七対子(麻雀)

登録日:2011/08/04(木) 15:14:22
更新日:2022/06/28 Tue 23:13:03
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七対子とは麻雀における二飜役。読みはチートイツ。発祥はアメリカ麻雀である。
文字通り対子(同じ牌のペア)を七個作ることで成り立つ役で、ニコニコ、チートイ等と呼ばれる。
国士無双同様、四面子一雀頭の形を崩した役である。


メリットとして
  • 出易い牌(端牌、字牌=ヤオチュー牌)で待ちやすい
  • 他家立直時に安牌があった場合降り易い
  • 使用牌の制限が無い為ドラを絡め易い
  • 必然的にドラが必ず2枚ずつ使用出来る
  • 単騎待ちである為待ちを読まれ難い
  • クズ配牌からでも狙いやすい
  • 筋引っかけ立直が楽に可能
等。


リーヅモチートイで6400、更にドラがあれば確実に跳満、さらにさらに裏ドラが乗れば倍満まで狙えるという、難易度の割に爆発力があり夢のある役なのだ。


デメリットとしては
  • テンパイしにくい
チートイ最大の弱点と言える。
チートイはその性質上手が進むにつれ7→5→3と有効牌の数が減っていく。イーシャンテンからテンパイまでは単純に3/34の確率なので、平均で11巡以上かかる計算となる。
そのあまりのテンパイしにくさは俗にシャンテン地獄と呼ばれる。

  • 待ちが少ない
やっとの思いでテンパイしてもその性質上待ち牌は最高で3枚である。
しかし待ち牌を場に安い(河に多く出ている色の)牌や、ヤオチュウ牌にしやすいためイメージするほどアガりにくいものでもない。

  • 狙いが読まれやすい
チートイはヤオチュウ牌で待とうとする場合が多いため、河に中張牌(2〜8の牌)が並びやすい。
また、その切り順も意識せずにいるとかなり目立ってしまう。
それによって相手に単騎で張っているかもというプレッシャーを与えることもあるが。
  • 持てる牌の種類が少ない
前述した通り、安牌を持っていた場合は二巡は安全であるし、字牌を使用している場合安牌代わりにも出来る。
しかし七対子テンパイ時に相手から立直が入った場合、手牌は七種しかない為に安牌を持っていない可能性もある。自分で2枚使っている為に、他家が安牌を増やしてくれる確率も低い。
結果、降りる場合は筋追いしてしまう事も多く、ブチ当たる時もある。
  • 立直しにくい
チートイをテンパイした場合、例えば待ちが5であったならばよりよい待ちにするためダマにしておく場合もよくあるが、そういう時に限って次巡ツモったりする。アチャーとかいって見逃したりするとだいたい他家に立直が入って身動きできなくなるのがオチ。
ドラ・タンヤオ無しのツモは800-1600。点数は微妙だが、場によってはアガってしまうのが得策と思われる。
赤有りの場合なら赤期待で5待ちダマテンも有りかも。


■待ち選択

待ちは必ず単騎になるため、待ち牌選択は自由自在。が、散々悩んだ挙句に捨てた方が先に出てしまうこともよくある。
また、あれこれと待ち牌を変えている内、いつの間にか河が対子だらけになってしまったという苦い経験は誰でも一回はあるだろう。

かなりの独断ではあるが、単騎の場合待ち牌は次のようにカテゴリ分けできる。

  • 3〜7の数牌
  • 2と8の数牌
  • 1と9の端牌
  • 0〜2枚切れの字牌

上がりやすさとしては基本的に
字牌>1、9>2、8>3〜7だが、ここに引っかけやドラ等も絡んでくる。
普通は字牌や端牌で待つのが上がりやすさの点で有利なのだが、場合によっては引っかけ立直や中張牌ドラ単騎などで勝負にでるのもいいだろう。

また、初牌(場に一枚も切れてない牌)の字牌よりも、一枚切れの字牌のほうが相手が対子以上で持っている確率が低いため出やすいという場合もある。が、自分が立直した際、回し打ち目的等で字牌のトイツ落としをする打ち手も多いので、これは一長一短。
また、字牌よりも場に安い色の牌で待つほうが良い場合も。

字牌ドラ待ちで立直をかけるかというのは悩みどころ。


■対々和、暗刻系との両天秤

例えばこの形


一一三三四EEGG337西
ツモ三 ドラ北


この場合、三をツモ切ってチートイシャンテンを維持するか、三で暗刻を作ってトイトイ・暗刻系への可能性を残すかで悩んだ事のある人は多いだろう。

これも筆者個人の見解だが、
ドラ二枚、かつヤオチュウ牌対子が一種でもあればトイトイで満貫狙い、
ドラ対子無しであったらタンヤオの有無に関わらずチートイ狙いが良いように思える。
これは満貫を基準とする筆者の打ち方によってタンヤオ、トイトイよりもチートイテンパイ(立直)ツモで6400以上の可能性を残したほうが特だと考えるからである。

ここまできたら四暗刻狙ってやるよ!という打点系の方は迷わず暗刻残しにすると良いのではないか。

非常に癖の強い役のため、人によって好き嫌いがはっきりと別れる。プロ雀士の新津潔等は大嫌いと公言している。
しかし、その分使いこなせれば他人と差をつけ易い役でもある。


■関連役

七対子は本来は異なる牌7種類で対子を作るのだが、同じ牌4つを対子2つと見なすことで出来た7種類の対子の役を「アメリカン七対子」と言う。翻数は通常の七対子同様、2翻。
ローカル役で日本での採用度はあまり高くないが採用されていれば七対子の完成の難易度が下がり、さらに緑一色や清老頭はアメリカン七対子が認められている場合のみ七対子で和了る事ができる。

なお中国麻雀ではアメリカン七対子では七対子と四帰一(スークーイー:同じ牌4つを槓子として使わずに和了ることでつく役。)の複合役になる。


また、同種・同順の順子の組を2つ作る役である二盃口は(アメリカン七対子を含む)七対子の形と同じ形になるのだがこれは「順子4つ+雀頭1つ」とみなすのでこれは七対子とは複合しない。

二盃口は3翻(しかも平和と複合しやすい。)なので和了した場合こちらの役になる訳だが、「七対子を狙って実際に和了ったら二盃口だった。」という事もあれば「七対子狙いだったけど二盃口に乗り換えてより高い役を目指す。」という事もある。


■余談

萬子の2〜8を全て用いて七対子を作ると“大数隣”。
筒子の2〜8を全て用いて七対子を作ると“大車輪”。
索子の2〜8を全て用いて七対子を作ると“大竹林”。

というローカル役満になる。
ただし役満とみなさない場合は門前の清一色、二盃口、断么九、平和の11翻で七対子にならなくなる。)


七対子形のローカル役満には他に、字牌七種全てを用いて作る“大七星”という物がある。
こちらはW役満である。
こちらは大七星を認めない場合でも字一色で文句なしの役満である。


対々和「鳴いて食って豪快に打ってこそ麻雀の真髄やろ!ハハハ!」
七対子「攻めもオリも選べる門前だって悪いもんじゃないさ…フフ…」


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最終更新:2022年06月28日 23:13