ラウ・ル・クルーゼ

登録日:2010/01/05 Tue 23:18:33
更新日:2024/03/09 Sat 00:49:26
所要時間:約 13 分で読めます





ストライク、討たねば次に討たれるのは君かも知れんぞ…




機動戦士ガンダムSEED」の登場人物。
CV:関俊彦

人種:詳しくはネタバレを参照。
血液型:O型
生年月日:不明
年齢:25歳
身長:183cm
体重:77kg


【概要】

Z.A.F.Tに所属する仮面の男
部隊指揮官相応の白服であり、クルーゼ隊の隊長。
非常に優秀なMSパイロットであり、世界樹攻防戦においてはジンハイマニューバを駆ってモビルアーマー37機、戦艦6隻を撃破しネビュラ勲章を受章。
グリマルディ戦線では地球連合第三艦隊を壊滅させる等、Z.A.F.Tのトップガンとして獅子奮迅の活躍を見せている。
その驚異的な優秀ぶりから、ザフト兵には嫉妬を抱く者も数多くいたらしいが、尺の関係などで作中では描写されていない。


【人物像】

冷静で理知的な性格だが、仮面の影響もあってか言動の端々が非常に胡散臭い。
温和とも冷笑的ともいえる笑顔と思わせぶりな言葉で真意をはぐらかして煙に巻いたり、相手の思考を揺さぶる様な皮肉を口にする場面も多々ある。
しかし、最終決戦までは隊員に対しては紳士な対応を徹底していた上、実務においても頼りになる隊長だったので、隊員からの評判はかなり良好だった。

とはいえ、常に仮面を付けていて友軍にも素顔を晒さず、表情をうかがわせないことに不快感等を示す者は少なくなく、
バルトフェルドは同じ士官としてクルーゼが優秀なことを認めつつも、その態度に不信感を隠さず、モラシムに至っては彼の映ったモニターを叩いて消すほどに嫌っていた。
また、「彼の素顔を知る者、知ろうとする者は戦死する」というジンクスもあり、ニコルミゲルフレイはこのジンクスが原因で死亡したとも*1
クルーゼとしても素顔を隠す目的で仮面を付けているだけで、好き好んで着用しているわけではないと思われるが、
そこまでして見られたくないだけに、他人の目がある場所では頑なに仮面を外すことはせず、
劇中で一度仮面が外れ、かつ回収できなかった時には、母艦に戻った後は誰とも顔を合わせないように一目散に自室に戻り、
薬を貪るように飲んだ後、即座に予備の仮面を取り出して装着する*2ほど、素顔を他人に見せることを嫌っている様子を見せている。
※尚、自室の引き出しには大量の予備の仮面が常備されている。

何故かムウ・ラ・フラガとは、近くにいると互いの存在を認識し合う事が出来る。
また、その際にはニュータイプ的な効果音が挿入される。

病気か何かを抱えているのか、時々激しい発作に見舞われる場面もあり、発作を抑えるための錠剤を服用している。
水無し一錠ですぐに効くという優れものである。


スパロボでの客演では、あらゆる勢力から「信用出来ない」として白眼視されている。
一方、独自の思想を持っており、徹底して悪役としてブレなかった事、後述の強さに対する設定が秀逸だった事等から、名悪役として視聴者からの人気は高い。
変態仮面呼ばわりされたりもするけど。


余談だが、感情が高ぶると仮面の両眼部分が大きくなる。ジブリ作品のキャラが高ぶった際に髪の毛が震え立つ演出と似たようなものだろうか?
高確率で作画に気合いが入っている場面が多いのも特徴。


【クルーゼ隊】

部下は副官1名、赤服5名、緑服3名という構成で、緑服のミゲルも含めた6名が優秀な隊員である上、クルーゼ自身もエース級のパイロットで、
『足つき』ことアークエンジェル及びストライク撃破に失敗するまで、任務の完遂率は100%であったという超エリート部隊である。

赤服。最高評議会議長パトリック・ザラの息子。
文武に秀でており、冷静な性格だが、不器用なところが目立つ。
初期から親友ストライクのパイロットだと知らされており、その心情を汲み取りつつも、
「敵同士である以上、討つことを躊躇っていれば仲間や自分が討たれるかもしれない」等の、脅しとも心配とも取れる言葉を投げかけたりしている。
詳細は項目参照。

赤服。最高評議会議員エザリア・ジュールの息子。
士官アカデミーをトップクラスの成績で卒業した優等生だが、直情的で短気なところがあり、アスランに対抗心を燃やしている。
仲間が戦死や離反で抜けていく中、初期メンバーでは唯一ザフトに残ってプラントを守るべく戦い抜いた。
戦後は白服に昇格し、ジュール隊の指揮官として活躍した。
詳細は項目参照。

赤服。最高評議会議員ダッド・エルスマンの息子。
イザークとは士官アカデミーの頃からの親友という間柄で、斜に構えた態度と皮肉屋なところが目につきやすいが、
度々衝突するイザークとアスランの仲裁に回ったり、ニコルの戦死にショックを受けながらも仲間を鼓舞するなど、情に篤い一面もある。
中盤、紆余曲折の末にザフトを離脱し、三隻同盟の一員として終戦まで戦った。
戦後は緑服に降格こそしたがザフトに復隊しジュール隊に配属されイザークの副官として活躍した。(後に黒服に昇格)
詳細は項目参照。

赤服。国防委員会の武官であるユーリ・アマルフィの息子。
温厚な性格でアスランとは特に親しい。臆病呼ばわりされる事もあったが、実際には勇敢であり、その人となりもあって仲間からの信頼は厚い。
物語中盤、オーブ近海の戦闘でボロボロの愛機でアスランを庇って戦死した。
詳細は項目参照。

「黄昏の魔弾」の異名を取る、緑服ながら赤服に引けを取らない実力を持つエースパイロット。
ヘリオポリス襲撃のMS戦闘でストライクガンダムと相次いで交戦した際、二度目の戦いで戦死した。
詳細は項目参照。

  • ラスティ・マッケンジー
赤服。オレンジ色の髪が特徴の少年。
ヘリオポリスでのモビルスーツ奪取作戦のメンバーであったが、ストライク強奪を試みた際に機体の上でマリューの部下に撃たれて死亡した。
本編に於ける唯一の台詞である断末魔は中年男性の様な声だったが、アスラン・イザーク・ディアッカ・ニコル・ミゲルとラスティは士官学校を一緒に卒業した同窓生の関係にある。
本編では素顔や人となりは描かれなかったが、それぞれスペシャルエディションや番外漫画などで補完されている。

  • オロール・クーデンベルグ
  • マシュー
共にヘリオポリスでアークエンジェルを襲撃したメンバー。
茶髪のオールバックがオロール、黒髪の褐色肌がマシュー。
どちらもムウが手動操作するゴットフリートに撃ち抜かれて戦死した。

  • フレデリック・アデス
クルーゼ隊旗艦「ヴェサリウス」の艦長。黒服。クルーゼの副官的な立場にあった。
寡黙で実直な性格だが、良くも悪くも常識的な軍人の考え方をしており、その事をクルーゼに窘められる事もあった。
終盤まで副官としてクルーゼに付き従い続けたが、三隻同盟と交戦した際、包囲を突破するために三隻から集中砲火を浴びて母艦・ヴェサリウスが撃沈。
部下を脱出させたと思われる状況の中、ただ一人艦に残り、ブリッジで最期まで敬礼をしながら艦と運命を共にした。
この時点で既にZ.A.F.T.から離反していたアスラン、ディアッカからもそのを悼まれているところを見ると、部下から慕われる人柄であったことがうかがえる。

  • ゼルマン
クルーゼ隊所属艦「ガモフ」の艦長。
低軌道会戦でアガメムノン級メネラオスと差し違える形で戦死。

ザラ隊から結果的にイザークしか復帰しなかったため、補充された人員。
しかしクルーゼ自身の栄転に伴い即ジュール隊に再編成された。







以下ネタバレ
























毎日放送 機動戦士ガンダムSEED FINAL PHASE「終わらない明日へ」より
画像権利所有者 株式会社サンライズ




知りたがり! 欲しがり! やがてそれが何の為だったかも忘れ! 命を大事と言いながら弄び殺し合う!

何を知ったとて! 何を手にしたとて変わらない!! 最高だな、人は……!
そして妬み! 憎み! 殺し合うのさ! ならば存分に殺し合うがいい! それが望みなら!

何を! 貴様如きが偉そうに!

私にはあるのだよ! この宇宙でただ1人、全ての人類を裁く権利がな!!

ふざけるなこの野郎!

覚えていないかなムウ? 私と君は遠い過去、まだ戦場で出会う前、一度だけ会ったことがある。
私は、己の死すら金で買えると思い上がった愚か者……


貴様の父、アル・ダ・フラガの出来損ないのクローンなのだからな…!!


その正体はムウの父、アル・ダ・フラガの細胞から作られたクローン人間の失敗作。
自他共に認める天才であったが、傲慢且つ猜疑心の強い性格だったアルは、
実子のムウを「自分程の才能も無い」上に「妻の反対で思う様に教育出来なかった」として後継者と認めず、
自分のクローン人間を作製し、それを自分の思う通りに教育することで、自分と同等の才能と考えを有する理想の後継者を作り上げようとした。
その事を知っていたのは、本編時点では自身とレイデュランダル程度と思われる。

製作者はキラ・ヤマトの実父であるユーレン・ヒビキ。
個人のクローン作製が違法と知っていたため当初は反対していたが、コーディネイターの研究費の援助をちらつかされてクローン作製に手を染めた。
この資金援助によりユーレンの研究は完成し、その結実として後にスーパーコーディネイター「キラ・ヤマト」が誕生している。

つまり、クルーゼは生まれこそ特殊だが遺伝子操作を受けて生まれたわけではない為、分類上はコーディネイターではなくナチュラルとなる。
しかし、アル・ダ・フラガの類まれな才能を受け継いでおり、事実その能力はムウと同等かそれ以上*3
更に彼自身の努力でその才能に磨きを掛け、それによってコーディネイターで構成されたザフト内でも目を見張る程の驚異的なまでの実績を挙げてきた。
ザフトに入った経緯や、それまでどういう活動をしていたのかは不明。

しかし、クローンニングが技術的に不完全だったが為に生まれつきテロメアが短く、生まれた時点で当時のアルと同じ程度の寿命しか残っていなかった。

アルは後述の通り自然死ではないため、劇中では実年齢25歳とされるクルーゼが具体的にあと何年生きられるのかは不明瞭であるが、
小説版においては、仮面の下の素顔が老人のそれと語られ、ラウ自身も身体が老化していると述懐しているため、残る寿命はあと僅かであると推測される。
これにより、一時は「ラウ・ラ・フラガ」の名を与えられ、ムウに代わる後継者としてアルと教育係から厳しい教育を受けていたが、
寿命の問題が判明した時点でアルはラウを「失敗作」として捨て、再度ムウを後継者に据えようとした。
ラウがいつ自分の出生の秘密と、自らの短い寿命を知ったのかは不明だが、アルのエゴでクローンとして望まぬ生を受けたばかりか、
身勝手な理由で自分の人生を「失敗作」と断じ、捨てられたラウはアルを憎んだ。
その憎悪はまたたく間に肥大化し、常人よりも遥かに短い寿命もあって性格も酷く屈折。
ラウはフラガ家の屋敷に火を放ち、アルと彼の妻を焼死させ、その後姿を眩ませて暗躍を開始する。
因みにこの直前、一度だけだが幼い(といっても互いに年齢自体は殆ど変わらないが)ムウと対面している。

前述の錠剤も、後述する友人ギルバート・デュランダルから与えられたテロメアの消耗を抑える(要するに老化を遅らせ寿命を延長する)薬であり、
時折発作に苦しんでいたのは薬が切れた時の禁断症状である。
発作を抑えるために薬を飲んでいたのではなく薬を飲んでいるために発作を起こしていたのである。

大量虐殺兵器が用いられる等戦況が悪化していく中、表では優秀で(少なくともザフトにとっては)善良な指揮官を演じ続け、最終的にパトリック・ザラの信頼を得る事に成功。
ザフトに不都合な暗躍もしているが、戦争中はバレていなかった為にパトリックから重宝され、
かなり良いポジションで暗躍&戦乱を観察し続ける事が出来、自身の計略を推し進めて連合とザフトの対立を煽っていた。

そして最終決戦の段階では既に精神的に無敵の人状態であり、キラの必至の叫びを「それが誰に分かる?何が分かる?分からぬさ!誰にも!」と一蹴した挙句、


違う!人は…人はそんなものじゃないッ!!

っは! 何が違う! 何故違う!
この憎しみの目と心と! 引き金を引く指しか持たぬ者たちの世界で! 何を信じる、何故信じる!!

それしか知らないあなたが!

知らぬさ! 所詮人は、己の知る事しか知らぬ!!


といった具合に人の悪性こそがこの世の全てと主張し続け、最早論戦ではクルーゼ本人を説得・論破することのできない対話拒否状態に陥っていた。



【パイロットとして】

元々コーディネイターが使用する前提で設計されたMSは、OSもコーディネイターを想定して組まれており、
故にナチュラルではMSを操縦すること自体が非常に困難なはずなのだが、よほど努力したのか、四苦八苦していたムウと違ってクルーゼは苦も無く操縦している*4上、
かつては『赤服』を纏い、現在は指揮官としても優秀として認められた証でもある『白服』を纏っていることを加味すれば、
彼の能力はナチュラルでありながら並のコーディネイター達と比べても遥かに優秀な事がうかがえる*5

おまけに上記の通り、ナチュラル+老化の激しい肉体でありながら、本編ではコーディネイターしかいないザフトで白服を授与された叩き上げのトップガンの地位にいた。
つまり、彼はコーディネイターだと名乗っても味方から全く疑われないほどのパイロット技量を保持していたことを示しており、
実際最終決戦では、SEEDを発動させた、しかもクルーゼを殺す気マンマンのキラと互角以上に渡り合うという離れ業も見せつけている。*6

これらもあって『SEED世界最強クラスのパイロット』と評しても問題はない。
ましてや「ナチュラルのパイロット」という括りでは文句なしの世界最強のパイロットであった。


【主な乗艦及び搭乗機】

クルーゼ隊旗艦。

本編未登場。『SEED MSV戦記』ではこの機体でグリマルディ戦線に参戦し戦果を挙げた。

初期搭乗機。
劇中においては、本機に乗っている期間がそれなりに長く、宿敵であるムウのメビウス・ゼロと度々交戦していることや、
クルーゼのパーソナルカラーと合致するシルバーグレーのボディ等から、プロヴィデンスと並んでクルーゼの搭乗機という印象が強い。
『SEED Re』では2基のガンバレルを搭載した大型バックパックに、ビームサーベルの機能が搭載されたシールドが装備された「クルーゼ専用シグー」なるものも登場した。

2代目搭乗機。クルーゼ専用機故にシルバーグレーに塗られている。
初のパーソナルカラーで塗られた専用機だが、カラーリング以外に特に追加武装等はない。
地球で暗躍していた頃に使われており、『オペレーション・スピットブレイク』参戦時にお披露目。

3代目搭乗機。ゲイツの制式配備に先駆け、先行導入された。
ディン同様にクルーゼのパーソナルカラーであるシルバーグレーに塗られているが、色以外は一般機と差はない。
資料では専用機ではないともされており、どっちが本当なのかは不明。
再度宇宙へ上がった後にディンから乗り換えた機体で、一応当時のザフトの新型機ではあるのだが、
終盤でもたまにビジュアルが若干似てるシグーが出てきたことや、ラスボス機たるプロヴィデンスのインパクトに隠れてしまい、クルーゼの乗機の中では影が薄め。

最後の搭乗機にして『SEED』におけるラスボス機
高い空間認識能力を持つクルーゼが乗るということで、オールレンジ兵装「ドラグーン」が主兵装となっているが、
元々は近接戦用のMSを急遽「ドラグーン」搭載機に変更したため、完成度という観点では兄弟機のフリーダムやジャスティスに劣る。
カラーリングの配色、オールレンジ兵装が主兵装、「未完成機」…と、そこはかとなくジオングを思わせる機体となっている。
TV放映時には徹底的に事前情報を伏せられていた経緯があり、2話しか登場していないがラスボスらしい圧倒的な強さと合わせて強烈なインパクトを残した。


【本編での行動について】

SEED本編の所謂ラスボスに間違いはなく、スパロボ等では特に世界の破滅を望んで行動しているキャラとして描かれる事が多い。
フラガ家を破滅に追いやった後、プラントへと渡って名を変え、素性を偽ってザフトの前身組織である黄道同盟へ入隊。
ナチュラルでありながら優秀な成績を残し、エリートの証である赤服を身に纏い、戦果を挙げやがては指揮官という役務を得た。
尚、トレードマークである仮面はこの頃から着用しているが、これは急速な老化現象が表れ始めた素顔を隠すという目的である*7

だが序盤においては彼自身は人類滅亡や世界の崩壊に対してそこまでの積極性は見せていない。*8
とはいえ公に行動しているので暗躍というわけではないが、(連合の秘密工場があり、パトリックの意向でもあったが)中立コロニーのヘリオポリスに躊躇無く先制攻撃を仕掛けたり、
その攻撃によってコロニーが壊れようが全く気にする素振りを見せないなど、後の展開に繋がる一面は序盤から見せている。

ただし、あくまでも全てを操っていたわけではないだけであり、大きな暗躍はしている。
本編が中盤に入った頃、オペレーション・スピットブレイクにおいて、そのままだと下手すると戦争がそのうち終結してしまうところだったため、
彼はザフトの情報を連合に漏らしてサイクロプスの使用を促し、目論見通り戦争の膠着化と更なる復讐の連鎖を煽ることに成功*9
サイクロプスが使われると踏んでいた根拠は謎だが*10、仮に知っていなかったとすると、どさくさに紛れてアラスカの『地球連合軍統合最高司令部』のジョシュア基地に潜入するなんて真似は非常に無謀である。すんなり中心部に辿り着いている事といい、やはり予め建物の構造と作戦の詳細な情報を受け取っていたと考えた方が良さそうだ(因みにアズラエルとの繋がりを示唆するのはこの時)。

この際、転属を嫌がって基地内をうろついていたフレイ・アルスターと遭遇。
彼女がクルーゼの声を聞いて「パパ?」と呟いた*11為、アルの関係者ではないかと疑ったため拉致する(結果的に救出したとも言える)。
そのためにしばらく近くに置いて探っていたが、後に全くの無関係だったと分かったので興味を無くした。

自身の遺伝子と深い因縁を持つムウ、自身のような犠牲の上に生まれたキラとコロニーメンデルで対峙した際には*12感情が昂ぶり、
ザフトではあまり本音を語らなかった反動もあってか、これまでの彼とはまるで違う一面と饒舌ぶりを見せた。

さらに、世界を滅びに向かわせる一手として、『NJC』のデータを連合にリークした。
これについては戦闘の最中、避難艇の内の一機にだけそのデータを持った人間(フレイ)を乗せるという賭けの様な行為に打って出ており、*13
クルーゼ本人も、『NJC』のデータが連合に届こうが届くまいが構わないと内心で嘯くなど、「賭け」という認識があったと思われるが、
結果的には、フレイの乗った避難艇は撃墜を免れ、フレイと彼女に持たせた『NJC』のデータはドミニオンに回収されるばかりか、
同艦にたまたまオブザーバーとして居合わせていた、反コーディネイター組織『ブルーコスモス』盟主のムルタ・アズラエルの手に直接渡るという、想像以上の大成功になった。
小説版ではこの予想以上の成果に対し、「やはりこの世界は滅びを望んでいるのだな」と一人笑うシーンが追加された。

尤も、もしも『NJC』がアズラエルや彼に追従する過激派ではなく、穏健派の連合軍上層部の手に渡り、
彼らが地上のエネルギー問題等のために『NJC』を平和利用しようとした場合でも、存在が明らかになればブルーコスモスや過激派が目を付けないとは考えにくく、
連合に渡った時点で、情報抹消以外の方向だと遅かれ早かれ劇中と同じ流れになっていたと思われる。
つまり、上記の賭けはあくまでもクルーゼ視点の感想であって、そもそもの行動・前提条件が悪意に偏っているものである。

終盤にはパトリックの意向で特務隊へと異動する*14と共に、新たな乗機プロヴィデンスを与えられ、第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦に参戦。
パイロットとしての超人的な技量とドラグーン・システムの圧倒的な火力で、ジェネシスに迫る連合軍や戦争を止めようとする三隻同盟を蹂躙し、
因縁深いムウと彼のストライクとの戦いでも、機体の性能差もあって撃墜こそし損ねたが一蹴している。
さらに、ムウの救援に駆け付けたキラのミーティア装備のフリーダムもほぼ一方的に攻め立て、
自機はほとんど損傷のないままに、フリーダムのミーティアを破壊せしめている。

そして、フリーダムとの戦闘中、戦場から撤退しようとする地球軍の避難船を撃墜し、そこに搭乗していたフレイを、助けようとしたキラの目の前で殺害してのけ、
一度は彼を戦意喪失に追い込むが、『SEED』を発現させて立ち直ったキラと再度交戦。
キラがドラグーンへの対応に慣れてきたこともあり、徐々に戦況はクルーゼ優勢からキラの方に傾き始め、
最終的にはキラ・クルーゼ共に、自機が半壊状態になるまでの死闘を繰り広げた。

クルーゼも徐々に自分が押し込まれていることに気付いてか、
キラに対し、自身がヤキン・ドゥーエに仕掛けた最後のトラップの存在を暴露。

フ…フフフフ、ハーハッハッハ!どの道、私の勝ちだ!ヤキンが自爆すれば、ジェネシスは発射される!
最早止める術はない!地は焼かれ、涙と悲鳴は新たなる争いの狼煙となる!

そんな…

人が数多持つ予言の日だ!

そんなこと!

それだけの業!重ねてきたのは誰だ!?

君とてその一つだろうがァ!

狂気じみた哄笑と共に、自身の勝利を確信するクルーゼ。
それでも戦意を失わないキラとフリーダムに、プロヴィデンスのドラグーンは次々と墜とされていくが、
クルーゼも負けじと、遮二無二迫ってくるフリーダムを着実に損傷させていく。

それでも…!

守りたい世界があるんだ!

そして、ついにプロヴィデンスの両腕をフリーダムに破壊されたクルーゼは、
連結させてレンジを伸ばしたビームサーベルを掲げたフリーダムの突撃を、残るドラグーンで迎撃するも防ぎ切ることが出来ず、
ビーム刃をコクピット付近に受けたプロヴィデンスは機能を停止。

その直後にジェネシスの最後の照射に巻き込まれる形で、プロヴィデンスと共にクルーゼ自身もその爆発の中に消えていった。
しかし、彼の口元には敗北した悔しさなどは見られず、どこか安心したような笑みが浮かんでいた。


この最終決戦時の彼の口上は今でもクルーゼを代表する名台詞として語り草になっている。
自身の生い立ちから見出した人間の闇・悪性の主張にキラは圧倒されてしまうが、それも無理からぬこと。
大西洋連邦もザフトも自陣営の融和を求める穏健派を弾圧・粛清し、相手の絶滅を求めて悉く終末戦争の道を選び、
その愚行の果てに「人は互いに食い合い滅ぼし合う」殲滅戦が二人の後方で今まさに繰り広げられているのだから…
さらには、皮肉な事にクルーゼの主張に真に共感し得るのは、彼と同じく「人の業」で生み出されたキラしかいない。
事態を俯瞰できるのも、理解できるのも、そして形は違えど「人の業」の化身がクルーゼとキラの二人である。
そういった背景を知れば、最後の舌戦はクルーゼがキラに理解を求めて訴えかけているように見えるかもしれない。

とはいえ、最後の明暗を分けたのもまた二人の歩んできた道の差であった。
舌戦ではクルーゼに押され気味だったこともあり、キラの「それでも守りたい世界がある」という言葉は些か軽く見られがちだが、
これまで『SEED』においてキラが歩んできた道のりを鑑みれば、その集大成とも取れるこの言葉は決して軽いものではない。
親友に友を殺され、自身もまた親友の友を殺し、一度は憎み殺し合いながらも、それでも和解に至ったのは紛れもない人類の可能性であるし、
キラやアスランに限らずAAの捕虜となったディアッカ*15やザフトに在籍し続けたイザーク、
果てはザフト中枢のザラ派すら、寸前で「これはおかしい、ここまでやる必要はない」と絶滅戦争の異常性に疑問を抱くに至っている。
クルーゼが「人は滅ぶべくして滅ぶ」と断じた人の業には、はからずも滅亡を望まない想いもまた含まれていたと言えるだろう。

また、クルーゼは確かに世界を破滅に導こうとしていたが、同時にそうしたくないという気持ちもあったと思われ、
『NJC』の流出の際に自覚しつつも賭けの様な行動に出たり、ムウに「貴様に討たれるならそれもまた…とも思ったがな」と(過去形だが)述べているのもその顕れで、
最後の瞬間に穏やかな笑みを浮かべていたのも、世界の破滅と自分を止めてくれた事への納得や安堵だと言及されている。


戦後における扱いの詳細は不明だが、行いは明らかになっているようで戦争犯罪者扱いになっている模様。



【人間関係】

キラに対しては憎しみや嫉妬が強いものの、生まれた理由やその扱いなど諸々が自身と重なるため、監督曰く愛しくも思っていたとのこと。
メンデルでムウとキラの二人と生身で相対するという、クルーゼにとってはそれなりに危険な状況に置かれながら、
キラに懇切丁寧に、熱も込めて彼の出自を説明したのも、この愛憎入り混じった感情が関係しているのだろう。
最も手強い敵の一人と認識しつつも、キラを一貫して「キラ君」とどこか親しげに呼んでいたのもその影響だろうか。
続編の劇場版『SEED FREEDOM』では、キラにとって相当なトラウマになっているのか、彼が敵の精神汚染を受けるシーンでは殆どクルーゼがバックになって映し出されている*16

前述した通りムウとは非常に因縁深いというか同じ血が流れた宿業の相手だったので、キラ以上に拘っていた。
本編でも最終版まで拘りを見せ、尚且つムウに自身が倒されるならば、それもまた一興とまで考えていた。*17
小説版ではより克明にクルーゼの心中が描かれており、ストライクの残骸とムウが死んだ(ように視える)結果に「自身と同じ血を引き、最も自分に近い存在である、一番憎んだ男をその手で殺せなかった」と憤り、
只でさえ空虚だった彼の心の内に、より一層の虚しさが去来したと綴られている。

また、劇中でラクスの乗るエターナルを攻撃する際、「君の歌は好きだったがね」と一人ごちている。
皮肉にも本気にも取れる言葉だが、彼女の歌をどう受け止めていたのか、どういう意味でラクスの歌が「好きだった」のかは謎のままである。

ギルバート・デュランダルとは友人関係にあり、その経歴を知る数少ない人物。
これはデュランダルが遺伝子工学の権威であり、嘗てメンデルの遺伝子研究所に研究員として在籍していた事が大きな理由だと思われる。
彼から細胞分裂を抑える薬物を貰い、老化の促進をある程度防げているが、その副作用は激しく、効果が切れた時には苦しんでいる。
デュランダルに対しては自身の内に秘めた憎悪を隠していなかった様で、デュランダルもまたクルーゼの言葉に共感し影響を受けていた節がある。

レイ・ザ・バレルは同じ遺伝子を持つクローン同士。資料によってはレイはクルーゼのクローン(二次コピー)とされる。
幼いレイを引き取ってデュランダルに預けたのはクルーゼであり、その後も親交があった模様。
メサイア攻防戦でのレイの言動から、彼にも本性を明かしていたと思われる。



【ゲーム作品】

SEEDの最終面で対決。 MAP移行前は幾ら倒してもド根性で復活する。
しかし、プレイヤー側は三万ダメージなんて軽い機体がうじゃうじゃしてるのと、プロヴィデンスの装甲が余り高くない事から案外普通に倒せてしまう為、重要な資金源となってくれたりする。
とはいえ、ターン制限や他のボスとの戦いもあるのでほどほどに。
MAP移行後はHPが10万越えに跳ね上がる。 また出撃枠が少なく少数の機体しか出せない。
しかし、その状況ですら自軍の総火力でアッサリ撃破されて、本来の目的であるジェネシスを規定ターンまでに余裕で破壊されることになりがち。
実は撃墜しなくてもクリア可能だが、熟練度獲得に必要なのと、最強クラスの強化パーツであるハロを落とすのでぜひ撃墜しておきたい。
アスラン、ディアッカ、イザーク(仲間になった場合)と会話イベントが発生。
人類の滅亡を願っている事から、前作、前々作での地球の危機には、内心ウキウキしていたらしい。
だが、その度に世界を救ってきたαナンバーズには鬱屈した感情を抱いていた模様。少しばかり小物臭い。
αナンバーズの面々に関しての情報はかなり調べ上げており、どこで知ったのか人類補完計画の詳細まで知っていた。

声優繋がりで中の人が同じ秋津マサトとの対戦時に専用セリフが存在する。
また、機動戦艦ナデシコ』の草壁に引導を渡す(当然ながら原作にそんなシーンは無い)という誰もが予想しなかったであろう役どころを担い、
結果として劇場版ナデシコへのフラグをへし折ったことも。
能力的には最強クラスで、序盤から最終盤まで立ちはだかる厄介な敵。
しかも、なぜかコーディネイターの特殊スキルも持っているのでもともと高い能力がさらに強化される。
プロヴィデンスの性能もかなりのもので、版権キャラ最後の敵として立ちはだかる。

ボン太くんに浄化されかけた
味方側にもっと過酷な運命を背負ってる奴がいるからか、ここでも若干小物臭い。
似た様な出自の叢雲劾からは一定の理解を示されてはいたものの、その行動には弁護の余地無しと切り捨てられている。
ヤキン・ドゥーエ攻防戦で戦死したと思われたが実は生き延びており、最終前話ではDr.ヘル、シンクライン皇太子とともに今回も最後の版権敵として立ちふさがる。
なにげにガンダムシリーズのラスボスとマジンガーシリーズのラスボスが並び立つのはα以来である。
なお、本作ではNJCはフレイが自部隊側に回収された結果、ブルーコスモスと政治的に対立する立場の『勇者王ガオガイガーFINAL』のロゼ・アプロヴァールの手に渡ったため、
存在を明かした上でNJCの軍事利用不許可を明言した演説を行い、本当にブルーコスモスの手に渡らず、平和利用される事になった*18シレっと劾がローエングリンランチャー用のNJC貰ってるけど

本編では第3章で敵として登場。
期間限定イベント『錯綜する意志』ではあのエンブリヲ蘇生させられ、結託して悪事を働く。
『夢見た楽園は遠く』においてはジェネシスにぶち込まれたにも拘らずグラドス軍に救助されていたというさすがにちょっと無理がある設定で登場し、
グラドスの野望が地球人同士を戦わせて地球をボロボロにしようという計画*19だと知ると嬉々として参加、
圧倒的なカリスマ性でロゴス残党やテロリストを纏め上げて第3次地球・プラント戦争を引き起こそうとした。
同じくグラドスに保護されていたステラからは外見がネオそっくりだったため慕われていた。

また、ストーリーと自軍ユニットが関連付けられておらず、悪役キャラもプレイアブルとして実装されている本作では、彼とプロヴィデンスもまた自軍で使用可能。
ディフェンダータイプと大器シュータータイプの2種類がおり、シュータータイプの方は高い回避率に加えて暗闇の状態異常を付与する全体攻撃の必殺スキルを持つ強力なユニットでありながら、
確定で入手可能なガシャのユニットであったため、対人戦のアリーナで一時期猛威を振るった。

原作通りなのでこれと言って書くことがない。
ゲーム的にも難易度がデノミされた第2章序盤のボスなのでちっとも恐れるに足らない。

  • SDガンダム Gジェネレーションアドバンス
発売が『SEED』放送終了からわずか2か月後(=制作・放送期間が丸被り)なだけあって良くも悪くも独特な展開がみられる同作。
クルーゼの扱いは最たるものの一つといえる。
連邦軍ジャミトフ派に内通しザフトを裏切り、フリーダムガンダムを連邦から受領して搭乗。
別れの挨拶と言わんばかりにヴェサリウスを撃沈して自軍に襲い掛かってくるのだが、終盤のソロモン攻略戦でムウと相打ちになって退場。
イージスに乗ったアスランに押されるわ、死亡後もフリーダムはほぼ無事だったのでキラに使われるわと、何がしたかったのかわからない中ボス感が拭えない。

  • SDガンダム GジェネレーションDS
概ね原作通りだが、ガトーの腕前を評価したり*20、「戦争を終わらせる鍵」が彼が手に入れた黒歴史のデータになっていたりする。
spモードのライバルルートでは主を失った「レギオン」の新たな保護者になっていたりと裏設定や「DESTINY」を彷彿とさせる行動をとっている。

中間アップデートでプロヴィデンスガンダムに搭乗して参戦。
主人公とラスボスという関係性もあってか、キラとの掛け合いが豊富に収録されているが、
原作再現のやり取りはストライク搭乗のキラ相手に設定されており、出撃ムービーではストライクに乗ったキラを相手にしていた*21
劇中で直接的なやり取りの無かったアンドリュー・バルトフェルドやラクスに対して皮肉めいた台詞をよこしたり、
イザークやディアッカなどの部下からは味方なら信頼され、敵対するとその腕前を恐れられるなどされていた。
ちなみにパイロットグラフィックはこの手の作品としては珍しくパイロットスーツを着ており、熟練度を上げると衣装差分で白服状態にもできる。
EXVS2ではイラストがアップデートされたが、更に期中でイラスト変更され躍動感のあるものとなった。

これは「ガンダム作品のみのクロスオーバー」「原作の人やモノだけが他の作品や時代に移されたため、主人公はそれを 正しい歴史に戻す 」というゲームで、
原作のラウが他のガンダム作品の世界に転移したものを、主人公が捜索して倒し、元の『SEED』の世界に戻すことになるのだが、
よりによって転移したのは最終決戦直前の 行き着くところまで行ったラウ なので、
他のどんなガンダム作品の世界に行こうが、変わらず絶望と憎悪を撒き散らして暴れるだけのただのボスキャラになっている。
(主人公も立場上ラウを説得などで改心や救済することは許されないし、そんな言葉が通じる状態ではない)
だからラウを説得とかしようにも聞き入れないのだが、 ラウが飛ばされた先にはラウの憎悪など相手にしないような奴ばかりいる事が多い。
(前述の世界に対する憎悪を叫んだラウに対して)
カミーユ: お前はクズだ!生きていちゃいけない奴なんだ!
三日月:もういいよ。あんたの言うこと難しいし、 消えろよ。

この様に、ゲーム作品でもほぼ全ての作品では敵役・ボスキャラとして君臨し続けていたが、
ソーシャルゲーム「スーパーロボット大戦Card Chronicle」では、一度は自軍に倒されるも、
ショット・ウェポンとともにスパイラルネメシスを引き起こし、宇宙の崩壊を企てる悪役として出ては来るが、
最後の最後まで自軍であるカイルスに敵対し続ける点に関しては同じだが、
『冥王計画ゼオライマー』の塞臥の境遇に共感して自らの素性を明かして手を差し伸べるという、
これまでの作品では見られなかったクルーゼの内心を掘り下げる一幕があったり、
最終決戦において、「友人」のシンルナマリア達との交流から未来への希望を見出したレイとの直接対決の果てに、
敗北を認めてレイの歩む未来にエールを送り、満足して散るという救いが漸く用意された。


◆クルーゼの呪い?

スパロボZにてネオやレイといったクルーゼと関連する二人に『声が低くなる』といったバグが生じ、それによって両者は声の雰囲気が驚く程クルーゼそっくりに。

特に、同じ声優のレイは完全にクルーゼにしか聴こえない。
何故この様な事態になってしまったのかは不明。一時は仕様と発表されていたが、ファンディスクでは修正された事から本当にバグだった様だ。


◆セリフ集


SEED

「所詮、子は親には勝てぬということかな?」

「知りたがり、欲しがり! やがてそれが何の為だったかも忘れ、『命を大事』と言いながら弄び殺し合う!!」

「何を知ったとて! 何を手にしたとて変わらない! 最高だな、人は」

「使ってみせるさ……あの男に出来て、私に出来ない筈が無い」

「これが人の夢、人の望み、人の業!! 『他者より強く』、『他者より先へ』、『他者より上へ』!! 競い、妬み、憎んで、その身を喰い合う!!」

「もう遅いさムウ、私は結果だよ。だから知る! 自ら育てた闇に喰われて人は滅ぶとな!!」

「君の歌は好きだったがね……だが世界は歌の様に優しくはない!!」

「知れば誰もが望むだろう。『君の様になりたい』と、『君の様で在りたい』と! 故に許されない、君という存在も!!」

「これが定めさ! 知りながらも突き進んだ道だろう! 正義と信じ、分からぬと逃げ、知らず! 聞かず! その果ての終局だ! 最早止める術など無い!! そして滅ぶ!人は、滅ぶべくしてなぁ!!」

「知らぬさ! 所詮人は己の知る事しか知らぬ!」

「まだ苦しみたいか!? 『いつかは』『やがていつかは』と! そんな甘い毒に踊らされ、一体どれ程の時を戦い続けて来た!!」

「人が数多持つ予言の日だ!!」

「それだけの業、重ねて来たのは誰だ! 君とてその一つだろうが!!」


SEED DESTINY

「全てのものは生まれ、やがて死んでゆく。 ただそれだけの事だ」

ギル「だから何を望もうが、願おうが、無意味だと?」

「いやいや、そうではない。 ただそれが我等の愛しきこの世界、そして人という生き物だという事さ。 どれだけ、どう生きようとも」

「誰もが知っている事だが忘れている事。 だが私だけは忘れない。 決してそれを忘れない」
「こんな私の生に価値があるとしたら、知った時から片時も、それを忘れた事が無いという事だけだろうがね」

「そんな事は私は知らない。 私は私の事しか知りはしない」

「迷路の中を行く様なものさ。 道は常に幾つも前にあり、我等は選び、ただ辿る」
「君達はその先に願ったものがあると信じて。 そして私は、やはり無いのだと、また知る為に」

「そうして考えている間に時は無くなるぞ? 選ばなかった道など、無かったと同じ」
「もしもあの時。 もしもあの時。 幾ら振り返ってみても、もう戻れはしない。 何も変える事など出来ない。 我等は常に、見えぬ未来へと進むしかないのだ」

「今ではない何時か、此処ではない何処か。 きっとそこにはある。 素晴らしい『モノ』」
「それを求めて永劫に、血の道を彷徨うのだろう? 君達は……。 不幸な事だな」

「救いとは何だ? 望むものが全て、願った事が全て叶う事か? 『こんな筈では無かった』と、だから『時よ戻れ』と祈りが届く事か?」
「ならば次は間違えぬと、確かに言えるのか? 君は。 誰が決めたというのだ。 何を?」


スパロボシリーズ

  • 第3次α
「人造人間エヴァンゲリオン! 早く君は使命を果たしたまえ! 補完という名の滅びを!」(対碇シンジの戦闘前会話)

  • スパロボJ
「君の悪足掻きも、楽しませて貰ったがね。 だが世界は、正義と悪だけで語れる物とは思えんな」
「信じていた物に裏切られるのは辛いだろう? 楽になりたまえ」(草壁のかぐらづきを撃ち落とすシーン)
「君に代わって、私が冥王計画とやらを成し遂げてあげよう…」(対秋津マサト)

  • スパロボW
「(くっ…あの機体を見ていると私の中の闇が薄れていく…!)」(対ボン太くん)

  • スパロボCC
「それが君の答えか、レイ…。 ならば、辿れば良いさ…。 君が選んだ、その道を…」
「願ったものが先にあると信じるのは…君次第だからな…」
「フ…フフフ…ハハハハ。 ハハハハハハハハハハ!」


【余談】

フランスに「ル・クルーゼ(Le Creuset)」という鍋メーカーが実在する。
「クルーゼ」とは英語で「クルーシブル(Crucible)」、即ち「坩堝」の意味。
溶かした金属を混ぜる容器、または溶鉱炉の底に位置する溶融物溜まり、転じて様々な勢力がぶつかり合う状況や場を示す比喩表現でもあり、
また更にそこから転じてか「厳しい試練・苦難の状況」といった意味も持つ。
クルーゼの運命、行動、目的等も鑑みるに、大いなる皮肉とも盛大なブラックジョークとも言える名前である。

実は元々ラスボスの予定ではなかった。
当初の予定ではキラとアスランが和解せずに最後まで対立する流れだった(のでアスランがラスボスの予定だった)のだが、
脚本の筆が乗りすぎたせいか気が付けばアスランがキラの横に収まっていたため、急遽抜擢されたのがクルーゼなのだという。
実際、劇中でクルーゼが本格的に暗躍し始めるのは中盤のアラスカ戦のあたりからであり、序盤でも思わせぶりな発言はあるが行動はしていない。

『機動戦士ガンダムSEED X ASTRAY』一巻の外伝と、『SEED ASTRAY』リマスター版本編で黒髪の姿の彼らしき男が登場しており、
スーパーコーディネイターの失敗作であるカナードに成功体であるキラ・ヤマトの存在を教えている。

また同作ではクルーゼと似た境遇の人物としてプレア・レヴェリーが、別のところではメタルギアソリッドのリキッド・スネークがいる。

世界を憎みながら失敗作と言われて育ち戦ったカナード、リキッド。
余命が幾ばくかのクローンでありながら、愛すべき世界や仲間の為に戦うプレア、スネーク。
それは奇しくも、キラとクルーゼの関係と真逆であった。


ちなみに声優を務めた関俊彦氏は以前から仮面キャラを演じたいと思っており、前々作の『ガンダムW』でもゼクス役のオーディションを受けるなどしていた。
結局『W』ではゼクスではなくデュオ・マックスウェルを演じることとなったが、『SEED』で漸く仮面キャラのクルーゼを演じることが出来た。


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最終更新:2024年03月09日 00:49
添付ファイル

*1 劇中ではフレイしかそういった描写がないが、ミゲルは素顔を見た事があるといい、ニコルは素顔を気にする描写が漫画にある

*2 小説版では自室にいたフレイが自分の顔を見ようとしているのに気付いて慌てて仮面を着けた、という流れになっている。

*3 ただし、ムウとの戦いでは機体の相性や性能差などの面でムウが不利な状態でしか戦っておらず、同条件で戦ってもクルーゼの方が強いのかどうかは不明。劇中ではそういった状況もあってどの戦いでもクルーゼが優勢であったが、一方で本来はMSと一対一では勝負にならないほど性能が劣るというMAのメビウス・ゼロにムウが乗っていた際でも、クルーゼは有利に戦況を進めながらもムウを撃破するまでには至っていない。

*4 ただし、ムウはAAにおいてパイロットがキラと自分の二人しかいなかった上、メビウス・ゼロはその武装の特殊性からムウにしか十全に扱えなかったこともあってストライクをキラにずっと任せていたこと、物語後半にムウがストライクに搭乗する頃にはナチュラル用のOSが完成していたことから、コーディネイター用のOSを使用する必要がなかったので、ムウの才能や力量も加味すれば、必要に迫られて相応の努力をしていればコーディネイター用のOSでも操縦できた可能性は割と高い。

*5 コーディネイターは理論上存在しうる高能力の人間を人為的に作るものなので、ナチュラルでありながらコーディネイター並みの高い素質や能力を持っていることは、かなり珍しくはあるが決しておかしな話ではない。実際に、ムウもクルーゼには苦戦する場面が多かったが、彼を除けばコーディネイターが相手でも対等以上に戦っている。

*6 もっとも対キラ戦については、『SEED』時代はプロヴィデンスのドラグーン・システムへの対抗手段が、当時の同機が最新鋭機かつ唯一無二のシステムだったこともあって戦艦・MSともに基本的に存在せず、無線式のオールレンジ攻撃とミサイルなどを防げるビームカーテンと攻防共に隙が無い上にエネルギー切れの心配もないと、同じ核動力機・最新鋭機のフリーダムと比べても両機の武装格差に明確な開きがあったことも考慮しなくてはならない。

*7 その素顔に関してはTVシリーズ本編で明かされる事は無く、スペシャルエディションで片目が覗く形で公開されたが、苦悶の表情であったことから多少皺が多い程度で、年相応かむしろ若々しいムウと同じ色の瞳であった。一方で小説版では「最早老人のそれ」と称される程に老化している事が示されていた

*8 世界に対する恨み言自体はアル・ダ・フラガを殺した時に既に終わっていて、残りは空虚な感情を抱いて生きていた。時折見られた状況への水差しは過去に持っていた感情から来るただの気まぐれ。と監督自身がコメントしている

*9 因みにプラント側でもスピットブレイクの降下先がアラスカという事は徹底的に秘匿されており、知っていたのはクルーゼ等極一部の人間のみであったため、状況次第ではクルーゼにスパイ容疑を掛けられた可能性もあった。だが、同時期にクライン派の手引きによるフリーダム奪取事件があったため、パトリックはシーゲル・クラインが内通者だと断定したため事なきを得ている。とはいえ、クルーゼも疑惑がかかる可能性も考慮してかアラスカ潜入調査任務自体を口外無用の極秘任務としていた事でアラスカに潜入していた事自体隠蔽している。

*10 ブルーコスモスがクルーゼから提供された情報を何故かすんなり信じていたり、クルーゼ自身も「アズラエルの情報は正確なようだな」とムルタ・アズラエルと通じていたと取れる独り言を呟く場面があるのでダブルスパイとして作戦の情報を受け取っていた可能性が高いが、現在まで真相は明らかになっていない。

*11 フレイの父親、ジョージの声も関俊彦氏が担当しており、フレイもクルーゼの声を聞いて「パパの声がする」と言っているので声がそっくりなのは単なる中の人ネタではなく公式設定。

*12 三者の生まれに深い因縁のある場所であった事もあり

*13 ただし、避難艇なので意図的に落とされることはそうそうなく、更に「戦争を終わらせる鍵」とうそぶいてフレイ自らの努力によって連合上層部に渡りやすいようにしたりはしている。連合に渡れば当時の情勢からブルーコスモスの手に渡る可能性大である。

*14 これに伴い元クルーゼ隊の生き残りの面々はジュール隊へと再編成された

*15 彼もまたナチュラルとコーディネイターの戦争の異常性に気付き、向き合ってきた人物の一人である。

*16 ちなみに、引き出しの中にある予備の仮面が並んでいるシーンというクルーゼ本人とフレイぐらいしか知らない筈のシーンも流れた。

*17 尤もメンデルで出会った時は機体性能差も踏まえてムウが唯一クルーゼを倒し得る場面だったのだが、よりにもよってタイマンでは相性最悪と言えるランチャー装備だったので、そういった不運もありクルーゼは「やはり子供では親には勝てない」とムウと運命を揶揄していた。

*18 代わりに『宇宙の騎士テッカマンブレード』のエネルギーであるフェルミオンの技術が『フルメタル・パニック!』のレナード・テスタロッサ経由でブルーコスモスに提供されてフェルミオンミサイルが飛んでいく事に。

*19 原作における米ソをそのまま地球とプラントに挿げ替えたもの。

*20 ザフトの新型MSをネオジオンへ戦力として提供する際に「ナチュラルでも使えるようにOS書き換えてはあるけど、君たちには不要かもしれないな(要訳)」というもの。

*21 もちろん、フリーダムやストライクフリーダム搭乗のキラとも個別の掛け合いがある。