テイルズ オブ シンフォニア

登録日:2010/11/28(日) 01:09:45
更新日:2024/01/14 Sun 08:23:16
所要時間:約 6 分で読めます





大地が死に瀕するとき、人々の中から神の御使いが現れ、世界を反転させる。

世界は生まれ変わり、御使いは神として世界を慈しむだろう。

――今、世界再生神話発祥の村から物語は始まる。


君と響きあうRPG

TALES OF SYMPHONIA



『テイルズ オブ シンフォニア』は、テイルズオブシリーズの一作。


★概要

2003年8月29日にナムコから発売されたニンテンドーゲームキューブ用RPG。この時はGCディスクの容量の限界の関係上ディスク2枚組。
後、2004年9月22日に多数の追加要素を盛り込み「完全版」としてPS2に移植された。現在はPS2bestとして廉価版も発売中。
2013年10月10日にはTOS誕生10周年記念作品として、TOS-Rと一緒になったPS3HDリマスター版のユニゾナントパックが発売された。
TOS側の追加要素は秘奥義カットインの新規書き下ろしとコスチューム衣装の追加で、それに加えてテーマソングのアレンジ版収録も行われている。
ただしリメイクで無かった事は賛否両論(手抜きと酷評された一方で、PS2版TODのストーリー改変に不満を持っていた層は安堵していた)で、
またTOWRM3でしいなの秘奥義として正式採用された降霊召符・心(ヴェリウス)が追加されなかった事を残念がるファンも多かった。

今購入するならPS2かPS3版を…と言いたいがPS2版以降はGCとのハードスペックとの差でフレームレートが下がりロードも長くなったり弊害も生じており、唯一の60fps動作でロードもほぼ皆無のGC版もまだ捨てがたい。

2023年2月16日にPS4Nintendo SwitchXbox Oneで『テイルズ オブ シンフォニア REMASTERD』が発売され。解像度はフルHDとなったものの、PS3版ベース移植で30fps動作のままとなっている。
また、最適化不足やボイスの間違いなどの不具合が見受けられ、特にSwitch版に関しては「ロードが長い」「一部場面で不自然な処理落ち」といった不具合や「スキット背景が真っ黒」「戦闘突入演出が省略」などの簡易化も見られ。2月24日には公式Twitter(現X)でSwitch版の不具合修正を行う旨がアナウンスされた。
戦闘中の処理落ちに関しては、コレットをパーティーから外すと軽減するという回避策がユーザーによって発見されていたが。
世界は(処理落ちから)救われる。彼女を(パーティーから)失えば。
8月22日配信のVer1.3アップデートにおいて、目立った不具合は概ね解消している。


女神マーテルや精霊、地図など、一部テイルズ オブ ファンタジアとつながる部分があり、同世界の物語とされ、ファンタジアより遥か過去を描いた作品である。



★ストーリー

今から4000年位前、世界はディザイアンの起こした戦争の最中にあった
勇者ミトスとその仲間たちは、聖地カーラーンで女神マーテルと契約を結び、ディザイアンを封印し戦争を終結させた…

時は流れ現代、封印されたはずのディザイアンが再び現れ、シルヴァラントに恐怖をもたらしていた
人間を支配し、拉致した人間を収容する「人間牧場」と呼ばれる生体実験施設を各地に造営するなど、おぞましい所業を繰り広げていた
ディザイアンの支配と世界の衰亡に喘ぐ人々は、世界を再生する「神子」の登場を心待ちにしていた

神託の村イセリア
ある日、学校でロイドは幼馴染の少女コレットに神託が降りたことを知った…

と、これだけ見るとテイルズオブシリーズらしい話。

……だが、その中身は主人公・ロイドが幼なじみや先生、巨乳やロリやショタにイケメン、
果てはおっさんとフラグを立てまくるという恐ろしい話なのである。


……あたかもネタゲーであるかのように書いたが、これはあくまでもそういう一面だけ露骨に切り取ってみるとそう見えるだけで、
サラっと書かれている「人間牧場」などという設定から何かヤバイ雰囲気がした初見の方もいると思われる。
実際外伝作品などから本作を知ったり、先にも書かれているネタにすらされた攻略王ロイドネタであったり、シリーズでも屈指のキャラ間の仲の良さなどが有名である為未プレイ者には明快な王道路線の作品とよく誤解されることがあるのだが、
本作のテーマの一つは「差別」であり、ストーリー開幕から終わりまで定期的にそんな陰惨な人種差別描写が挟み込まれ、それらによる迫害であったり、人間もモブのみならず展開次第ではメインキャラクターですらバンバン死ぬ上救いがない展開も相当な数があり、おまけに作中で必ずしもそれらの問題を解決する道筋が示されるとは限らないなど、ストーリー・設定ともにかなりヘビー。王道RPGというのは立派な詐欺である。
裏設定も込みにすると、ヒロインや一部パーティメンバーがどこまでも救いの無い中で「生かしてもらっている」のかも分かり猶更鬱になる。

しかも仲良しパーティーと書いたが……確かに目立った諍いや対立こそしないと思いきや裏切りなどが普通に起こるなど、ファンから別名「君と裏切りあうRPG」等と言われてしまう様な展開が非常に多い。パーティの仲が悪い事で有名なアビスが割と優しく見えるレベルで。(あっちは中盤あたりまでメンバーの仲こそ悪いが裏切りは一度も無い)
2023年現在の高度なグラフィックに従ってリメイクなどを行った場合、ファンの間では確実にCEROが大きく上がる・或いは露骨なマイルド化がなされる事は確実視されている程である。(ちなみにGC版のレーティングは信じられないことに全年齢である。PS3版では当然のようにレーティングが上がっている)
その為良くも悪くも2003年当時、未熟な3Dグラフィックだからこそ可能だったストーリーと評されることも多い。



★システムなど

初の3Dテイルズである。
前作は戦闘システムの完成度こそ高かったものの、ぶっちゃけ上級者・マニア向けなシステムだったので、
本作はエターニア同様に分かりやすいシステムになった。
敵とPTキャラが見えない線でそれぞれ繋がれているという、いわゆる「3Dで2Dバトル」とも言うべきバトルシステムで、
前作にあった技のカスタマイズ性などはほぼ省かれたものの、直感的に分かりやすいものとなった。
一応プレイヤーの好みが出る育成要素として、Sタイプ(単独の敵に強力な攻撃を行う)とTタイプ(複数の敵を巻き込めたりヒット数が多い)という技習得の分岐要素がある。…Tタイプの方が圧倒的に強いのは内緒。

ただし、初の3Dテイルズである為後の作品では基本搭載されているシステムはないものが多い。
具体的にはフリーランが存在しないため、3D空間であるが自由に動き回ることは不可能。敵やNPCは動けるが。
これについてはジアビスの項目にもあるが、バランス調整の為というやむにやまれぬ事情がある。*1
また、オーバーリミッツは任意使用できない他*2、秘奥義で戦闘中の時間が止まらないなど*3後のシリーズではまずありえないような仕様も多く、初の3Dでありながらシリーズでは結構異端なシステムでもある。
ちなみに本作の秘奥義は術系には戦闘中の回数制限はないが、技系は1戦闘につき一度という制限がある。

またGC版は進行に関係するものはほぼ存在しないものの、バグが多いことでも有名。(タイプ共存バグやロイド一刀流バグなど)
ほぼ全てがプレイヤーに有益なものなのであんまり気にされないが。
中でもGC版では極めて便利であったEXスキルの「スラッシャー」絡みの有益なバグの修正は多くのユーザーに嘆かれた。



★パーティーメンバー

☆シルヴァラント

CV.小西克幸
双剣士。
フラグ立てまくりの主人公。通称は攻略王。
クールになりたいけど結局血気に逸ってしまうお年頃。熱しやすいが冷めやすいのが偶にキズ。
二刀流の理由は、「1本の力が100なら、2本で200」になるから。
手先が器用だが、学力が低い。
トマトが嫌い。
秘奥義があるが、使おうと思うと上から4番目の武器に固定されてしまうので若干使いにくい。……というか威力もそんなに高くないので使わない方が強い。
演出はすごくかっこいいので必見。またオーバーリミッツ無関係に使える。

CV.水樹奈々
メインヒロインで、ロイドの幼馴染。金かわ。
ドジっこでずっこけ盗賊でぺったん子。
こう見えてTOAティア・グランツと同い年である。
発育が…
秘奥義が後の外伝などと違って、ヒット保証がない(つまり全弾外れもあり得る)という本作が初3D作品なのを象徴するかの仕様がある。

CV.折笠愛
12歳。名前の通り天才な魔術師でショタ。
背伸びがちな毒舌屋だが家事能力マイナス全振りな姉に代わって家事炊事もこなす台所の小さな巨人。
武器が剣玉…なので通常攻撃のクセが強い。
同年代の同種族であり、似たような境遇にあるミトスと仲良くなる。
プレセアが好きだが、緊張してちゃんと会話できない。
最年少なのに料理熟練度がパーティー最高。姉さんェ…。
GC版から秘奥義が存在していたが、条件次第でこの秘奥義を連射できるバグがあったりした。


CV.冬馬由美
回復担当でロイド達の先生。
お姉様ポジション。
ジーニアスの姉で、イセリアでは先生だった。
遺跡を前にすると豹変する。
料理の腕は壊滅的。やたらレモンを足したがる。食べた後はファーストエイド必須。
PS2版以降ではあるが、地味に通常使用できる秘奥義が二つあるなどある意味パーティー1優遇されているかもしれない。

CV.立木文彦
魔剣士。おっさんその1。
世界再生の旅に出るコレットの傭兵として雇われる。特にロイドを気にかけているようだが…?
剣の腕は確かで博識だが、トマトが嫌いという一面も。
秘奥義はたぶん本作で一番使う機会が少ない。隠れたネタ技として有名。

☆テセアラ

CV.岡村明美
召喚士で忍者。ナイスメロンな姉御肌。
DJKでよく穴に落ちる。
ゼロスとよく絡むが、当人はロイドが好き。
ちなみに召喚術が実質秘奥義扱いされているため秘奥義は存在しない。

CV.桑島法子
ロリ担当。見た目に反してクールな斧っ娘。
夢見る黒き旅人やにくきゅうまにあなど、ネタ的な称号が多い。
CV的に心配だが大丈夫、死なない。
なぜか秘奥義のカットインが一人だけ優遇されている他、鍛え上げれば裏ボスすら一撃で屠る威力と化す。
心配ない、合法ロリである。
設定上仕方ないが、料理の腕はリフィルよりはマシであるもののPT内ワースト2。

CV.小野坂昌也
魔剣士。テセアラのマナの神子。でっひゃっはっはっは。
イケメン担当だが、軽い感じから二枚目半に見える。女に優しく男に冷酷。
ロイドを『ハニー』と呼んだりする。得意科目は数学でここはジーニアスすら凌駕する。
守備範囲は幼女〜精霊まで。
セレスという超かわいい異母妹がいる。
ルートによっては悲惨なコトになるが、公式では生存ルートが正史。
秘奥義を二つ持っているが、片方はやたら条件が厳しい上に弱いので、もう一つの秘奥義(こちらは強力)をメインで使うことになる。
リフィルと違って使い分ける意味はほぼない。

CV.大塚明夫
おっさんその2。足技で戦う尻餅ダンディ。
にくきゅうだんでぃでもある。
ダンボールは被らないが料理は得意。
続編ではガッカリーガル呼ばわりされた秘奥義だが、本作で使った秘奥義はかなりカッコよく、強力。
光りすぎて何も見えないとか言われるけど。
また何故かGC版では一つもユニゾンアタックの複合技が無いという冷遇を受けていた。



★サブキャラクター

  • ミトス
CV.高山みなみ
焼け野原になったオゼットで出会った少年。
年齢が近いジーニアスと仲良くなる。

  • マーブル
イセリア人間牧場に収容されている心優しい人間のおばさん。
彼女との出会いと悲惨な別れがロイド、ジーニアスの運命を決定付けることになった。

  • ノイシュ
ロイドの飼っている犬(?)
レアバードが使えるようになると途端にお役御免。

  • ダイク
イセリアから少し離れた自然あふれる場所に住むドワーフ。良くも悪くも熱血な職人気質。
ロイドの父親代わりであり、ロイドを厳しくも大切に育て上げた。
彼らドワーフに伝わるドワーフの誓いは、ロイドの性格構成にかなりの影響を与えた。

  • タバサ
テセアラのドワーフ・アルテスタが造ったメイドロボ。

ゼロスの妹。正確には異母妹。
トイズバレー鉱山の南東にある修道院で暮らしている。
彼女絡みのゼロスの裏設定は本気でえげつない。

しいなが契約することになる、個性豊かな精霊達。



★敵キャラクター

  • ユアン
コレットをさらおうとしたり、ロイドの邪魔をしたりする。
四千年前の勇者のひとり。
無限キックの被害者。

ディザイアンのお偉いさんで人間牧場を管理している。
どこかの六神将みたく二つ名は付いてない。

五聖刃の上司にあたる
ディザイアンの長兼クルシスの最高責任者である天使。
世界を二つに分けた。



この作品一番の特徴として、
好感度最高のパーティーメンバーとの個別イベントが設定されている点が挙げられるだろう。
ちなみにこの個別イベントでしか語られない裏設定的な話も存在し、それらを聞くとまた印象が変わるキャラも多い。特にゼロス。
アイテムや称号をすべて取ろうと思ったら、パーティーキャラクターの分だけ(一部一緒に取れるが)周回をこなさなければならない(最低でも3週掛かる仕様になっている)

好感度を見るには、一部サブイベントの他、トリエットの占い師に恋愛運を見て貰うことでもわかる。
『…アンタあたしをバカにしてるの!? あんたたちとっくにラヴラヴじゃないの おめでとう。末永くお幸せに』

たとえクラトスだろうとリーガルだろうと好感度一位ならラヴラヴなのである…うん。
これがネタにされたのがかの有名な『攻略王ロイド伝説』である。
……こんなネタがあって、かつネタにされていても正直本作のストーリーの重さを相殺できないあたり本作の重さは人によっては本当にキツイのである。



★用語

☆シルヴァラント・テセアラ
本作における世界の名前。シルヴァラントが「衰退世界」、テセアラは「繁栄世界」となる。
シルヴァラントでは月のことをテセアラと呼び、テセアラではシルヴァラントが月と呼ばれている他、黄泉の国とも言われている。
元々は一つの世界だったが、ある出来事により無理やり引き裂かれ、現在は別世界(正確には歩いて行けないお隣さん)となっている。
シルヴァラントは文字通りマナ不足などによる不作や貧困などに苦しみ喘ぐ貧しい世界で、逆にテセアラは満ち満ちたマナの元栄華を極めた豊か過ぎる世界である。
現在は一部の転送装置やごく限られた条件の元開かれる『異界の扉』と呼ばれる地点でのみ行き来が可能。二つの世界を行き来し、両方の世界を救う方法を探すのが中盤以降の目的となる。
名前の由来はファンタジアの同名の月の名前。
(話としてはこちらが遥か過去の話という設定の為、設定上ではこちらが参照にされたのが正しいか)


☆世界再生の旅
衰退した世界において、マナを復活させディザイアンを消滅させるための旅。
旅に出るのは16歳と決められている。
ちなみにシルヴァラントにおいて、コレット以前に伝えられている神子は全員死亡しているということは知られている。
そしてコレットはこの事を4歳の時に教えられて育てられたという酷い裏設定がある。

…その実態は「世界のマナの流れを変えて繁栄世界と衰退世界を逆転させること」「マーテルの器を作り出すこと」というクルシスによる計画。
もしもこの旅を完遂したとしても、マーテルの器にされるだけであり、何も救われずただ入れ替わるに過ぎないという酷い真実がある。しかも失敗したら死亡確定。何れにせよここに辿り着いた神子は生きて塔を出る事は無い。
年齢が16歳なのもこの器にするに最も優れているからというこれまた酷い理由。
しかしシルヴァラントの神子が悉く暗殺され長年世界再生を完了出来ていなかった為、両世界の繁栄と衰退のバランスがかなり歪な事になっている。


☆エクスフィア
肉体や術を強化する石。主にテセアラのトイズバレー鉱山の深層で採掘される。
テセアラにおいては強化よりも工学の材料にされており、大陸を結ぶグランテセアラブリッジには制御に3000個ものエクスフィアが使われている。
ロイド達が魔物やディザイアン達と戦えているのも彼らがこれを身に着けているからで、素の能力では魔物とさえ満足に戦えない。
採掘したばかりでは使えず、人間に植え付けて遺伝子に着床させ、極限まで痛めつけて苦しめながら成長させなければならないという人道的にアウト過ぎる代物。
というかそもそも石ではなく無機生命体というひとつの生命体である。
皮膚につけて使うが、この遺伝子に着床し「寄生」するという点が厄介であり、要の紋というドワーフの技術で加工した特殊金属を併用しないと何れは死に至ってしまう。要の紋をつける事でこの「寄生」を防ぎ、能力強化のみを享受できる。
要の紋無しの状態の人間から取り外そうとすれば体内のマナが暴走を起こしてエクスフィギュアというサボテンのような異形の怪物に変貌してしまう。
上記の人間牧場とは、これの製造工場である。
本作の黒い設定筆頭にしてみんなのトラウマ。

☆人間、エルフ、ハーフエルフ
本作における主な種族。他にもドワーフや魔族や(種としての)精霊も居るが割愛。
メインとなる人間、隠れ里ヘイムダールに住まうエルフ、そして彼等の間に生まれたハーフエルフ。ただしファンタジアと同様、そう呼称されるのは直下の第一世代のみである。
本作の未来とされたファンタジアとは異なり、ハーフエルフは人間からもエルフからも迫害されている。
人間を痛めつけているディザイアンは全てハーフエルフであり、それ以外のハーフエルフの迫害の一因になっている。

その迫害ぶりはファンタジアの比ではなく、シルヴァラント・テセアラ共通で種族が知れた途端白い目で見られるなんて序の口、テセアラに至っては『ハーフエルフ法』なる人権無視の悪法が罷り通っておりハーフエルフが犯罪を犯せば例外なく処刑、優秀なハーフエルフは王立研究所に生涯監禁されて働かされる。
テセアラの住民も子供のころからハーフエルフは野蛮で醜い生き物と徹底的に教育され、パーティメンバーの一部も表に出さないがハーフエルフへの差別感情を持っていたりする(冒険が進むごとに解消し、サブイベント進行次第ではハーフエルフ法撤廃案までは持ち込めるが)*4

☆(マナの)神子
マーテル教会の伝承にある、「マナの血族」から生まれる世界を救う者のこと。
クルシスの輝石を握って生まれてくる。作中ではコレットとゼロス。

…とされているが、実際のところこれもただの嘘であり、世界を支配するための方便でしかない。
どういうことなのかというと、そもそもマナの血族というのが「クルシスの認めたマーテルの固有マナに近い存在」というものである。
神子というのはその中で最もマーテルに近い固有マナを持つものを神託というお題目で認定したもの。
つまりもしただの一般人の中にマーテルの固有マナに近いものが現れた場合、今まで縁がなかった一般人が突然マナの血族とされるという事態すら発生する。
(詳しい内容は裏設定としてしか語られていないのだが、ゼロスの母親はこの被害者でもある)
繁栄世界の神子が男で、衰退世界の神子が女なのもここら辺が絡む理由となっている。
というのも、衰退世界の世界再生の旅はクルシスにとっての「マーテルの器」を作る為の作業でしかないし、
そして繁栄世界においてはマナの血族(マーテルの固有マナに近いもの)の血を絶やさないための身分統制・保護であるという事情から、
いわばクルシスにとっての種馬みたいなものである、ということ。
そのため衰退世界では女が生まれるように、繁栄世界では男が生まれるように意図的な調整までされている。
器にされるためだけの衰退世界だけが悲惨なものだと思いがちだが、一見奔放に暮らしている繁栄世界の神子にも自由なんてものは存在しないのがこの世界なのである。

本作の闇の象徴みたいな設定の一つで、裏設定込みで考えると全年齢で出したことを疑うファンも多い。

☆クルシスの輝石
神子が生まれてくるときに握っているものであり、神子の証とされるもの。
その実態は「ハイエクスフィア」と呼ばれるもので、エクスフィアと同等の性質も持つ。
(要の紋無しでは体に毒など。コレットが感覚喪失などの酷い目に遭ったのはこれが原因。)
ちなみに握って生まれるとあるが、実際のところ握って生まれるというのは嘘であり、生まれた時にクルシスが神子に与えている。
また、ロイドの使用するエクスフィアは輝石としては未覚醒ではあるがこれに該当し、
プレセアのものも要の紋が取り付けられたことで中断こそしたが、これの実験作に該当する。

☆エレカー
正式名称はエレメンタルカーゴ。
本来は陸上貨物用のものだが本作ではウンディーネの力を使って無理矢理水上を移動する。人によっては操作中に酔う。
これだけ見るとよくある海上移動の乗り物だが、材料はエクスフィア。つまり、人の命を使って作られたというダークな設定がある。

☆レアバード
マナを動力に空を飛ぶハイテク機器。転移装置と併用すれば2つの世界さえ行き来できる。
元ネタは同名の用語にたがわずファンタジア由来。
そしてこれも材料はエクスフィア。もうやめちくり…。

☆ディザイアン
世界を恐怖に貶める悪の組織。衰退世界にのみ存在する。
基本的にハーフエルフで構成されている。
その正体はクルシスの下位組織で、衰退世界で暴れて「世界再生の旅」の名目で神子に適度な恐怖を与えてクルシスの輝石を成長させることと、とある計画の為人間牧場でのエクスフィアを製造する目的とした壮大なマッチポンプ用の組織。あくまで輝石を成長させるだけなので神子のことを殺しはしない。
要するに「ディザイアン」という分かりやすい「悪」を用意することで人々の恐怖を煽り、
教会及びクルシスという「正義」に人々が依存しやすくなる構図を作り出しているのである。

☆クルシス
マーテル教会の元締め。多くの天使が所属している。
マーテルの器を作ることが目的であり、そのためにマーテル教会を表では運営している。
それと同時に、ディザイアンの上位組織でもあり、こちらを利用して必要なエクスフィアの生成などを行っている。
世界再生の旅というのもクルシスからすればただの名目の計画遂行でしかないため、世界が救われることなど決してないのである。
こんな事実がどちらの世界でも明らかになれば大混乱も良いところなのもあり、ごく一部の真実を知る関係者以外へこの事実は伝えられることなく隠蔽されあくまでも正義の組織的な扱いを行われたことが続編では明らかになっている。
だがその結果コレットがあまりにも酷い中傷を受ける原因にも繋がるという最後までろくでもない組織であった。

☆レネゲード
クルシスに対抗するべく作られた地下組織。こちらも構成員の大半がハーフエルフ。
表向き存在を隠す為一般兵士はディザイアンによく似た服装をしている。ディザイアンの仕業とされている所業の中にも彼等の暗躍があるかもしれない…?
マーテルの復活を阻止するべくシルヴァラントでは神子の暗殺や人間牧場からエクスフィアを盗んでテセアラに横流ししたり色々やっている。


☆救いの塔
世界再生の旅の終点。二つの世界をつないでいる。
二つの世界に存在するが、世界を繋いでいる関係上どちらも同じ存在であるらしく内部構造は同一。
ちなみに繁栄世界にしか存在しないため、厳密にはマナの逆転はコレットが最初の神託を受けた時点で始まっている。
この塔で神子が祈りを捧げることでいわゆる「世界再生の旅」は完遂されるのだが…
実際のところ、ここで完遂した神子は前述の通り「マーテルの器」とされて死亡する。
マーテルの器に出来なかった「旅を完遂した神子」が捨てられている棺はトラウマもの。
また、クルシスの本拠地のウィルガイアにもここから繋がっている。つまり宇宙にある惑星まで直結している事になる。

☆人間牧場
ディザイアンが経営している強制収容所。シルヴァラントに4箇所存在する(イセリア、パルマコスタ、アスカード、絶海)。
名前からしてもうアレ過ぎるが、その名の通り捕らえた人間に採掘したばかりのエクスフィアを(要の紋なしに)装着させ、
強制労働などで徹底的に痛めつけ生命力を吸い上げるなどして成長・覚醒させテセアラなどに出荷するというまさに牧場である。
収容された人間は少しでも監視員の気に障れば…そうでなくとも連中の気まぐれで容赦なく鞭打ちなどで痛めつけられ、時には「間引き」と称され公開処刑されるなど文字通り「家畜」として虐げられる。
それを耐え抜いたとしても、アスカード牧場の描写を見るに出荷時に殺されるものと思われるので結局希望はない。
仮に脱走したとしてもピエトロのように呪われて自我を失ったり、いずれは要の紋なしのエクスフィアに取り込まれてエクスフィギュアと化すかである。
更に、エクスフィアを加工する為の魔導炉で多量のマナを消費している為、唯でさえマナが少ない衰退世界をより逼迫するという側面もあり、上記の設定も併せると衰退世界は徹底的に搾取される立場にある。

警備も厳重らしいのだが、毎度やたら手薄な裏口だの即席の変装やらでロイド達の侵入を許すザルさを誇る。
またどの牧場にも何故か自爆装置が取り付けられており、フエル爆弾ことリフィル先生によく爆破されている。
真面目に考察するなら、世界再生の旅によって繁栄世界と衰退世界が入れ替わった際、ディザイアンはかつての繁栄世界だった片方に移住しあちらで同じく暴挙を振るう事になると思われ、使わなくなった方の牧場を手っ取り早く始末する為…かもしれない。

☆天使
クルシスに大半が所属する存在。マーテル教会の神託などを行っている。
…というのは表向きの事情。実態はカーラーン大戦時に生まれた戦闘技術で、本質的には「ハイエクスフィアを装着して体内時間を止めた者」が該当する。
翼が直接生えているタイプと光の翼をもつ天使の二タイプ存在するが、
前者はハーフエルフの品種改良によって生み出された生まれながらの天使であり、光の翼を持つものは後天的にこの力を得た者である。
また、光の翼はその装着者の固有マナによって色・形状が異なる。



★主題歌

GC版『Starry Heavens』
PS2版『そして僕にできるコト』
歌:day after tomorrow
ちなみに、機種移植後に主題歌まで変更したのはこのシンフォニアぐらいである。
映像は使いまわされている他、主題歌変更に伴い一部のダンジョンのBGMが変更されている。(主題歌アレンジのBGMである為)
どちらも名曲なので是非一度聞いてほしい。



★OVA化

2007年から『テイルズ オブ シンフォニア THE ANIMATION』のタイトルでOVA化された。
製作は『劇場版 空の境界』のufotable
当初はシルヴァラント編(第1期、4巻)までの予定だったが、外崎春雄監督の要望でテセアラ編(第2期、4巻)、世界統合編(第3期、3巻)まで製作され、2012年に全11巻で完結した。
1巻あたり30~40分前後と一般的な放映アニメ1話分以上収録されており、それが11話編成と放映アニメ15話分以上の量なので、ゲームのシナリオから大幅アレンジ&カットこそされているが大筋はしっかり描かれており、未プレイでもひとつの作品として最低限の理解は出来るつくりになっている。




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最終更新:2024年01月14日 08:23

*1 当時の調整が甘いのもあるが、本作だとこの戦闘にフリーランを着けた場合敵がまともに反応できなかった為採用が見送られた

*2 PS2版では発動直前には分かるようエフェクトが追加されているが

*3 巻き込めなかった敵は普通に動くうえ、こっちの味方も敵の秘奥義に巻きこまれなければ普通に動くし技の途中から巻き込まれることもある

*4 しかもエンディング後はおろか続編に至ってもこの辺りは風向きが変わりつつある程度なうえ、その理由が「シルヴァラントとテセアラの文明格差という別の問題が浮上したため」。ハーフエルフ程ではないが、シルヴァラントの神子であるコレットも非常に身勝手かつ無責任な民衆の期待や掌返しに翻弄される事になる。