都合上、序盤に捨てられやすいため配牌時点でどこまで字牌が揃っているかが勝負。
字牌のみで構成するため大三元や四喜和と複合しやすい。
七対子の場合「大七星」とも呼び、字牌七種を全て使う必要があるうえ門前で作ることになるため難易度が上がる。大七星をダブル役満とするローカルルールも存在する。(後述)

四喜和(スーシーホー)

風牌四つを使った上がり。
すべて刻子の形を大四喜、三つが刻子、残りの一つが対子(雀頭)の場合を小四喜と呼ぶ。
大四喜は小四喜よりも難易度が高く、大四喜をダブル役満とする事がある。
ダブル扱いではない場合、聴牌形のバリエーションが少ない大四喜をあえて狙う必要はない。
また、大三元の所にもある包(責任払い)の対象でもある。
小四喜は1面子分が自由のため数牌の両面待ちも可能。
字一色と複合する場合が多く、夢のトリプル役満も狙える……かも。

清老頭(チンロウトウ)

数牌の1と9のみで構成された役満。
1と9の牌は六種類しかなく七対子の形にはならないので、必然的にアガリは対々和の形になる。*2
故に七種類使える字一色より難易度は高いと言われている。
四暗刻、四槓子、天和、地和以外の役満とは複合しない。

緑一色(リューイーソー)

發と索子の23468だけを使う役。詳細は当該項目も参照。
全ての牌が緑色なので緑一色。そのままのネーミングである。
元はオールグリーンというアメリカのローカル役であるが、日本でも一般的に採用されている。
發無しを緑一色と認めるか否かは確認が必要。
使える種類だけなら清老頭と変わらないが、234で順子を作れる分こちらの方が作りやすい。また指定面子を唯一チーで作れる役満でもある。(大三元とかは指定面子外は可能だが指定牌は刻子のみ)
手変わりの融通が利く便利な役である。
しかし、多面張の場合に安目が出やすい(役満狙いだとフリテンになりやすい)という聴牌してからがまた悩ましい一面も。
役満成立時とそうでない時の打点の落差(最大16倍)がよくネタにされ話題になる役満でもある。
役を確定させて聴牌する難易度は清老頭に勝るとも劣らないものがある。

九蓮宝燈(チュウレンポウトウ/チューレンポートン)

同じ種類の数牌で、1と9を各三枚、2~8を各一枚、さらに1~9のいずれかもう一枚を揃えると成立。鳴いてはいけない。
1112345678999でテンパイした場合は「純正九蓮宝燈」という9面待ちの形になり、こちらはダブル役満とみなす事もある。
上がったら運を使いきって死ぬと言われるほど難易度が高く、一生に一度見るか見ないかという役満である。万一上がったら帰り道には気を付けよう。

四槓子(スーカンツ)

四回槓をした上がり。一説には純正九蓮宝燈より難易度が高いと言われている。(主に統計的に。)
通常、槓が四回発生した時点で四槓流れというルールのため流局となる。
……が、一人のプレイヤーが四回の槓をした場合に限り、特例として流局せずにプレーを続行するためリンシャンで上がれなくても大丈夫。
このとき、基本的には『一人で四槓を達成すると他者は槓出来ない』とするルールが多いが、稀に5回目の槓が認められ、それを持って流局にするルールもある。
必ず裸単騎待ちとなり他家には役満張ったことがバレバレ、さらに誰かが槓を入れれば流局……と、仮にテンパイまで行けてもそこから先も茨の道。
ちなみに門前で作った場合(=4暗槓)自動的に四暗刻単騎と複合する。
古いルールだと四槓子の4回目の槓を持って成立というルールもある。このルールの場合打牌した牌がロンされなければ四槓子和了とみなされる。

とあるプロいわく「他の役満は全てあがったがこれだけは見たことすらない」それほどの役。

天和/地和(テンホー/チーホー)

配牌で和了していれば天和(必然的に親のみ)
第一ツモで和了すれば地和(必然的に子のみ)※ツモ前に副露(+暗槓)が入ると無効
ツキ麻雀の究極形。上がられたらやる気を無くす役第一位。
特に天和の発生率は33万分の1と言われている。
半荘を年間千試合こなしたとしても30年に一度見るかどうかという計算に……。


【ローカル役満】

ここから先はローカル役について。ローカル役は非常に多い為代表的なものだけに止める。
大車輪・四連刻・八連荘はオンライン麻雀での採用率が高く、数え役満はそれに加えてフリー雀荘などでも広く浸透している。
人和は一部のプロ団体でも採用されている。

数え役満

13飜以上で成立。
リーチ一発ツモ平和純チャン三色一盃口ドラ3!
比較的知名度が高いため勘違いされやすいが数え役満はローカル役である。採用していない事もあるので確認は必須。
不採用の場合、11翻以上の和了は全て三倍満扱いになる。

人和(レンホー)

子の配牌聴牌で二巡目ではなく一巡目に捨てられた牌で和了ると役満。和了る前に鳴きが入る・自分の番を迎えると不成立。
ローカルな上に場所や団体で役満扱いから役無し扱いまでバラバラな為、打つ前に確認必須。
基本的に満貫固定、4翻役、倍満固定、8翻役、役満のいずれかが多い。
※固定役の場合その固定以上になる場合は人和は不成立扱いで通常計算される。

オープンリーチ

通称プンリー。
手牌のうち待ち牌の関連する一部分か、手牌全てを公開して行うリーチ。
通常はダブリーと同じ2翻役として計算するが、先制リーチ者以外がこれに振り込むとわざと差し込んだということで役満払いとなる。
裸単騎をしている時に両面プンリーに対する当たり牌2種をツモってしまったとしても、である。
そうしたことが起きるため、どのような状況で役満とするかで揺れがあるかなどこちらも確認必須。

大車輪(だいしゃりん)

筒子の2〜8の七対子。
萬子には九蓮宝燈(及び百万石。九蓮宝燈は今や萬子限定の役ではない)、索子には緑一色があるのに筒子だけ役満がないと言う声から生まれた役満。現在は一般的に採用されている事も多い。
一応萬子の2〜8(大数燐)、索子の2〜8でも違う名前(大竹林)で役満とするローカルルールはあるが、場所によって名前が違ったりと知名度は非常に低い。
余談だが麻雀牌を購入したとき筒子だけ赤ドラが二枚入っているのも同じ理由から。

大車輪という役としては二盃口の形*3ではなく七対子の形*4ということになっている。
しかし、役の成立に必要な(数)牌が連続しているため、聴牌形が単騎待ちをとることはなく、必ず両面待ちの形になる。平和も確定。
つまり常に大車輪にならない安目のアガリ牌が存在するということである。
待ち牌は4と6待ちに限り1-4、6-9の両面待ち、他は2-5-8か1-4-7か3-6-9の筋3面待ちになる。門前清一色としては易しい部類の待ち牌パターンとなる。
普通の手役として見ても、清一色平和が確定、1と9以外で和了すればタンヤオ、筋3面の反対側(2待ちで8和了)以外は一盃口が付く。
また確定7翻のため、リーチを打って1飜足しておけば安目でアガっても(タンヤオ、一盃口or二盃口がついてもつかなくても)倍満以上が確定する。

この役が採用されている場合、1~7や3~9で作った手も役満(or倍満)として認めるルール(小車輪)もあるが、ローカル役のこの役よりもさらにマイナー。

本来の形(2~8)ならタンヤオと二盃口もつくので、ドラなしでも三倍満確定(11飜以上。子24000点、親36000点。)、立直とツモや立直と赤ドラ(5p)、立直一発やドラ2等で数え役満も普通に見える。
つまり採用されてなくてもほとんど役満に近い。
親なら子の役満(32000点)以上の打点が見込める役満以外の手役では最大級の大物手である。
もし東一局で親に放銃してしまうと箱割れありなら即ゲームセット。子の和了でもリー棒1本しか残らない虫の息である(25000点持ちの場合)。

八連荘(パーレンチャン)

8回連荘した時点で上がり役に関係なく成立する特殊な役満。
8本場であれば八連荘とするのか、流れ連荘を認めず8回上がり続けなければ役満としないのか、9回目以降の和了にも適用するのか1から数え直しになるのか、二飜縛りを採用している際には八連荘自体を役として認める(=一飜or役無しで上がってもいい)か否かなど、何かとルールで揉めやすい。採用する場合は事前にルールの確認が必要。

四連刻(スーレンコー)

同色で1234等数の連なった刻子を四つ作る役満。鳴いてもいいが、1を暗刻にして234を三回チーした形等は当然刻子とは認められないので注意。
6翻役の場合もあるが、その場合でも清一色ならば(6+2(対々和)+5(副露清一色)=13)役満であり、この場合は清一色の可否で点数が大幅に変わる。
下位役に三連刻が存在する。門前で作った場合は次の一色三順を主張することも可能。
(面子構成の解釈次第で手役が変わるため同一にはならず同時には成立しない。)

清海湖(チンハイフー)

清一色の形で1〜3の順子、7〜9の順子をそれぞれ2つずつ作り、その上で1か9を対子にすることでできる役満。
大車輪・大数隣・大竹林と同じく二盃口の形だが歴史的にはかなり古い役で現在では採用されることは少ない。

しかし和了形は清一色・二盃口・純チャンで既に12ハンになっているので平和やドラなどの他の役が1つでも付けば数え役満になる。

一色四順(いーそーすーじゅん)

同じ順子を4つ作ると成立する。副露可。
下位役に一色三順があり、こちらは門前で作った場合は三連刻を主張することも可能。
三連刻も一色三順も共採用されている場合は高打点法に従い点数が高くなるほうで計算する。
一色三順の下位役は一盃口でありこれは正規採用されている役である。

紅孔雀(べにくじゃく)

緑一色の逆。中と索子の1579を使った上がり。どこぞのプロ雀士が作った。

紅一点(こういってん)

緑一色の發を中に置き換えた形。当たり前だが中無しはただの緑一色なので中必須。

十三不塔(しーさんぷーとー)

配牌で面子なし両面・カンチャン・ペンチャン形なし(←3種を塔子とも言う)で対子が一つだけある状態。要するにとんでもないクズ配牌。
実は本来は国士無双と同一の役。現在の日本式麻雀の原型になった中国麻雀では十三不塔は正式名を「十三幺九」といい、元々は手牌が幺九牌全種一枚ずつの場合のみ、要するに国士無双十三面張の場合のみ認められる役だった。
後に日本式麻雀のルール整備が行われた際に十三不塔と国士無双は別々の役として分割され、本来の十三不塔(十三幺九)は純正国士無双(国士無双十三面張)としてダブル役満とするルールになったのだ
更に十三不塔に対子すら無い究極のクズ配牌の場合において十四不塔(しーすーぷーとー)として同様に役満にする場合もある。
ちなみに天和、地和とは複合しない。

東北新幹線(とうほくしんかんせん)

東北ローカル役。
東と北で刻子と頭を揃え、そこに一通を成立させる。
一通の部分は初代200系の車両カラーにちなんで索子限定とするルールや、車輪に見立てて筒子限定とするルールもある。

加賀百万石(かがひゃくまんごく)

加賀ローカ(r
萬子の清一で数牌の数字の合計が100であれば役満。100以上であれば良い場合も多い(単に百万石とも)。100以上が可能の場合、100ジャストを加賀百万石としてダブル役満にするルールもある。計算が非常にめんどくさい。
4枚使いや槓が必須と思われるが、実は刻子だけでも成立可能(55 666 777 888 999=ジャスト100、ちなみに四連刻と複合する)
三麻で採用する場合、該当牌は筒子(≒米俵に見えるため)が多い。

南北戦争(なんぼくせんそう)

アメリカロー(r
南と北の刻子と、数牌で南北戦争の始まった年である1861と終わった年の1865を作った上がり。必然的に四面子一雀頭ではない。
これに限らず、アメリカローカル役は四面子一雀頭ではない変な役が多い。

超三元(ちょうさんげん)

某落ちゲー(r
三元牌を全て槓子にする。つまり12牌全て集めきる必要がある。(ポンカンが可能とはいえ最低9枚はツモる必要がある)
また3面子槓するため、他家が槓して四槓算了となりやすく、槓子で晒すため確定状態がバレバレで開き直って全ツッパしてきたりとたとえ複合待ちで聴牌してもなかなか和了できない。
大三元の時点で役満なのでこちらはダブル役満扱いが多い。また大三元同様、3面子目を大明槓させた場合包になる。

超四喜(ちょうすーしー)

某落ち(ry
風牌4種を全て槓子にする。必然的に四槓子も複合する。大四喜がダブル役満扱いの場合この役はトリプル役満以上が多い。
大四喜の時点でも相当な高難易度、四槓子に限っては全役満で1位2位を争う難易度なのに、その2種を複合させたこの役はまず聴牌すら幻レベルな役。
無論聴牌はバレバレ、聴牌時点で単騎待ち確定(字一色絡みでほぼ三元牌単騎)。槓ドラもフルオープンと非常に大荒れ状態待ったなし。
大四喜同様、字一色とは複合しやすい。

余談だが聴牌系や和了系の形に限っては麻雀の最高点数としてよく出てくるため有名。
形は、三元牌2牌+[東東東東]+[南南南南]+[西西西西]+[北北北北]
風牌全種を暗槓して三元牌を雀頭で和了した場合
四暗刻単騎(2倍)、四槓子、大四喜(2倍)、字一色の6倍役満である。(192000/288000、ツモだと48000-96000,96000all)
そこによく採用される八連荘を追加すれば7倍役満ともなる。(八連荘を満たす場合ほぼ親なので384000,ツモだと128000all)
いずれにしても基本的な麻雀ならば親も子もかかわらず誰かが箱下待ったなしで、ほとんどの確率でトップ確定となる。むしろこれでトップ取れないなら1位はすごい。

大七星(だいちーしん)

字牌(東南西北白發中)の7枚のみでの七対子。必然的に字一色となるため、採用される場合は字一色の上位役でダブル役満となる。
そもそもこの役の採用率が異常なほど低い上、副露できないこと、和了の牌姿が1種類しかないこと、仮に狙えたとしても鳴いて対々和での字一色や大三元を狙った方が早いことも含め、その出現率は天和よりも確率が低いと言われる四槓子と匹敵するほど低い。


【古役】

ここから先は古役について扱う。
昔は認められていたが麻雀の漢字が一般的に使われないために意味が通じず、廃れた役が多い。

風花雪月

風牌を風、五筒を花、白を雪、一筒を月に見立て刻子を作る役満。残りの雀頭は何でもいい。花鳥風月という白の代りに一索をつかった役満もある。

五筒開花(うーぴんかいか)

リンシャンで五筒をツモ上がり。五筒を花に見立てる。2翻や満貫や役満等いろいろある。
で印象深い。

一筒模月(いーぴんもーゆえ)

ハイテイで一筒をツモる上がり。一筒を海底から月を掬い上げる様に見立て(r
咲で印象(r

二索槍カン(りゃんぞーちゃんかん)

チャンカンで二索を上がる。二索を槍に見(r
咲で(r

九筒撈魚(きゅーぴんらおゆう)

ホウテイロンで九筒を上がる。九筒を魚群に(r


以上、役満はロマンであり麻雀の華であるが、決して上がれない役ではない。どの役満を上がった事があるというのも麻雀打ちのステータスの一つであるとも言える。一度全局役満狙いなどしてみても面白いかもしれない。負けても責任は取れないが……


余談

漫画家やくみつる先生のペンネームは役満に由来している。



追記・修正は役満上がってからお願いします。

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最終更新:2024年01月15日 18:45

*1 子8000/親12000点。通常の和了の得点の上限の一つで、役満の一つ下は三倍満(子24000/親36000点)。

*2 4枚使いの牌を別々の対子として使う「アメリカン七対子」を認める場合は七対子形でのアガリも可能。緑一色も同様。

*3 雀頭+順子x4

*4 雀頭x7