バトルネットワーク ロックマンエグゼ3/BLACK

登録日:2011/09/24(土) 19:16:17
更新日:2024/01/23 Tue 01:22:04
所要時間:約 20 分で読めます




キミの力を、ボクにくれ!


バトルネットワーク ロックマンエグゼ3』(Mega Man Battle Network 3)とは、カプコンより発売されたゲームボーイアドバンス用ソフト。
ロックマンエグゼシリーズの第3弾。
2002年12月に通常版(ホワイト)、その3ヶ月後にBLACK版が発売された。
シリーズ3作目にして、以降のタイトルでも採用される数々の要素が新しく追加。
ストーリーも評価が高く、人気投票では第一位を獲得している。

作中世界の根幹に関わる秘密が明かされたり旧作の人物が登場したりと、「集大成」にして「再出発点」と呼べる作品。
また、隠し要素やストーリー終了後のおまけ要素が非常に多く、「クリア後が本番」とまで言われている。
今でこそ改造コードやエクストラコードがネットで全部手に入る時代になったが、当時はこのやたら膨大な情報量が逐次明かされていくのだから、
雑誌や攻略本、他に展開されていたコンテンツ(アニメやカードゲーム*1など)を追いかけていく楽しみがあった。ナビカスにはオリジナルの文字が3種類存在するが、これはネットでの転載を防ぐことでコンテンツの商業的な価値を保つ意味合いがあったようである。
エグゼ4の売上がシリーズで最も多かったのは、ひとえにこうした点も含めてエグゼ3がものすごく面白かったからと言ってもまったく過言ではない。
ダークヒーロー感のある「バグスタイル」やウラの王なのに清廉潔白とした「セレナード」など中二心をくすぐる設定が非常に多く、現在でも非常に評価が高い作品である。

その一方で、ストーリーの内容は評価が高いものの、戦闘では何の効果もないナビカスプログラムの組み込みを強制させられたり(大体圧縮不可なので空きスペースを確保しにくい)、特定属性のチップを大量に消費させられたり(しかも戻ってこない。救済措置として要求される属性チップを落とすウィルスは近辺のエリアに出現するようになってはいるが。)する事が長期に渡って続き*2、ストレスを感じる事が少なくないため、ストーリー攻略面に関しては批判される事が多い。

また、改造やバグという言葉に独自の意味を持たせてしまったせいで、
本来の意味である「データを改ざんする不正行為」「ゲームを通常に遊ぶ際に支障の出る不具合」が通じなくなってしまうというかなり致命的な状況を引き起こした。
「○○(未解禁情報)は改造だろ?」とか「バグスタイルにバグが出る*3」など、会話にものすごく差しさわりが出てしまうのだ。
特に後者についてはエグゼシリーズでは「不具合」と呼ぶようになる。


因みに元々はシリーズ最終作として予定されていたらしく、ストーリーも旧作の人物の再登場、熱斗とロックマンとの一時の別れと熱斗の進級、といったどことなく終わりを感じさせるものになっているのはその名残の模様。新規BGMもどことなく寂しげなものが多い。

あらすじ

ゴスペルの壊滅からしばらくして。最強のネットバトラーを決める「N1グランプリ」の開催が決定し、参加を決意する熱斗とロックマン。
しかしその一方では、復活したWWWが再び暗躍を始めていた。
彼らと対決していく中で、2人はフォルテ、ウラインターネット、そして電脳世界そのものについての秘密に直面することとなる……


前作からの変更点

ナビカスタマイザー
通称ナビカス。
4×4マスのフィールド(5×5まで拡張可)にプログラムパーツを配置することで、ロックマンのステータスを強化したり特殊能力を持たせたりできる。以降のシリーズでも採用された。
最初だけあって随所が荒削りであり、

  • スタイルに対応しないパーツを配置をした場合には「改造コード」と呼ばれるコードを打ち込まなければならない(しかしバグ無しで5つの色のパーツを組み込める利点もある)。
  • 上述した通りステータスに関係ないのにストーリー進行上必要でいちいち組み込まなければならないプログラムの存在(プレスプログラム、エナジーチェンジなど)。

などの問題点もある。
因みにこのシステム、カプコンが特許を取得していたりする。


スタイルチェンジの追加と変更
新たにグランドスタイル(通常版のみ)、シャドースタイル(BLACKのみ)、バグスタイルが追加。
前作のサイトスタイルはなくなり、他のスタイルもナビカス搭載に伴い能力が変更された。
ひとつのスタイルを使い込んでレベルが上がると、スタイルに応じて様々なナビカスパーツを入手できる。
後のシリーズでは「店で買える」プログラムなども、本作ではレベルアップ報酬になってることが多々ある。


◆バトルチップのランク分け
通常チップとナビチップのみだった前作から、スタンダード・メガ・ギガの3種類に変更。
旧作のナビチップはすべてメガ以上となった他、前作までで猛威を振るったチップの一部(ポイズンアヌビスやムラマサ(本作ではムラマサブレードだが)、フルカスタムなど)もこちらに分類された。
同名のメガチップはフォルダに1枚などの制限が加えられ、強力なチップによるごり押しがやりにくくなった。
もっとも同名ナビのV1〜V4は別扱いだったので、フラッシュマンやプラントマンなどの強力チップを連発ということはまだまだ可能である。


◆ウィルス飼育システム
本作の独自要素。条件を満たすと、様々なところでウィルスとのイベント戦闘が発生し、倒すと仲間になるイベントが発生する。
これらは科学省のウィルス飼育機の電脳でバグのかけらをあげて飼育することができる。
育てたウィルスは専用のバトルチップで呼び出すことができるのだが、この時ウィルスがルーレットのようにランダムに切り替わり、
Aボタンを押したタイミングで映っていたウィルスが召喚される。
呼び出したウィルスは単に威力や効果が上がるものから、攻撃範囲や属性が変化するものまでさまざま。
ここに上述のバグのかけらをあげるシステムでの威力カスタマイズもできるので意外とできることが多いシステム。
話しかけるとペットのようにかわいらしいリアクションを取る文章が出ることや、エグゼのウィルスは妙に愛嬌があることなどもあり人気があり、
4以降なくなったことを惜しむ声も多かったようだ。一方でキラーズアイにハメ殺された思い出があるので大嫌いな人も多いだろう。

難点はなんといっても、1つのデータで1枚しか手に入らない点。
これらのチップはスタンダードクラスなので、フォルダへの複数積みが可能。そして一周に付き一回しか入手できないのに、チップコードは2つある。*4
二つ目のコードは「チップトレーダーに入れて、取り寄せ在庫の増えたヒグレヤで購入」すれば入手可能。この際本来のチップコードのものは二度と入手できなくなる
つまり「キラーズアイ」などを複数積んで相手を嵌め殺しなどに使いたい場合、複数のソフトを用意して相当な周回プレイが必要になる。
ちなみに通信対戦の「ほんばん」をするとたまにチップが奪われるのだが、しっかりこのウィルス召喚チップも対象に入っている
リョウセイバイ・デルタレイエッジを粘るにあたって大事なスウォーディンやドリームビットのチップを取られて「返してくれー!」「後でまとめて返すって」なんてやった人も多いのでは?


◆カウンターとバグのかけら
敵の攻撃寸前にこちらの攻撃を当てて倒すと「カウンター」となり、ウイルス・ナビに関わらずリザルトでバグのかけらがもらえるようになった(いわゆる「ちいさなメダル」システムではなくなった)。
カウンターのタイミングは後の作品と比べるとユルユルで、更に倒せさえすれば良いのでバスターで倒してもカウンター扱いになると後の作品に慣れていると特異に感じる仕様になっている。
その一方でイベントで必要になるバグのかけらの量がやたら多い。バグピースに300個投入とか、バグのかけら交換屋の個数とか。
ガッツマンフルボッコ大会は誰もが通る道(V3のHPが900と低く、かけらが10個手に入り、カウンターのタイミングも非常に測りやすく、即座に再戦可能なため。)
アドバンスドコレクションではバスターMAXモードのお陰で更にフルボッコが加速したとかなんとか。

BLACK版

通常版の発売から2ヶ月後、コロコロコミック誌上などでBLACK版の発売が発表された。
だが本作は、

  • 明らかに性能が違うギガチップ
  • 実はそもそも別バージョンとチップ交換しないとフルコンプ不可だった
  • BLACK版のみで戦える「パンク」の存在
  • BLACK版限定のカッコいいシャドースタイル

など色々と酷い違いがある。これらに加えて流通数が少ないためか中古でもたいていBLACK版の方が値段が高い。当時通常版を買って涙した人も少なくないのではないだろうか?
ちなみにこれ以降、エグゼシリーズは1タイトル2バージョンが基本となる(続編の流星のロックマン1はさらに+1)。

今でこそ良質なゲームと言われている3だが、本当に一切の前情報なしで唐突にBLACK版が発表された。
仮に前情報やその手掛かりとなるものがあれば良かった(良くない)のだが、それすらなかった上に後述のぶっ壊れチップ「フォルダリターン」の存在がその不平等感を後押しした。
リアルタイムで遊んでいた人たちには「発売日に買ったらハズレをつかまされた」「後出しじゃんけんをされた」ような気分になった人も多く、
少なくとも対戦環境から離れてしまい、運よく誕生日が近かったためBLACK版を買ってもらった子や通常版に加えてBLACK版も買ってもらえるお金持ちのお坊ちゃんにライブラリコンプを手伝ってもらうプレイヤーもいたという。
小中学生に5000円のソフトを追加で買わせるのは流石に高すぎるし、元々通常版に限定してすら対戦バランスがかなり悪かったところにフォルダリターンをぶっこんできたので、その点で不満を持つ人が続出したのも仕方ないことかも知れないが……。
発売から20年近く経った今でも、この時のことは許していない人は多い。
ちなみに強さに関しては根本的に「イベント・通販専売」から始まったため、コロコロの発売形式としては過去にこの作品でもあったような差別化して売る形式なので、ある意味どうしようもない話だったのだが……

流石にカプコンも反省したのかこれ以降は別バージョンも発売を同時に発表するようになった。
また、コンプリート要素に関してはミストマンとボウルマンの件があったからか別バージョン関連や通信必須なものは全てコンプリートに不要な「シークレット」という枠が作られ、ラスボスSPや完全クリアには必須ではなくなった。
ちなみに忘れられがちだが、『5』もカーネル版は3ヶ月後発売である。しかし『5』は元から同時に発表されており、かつ「映画を見に行ってみんなより先行してカーネル版を手に入れよう!」という、映画をマーケティングに組み込んだ格好なので、BLACKより余程しっかりしている。その後にツインリーダーズというフォローもされている。


◆通常版とBLACKの違い(上記以外)

  • 敵が落とすチップのコードが違う
  • 店で売っているチップが一部異なる
  • 温泉のお湯の色や熱斗の部屋のポスターなど、細かいデザインの変更
  • 通常版で戦えたナビ「ミストマン」が「ボウルマン」に変更
  • 追加要素として名人の持ちナビのパンクと戦える(もらえるのはお金)

そして本作最大の差別点の一つとして手に入る一部のギガチップの違いがある。
特にストーリー中でゲットできる唯一のギガである「ナビリサイクル」がBLACKでは「フォルダリターン」に変更された。

カードゲームに例えると、

通常版…お互いの墓地の一番上にある特定種類のカードを1枚だけ使う。
BLACK版…このカードと自分の墓地のカードを全て山札に戻してシャッフルした後ドローして追加ターン

というとんでもない違い。正に本作最大級の格差と言っても過言ではなく、この1枚の差が他の細かな利点を全部吹き飛ばす
当然、公式大会ではフォルダリターンの使用回数が1回のみにされた。

ギガクラスチップの傾向は、ブラックがナビ戦向きの単発高威力、通常版はウィルス戦向きの広範囲連続攻撃。


通常版限定ギガクラスチップ一覧

  • ナビリサイクル
最後に使用されたナビチップを再使用可能。…としか説明されないが実はこのギガチップ、説明にないだけで一部のPAも再利用対象に含まれる。しかもプラス系などをつけていた場合はそれも含めてリサイクルされる。
また「最後に使用された」ナビチップなので、相手の強力なナビチップをやり過ごし、それを即座にカウンターという使い方も可能。
フォルダリターンと比べると格差を感じるが、フォルダリターンがあからさまに壊れすぎているだけで、こちらも大概な性能であり、
ギガクラスの癖にレギュラーチップ指定可能かつ前述のとおりプラス系で増加させた分を含めて即座に再使用可能という独自の強みがある。
(フォルダリターンでも再使用自体は可能だが、あちらは「初期状態に戻す」ため揃えなおすという時間がかかり、対戦ではそこまで悠長に待っていられない為。)
プラス系を付加した多段ヒット系ナビチップをこれで即座にリサイクルするのが主な使い方で、これを軸にした「バブルマン」「ダブルヒーロー」という戦法がある。
またPAグランプリパワーのリサイクルも、ナビカスにギガフォルダ1を組み込む手間はあるがそれに見合う強力さ。
ちなみにPAボディガードは全弾撃ち終わるのを待ってからリサイクルしないと最初に発動した方はそこで打ち止めとなり総ダメージ2倍が狙えないので、相手に使われた時のカウンター向き。

さて、ナビリサイクルに関してはよく上述のように言われているが、こんな凝った使い方をしなくても決して弱いチップではない。
プラントマンやフラッシュマンのようなバランスブレイカーのナビチップをもう一度利用できるというだけで十分強いからだ。
事実BLACK版発売前の対戦環境はこの「ナビリサイクル+その対象になるチップまたはP.A.(ダブルヒーロー、ボディガードなど)」の組み合わせが猛威を振るっており、
さらに情報が出そろっていないことやPハメ・Fハメという主要戦術と噛み合っていたこと*5もあって、当時はギガクラスチップは事実上ナビリサイクル一択だった。
問題なのは「何の前情報もなく発売が発表された」BLACK版に含まれていたフォルダリターンがナビリサイクルなんて目じゃないレベルでぶっ壊れていた点である。
ナビリサイクルはプラントマンを1回再利用できるが、フォルダリターンはフォルダに含まれた回数分だけ再利用できる。勝てるかこんなもん。
しかもエグゼ3の末期はV5チップが解禁されたことでこの使い方でも弱くなってしまう始末。ふざけんなバカ野郎。

  • フォルテ
フォルテGSを倒して入手可能。
闇のチップである為ダークホールかナビカスのダークライセンスが必要。
威力90であり前方3列をエクスプロージョンで殲滅する。前方3列なので中央列で発動しないと安全地帯が出来てしまう点に注意。
前作のフォルテに近い性能だが、前作ではこれを多少単発威力が下がるとはいえ5枚または8枚投入でき、
発動位置に関係なく前方全列を攻撃するため安全地帯もほぼ無かったのでバランス調整されたのだろうがされすぎた感がある。
厳しい使用条件があるくせに前作と同じような感じで使うとがっかりするチップ。
一応プラス系チップを大量搭載すると結構な火力は出せるのは救いか。
手間に合っているか?と言われると微妙だけど……

  • セレナード
こちらも闇のチップ。タイムアタックをクリアすると入手可能。
威力100のホーリーショックで前方全域を攻撃し、着弾するとヒビに。
狙うマスはランダムだが、エリアを狭めると1マスに多段ヒットするようになっていくので驚異的な威力を発揮する。
ただぶっちゃけこの使い方をするんだったら、カモンスネークなりリュウセイグンなりもっといいものはあるわけで。
一番嬉しいのは「めちゃくちゃかっこいい裏ボスを使える」という点だろう。ギガクラス評価において通常版がBLACK版に勝っている唯一の点ともいえる。

  • リョウセイバイ
星の証を複数集めたROM同士の本番の通信対戦で稀に入手可能。自分を含めた全てのHPを半減する。
正直入手タイミング的にも扱いに困る代物ではあるが耐性などを無視して一気にHPを削れることから、
プロトSPやフォルテSPなどのHP3000ある敵にも開幕で使用すれば一気に半分に出来たりするなど、隠しボスなどの相手に効果を発揮する。
実は本編の負けバトルのフォルテ戦で唯一HPを削れるチップでもある。(タイミング的にまず入手不可能だが)
実はこのチップは星の証のコンプリートに必要ない。この仕様をミストマン/ボウルマンにも行ってほしかったものである。

  • プロトアームΣ
よみがえるあくむ!プロトの3れつ電撃攻撃!

星の証を7つ全て集めてプロトSPを倒すと入手可能。
シリーズで数少ない、配信を介せずに入手可能なラスボスチップ。(他に入手可能なのは5DSのロードオブカオスのみ)
相手の初期エリアを上下横3マスと中央横3マスを交互に威力50の電撃(無属性だが)で襲い、8回攻撃する。
普通に使うと50×8で400ダメージだが、前方から4列目の中央マスだけ16ヒットする為800ダメージ与えられる。
一方で自分のエリアをエリスチで奪われて陣取られるとまったく当たらない。


ブラック限定ギガクラスチップ一覧

  • フォルダリターン
説明不要のシリーズ最大のぶっ壊れチップ。使用したら強制的にカスタム画面に入る。
ちなみにレギュラーチップもちゃんと復活する。
これを使用するとギガフォルダを使用しないと他のギガクラスが使用不可能だが、
前述のフラッシュマンやプラントマンでハメが容易に行える本作ではそちらを行えば問題ない。
だいたいエグゼの対戦の話になると毎回フォルダリターンとプリズムコンボの話になるが、それくらい圧倒的。
もしフォルダリターンのリターン対象が「フォルダリターン本体」を含まなかったらここまで壊れ性能ではなかった……と説明する人がいるが、
プラントマンやキラーセンサーやプラズマボールのようなハメ系チップ、ユカシタモグラやダークネスオーラなどのような時間稼ぎの手段など、強烈なギミックを構成するチップを数枚再利用できる。
そんな凝った使い方をせずとも、「バリアブルソード」「エリアスチール」などのチップがクラスを問わずに戻ってくるのは強力そのもの。
つまり1回使えるだけで十分すぎるほど強い。そしてこれに加えて「フォルダリターン本体が戻る」「フルカスタム効果がついてくる」のである。
仮にフォルダリターン本体がフォルダに戻らなかったとしても、圧倒的に強いことは間違いない。
そしてこれだけ話題を呼んだ3を象徴する人気チップにもかかわらずリメイク品がまったく作られていないことから、バランス調整はほぼ不可能だということが分かる。
ナビリサイクルは5で「デスフェニックス」が出たんだけどね。

  • フォルテアナザー
こちらもフォルテGSを倒して入手。技がアースブレイカーになっている。
やはり闇のチップのためダークホールかナビカスのダークライセンスが必要で威力は550。
威力はかなり高い方だが攻撃範囲が狭いのが欠点。

  • ダークネスオーラ
闇のチップ。タイムアタッククリアでセレナードの代わりに入手できるチップ。
ドリームオーラをも上回る耐久力300のオーラを張ることが可能。ホーリーパネルの上だと600まで防げる。
展開時間も50秒と十分に長い。
ただし、他のオーラ同様スーパーキタカゼで消えてしまうという欠点がある。

「10秒程度の間、攻撃を無効にする」というあまりにも地味な効果のせいで、小学生でもわかる強さのフォルダリターンと異なり現在でもあまり語られる事のない不遇なチップ*6
イラストが通常の「オーラ」の色違いである点や、厳しい使用条件があるくせに攻撃チップではない上にすぐに終わってしまうということから評価が低くなりがち。
実はエグゼ3の対戦環境を定義するチップの一枚である。というのもこの時代にオーラを剥がす方法は「オーラに書かれた数字以上の威力の攻撃を当てる」「スーパーキタカゼを使う」しかないから。
レギュラー+5を使えばレギュラーチップに指定できることや、防御面に関しては鉄壁を誇ることなどから、対戦ガチ勢になればなるほど猛威を振るう。
Pハメ?Fハメ?ダブルヒーロー?かかってこいよ、こっちは単発300以下全部無効だぜ」というわけ。
どんな強力な攻撃も、通らなければ意味がない。オーラを剥がすには高燃費なチップを使うかスーパーキタカゼを使う必要があるが、10秒ちょっと待てば勝手に消えるオーラのためにそんなことをしたいかと言われるとかなり微妙。
さらにチップコードがポイズンファラオセットと同じAである点も見逃せない長所であり、エグゼ3の対戦末期はこれを軸にした判定勝ち狙いの戦法が猛威を振るった。
これにギガフォルダ1を搭載してフォルダリターンまで使う。考えただけでも恐ろしい字面だが、意外にもPハメには弱い。そもそもの火力が高いのでダークネスオーラは無理でもドリームオーラくらいなら平然と剥がしてくるからだ。

  • デルタレイエッジ
通常版のリョウセイバイにあたるチップ。威力は220x3でタイミングよくAを押さないと成功しないが決まれば安定してダメージを与えることが可能。
後のシリーズと違い、ボタンを押すタイミングがちょっとシビアなので同じような感覚でやると大体失敗する。4以降ではA連打で良いのだが、本作ではA連打では発動出来ない。
リョウセイバイ共々、このチップはコンプリートに必要ない。

  • プロトアームΩ

よみがえるあくむ!プロトのきょだいロケットはっしん!

通常版のプロトアームΣにあたるチップ。こちらも配信無しで入手可能。
強力なミサイルを発射。着弾後周囲に爆発が広がりそちらにも同じダメージ。
威力はフォルテアナザーより低い500だが、闇のチップでない上に広範囲。
「オメガロケット」名義でロックマンエグゼ5にも登場するが、性能自体は据え置きだが威力は270とかなり下がっている。ダークチップヲツカイタイ……
……と、見せかけてオメガロケットはミサイル直撃で2倍ダメージになっているのでネットナビ戦での実効威力(270×2=540)はむしろ若干上がっていたり。もちろん2体以上のウイルスに対する総合威力は下がっているのであるが5ではウイルス相手に500は過剰威力なので…

  • フォルテGS
配信限定チップ。ギガクラスチップのフォルテ(アナザー)を上書きして入手する。
威力700、ブレイク性能と対インビジブル性能を持ち、しかも攻撃範囲のパネルにヒビを入れるというとんでもない性能。
さらに闇のチップではなくなったので、雑にフォルダに入れておくだけでちゃんと仕事をしてくれるナイスデザイン。
ただし範囲が特殊なので、使うには慣れが必要。
また、通常版のフォルテで行えた「プラス系チップを大量に搭載しての攻撃」ができなくなってしまったので火力の最大値が下がることがある。

前作のダークメシアほどとは言わないが、たった1枚でこの威力は規格外の強さ。
しかしこのゲーム、単発で威力800を出せるスタンダードチップがあるので威力面ではまったく目立たないし、
配信限定なため手に入れる方法が限られていた事とバランスブレイカーとして名高いフォルダリターンなどもあるせいで全然覚えてもらえないという不遇のチップ。
ただし、WiiUの移植版では通信で即解放できるので、そっちではバランスブレイカーとはいえ使えるだけマシな方かもしれない。


通常版がギガクラス関連などで不遇に見えるが、実は通常版はコードPのキラーセンサー3とプラズマボール3が通常入手出来たり、
エリアスチールの*が簡単に複数入手可能など、スタンダードチップのコード面でブラックより優遇されている要素がある。
また、Pハメのお供として有用なセットアイスもグランドスタイル、つまり通常版でしか入手できない。
といっても別にチップ交換・プログラムトレードすれば良いだけの話なので対戦において通常版の特権というわけではないためだからどうしたという話なのだが。フォルダリターンとはいわないからダークネスオーラよこせ

やりこむ分には結局どっちのバージョンもきっちりやれるだけいいほうかもしれない。そもそも後の作品もギガや変身のバージョン格差はほぼ全作品で存在してしまってるのは確かなこと。
問題なのはその格差がなにをどうやっても絶対に埋まらない上に、強い方が後発のバージョンだったということである。


ちなみにPやFばかり有名だが、B(バブルマン、バリアブルソード、ダブルヒーロー)、E(バブルスプレッド、バリアブルソード)、J(ヒートスプレッド)なども結構強い。


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最終更新:2024年01月23日 01:22

*1 通常版のソフトについてきたグランドスタイルのカードのアレである。当時の少年向けコンテンツはカードゲーム化するものが多く、ロックマンエグゼもその例にもれなかった。今ではマニアの間でコレクションアイテムとして取引されている他、「マグネットステージ」など妙にエロい描きおろしイラストなどがマニアの間で細々と語り継がれている。後に「かいぞうカード」というゲームと完全に連動したシステムを導入したことで展開が終わった。

*2 属性チップの大量消費は第5話と第6話のみだが、それでも結構な長丁場。ナビカスプログラムの組み込みに至ってはなんと第3話から第7話まで続く。尚、エグゼ3は全8話構成である。

*3 通常版限定でバグスタイルのレベルを最大まで上げると、以降二度とクラスチェンジできなくなってしまう。本物のバグなのだがバグスタイルのバグと言えば「自分に課されるデメリット」のことを指すのでまったく通じないのだ。

*4 攻略サイトにはよく5つ以上あるように書かれているがそれは内部データ的なもので、入手する手段が2つしか存在しない。逆にこれを利用して「内部データを解析、あるいは攻略本を転載したサイト」か「人力でデータを集めているサイト」かという選り分けができる。

*5 後述するがPハメやFハメにとって重要になる「Pコードやアスタリスクのチップ」は通常版では非常にそろえやすいので、発売から2週間ほどですぐに猛威を振るい始めた。

*6 エグゼ3を懐かしむスレッドなどではフォルダリターンのぶっ壊れっぷりはすぐに出てくるが、ダークネスオーラに至っては「弱いチップ」という酷評が今でも出てくる。ライトプレイヤーのみならず、当時☆を7つ集めたやり込みプレイヤーですら強いという話を知らない人は多い。ただしこれは通信対戦特化チップの共通点で、4の「シグナルレッド」や5の「バッドメディスン」なども似たような評価。ストーリーはやり込んでも対戦をやり込むとは限らない(そもそも相手がいないとできないのもあるが)のでエグゼの対戦環境は通常プレイでは決して想像が及ばないところで話が進む、相当なマニアの領域なのである。