ギース・ハワード外伝(漫画)

登録日:2012/07/05(木) 23:47:55
更新日:2023/08/22 Tue 14:50:14
所要時間:約 6 分で読めます





◆ギース・ハワード外伝◆

『ギース・ハワード外伝』は嘗て、新声社のコミックゲーメスト(コミゲ)誌上に不定期連載された天獅子悦也の漫画作品。
氏がゲーメスト本誌にて連載し、好評を得た天獅子版『龍虎の拳』の姉妹編。

待望の『餓狼伝説』の天獅子版コミカライズだが、何故か主役が悪役……その上、基本的に渋めの脇役しか登場しないと云う、ゲームのコミカライズ作品としては“かなり”珍しい形態となっている。


とはいえ、そこは流石は資料集めの虫の天獅子悦也。
『龍虎の拳』から更に趣味に走った、リアリティを追求した徹底的な補足に補足を重ね物語に深みを与える事で、おっぱい忍者パンツ男の不在に疑問を抱かせないのは流石。

因みに、主役級のキャラクターで活躍するのは当時はまだ新顔だったブルー・マリーのみであり、主役のテリーですら最終章にしか登場しない。


また、外伝のタイトル通りにゲーム本編にリンクした展開を意識した構成になっている。




【エピソード】

※単行本『ギース・ハワード外伝』収録作品。


■:神童
大張版アニメでも触れられた、15歳当時のギースが僅か10歳のクラウザーに返り討ちにされた事件(公式設定)の後日談。
斜陽のイタリアンマフィアに身を寄せたギースが「組織」に接触する道を探る過程で「気」を操る日本人格闘家(マリーの祖父)と出会い、彼に指導を受けるまでを描く。


■:殺気
天獅子版『龍虎の拳』のスピンオフ作品。
極限流空手(リョウ・サカザキ)に敗れたギースが、更なる力を求めて日本に渡り、より強力な「気」を得ようとする物語。
単行本では第2話だが、本来の掲載は最も古くシリーズの起点となったエピソードである。
国家と契約した殺し屋にして刑務所を私物化する最強の囚人と云う、何処ぞのアンチェインみたいな設定が出てくるが、当然の様に本作のが遥かに古い(94年)。


■:復活
初代『餓狼伝説』の後日談で、死を偽装したギースが復活を果たすまでを描く。
……尤も、公式設定では流石のギースも深手を負った事になっているのだが……。
ピエロ扱いのローレンスを笑う漫画。


■:予言
『餓狼伝説3』のコミカライズで、メインキャストは山崎竜二、フランコ・バッシュ、ホンフゥと云う渋めの面子。
日本人の大リーグ挑戦の時事ネタの他、博多弁で喋るホンフゥ(『刑事物語』のオマージュか?)や、沖縄弁で凄む山崎など見所多し。
……ギースの下に集まりつつある「秦の秘伝書」に宿る者とは……?


■:僣主
『餓狼伝説3』のコミカライズだが、格闘大会の裏側ではギースによる巨大な陰謀が動いていたのでは……?と云う「IF」エピソード。
ギースに舐められまくる大統領が哀れ。
大統領の命を受け、ギースにより閉鎖されたサウスタウンに潜入したブルー・マリーだが……。



※単行本『ギース・ハワード外伝シリーズ/闇のギース』収録作品。

■:プロローグ
書き下ろし。


■:SIDE:Ⅰビリー
『リアルバウト餓狼伝説』の前日談。
遂に「秦の秘伝書」全てを手に入れながらも、それを捨てる事を命じられたビリーが、秘伝書を封じようとする望月双角と、秘伝書に宿る亡霊・秦王龍と戦う物語。
ビリーのギースへの忠義の形が渋い。


■:SIDE:Ⅱマリー
『リアルバウト餓狼伝説』の後日談。
テリーにより今度こそ倒された筈のギース……だが、サウスタウンは未だにギースが支配していた当時のままの緊張感に置かれていた。
それぞれにその真相を探ろうとするマリーは、自らの予感に従いギースを狙う山崎をビリーと相討ちにさせ、その隙にギースタワーへの潜入を画策するが……。


■:SIDE:Ⅲテリー
『リアルバウト餓狼伝説スペシャル』のコミカライズ。
死んだ筈のギースの「悪夢」に惑わされるテリー。
……それと時を同じくして、秘伝書を取り戻し今度こそ復活を果たそうとする秦兄弟(に宿った秦王龍)と、その野望を阻もうとする望月双角、ギースの死の真相に行き着いたマリーも全ての行動に決着を付けようとしていた。
マリーに導かれ、ギースを唯一倒す事の出来る「運命の男」テリー・ボガードの最後の戦いが始まる。


■:エピローグ
書き下ろし。




【主要登場人物】
Sクラスの女。
エージェントとしての能力や格闘術以上に「気」の共鳴(レゾナンス)によって引き起こされる未来予知がチート。
『龍虎』のキングに続く、天獅子先生お気に入りの「いい女」枠。

ギースの腹心。
主役の一人で、ゲームや設定資料だけではうかがい知れない内面まで描かれている。
果たして、ビリーがギースの「死」の間際に果たした役目とは……?

  • 山崎竜二
「秦の秘伝書」をネタとして、サウスタウンにやって来た沖縄ヤクザ。
ギースにどちらが「秦の秘伝書」を総取りにするかを持ちかけるが、後には自らが命を賭けて求める強者としてギースを追う事になる。

  • フランコ・バッシュ
元キックボクシングチャンピオンだが、覚えてる?
息子を誘拐され、山崎の手駒として扱われるが……。

  • ホンフゥ
香港警察の刑事。
ヌンチャク使いだが覚えてるか?
元ネタはジャッキーだが、本作では『刑事物語』の武田鉄矢もネタに加えられている。

  • 望月双角
「秦の秘伝書」の封印を目論む鬼遣い。
……覚えてる?
独自ののデザインが超クール。

  • 秦兄弟
「秦の秘伝書」に宿る秦王龍の子孫で、現世への復活を目論む秦王龍(の分身)が宿ると云うややこしい存在。

  • ローレンス・ブラッド
クラウザーの忠実じゃない腹心で、各メディア共通のかませ犬。
本作でもやっぱりかませ犬。
ギースの死後、その後釜に就くべくやって来るが……。

ギースが更なる「気」の力を求める契機を作った極限流最強の男。
SNKがゲーム作ってくれなかったから決着は不明のまま。

ギースの義弟にして、前半生に於ける最大の宿敵であった。
ギースの陰謀に嵌められ殺害された。

  • 周防辰己
ブルー・マリーの祖父(公式)で、試合中に人を殺した事実に耐えきれず身を持ち崩した日本人格闘家。
流れ着いたアメリカで「組織」の用心棒として出会ったギースに「天才」の煌めきを認め、輝かしい未来を創る夢を見るが……。

  • 孤島の鬼
本名不明。
本作独自のキャラクターで、極限流に敗れたギースが山田十兵衛や不知火半蔵(の祖父)を差し置いて会いに行った史上最強の殺し屋。
殺気の力で触れずに人を殺す力を持つアンチェイン。
名前の元ネタは江戸川乱歩の傑作長編。

この世界で唯一、ギースを倒せる可能性を持つ「運命の男」であり、ギースを相手にした場合には限界を超えた力を発揮出来る。
……全ての戦いの後、自らの戦いを見守っていたマリーに手を差し出すが……。

サウスタウンの盟主にして、北米大陸に理想の王国を作り上げた天才。
生涯の宿敵であった義弟ヴォルフガングを倒し、自らが世界最強の存在となるが、運命は彼を更なる戦いへと導いたのだった。



【余談】

ゲーメスト版『龍虎の拳』シリーズ共々、絶版中である。
原作ゲームでも解り難い3本目の「秦の秘伝書」の話題が説明されている唯一の作品と言える。
2本目の秘伝書「鳳凰の巻」については同じくゲーメストコミック「公式ストーリー 餓狼伝説2」が詳しい。


ルドルフ・クラウザーがはじめからシュトロハイム家の当主でギースは妾の子、などこの作品は公式設定とは異なる部分が多々あることに注意されたい。
※公式ではルドルフはシュトロハイム家のSS(妻子持ち)だったが、シュトロハイムの娘(のちのヴォルフガングの母)により無理矢理一家離散させられ、シュトロハイムの婿養子となった。


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最終更新:2023年08月22日 14:50