ファイナル・デッドブリッジ

登録日:2012/03/05(月) 21:10:36
更新日:2024/02/03 Sat 07:05:22
所要時間:約 5 分で読めます




おまえは、渡り切れるか。




ファイナル・デッドブリッジ(Final Desitination 5)は、ホラー映画『ファイナル・デスティネーション』の第5弾。
監督はジェームズ・キャメロンの元で助監督経験のあるスティーヴ・クォーレ。
前作に引き続き3D映画として製作された。

OP映像は前作までに登場した凶器がガラスを突き破りこちら側に向かってくる映像で、かなり迫力がある。

今回はシリーズのファンに通じるネタが豊富。詳しくはネタバレ欄を参照。

なお、前作まではR15+指定だったが、本作はR18+指定となっている。


≪あらすじ≫

ある日、シェフ志望のサムは会社の研修旅行のために貸し切りバスに乗っていた。
しかし、その道中で差しかかった一部工事中の巨大な吊り橋であるノースベイ・ブリッジで、強風で橋げたが割れ、ワイヤーが外れ橋が倒壊し、大多数の死者が出るという予知夢を見る。
その騒ぎでサムを含めた同じ会社のメンバーたちがバスを降りるが、予知夢の通り吊り橋は倒壊し、バスに残っていた社員を含む大勢の死者が出た。
その現実に狼狽するサムだったが、数日後バスを降りた生存者の一人が事故で死亡する。
愕然とする一同の元に現れた謎の男・ブラッドワースは、サムが橋で死ぬという死の運命を歪めたと言う。
そして彼は「違う人間の命を捧げばその死の筋書きを歩める」とも告げた。
サムは死の運命を変える方法を見出せるのか。それとも他人を犠牲にするのか…


≪登場人物≫
  • サム・ロートン(演:ニコラス・ダゴスト 吹替:杉山紀彰
主人公。
現在の本業はプレサージ・ペーパー社のセールスマンだが、シェフになるという目標を持ちフランス料理店でのアルバイトもしている。
パリの料理店で修行するチャンスを掴むなど料理の腕は確かだが、一方でセールスマンとしては不振に陥っており、ピーターからは「リストラの必要性が出た場合には真っ先に対象になる」と言われている。
セールスマンを辞めてパリへ行くのか、行くのならモリーに同行を求めるのかを迷っていた中で彼女に別れを切り出されるが、それでもなお彼女を想い続けている。
最愛のモリーが死のリストに載っていないこともあり、作中では死の運命に対して受け身の姿勢であり、あまり死の運命を変えるために躍起になってはいなかった。

  • モリー・ハーパー(演:エマ・ベル 吹替:三ツ木勇気)
ヒロイン。
サムの同僚で恋人だったが、彼がパリで修行に集中できるようにとあえて別れを切り出していた。
事故以来真摯に接するサムとよりを戻す。
予知夢では橋の事故で唯一橋の袂に逃れることに成功していたが…

  • ピーター・フリードキン(演:マイルズ・フィッシャー 吹替:近藤隆
サムの同僚のエリート社員。
同僚たちの中ではサムと一番親しく、「セールスの仕事とシェフ修行のどちらかに集中するべき」と苦言を呈したり、モリーに別れを切り出されて混乱する彼に「とにかく謝るべき」とアドバイスしたりと、何かと気にかけている。
エリートらしく仕事に対しては基本的に真面目だが、恋人・キャンディスに「研修中はあくまで見習社員として扱う」と言いつつ、こっそり夜の外出禁止令を無視した「裸のミーティング」に誘うといった俗物な面もある。
聡明で優しい男だったが、恋人の無残な死を目の当たりにして以来酒浸りになるなど精神の均衡を崩し、徐々に常軌を逸脱していく。

  • キャンディス・フーパー(演:エレン・ロー 吹替:新井里美
ピーターの恋人で、見習社員として働く大学生。大学体操部の体操選手も兼任している。
女の色気を前面に押し出すオリヴィアとは性格が合わず、研修旅行の出発前には皮肉交じりの軽口を叩き合っていた。

  • ネイサン・シアーズ(演:アーレン・エスカーペタ 吹替:佐藤せつじ)
プレサージ・ペーパー社が運営している製紙工場の副工場長で、軽い性格の黒人。
まだ若くて経験浅いために古株の従業員たちにナメられており、中間管理職的な立場に悩んでいる。

  • デニス・ラップマン(演:デヴィッド・ケックナー 吹替:後藤哲夫)
サムたちの上司(営業管理部門部長)。
無意味に威張る、部下の名前はいちいち覚えてない、容疑のかかった部下を庇うこともせず警察に密告する典型的なクズ上司。
だが言動が理不尽を通り越してギャグの領域に片足を突っ込んでいるので、人によっては「不思議と憎めないおっさん」と感じるかもしれない。

  • オリヴィア・キャッスル(演:ジャクリーン・マッキネス・ウッド 吹替:木下紗華)
サムの同僚。
ファッションや振る舞いはどこからどう見てもビッチだが、おしゃれのためというより酷い近視だからメガネをかけているという生粋のメガネっ娘。
ある意味斬新な属性持ちである。

  • アイザック・パーマー(演:P・J・バーン 吹替:丸山壮史)
サムの同僚。
卑屈でセコいキモデブ。そのくせ女遊びが激しい。
頻繁に誰かから連絡がかかってくるため携帯が手放せない。

  • ジム・ブロック(演:コートニー・B・ヴァンス 吹替:水野龍司)
FBI捜査官。
橋倒壊事故から始まった連続する変死事件に疑問を抱き、独自で捜査する。

  • ロイ(演:ブレント・ステイト)
製紙工場の作業員。勤続15年以上のベテランで、現場作業員のトップ。
しかし、ギャンブルや酒に溺れ、離婚した妻への養育費の支払いにも四苦八苦するなど、現場の人間には慕われているとはいえかなりの問題人物でもある。
若くして副工場長となったネイサンのことを敵視しており、すぐに文句を付けては彼をいびっている。

  • ウィリアム・ブラッドワース(演:トニー・トッド 吹替:土師孝也)
ご存じ謎の黒人。
今作では葬儀屋ではなく検死官として登場し、サムたちに死の運命の再訪を警告する。
彼が口にした新たなルールによって、死の筋書きは更に混迷化することとなる。












以下、死に様のネタバレ












  • 冒頭の吊り橋(ノースベイ・ブリッジ)崩落事故
工事のために路面の一部に切り込みを入れて穴を開ける作業が行われていたが、強風のためか切り込みの部分から亀裂が発生、更に吊り橋を支えるワイヤーの一部が外れたことで、一気に路面が崩壊を始める。
慌てて車外に出たサムたちだが、キャンディスはバスから出た際によろけて進み過ぎたために路面の亀裂の向こう側に取り残され、運悪く真下を通っていたヨットのマストに転落し串刺しにされてしまう。
電話のためにバス後部の化粧室に籠っていたアイザックは退避が遅れてバスごと川へ転落し、水面に叩き付けられた。
サムたちの目の前で橋の袂へと続く路面は完全に崩落してしまったが、サムは辛うじて残っていた鉄骨の骨組みをモリーに渡らせ、なんとか彼女を逃がすことに成功する。
モリーに続こうとしたサムだが、混乱の中でメガネを落とし狼狽えるオリヴィアに気付き、彼女を先に渡らせようとする。
近視の酷いオリヴィアは這うようにして鉄骨の上を進むが、もう少しでモリーの手が届くというところで鉄骨が大きく傾いたために川へと転落、追い討ちをかけるように落下してきた車の直撃を受けた。
ネイサンは吊り橋から外れて揺れていたワイヤーの留め具に吹き飛ばされ、傾いた路面から滑り落ちかけたデニス部長は横転した容器から溢れ出した溶けたアスファルトをまともに浴びてしまい、川へ落ちていく。
ピーターとサムは橋が完全に崩れ落ちる寸前で、向こう岸の路面から垂れ下がった手摺りの残骸に飛び移るが、バランスを崩したトラックの荷台から落下した鉄筋がピーターを串刺しにする。
そして次の瞬間、鉄筋を載せていた金属の薄い波板も荷台から滑り落ち、モリーの目の前でギロチンのようにサムの身体を両断した…

  • キャンディス
器械体操中、エアコンから平均台上に落下したネジと水による扇風機の漏電をことごとくスルーして平行棒へ。
が、後続の選手が平均台のネジを踏んで倒れた拍子に滑り止め用の石灰をブチ撒け、それが扇風機の風に巻き上げられて大車輪中のキャンディスの視界を塞いでしまい、棒を放して着地失敗。
胴体と首がありえない方向にサバ折りになった(マッスルグラヴィティを受けた場合を想像すれば分かります)。

  • アイザック
中国マッサージでマッサージ師が席を外した時に火災発生。
更にベッドから転げ落ちて鍼治療の針が深く刺さった上に、携帯の振動で落ちた蝋燭が床のこぼれたアルコールに燃え広がり焼死しかかるもスルー。
と思いきや頭上の棚にあった仏像風の置物(アイザックは「ブッダ」と呼んでいたが形状的には布袋に近い)が落下し頭を潰した。

  • オリヴィア
レーシック治療で医者が席を外した時に水の漏電が原因で機械が故障し出力が急激に上昇。
焦ったオリヴィアはリモコンの緊急停止ボタンに手を伸ばすものの床へ落下し、その拍子にレーザーが高出力で照射。
片目と手を焼かれながら椅子の拘束を解いて脱出したものの、その際に外した目の固定用金具を踏んでしまい、転倒した拍子に窓にぶつかってそのまま突き破り、転落死。
更に無事なもう一方の目も衝撃で転げ落ち車に潰された。

  • ロイ(本来はネイサン)
工場内でネイサンに文句を付けている最中、頭上のクレーンの異変に気付いたネイサンの忠告を聞かずに揉み合いとなり、急降下してきたクレーンのフックが足場に直撃したことで転落。
その拍子にフックが首から頭に貫通して死亡。結果的にネイサンの身代わりとなった。

  • デニス
工場のローラーに台の上に置かれていたレンチが落ちてしまい、高速で弾き飛ばされたレンチが頭にめり込んだ。

  • ブロック捜査官
ピーターを怪しんで尾行していたところ銃声を聞いてレストランに入ったが、そこではピーターがモリーだけが予知で事故を免れたことに逆上し、彼女の命を捧げて助かろうとしている最中。
巻き添えを食らう形でピーターに射殺された。

  • ピーター
モリーを殺そうとしたところ、後ろから生肉用の銛でサムに刺殺される。
これでサムはピーターから引き継ぐ形でブロックの死の筋書きを生きることになったが…


≪死のルール≫

今回の順番は
  • キャンディス
  • アイザック
  • オリヴィア
  • ネイサン
  • デニス
  • ピーター
  • サム
主要人物だが、モリーだけは橋の事故を逃れている。

○新ルール
「誰か代わりの命を差し出せばその人間の寿命を生きられる」。
毎度ブラッドワースが示す推論だが、本作では2度実行される。
これにより後半はこれまでのシリーズとは異なる流れとなった。








  • 2週間後…
全てを終え、シェフの修業のためにパリに行くことになったサムとそれに付き添うモリー。
パリ行きの飛行機に意気揚々と乗り込む2人だが、出発直前に妙な言い争いをしながら旅客機を降ろされる男達を目にする。
アレックス」という学生が暴れているらしいが…
そしてジョン・F・ケネディ国際空港を離陸後、嫌な予感が彼の頭をよぎる。
CA曰く、「さっきの学生が嫌な夢を見た」という。まさか…!
その飛行機は2000年5月13日午後9時25分発、ヴォレー航空180便
次の瞬間、機体が激しく揺れ、エンジンが火を噴く…!
脱落した部品の衝突で開いた穴から機外へ投げ出されたモリーは尾翼に衝突して身体を両断され、絶望と共にサムは爆発の炎に焼かれた…

  • ネイサン(2周目)
バーでロイの友人から、検死の結果ロイが脳に巨大な動脈瘤を抱えており、 すでに余命わずかだった という事実を知らされるネイサン。
ネイサン「いつ死んでもおかしくなかった?」
ロイの友人「運命は残酷だ
次の瞬間、バーの天井を突き破った180便のタイヤが彼の頭上に…


≪備考≫

上記のように、本作は実は時間軸的には1作目よりも前に位置する。
バスの車内で流れていた研修用ビデオがVHSであったり、アイザックが頻繁に使用している携帯電話がアンテナ付きの折り畳み式である上に着メロが1和音というかなり古い形式のものであったりと、その伏線はかなり早い段階から張られている。
また、ブラッドワースの職業が異なることについても、サムたちと会った時点では葬儀屋起業の準備中で、180便墜落事故までの2週間の間に退官して本格的に転職したと考えればつじつまは合う。

ちなみに、サムがアルバイトをしていたフランス料理店の店名は『1』のラストでカーターを押し潰した看板の店と同じ「MIRO 81(恐らく支店)」である。


追記・修正はパリへ無事着いてからお願いします。

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最終更新:2024年02月03日 07:05