餓狼-MARK OF THE WOLVES-

登録日:2010/04/29 (木) 10:08:36
更新日:2023/12/15 Fri 11:25:26
所要時間:約 5 分で読めます





確かにその男達は存在した……


「レイズィン…ストォォム!」
「パワァ、ゲイザー!」


野望に全てを捧げた男がいた


      ガゴォッ
「ヌゥオォッ!」


復讐に身を焦がす男がいた


「ギース!」
    ガシッ


正義など問題ではない


「ハッ!」
     パシ


「!?」



ただ勝者が生き―――



「ギース!?」



敗者が散っていく



「HAHAHAHAHAHAHAHAHAHA……!!」






それだけである











――――10年後


「どうする?」
「ああ……」



セカンドサウスへの切符は
二枚にしてくれ、テリー



餓 狼
GAROU


―MARK OF THE WOLVES―





餓狼-MARK OF THE WOLVES-(以下餓狼MOW)とは、旧SNKから1999年にリリースされた2D格闘ゲームである。

【概要】

この作品は餓狼伝説シリーズの大幅なイメージチェンジ作品として、旧来の餓狼シリーズとは大きく離れた形で制作された。

しかし、キャラの大幅一新はもとより

  • ラインシステム廃止
  • 小綺麗なドット
  • 厨二臭い&腐女子、ヲタ狙いの設定

……と明らかな“狙い”のため稼働前は古参ファンから大不評を喰らった。

しかし、蓋を開けてみればシンプルなシステムとラッシュの楽しさ、攻めあいやTOPなどの戦略性を併せ持つ初心者、上級者共に満足出来る良ゲーとして認知されるに至る。
また、一新されたキャラクター達も当時の流行に合わせて作ったキャラは上手く当たり、後々まで推される人気キャラとなった。

しかし折しも発売が20世紀末。

格ゲー衰退期に出されたため爆発的ヒットもないままに一つ、また一つとゲーセンを去っていった……SNK公式大会も無いままSNKも倒産。餓狼MOWは終わって……




















なかった。






稼働から3年、「HOWARD ARENA」というファンサイトが過去にアルカディアで発表されたダイヤグラムとは異なるダイヤを発表。

理由付けも明確であり、このダイヤは少ないながらも餓狼MOWプレイヤーに大きな衝撃を与えた。

餓えた狼はまだ眠っていなかったのだ。


この後、都心や関西で細々とながらプレイヤーが増えていき、ついに大会、交流会が開催。

この流れにさらに火を乗せたのが、ニコニコ動画にUPされた中野TRFの大会動画と通称関西餓狼の対戦会動画である。
これらから餓狼MOWはマイナーゲーとしては一気に認知度が上がり……

2010年、他タイトル合同とはいえ、ついにSNKプレイモア公式大会が開かれる。
稼働から実に11年のことだった。






しかし
餓えた狼の勢いは
この程度では止まらない!


2011年、第二回全国大会が開催。弱キャラとされていたほたるが優勝をかっさらう。

さらにこれに呼応する形で全国各地で餓狼MOWの大会が活性化。
現在、日本の各地で餓狼MOWの対戦会、交流会、大会が行われている。

無論、都心や名古屋、関西等の大都市では中野TRF等の有名ゲーセンで大会、フリープレイ、ランキングバトルが毎週のように開催、動画が多くニコニコ動画やようつべにUPされている。



一度、確実に終わったコンテンツになった餓狼MOW。
しかし2011年現在、新作にこそ劣るもののかなりの人気を博している。

実に10年以上の時を超えてブームになり始めているのだ。
これを奇跡と呼ばずに何と呼ぶのだろうか。
原石が磨き抜かれて輝き出すように、餓狼MOWは宝石の原石たりえたのだ。


【ストーリー】

サウスタウンの支配者だったギース・ハワードの死から10年後。
サウスタウンは自由の街セカンドサウスへと変貌した。
しかし、そんなセカンドサウスでギースの死と共に葬り去られたキング・オブ・ファイターズが開催される。
その招待状には、ギースの妻……ロックの母親の事が言及されていたのだ。

死んだ母親の真実を突き止めるため、ギースの遺児にしてテリーに育てられた二代目の狼、ロック・ハワードがセカンドサウスへ向かう。


【キャラクター】



【システム解説】


ゲージ

最大2ゲージ。昨今では珍しい「超必殺技」以外では使うことのないシンプルなもの。
必殺技を使ったり攻撃を当てることで増加。ゲージを大幅に貯めるバグテクニックもある。


T.O.P.システム

開始前に体力ゲージの前、中、後から一つを選び、その場所に差し掛かると攻撃力上昇、時間で体力微回復、T.O.P.アタックと言う特殊技が使用可能になる。

餓狼MOWの戦略性を深くする重要かつ特徴的な要素。


先行逃げ切りの先頭TOP


効率を重視した中間TOP


一発逆転、最後TOP

と、これだけでキャラやプレイヤーが差別化されている。


避け攻撃

各キャラに必ず搭載されている、上段or下段に対する無敵攻撃。
基本的に当たった時のみキャンセルがかかるので、仕込み入力しやすい。


ブレーキング

A+B同時押しで特定の技を出がかりでキャンセルし、隙を低減させたり追撃が可能になる。
キャラによってはこのブレーキングが生命線になってくるほどの重要システム。
但しABビタ同時押しでないと受け付けてくれないのでかなり難しい。


ジャストディフェンス

ガードを攻撃ヒット直前で行うと、体力が若干回復し隙が減少、ガードキャンセルが出来るようになる。
空中でも可能。(空中ガードは無い、空中でガードするにはジャストディフェンスを狙うしかない)

ブロッキングほど有利は取れないが、ガードと入力方向が一緒なので初心者にもとっつきやすい。


フェイント

パンチボタン同時押し+2or6で必殺技を出すフリをする。
重要なのは出すフリよりキャンセル。この技は必殺技扱いでキャンセルが出来、かつほぼ全ての行動でキャンセル出来るので

通常技→フェイント→一部の通常技や必殺技

という普段は繋がらない連続攻撃が繋がる…等の応用テクニックが熱い。


【餓狼MOW2(仮称)】

続編も7割程まで開発が進んでいたのだが、折しも当時は旧SNK末期。
看板タイトルであるKOF(2000)へリソースを集中させるため開発は中断され、そのまま旧SNKは倒産してしまう。
このため、MOWの続編も日の目を見ることなく消えていった。

……と思いきや、当時のデータが一部残存しており、当時の開発スタッフらの手によって少しだが明らかにされている。
登場キャラはMOWの14キャラ+新キャラ6人で、新キャラにはジョー東の弟子の女ムエタイ選手や牙刀の父親が居たとされる。
既存キャラにもロックとほたるを除き、一つずつ新技が追加されていた。*1


【餓狼伝説 City of the Wolves】

EVO2023にて発表された、餓狼MOWの新たなる続編タイトル。
タイトルに「伝説」が戻ってきているのは、開発当時より未来を描いたMOWを伝説とするのはおかしな話だったが、
今となっては逆に過去を描くので伝説としてもいいだろう、という理論らしい。




ロック「追記修正の血が…騒ぎやがる!」
テリー「………」

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  • 一部のキャラは後期KOFにも参戦したな。 -- 名無しさん (2015-11-04 10:02:10)
  • 2017年現在も人気なのかな? -- 名無しさん (2017-11-26 13:42:42)
  • NEOGEOminiにも収録されてるらしいぞ -- 名無しさん (2018-08-27 19:44:56)
  • 続きがどうなるかは、非公式ではあるが、墓標様に二次創作の続編小説があるのでご一読を。かなり名作。 -- 名無しさん (2019-04-28 19:50:59)
  • なめんじゃねえ…… おれたちはまだ狼のままだ -- 名無しさん (2019-11-11 13:59:39)
  • ↑みたいなプレイヤー多そうだな、というか実在しているね。 -- 名無しさん (2019-11-12 12:56:57)
  • ↑3 SNKは作る気はあるらしいぞ。きっちりストーリーを締めたいと言う類の発言をスタッフがしていた。 -- 名無しさん (2021-05-17 13:31:43)
  • 続編も決定したようだし、ドンファン、ジェイフン、北斗丸の三人で「MOWボーイズ」みたいなチーム組んでKOF参戦したら面白いかも。 -- 名無しさん (2022-08-14 13:55:31)
  • キャラ一覧位は載せた方がよいのでは? -- 名無しさん (2023-01-16 18:01:29)
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最終更新:2023年12月15日 11:25

*1 テリーの斜め上に飛ぶライジングタックルやジェイファンのドンファン版と同じ動作の空砂塵、マルコの飛燕龍神脚に酷似した足技等