ワリオランド2 盗まれた財宝

登録日:2011/07/05 Tue 21:16:33
更新日:2023/09/07 Thu 19:26:44
所要時間:約 10 分で読めます





ある静かな朝、ワリオ城に数体の怪しい影が。
その正体はかつてワリオが宝を横取りした海賊・ブラックシュガー団。ワリオが熟睡している間に城の宝物をすべて盗んでいったのだ。
「絶対許さん!宝物を奪い返してやる〜!!」固い決意とともにワリオは冒険に旅立った。


ワリオランド2 盗まれた財宝』(Wario Land 2)とは、1998年10月に発売されたゲームボーイカラー対応ソフト。

◆概要

ゲームボーイカラーのロンチタイトルであり、以降DSまで『ワリオランドアドバンス ヨーキのお宝』、『さわる メイド イン ワリオ』とワリオの作品が携帯機のロンチで発売されるようになる。

『ワリオランド2』をカラーで遊ぶ為にゲームボーイカラーが開発されたのだ!! ほんとうだ! たぶんな?
海外では日本より早く1998年3月に本作のモノクロ版が発売されており、本作自体は早い段階で完成していた事が窺える。国内ではゲームボーイカラー用に調整する為に発売を遅らせていたのかもしれない(同様の理由で発売延期になるソフトは割と多い)。

ストーリーが初代ワリオランドの『スーパーマリオランド3 ワリオランド』から地続きなのと、タイトルで勘違いされやすいが、本作はワリオランドシリーズの第3作目のソフトである。
尤も、『ワリオランド アワゾンの秘宝』はソフト自体は良かったが、機種がバーチャルボーイということでよく売れなかったせいか、プレイ人口が絶対的に少ないので、シリーズ2作目と言われてもあまりピンとこない人が多いかもしれない。

なお、ゲームボーイカラー対応ソフトの本作だが、システムの都合なのか基本的に「ゲームボーイ(スーパーゲームボーイ等)」または「ゲームボーイカラー」のどちらかでしかプレイできない。
ゲームボーイでプレイしていた状態でゲームボーイカラーに差し込む、あるいはゲームボーイカラーでプレイしていた状態でゲームボーイに差し込むとセーブデータの初期化が必要となる(ゲームボーイからゲームボーイカラーに乗り換える際に泣かされた子供は数知れず)。


◆システム

本作のウリであり最大の特徴は、なんといってもワリオが「不死身」であることだろう。
本作のワリオはハンマーで殴られても、氷漬けにされても、火だるまにされても、岩に潰されても、絶対に死なないのである。

落ちると一発ミスの穴なども無く、そもそも残機や体力の概念が存在しないというアクションゲームとしては前代未聞のシステムが導入されている。

そして特定の敵の攻撃を受けるとワリオが行う「リアクション」というシステムも、不死身と並んだ本作最大の特徴だろう。
  • 蜂に刺されると顔が膨らみ浮く
  • 幽霊に触れるとゾンビ化する
  • 敵が投げたケーキを食べると異様に太る
といった風にその敵の攻撃に応じてワリオが特殊なアクションを行うというシステムである。
このリアクションはゲームを進めていくうえで必要不可欠であり、リアクションを利用しなければクリア出来ないステージも多数存在する。
アイテムでパワーアップし、触れたら終わりなマリオを「ヘナチョコ」というだけはあるワリオの強さが伝わってくるシステムである。
このシステムの影響で「ワリオ=死なない」という印象が強い方も多いだろう。
余程インパクトがあったのか、不死身とリアクションは後のシリーズにも受け継がれ、
途中からライフ制になりつつも「ワリオは不死身だから」ということで、残機は存在しないようになっている。
『ワリオワールド』や『怪盗ワリオ・ザ・セブン』といったワリオランドシリーズではない作品でも、「残機が無いから死なない」というシステムは反映されている。

また、ワリオランドシリーズに共通して存在する謎解き要素が強化されたのも本作からである。
リアクションやヒップドロップや敵を投げるなどのワリオの基本アクションなど様々な方法で先に進む必要がある。
マップも従来のマリオ作品のような横一方型ではなくフィールド型になるなどの変化をしており、ステージを探索していく必要がある。

本作はマルチエンディング方式を導入しており、場合に応じてストーリーが変化する。最初のステージからの意外すぎる方法での分岐もある。
全ての隠し要素を入手した後に出現する最終ステージは「狂気」を思わせるようなステージになっている。

なお、本作のBGMはほとんどが初代のメインテーマのアレンジになっている。まんまな曲もある。

本作で様々な独自性を得たワリオランドは完全にマリオから独立したといってもよく、以降のワリオ作品にはメイドインワリオのプチゲームを除いて、全くマリオが登場しなくなる
パーティゲームを除いてほとんど絡まなく、自作専用キャラまで出来て所帯を構えた現在の二人を見るとこの時から完全に別々の道を歩んでいっていることがわかる*1


◆登場キャラ

シリーズ化して名実ともに主役になったオレだよ!ワリオだよ!
腕の筋肉を強調するため黄色のシャツが半袖になったのは本作からである。
またワリオ作品の説明書をワリオ自身が解説するようになったのも本作から。

  • キャプテンシロップ
ブラックシュガー団ボス。分岐次第でラスボスにも、囚われのヒロインにもなる。
本作では女だということがよくわかるグラフィックになっている。
ワリオとの対決ではメカに乗って戦う。
以降長らく出番に恵まれなかったがワリオランドシェイクで再登場する。

  • ヤリクリ
マリオでいうクリボー的存在のシロップの部下。
前作に出た時と比べて海賊バンダナをつけ、ヤリも三叉に変更されている。
本作では「デカヤリクリ」というものも存在し、こちらはヒップドロップを10回当てないと倒せないが、倒すと100コインを必ず落とす。
デカヤリクリ登場タイトルの頭には「はぐれ」や「あぶない」や「はみだし」や「あきれた」、と全て「刑事」ドラマという親父ギャグが…*2

  • パンチ
メットをつけて連続パンチしながら動く敵。
ヤリクリとほぼ同等レベルの雑魚敵。

  • チュウタ
ネズミの様な敵。
コイツを使って踏みジャンプするステージがある。

  • DD
ブーメランを投げて攻撃するアヒルのような敵。
前作と比べてブーメランが若干小さくなったが投げたブーメランは壁を貫通しつつDDがキャッチしない限り斜め後ろ方向に延々と飛ぶように変更されている。
コイツを4体倒すことがステージのクリア条件になっていたり、旗揚げのミニゲームの主役に抜擢されたりと出番はヤリクリの次に多い。

  • ピーカン
前作にも登場したペリカンの海賊。
今作では陸上を歩き、魚を吐いて攻撃してくる。
前作では水に浮いていたのに今作は水に落とすと倒せてしまう。

  • ガウガウ
前作にも登場したの海賊。
ナイフを投げてきた前作とは違い、窓から顔を出しビンを投げてくる。
ぶつかっただけでは倒したことにはならず再度出てくるので、タックルかヒップアタックをかましてやろう。

  • ウッホ
ゴリラの海賊。
見つかるとトゲ付きの鉄球を投げて攻撃してくる。
常に鉄球を持ち歩いているせいでコイツを踏みつけるには気絶させるか怯ませる必要がある。
正規ルートでは全然見ないが隠しルートだと嫌ほど見る事になる。

  • ハンマー
ゴリラの海賊。
見つかると追いかけながら金槌で殴りつけてくる。
金槌で殴られるとバネワリオになる。

  • コック
ケーキを刺したフォークを常に持ち歩いている敵。
見つかるとケーキを投げてくる上にケーキを食べると太ってしまう。

  • ヒキツネ
火の付いた松明を常に持ち歩いている狐の海賊。
こちらを見つけるとをつけようとしてくる。

  • ペンペン
ビールの入ったジョッキ*3を持ち歩いているペンギンの海賊。
ビールをかけてこちらを酔っ払させてくる。

  • イナマズ
ナマズ?のような姿をした敵。
ワリオを見つけると地を這う電撃で攻撃してくる。
モチーフはナマズらしいが黒い体色と地上を普通に歩いている為、蟻のようにもみえる。

  • トゲメン
とげのコウラをつけた敵。
こちらを見つけると背中のとげを向けたままジャンプしながら近づいてくる。

  • プー
前作にもいたか風船のような敵。
狭い通路に居座り膨らんで道を塞いでくる。
通常時のワリオ単身の力だけでは絶対に倒せない。という事は…。

  • グギ
一つ目の敵。
普段は何もしないのだが、触れたり他のグギを倒したり、ヒップドロップで振動を起こすと同じフロアにいる他の全てのグギが一定時間暴れだす。
暴れている間は無敵になる。

  • プクバチ
ハチの様な敵。
攻撃をうけると顔が膨らんでしまう。
実は踏んだり、物を持ったままプクバチに当てても倒せたりする。

  • ユキマル
雪だるまの様な敵。
氷の衝撃波を3回吐いて攻撃し、当たると氷漬けにされてしまう。
氷の衝撃波の吐く間隔は個体によってバラバラ。

  • オンドリ
文字通りのオンドリ。
ヒップドロップによる踏み潰しでしか倒せない。
衝撃を与えたりメンドリを持った状態で近づくと襲い掛かってくる。

  • マジシャン
どこかで見たような顔をしている敵。
コイツの魔術にかかると小さくなってしまう。
正体は2体のヤリクリであり、地面を揺らしたりぶつかったりすると正体を明かす。

普段は頭だけだがワリオが近付くと体を出現させ、頭を投げ付けてくる。攻撃に当たるとゾンビになる。
コイツを完全に倒すにはゾンビになってぶつかるしかない。

  • ユーレイ
文字通りの半透明になって一定規則で動き回る敵。
完全無敵でコイツに触れるとゾンビになってしまう。

  • Dバット&ドドン
コウモリの様な敵とおもりの様な敵。
ドドンに潰されるとそのままつぶれてしまう。
Dバットに捕まるとコインを振り落とされながら上に連れていかれてしまうが、潰れたワリオを元に戻してくれる。

  • ドリル
先端にドリルのようなものを付けた魚の様な敵。
水中におり、こちらを見つけると高速で突進してくる。
倒せないが、下からぶつかると一定時間行動不能にできる。

  • トビー
魚の様な敵。
水面から勢いよく飛んでくるが尻餅はつかない。
でも狭い足場を渡るときに邪魔してくることも。

  • ウツツボ
ウツボのような敵。
可愛い目をしているわりに鋭い口を持つ絶対倒せない敵。
水の中にじっと待機しており、ワリオが近づくと上に向かって噛みつきながら襲い掛かってくる。
噛みつかれると下の方に連れ去られてしまうので、一度おびき出してから通り過ぎるとよい。
中にはコイツの力を使わないと入れないトビラがあったり…。

  • ツリウオ
魚の様な敵。
魚のくせに陸上におり、ニセコインでワリオを吊り上げようとしてくる。
本物と偽物の違いはコインの色で判別できる。
コイン配置の都合上ニセコインと本物のコインが重なっているので裏のコインを取るときは慎重に。

  • ヤチョー
鳥の様な敵。
こちらを見つけると一直線に飛んできて攻撃してくる。
コイツを使って踏みジャンプするステージがある。

  • コツヘリ
プロペラが付いたトゲ付きのガイコツ。
完全無敵で倒すことができない障害物の様な敵。


◆ボスキャラクター

  • ダイジャー
巨大な蛇で最初のボス。
食べられるとタマゴにされて排出される。
普通に踏むよりヒップドロップで攻撃した方がダメージが大きい。

  • ボーボー
ティーカップ号のボス。前作にも登場した鳥だが、サイズが小さくなっている。
強風をおこしてワリオを吹き飛ばす。
普通に踏むよりヒップドロップで攻撃した方がダメージが大きい。

  • イノッチ
どうくつのボス。前作に登場したビーフンに似ている。
ショルダータックルでワリオを落とそうとするが、逆に突き落とせばダメージをあたえられる。
タイミングはイノッチが急ブレーキによる砂ぼこりを起こしている時。
ダメージを受けているにもかかわらず余裕をみせるようなリアクションをする。
しかも1ダメージ以上与えているとアタックジャンプして突き落とされないようにしてくることも。

  • デューク
まよいの森のボス。不細工な顔の巨大ハチ。
小さいハチを呼び出す。
デュークの攻撃は画面端にいれば当たらず、手下のハチはしゃがめば当たらない。
残り体力が1になると手下が出ている間に現れて同時攻撃しようとしてくる。
デューク本体は全く強くないため正直手下が本体と言われる。

  • ビッグカムカム
海底の巨大イセキ第4話のボス。トゲの生えた巨大な魚。
ワリオを食べようとするがお腹が弱い。
体が赤くなると口をバクバクさせながら水底に降りてくる。
ボスの中では唯一、完全クリアの為に倒す必要が無い。

  • ダンク
街エリアのボス。バスケットボールが得意なウサギ
この敵との戦いでは相手を踏みつけてボールにし、先に3ゴール決めたほうの勝利という特殊な戦いになる。
ワリオランド3にも同じようなウサギのボスがいるがあれはシュートという名前の別人…いや別ウサギ。

  • シロップ&メカクリ(ワリオ城)
のっとられたワリオ城ルートの最終ボス。電気を放出できるメカに搭乗している。
デカヤリクリのメカ版のメカクリを操って攻撃するが、すぐに電力が尽きる。
メカクリの弱点は顔面だがヤリでガードしており、ヤリに刺さると上に放り投げられてしまう。
電力が尽きるとシロップ経由で充電を始め、顔面がフリーになるのでそこが反撃のチャンス。
だがメカクリの最初の突進がかなりの初見殺しである。
メカクリをダウンさせた後は持ち上げてシロップにぶつければいい。

  • アワボウ
海底の巨大イセキルートの最終ボス。シロップを捕らえていた。
泡から手足と顔が出ているような姿で普段は小さく可愛らしいが、戦闘時には巨大化し、顔つきも醜悪になる。
ダメージを受けるたびに分身の数を増やし、困惑させる。おまけに分身を出した直後はしばらく高速で動くが、しばらくすると元の移動速度になる。
だが残りライフ1になると移動速度が普通になった途端に分身と同じ薄さになるので余計に見分けにくくなる。
正直こいつは壁に反射しながら動いているだけなので、動きが分かれば意外と楽。

  • シロップ(工場)
あやしいこうじょうルートの最終ボス。ランプのような形状のメカに搭乗している。
最初は体当たりをしてくるがメカのキャノピーが割れると次元装置付きのトゲ爆弾を飛ばしてくる。
爆弾は時折フェイントとして、ジャンプと同じ高さで移動することがあるので注意。
第一形態ではタックル、第二形態では爆弾を止めてシロップに投げつければいい。
第二形態の爆弾は2発当てた後はこちらの位置を定めて急降下してくるので、被ダメージによる尻餅と地ならしでの落下には要注意。

  • シロマジン
ぶきみなやかたルートの最終ボス。シロップを捕らえていた。
天井からぶら下がり、ワリオに掴みかかってくる。体色が赤くなると攻撃スピードが圧倒的に速くなる為、ボスの中でもかなりの強敵。
掴もうとしてくるシロマジンにタックルすればいい。
かなりの初見殺しなシロマジンの攻撃方法だが、実は簡単に回避できる致命的な弱点をもっている。
回避方法は段差に上らずしゃがむだけ。しゃがみ歩きしながら反撃のチャンスをうかがえばそれほど苦戦しないはず。

  • シロップ(シロップ城)
シロップ城ルートの最終ボス。特製のメカに搭乗している。
最初は攻撃を加えると爆発するボムヤリクリを投下し、後半は爆弾による火柱で攻撃してくる。
ヤリクリをシロップにぶつけ、爆弾を火柱に投げて火柱をシロップに当てる事が出来れば勝てる。
ただ、シロップの攻撃だけでなく火柱の攻撃も絶え間なく続くため非常に手ごわい。


ほんとの最終話! 「ついき・しゅうせいとお宝をよこどりだ!!」

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最終更新:2023年09月07日 19:26

*1スーパーマリオランド2 6つの金貨」の時点で開発者がマリオシリーズとは異なり、それがワリオランドシリーズ以降も引き継がれている事も理由と思われる。

*2 「あぶない」に至っては「もっとあぶない」「もっともあぶない」という派生まである優遇っぷり

*3 海外版ではビールの代わりに黒い球体を持ち歩いている。