極道兵器

登録日:2009/09/30(水) 19:22:13
更新日:2024/03/04 Mon 09:06:17
所要時間:約 6 分で読めます




極道兵器……それは鬼才、石川賢の描く任侠漫画であり、この作品の主人公の異名でもある。
作品のコンセプトは「任侠映画で石川風仮面ライダーをやったらどうなんの?」

最初、石川賢はもっとこう慎ましい「仁義なき戦い」的な作品を描こうとしてたのだが、何をどう間違ったかこんな作品に……。
ゲッターロボ・サーガ」、「魔獣戦線」に並ぶ石川作品の傑作と、本作を激賞するファンも非常に多い(たぶん)。

概要

バイオレンスな作品を描く事に定評のある石川賢だが、この作品はそんな作品群の中でも一際異彩を放っている。
なぜかと言うと、一言で言えば

「主人公が完全に狂っている」



から。

他の石川作品のキャラはただ暴力的なだけでなく、正義感や優しさなど人間的にまともな要素があるが、
この極道兵器の主人公岩鬼将造にはそんな物は全く無く、作品中のキャラ、およびファンまでもが
口を揃えて「アレは狂ってる」と断言する程に性格に問題がある
戦いや殺戮にこの上ない快感を感じており、人の断末魔を聞くのが何よりも好き。
一度戦いの中に身を投じれば、理性や常識などのリミッターを解除し、
「わしに歯向かう奴はみんなブチ殺してやるんじゃあ~~~!!」と敵は勿論の事、建物や非戦闘員、無関係者をも巻き込む殺戮と破壊の権化となる

しかし、その暴れっぷりは決して陰惨な物では無く、むしろある種の清々しさまでも感じさせてくれる
また、完全な極悪非道という訳でも無く、部下や婚約者の事は「彼なりに」大事にする情を持ち合わせ、
社会や人間性に対するしっかりとした持論も持ち合わせている。
そういう、大きな土台の上に計り知れない狂気を煮え滾らせる男、岩鬼将造。
極道兵器はそんな彼が織りなす物語。

将造の強烈な個性から来る過激なセリフと、圧倒的、ひたすら圧倒的な破壊と蹂躙の描写が魅力の作品である。


とまあこのように「極道兵器」は大変危険な作品である。
読み始めた頃は人としての理性が働き、「そこまでやらなくても」とか「ひでぇ……」とか思う事もあるが、徐々に感覚が麻痺し、
最終的には「いいぞ、もっと……もっと蹂躙するんじゃあ!」と思うようになる。

ギラギラと瞳に渦を巻き、血をマグマの如く沸騰させる暴力的でストロングな人格を形成するにはもってこいの作品なので、扱いに注意するように!
また、石川作品なのでやはりインフレがある。
そのインフレ度はサブタイトルを見ただけでも大体解る。


1話 「マッド・ドッグ!」
2話 「将造、故郷に帰る」
3話 「突入!要塞ビルディング」
4話 「要塞ビル、大崩落!」
5話 「機械仕掛けのマフィア」
6話 「虎と呼ばれる男」
7話 「極道兵器・誕生!!」
8話 「帝王と呼ばれた男」
9話 「人間核爆弾の恐怖!」
10話「東京壊滅5秒前」
:
:
15話「抗争、宇宙へ!
16話「全ては閃光の中へ!」
:
:
最終話「真・極道兵器」*1

……なんとなく雰囲気が掴めただろうか?



ストーリー


岩鬼将造は極道の大御所「岩鬼組」の一人息子である、しかしそのあまりに凶暴な性格故に親に勘当され、海外に追い出される。
そして将造は傭兵となり、戦場で舎弟達と殺戮の日々を送っていた。
そんなある日、将造は父親が国際規模の大マフィア「デス・ドロップ・マフィア」に殺害された事を知る。
父親の死には何の興味も無いが、より大きな敵と喧嘩ができる。と胸躍らせ、日本に帰国する……。


登場人物


物語の主人公、男前。
傭兵時代のあだ名は「マッド・ドッグ」で、階級は曹長。
あまりに凶暴なので親が手を焼き、海外で傭兵をしている神竜と言う男に預けられる。
日本に帰国後は

  • 要塞ビル&ハイテク極道
  • 『人間核弾頭』
  • 弾丸すら避けるシャブ中ヤクザ
  • 全身改造サイボーグ

などといった様々な敵と戦い、ドワオドワオと破壊の限りを尽くす。

vs要塞ビルで身体がボロボロになったが、内閣特務捜査官、赤尾虎彦に身体を改造され、史上最凶のサイボーグ極道「極道兵器」として生まれ変わる。

詳細は彼の項目で。

  • 三太郎
将造の舎弟、モヒカン
将造に付き従い、将造と共に重火器をもって大暴れする。

  • 拓三
舎弟その2、爆発物のエキスパート。
その知識で将造をサポートする。

  • 山鬼なよ子
将造の婚約者で、山鬼組の親分。将造らと「極道連合」を興す。
戦闘になれば、三太郎・拓三と共に将造の援護に回る。

  • 赤尾虎彦
通称レッド・タイガー。
内閣特務捜査官、簡単に言うと国内外に重大事件が発生した時、秘密裏に事件を解決してゆく内閣直属の警察組織の人間で、時によっては殺人も合法化する事が出来る。
その戦闘力はベレッタで武装ヘリを落とせる程。
要塞ビルでの戦いの後、身体に著しいダメージをおった将造を回収し、欠損した手足を機械化して重火器を内蔵し、「極道兵器」に仕立てあげた。

  • 山林のおじき
将造の叔父分。スクラップ工場を経営する傍ら、ロシアの天才科学者を抱え込み、衛星兵器を携え天下取りを狙っている。

  • 倉脇重介
日本におけるデス・ドロップ・マフィアの尖兵。
ハイテク装備満載の要塞ビルに居を構えて日本を支配せんと思ってたら、まず喧嘩の手始めにコイツからと将造ら岩鬼組が襲撃し大暴れ。
結果ビルは倒壊し、自分はなんとか逃げ出すが、哀れデス・ドロップ・マフィアに身体を改造される……とさんざんな人。
恨みを晴らそうと何度も将造に戦いを挑むが、その度に返り討ちに会う。
将造曰く、「ゴキブリヤクザ」とのこと。

  • 海座隆
臨海新都心を支配する学生ヤクザ。通称カイザー。原子爆弾の起爆装置を身体に埋め込んでいて、こいつがその気になったり、身体に危害が及ぶ様な事があれば核ミサイルが発射される。
核の脅威で日本を支配しようと企むが、核の脅しが全く通用しない将造に敗れ、哀れ自身は核ミサイルの先端にくくりつけられ文字通り人間核野郎となり発射され、ビルに激突して死亡。

  • シャルロ
デス・ドロップ・マフィアの幹部。倉脇や海座を使って日本制覇を目論むが、ことごとく将造に阻まれる。

ちなみに、デス・ドロップ・マフィアは原子力空母から潜水艦、戦闘ヘリ、核ミサイルまでも保有している大組織。
日本政府がバックに付いているとはいえ、一筋縄ではいかない組織だ。

しかしそれでも将造は立ち向かうのだ、実に石川的である。







かなり余談だが彼女が最終兵器になってしまう漫画を読んだ後にこれを読むと気分が一気に状態になる。


更なる余談

人類はついに恐怖の扉を開いた……

極道兵器、実写映画化決定!

しかも監督は「地獄甲子園」や「魁!!クロマティ高校」の山口雄大。これは大変めでたい。
だがしかし、このあまりにも無茶苦茶な作品を映像化することが出来るのか!?
ダイナミックなファンの方も、そうでない方も引き込む魅力的な映画になって欲しい物だ。

同じダイナミック作品といえど、実写版デビルマンみたいにしやがったら全国八千万人の岩鬼組の舎弟が殴り込みにいくからな? 覚悟しとけよ東映! ……じゃなくて日活!

そして、映画化と共に極道兵器再販、文庫化という線もありうる。
そうなればファンが増えるので、やれ。




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最終更新:2024年03月04日 09:06

*1 単行本では最終話とカウントされているが実際は極道兵器本編の連載より前に発表されたプロトタイプ的な内容の読み切り