イズモ級

登録日:2012/02/29 (水) 21:28:13
更新日:2024/02/10 Sat 11:15:26
所要時間:約 8 分で読めます





イズモ級とは、『機動戦士ガンダムSEEDシリーズ』に登場する宇宙艦である。
資料によって「宇宙戦艦」だったり「MS運用艦」だったり「宇宙戦闘艦」だったり、艦種が安定しない。



目次





諸元


全長:290m
武装:
75mm対空自動バルカン砲塔システム イーゲルシュテルン×12
艦橋後方ミサイル発射管
225cm2連装高エネルギー収束火線砲 ゴットフリートMk.71×2
陽電子破城砲 ローエングリン×4

オプション装備:
フェアリングカバー
プラズマブースター

搭載可能機数:MS10機程度



概要


オーブ連合首長国の半国営軍需企業モルゲンレーテ社が同国政府の依頼で独自に開発建造した宇宙用艦船。
名称の由来は古代日本の国名「出雲」。


オーブは地球上の国家であるが、資源衛星ヘリオポリスや宇宙ステーション・アメノミハシラなど宇宙での施設・領土を保有しており、それらと行き来する手段として建造された。
つまり地上と宇宙を往復するための連絡輸送船。

従来の地球連合やザフトの艦艇とも異なる設計となっており、大まかに
  • 上部艦橋と格納スペースなどの中枢部がある箱型の「中央部」
  • カタパルトレーンを兼ねる上下二枚の板状の「艦首部」
  • 大型エンジンブースターを内蔵した左右の「艦尾部」
以上の三つの部位で構成されている。

宙航艦としては充分な性能を持つが、大きな特徴として船体自体を分割し上記の三種のブロックに分けることが出来る(「艦首部」「艦尾」は2パーツずつあり、分離状態ではそれぞれを合体させまとめておく)。
この機構は地上の本土と宇宙を行き来させるうえで、地上で艦艇として運用することが無い以上は大質量の艦全体よりも中枢となる中央部だけを動かしたほうが効率的であるという考えの下採用されたもの。
基本として、地球に降りる際には分離し艦首部と艦尾部を軌道上に残し、中央部だけで大気圏に突入。
その後、地上のマスドライバー施設や補助ブースターを用いて中央部が軌道上に戻り、軌道上で再度ドッキングし宇宙空間での航行に戻る、という往復行程での運用となっている。
実際オーブ本土のオノゴロ島にはマスドライバー「カグヤ」が建設されており、2番艦クサナギなどはヘリオポリスとの往復を行っていた。

更に、宇宙空間における防衛戦力としての役割も想定され、多数の強力な武装を搭載。
艦開発当時は艦載機としてモビルアーマー(MA)を想定していたが、オーブが量産用モビルスーツ(MS)・M1アストレイの開発に成功してからはMS運用をメインとした形に改修(M改修)。
元々輸送艦としての側面があったため改修後も格納スペースは広く、MSを10機程度は余裕で搭載可能な容量を誇っていた*1


C.E.70代においても一線級の戦力となる艦であるが、オーブ自体の微妙な立場もあって他国を刺激しないよう戦闘艦としての部分は極力伏せて建造された。
実際に運用されるようになってからもあくまでも「大型宇宙船」として用いられており*2、本格的に宇宙用戦闘艦として使われたのは第1次連合・プラント大戦終盤からである。
劇中でも「輸送艦」扱いされることもあり、艦種のブレもこの辺が影響しているものと思われる。


また、地球連合のアークエンジェル級は開発にモルゲンレーテも協力しており、同社の設計したこのイズモ級が設計母体となっている。
そのため、外観こそ共通点は少ないものの似通った箇所も多く、アークエンジェルは本来イズモ級用の装備である大気圏突破用のプラズマブースターを装備出来るようになるなど規格が近いことが窺える。
その他にも、ゴッドフリートの基部の形状やブリッジや艦内の内装・配置などはアークエンジェル級とほぼ同一。
明確に違う点と言えば、イズモ級のブリッジにはCICに当たる部分が無い程度。

劇中でもマリューがクサナギの内部を見て「アークエンジェルと似ている」と発言したのに対し、
キサカが「アークエンジェル『が』似ているのだ」と訂正するシーンがある。



装備


  • 75mm対空自動バルカン砲塔システム イーゲルシュテルン
お馴染みの対空機銃。
これも設計流用のためか、形状はアークエンジェルのそれと同一。
配置は見た目にも分かりやすく、各ゴットフリートの周りに4基、ブリッジの基部に4基の計12基。

  • 艦橋後方ミサイル発射管
アークエンジェルの「ヘルダート」と同一の装備。
諸元も同一であろう。

  • 225cm2連装高エネルギー収束火線砲 ゴットフリートMk.71
主砲。
船体前方、カタパルト部分の上下に1基ずつ装備される。
アークエンジェル、延いてはアガメムノン級の主砲と同一の装備。
アークエンジェルとは基部も同一で、甲板上に固定されていたアガメムノン級と異なり沈胴式である。

  • 陽電子破城砲 ローエングリン
これまたアークエンジェルと同一の装備。ただし形状は若干異なり、あちらはカタパルトの下部に2基2門を装備していたのに対し、イズモ級は艦尾部側面のブロックに2基4門を装備している。
アークエンジェル級と同様に前方のハッチが開くのかと思いきや、ブロック側面から砲身がせり出してくるという形式になっている。
ローエングリンは1門でも大型宇宙戦艦を沈める威力があるが、本艦の場合は4門で一斉射しナスカ級をハチの巣にするシーンが何度も流されている
見た目には少々オーバーキル感のある画と言わざるを得ない。
ローエングリン4門の一斉射はC.E.に登場する艦船でも屈指の攻撃力であるが、ジェネシスの桁外れの出力を持つPS装甲を前には傷一つ付ける事ができなかった。

  • フェアリングカバー
マスドライバーによる大気圏離脱時に中央部の正面から上部にかけてを覆うカバーパーツ。
空気抵抗を減らしつつ衝撃を吸収し、離脱時の船体にかかる負荷を軽減する。
使用後は軌道上で排除される。

  • プラズマブースター
大気圏離脱の為に使用した外付けプラズマブースター。
『SEED』本編ではクサナギはカグヤを使用したため、代わりにアークエンジェルに装着・使用された。



同型艦


イズモ

イズモ級のネームシップである一番艦。
船体塗装は黒基調に黄色のラインでなんとも悪役チック。
サハク家が管理運用しており、普段は宇宙軌道ステーション「アメノミハシラ」を拠点としている。

主に『ASTRAYシリーズ』で登場。
C.E.71にはゴールドフレーム天の母艦としてロンド・ギナ・サハクが運用。ソキウスのソードカラミティ(3号機)等も搭載している。
C.E.73のユニウスセブン落下事件の時、ユニウスセブンの破片の一部がオーブ本国への直撃コースへ乗っていた為、ロンド・ミナ・サハクの判断により破片へ体当たりをして損傷している。
下手すると撃沈ものなのだが……。
???「イズモでユニウスセブンを押すんだよ!」


クサナギ

『SEED』及び『SEED DESTINY』本編にも登場するイズモ級2番艦。
船体塗装は白基調に青のライン。
オーブ本土が管理運用しており、主にヘリオポリスとの連絡船として使用されていた。

C.E.71にヘリオポリスが崩壊してからはその役割を失い中央部がオーブ本土に戻っていたが、地球連合軍のオーブ解放作戦で当時の代表首長であるウズミの指示により、脱出艇に転用。
オーブ軍の残存戦力やモルゲンレーテスタッフを収容し、アークエンジェルに続いてフリーダムジャスティスと共にカグヤを使い宇宙に脱出した*3

宇宙で残りのブロックを合体させ本来の宇宙戦艦の姿を取り戻した後、カガリ・ユラ・アスハを指揮官、レドニル・キサカ一佐を艦長に運用。
コロニー・メンデルにてクライン派のエターナルと合流しアークエンジェルも交え、通称「三隻同盟」を結成し、その後しばらく他の2艦と共に各地を転々とする。
その後、第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦に参戦。
M1アストレイやストライクルージュの母艦として、地球軍の核ミサイル攻撃を防ぎつつ、エターナルと共にジェネシス接近しローエングリンで攻撃するが、上記の通り目立った傷はつけられなかった。
アストレイ三人娘を失い、戦闘終盤にはプロヴィデンスの猛攻に曝され多大な被害を受けるも、停戦までエターナル及びアークエンジェルと戦い抜いた。


C.E.73では月面都市コぺルニクスにおいて他のイズモ級と共に宇宙港に係留されており、正式にオーブ第二宇宙艦隊旗艦となったアークエンジェルと合流している。
ソガ一佐が艦長を務め、副操縦士兼CIC管制官はタケミカズチでトダカの副官をしていたアマギ一尉が担当した。
艦載機は当時のオーブ軍主力MS・ムラサメ

副旗艦として最終決戦のメサイア攻防戦に参戦し、レクイエムに向かってスサノヲ、ツクヨミと共にローエングリンを放つが、設置されていた陽電子リフレクターにまたもや弾かれてしまう。
途中、ネオ・ジェネシスによる砲撃を受けるも、イザーク・ジュールの警告等もあり、イズモ級は全て回避。
その後、メサイアの陥落とギルバート・デュランダルの戦死により無事停戦を迎える。


スサノヲ

ツクヨミ

『SEED DESTINY』終盤に登場したイズモ級。
共に何番艦かは不明。カラーリングは紫系。
オーブ軍所属としてクサナギと共にコペルニクスの宇宙港に係留されており、オオツキガタを搭載している。
最終決戦を戦い抜き、最終的にクサナギと共に停戦を迎える。



ゲーム作品での扱い


SDガンダムGジェネレーションシリーズ

アークエンジェル級の下位互換といった性能。宇宙でしか使えないし、それを抜きにしても他に性能の良い艦が数多くあるためあまり使われない。
ただし、「OVERWORLD」では汎用艦のコストが非常に高く設定されているため、宇宙専用でありMAP兵器版ローエングリンによる削りが有用な本艦を使用する意味は十分。
「CROSSRAYS」ではクサナギ、イズモの両方が使用可能。オプションパーツ「宇宙適応力複製パーツ」を装備することで大気圏内でも運用可能となるが、
両艦と複製パーツを入手するまでにAA級やミネルバが入手できていない可能性も低いため、趣味の域は出ないだろう。



追記・修正はオーブ軍に入隊してからお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • ガンダム
  • ガンダムSEED
  • SEED_DESTINY
  • ASTRAY
  • 戦艦
  • オーブ
  • モルゲンレーテ
  • 三隻同盟
  • アメノミハシラ
  • イズモ
  • クサナギ
  • ガンダム艦船項目
  • ツクヨミ
  • スサノヲ
  • 機動戦士ガンダムSEED
  • 機動戦士ガンダムSEED DESTINY
  • 機動戦士ガンダムSEED ASTRAY

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年02月10日 11:15

*1 参考までにアークエンジェル級は5機以上、ナスカ級やローラシア級は3~4機以上のMSを搭載可能とされ、他陣営のMS運用艦と比べてもイズモ級の搭載可能数はやや多いといえる。

*2 連絡船として運用された際にも武装類を外すなどして戦闘艦と見做されないようにしていたとも云われる。

*3 クサナギが離脱した後、カグヤはモルゲンレーテ本社と共には自爆している。