虚無戦記

登録日 :2009/05/28(木) 20:00:36
更新日 : 2017/09/27 Wed 12:46:07
所要時間 :約 4 分で読めます




『虚無戦記』は双葉社より発行されている漫画で、全七巻
(文庫版は五巻で、スカルキラー邪鬼王も編入されている)

作者は「ゲッターロボ」の石川賢

同作者の
ゲッターロボサーガ
魔獣戦線
と並び称される、強さのハイパーインフレ漫画の一つ

石川賢の迫力ある作画で繰り広げられるダイナミックな戦闘と、その作画に負けない力強さと、個性溢れるキャラ達が作品の魅力である

作品の内容は、石川賢がそれまで単独で発表していた作品群(邪鬼王爆烈、5000光年の虎、虚無戦史MIROKU、スカルキラー邪鬼王…etc)
に大幅な加筆修正を加えてクロスオーバーさせ
ひとつの作品世界として成立させたスーパー石川大戦とでも呼ぶべきもので

「儒生歴」

という年表の下に物語が進む

数々の次元の宇宙を食い尽くす神、ラ=グース率いる「神の軍団」に戦いを挑んだ宇宙の生命達の、数万年にも及ぶ壮大な戦いを描いた一大宇宙戦争史


物語は大きく分けて

「美勒王編」

「虎空王編」

「羅王編」

の三つに別れており、その間に「次元生物奇ドグラ」「新羅生門」などの短編が組み込まれている


主人公は四人存在し、それぞれの出展は

【弥勒王編】
無幻美勒(美勒王)
「虚無戦史MIROKU」

【虎空王編】
虎(虎空王)
「5000光年の虎」

【羅王編】
羅生門(ラ・オウ)
「虚無戦記書き下ろし」

空海坊爆烈(爆烈王)
「邪鬼王爆烈」


基本的には「戦いはこれからだ!」的な打ち切りの憂き目にあった未完作品と数々の短編の集合体のような内容

ジャンルはSF陰陽忍者時代劇バイオレンスサイキックアクション怪奇ホラー格闘ツインテール僧侶漫画である
単独でもかなりアクの強いそれらの作品を一つの物語にブチ込み、大量の加筆を施し、ミックスした事により、強さのハイパーインフレ&物語のカオス化が進み、文字通り「人知の及ばない戦い」となった

距離の単位に「∞」とか普通に出るし

強さのインフレについては、「こんなに強い奴をどうやって倒すの?」という疑問など知ったこっちゃないと言わんばかりの勢い

モブの雑魚兵士ですらブラックホール生成や恒星破壊が出来て当たり前で、正直そんなレベルでは戦力外
亜空間砲、空間汚染、超重力攻撃、遺伝子破壊兵器などと言う頭がクラクラしそうな兵器でもまだ全然足りない
宇宙のエネルギーを無限に吸い出す兵器がまぁまぁ便利な兵器といった所

上位レベルの戦士ともなると、そもそも戦闘が発生しないくらいの強さ
上位の戦士達が戦闘したら、銀河の三つや四つは簡単に壊れるものと認識していい

これが総力を挙げた決戦ともなると、宇宙が無くなる勢い
でも敵の親玉であるラ=グースにとっては宇宙の十個や二十個などはお遊び感覚で崩せる積み木のような物なので、宇宙消滅なんて蚊が刺した程の効果も無い

物語のカオス化については、なにせ7~8個の作品を一纏めにしたので、ミクロからマクロまで、地球から宇宙の果てまでもが戦いの舞台な為に場所や時代、登場人物などがてんでバラバラなのでパッと見には少々辛い構成になってしまっており、そこはこの作品の短所だろう


その変わり迫力と説得力は折り紙つきなので、一見の価値はある
ちなみに、この漫画における人類の位置付けが
「進化する兵器」
である為、しばしば「ゲッターロボ・サーガ」と関連付けて議論が交わされる


以下ネタバレ注意







結局のところラスボスであるラ=グースを倒すまでを描き切る事が出来ず、『虚無戦記』はひとまず第一部完と言う形で筆が置かれてしまった

後書きには「意気込んで虚無の世界に飛び込んでゆきましたが、虚無の世界は…やはり虚無でした」とある

しかしだからと言って、この漫画の魅力は何一つ損われない

近年では、石川作品の中でも「ゲッターロボサーガ」に続いて独立性が高く、
人気もあった『魔獣戦線』が、続編の
真説 魔獣戦線
でめでたく?虚無戦記の中に組み込まれそうな終わり方(ファンはこれを虚無ると呼ぶ)をしてしまい、石川ファン達は「次はいよいよゲッターの番じゃないか?」と戦々恐々としていた…





作者である石川賢が一足速く2006年11月にゲッター線と同化したため、虚無戦記に編入される事は現時点では無くなってしまった…。
余談であるが、ネット上で盛んな最強議論掲示板にデビューした時は、あまりの強さと描写の豊富さ故、考察とランキング位置決定が約10レスで終わった。
上位ランカーは考察とランク決めで1000レス埋め尽くす事もざらなので、これは異常過ぎる速さである。


竜の民は宇宙の全生命の為に『虚無戦記』を加筆、修正してくれることを望んでいます

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