企業戦士YAMAZAKI

登録日 :2012/02/09 (木) 01:44:22
更新日 : 2017/09/23 Sat 20:04:27
所要時間 :約 5 分で読めます






24時間、戦えます。




富沢順原作のビジネス・アクション漫画。1992年から1999年まで、集英社の「スーパージャンプ」に連載されていた。
単行本は全12巻。OVA、Vシネマ化もされている。


■あらすじ
過労死したサラリーマン・尾崎達郎。
彼は人材派遣会社「NEO=SYSTEM社」により、「企業戦士(ビジネスコマンドー)」・山崎宅郎として甦った。
山崎はビジネスの達人として、瀕死の状態に陥った数々の企業を再生させてゆく。

しかし、山崎には秘密があった。
「企業戦士」とは、過労死した人間の脳髄と顔面皮膚のみを様々なメカニズムを備えた機械の体に移植させた、文字通りのビジネス・マシーンなのだ。
彼の脳の寿命は一年。
労災が降りず、遺された妻子にできるだけ多くの金を残すために山崎は“戦い”続ける。


■登場人物

  • 山崎宅郎(尾崎達郎)
演:イッセー尾形(Vシネマ版)/千葉繁(OVA版)
かつては巨大企業・集英商事に勤務するサラリーマンだったが、単身赴任先のソ連(当時)で過労死。
遺された妻子のため、「企業戦士」として再生する。

経営不振に陥った数々の企業を立ち直らせてきた実績は広く伝わっており、「特A級企業戦士」との異名を持っている。
いわゆる「団塊の世代」で、態度ややる気について長い説教をしたり、
仕事に関してはかなり厳しく冷徹だが、その裏にはビジネスを通じて「人」の繋がりと想いを確かめたいという真意が隠れている。

ライバル会社から派遣されてきた「企業戦士」による妨害行動(後述)に対しては、
眼鏡型アイテム「ヤマザキ=アイ」を装着し、 戦闘モード にモード変換する事で対応。
「名刺スラッシュ(名刺を手裏剣のように投げ、敵を切り裂く)」「ネクタイ・ブレード(ネクタイを硬化させて剣にし、敵を切り裂く)」などの必殺技で戦う。
山崎の繰り出す必殺技はほぼ毎回違っており、その内容も基本的に特撮ヒーローやアニメ・漫画・ゲームを元ネタとしているのが特徴。

作中、物語の転機となる場面で都合4回の強化を行い、それに伴って戦闘モードも、
「ヤマザキ」→「超戦闘モード・サンダーヤマザキ」→「最新型戦闘モード・ヤマザキX3」→「戦闘モード最終型・ヤマザキGT」とグレードアップしていった。

敵であっても女性には手を挙げることが出来ず、そのために危機に陥ったこともある。

  • 鹿島倫子
演:菅野美穂(Vシネマ版)/川上とも子(OVA版)
養護施設を脱走し、かっぱらいや売春まがいの行為で食いつないでいた不良少女。
仕事人間だった父が家庭を顧みなかった故に家族が崩壊したことを恨み、父への反発から素行不良となった。
いろいろあって山崎に同行する事になり、様々な人との交流によって成長してゆく。

  • 貴理香
演:高樹澪(Vシネマ版)/勝生真沙子(OVA版)
NEO=SYSTEM社の女性エンジニアで、山崎を始めとする企業戦士のメンテナンスを行う。
彼女も家庭崩壊を経験しており、愛人問題で母を死に追いやった父への憎悪から名字を名乗らない。
山崎や倫子にも常に冷酷非情な振る舞いをしていたが、最後には自ら山崎を救うために奔走する。


■企業戦士
人材派遣会社数社が共同開発した「最強のビジネスマン」、それが企業戦士である。元の人間の部分は脳髄と顔面皮膚のみ。
機械部分は金属バットの材料にも使われる超々ジュラルミンでできており、
そこにプラズマ砲、ミサイル、液体窒素噴射装置など各企業戦士ごとに異なる武装を内蔵している。

この漫画には、基本フォーマットとして毎回のクライマックスに行われる山崎と企業戦士の対決がある。
ライバル企業に派遣された企業戦士が商売敵である山崎の考案した商品・企画を山崎もろとも消滅させるか、
山崎を亡き者にして商品・企画を丸ごと強奪しようとするのだ。

敵企業戦士が仕掛けた攻撃が山崎を直撃し、それによって山崎の正体、
企業戦士の秘密を知った人間(その回におけるゲスト)が 「や、山崎さん……その体は……!!」 と驚愕する。
そして、企業戦士同士の戦いを経てゲストが自らの進むべき道を決めていく……というのが毎回の流れだ。

「企業戦士YAMAZAKI」の魅力はここにある。


人生の路頭に迷い、もがき苦しむ人間がある一つのきっかけで立ち直り、
未来を見据えていく……ポジティブでありながら決して押し付けがましくない山崎の言葉は、現代で生きる我々にも救いを与えてくれるのではないだろうか。


以下に改めて「山崎の名言」の一部を記す。

  • 「“人”が“動く”と書いて“働く”と読みます。お互い“人”として生きたいものですね」
  • 「戦い続けていれば、必ずや後を継ぐ者に想いは受け継がれる。ワタクシはそう信じたい! そしてやがてはそれが世の中を変えてゆくと――」
  • 「この世に生まれてきてしまった事が、すでに“結論”なのです。そのあと笑おうが、泣こうが、のたうちまわろうが、特に意味はない。
    ワタクシはただ――この生命が何の価値も持たなくなってしまう事をのみ恐れ、生き続けているのです」
  • 「王などいらん! 人はただ己れに仕えるのみ!!」
  • 「過ぎ去った、あれもこれも、すべての事が……輝く未来のためにあったはず。そう信じなくて人生に何の意味があるのでしょう。
    目指すべき自分の姿にたどり着くために、今、何を為すべきか――正面から過去を見つめる勇気を持つ者だけが……その答えを得るのです!」


■余談
毎回登場するゲストや敵企業戦士は、連載当時の有名人がモデルとなっている(一部例外あり)。
顔・名前と勤め先の社名が同ネタでシンクロしている、なんて事もあるので、ネタ元を調べてニヤリとしてみるのも一興かもしれない。
例:本条 隆(タチバナ電機デジタル事業部勤務。モデルは(現)藤岡 弘、



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