ラウ・ル・クルーゼ

登録日 :2010/01/05(火) 23:18:33
更新日 : 2017/08/05 Sat 19:53:30
所要時間 :約 13 分で読めます





ストライク、討たねば次に討たれるのは君かも知れんぞ…




機動戦士ガンダムSEED」の登場人物。
CV:関俊彦

人種:コーディネイター(※詳しくはネタバレ参照)
血液型:O型
生年月日:不明
年齢:25歳
身長:183cm
体重:77kg


Z.A.F.Tに所属する仮面の男。
部隊指揮官相応の白服であり、クルーゼ隊の隊長。
非常に優秀なMSパイロットであり、世界樹攻防戦においてはジンハイマニューバを駆ってモビルアーマー37機、戦艦6隻を撃破。
グリマルディ戦線では地球連合第三艦隊を壊滅させる等、Z.A.F.Tのトップガンとして獅子奮迅の活躍を見せている。
その驚異的な優秀ぶりから、ザフト兵には嫉妬を抱く者も数多くいたらしい(作中ではほとんど見かけないが)。

冷静で理知的な性格だが、仮面の影響もあってか何処か言動が非常に胡散臭い。
しかし最終決戦までは隊員に対して紳士な対応を徹底していた上に、頼りになる隊長だったので隊員からの評判はかなり良好。
ただ姿を隠している上にその紳士っぷりに白々しさを感じていたのか、砂漠の虎は最初の方から本性を疑っていた。

「彼の素顔を知る者、知ろうとする者は戦死する」 というジンクスがあり、ニコルミゲルフレイはこのジンクスが原因で死亡したとも。(ミゲルは素顔を見たことがあり、ニコルは素顔を気にする描写が漫画にある)
クルーゼ当人は基本的に素顔を見せようとせず、頑なに隠し続けている。
仮面が外れた状態で基地に帰還した際には誰とも顔を合わせず一目散に自室へ駆け込み、(薬を服用してから)即座に予備の仮面を装着したほど。
※なお、自室の引き出しには大量の予備の仮面が常備されている。

何故かムウ・ラ・フラガとは近くにいると互いの存在を認識しあうことが出来る。
また、その際には何故かニュータイプ的きらめき音が流れる。


スパロボでの客演ではあらゆる勢力から「信用できない」として白眼視されている。
一方、独自の思想を持っており、徹底した悪役としてブレなかった事、後述の強さに対する設定が秀逸だった事などから、視聴者からの人気は高い。
変態仮面呼ばわりされたりするけど。


余談だが、感情が高ぶると仮面の両眼部分が大きくなる。高確率で作画に気合いが入っている場面。


  • 主な部下

ラスティ・マッケンジー
オレンジ髮が特徴の赤服の青年。ヘリオポリスでのモビルスーツ奪取作戦のメンバーであったが、銃撃戦で死亡した。

オロール・クーデンベルグ
マシュー
共にヘリオポリスでアークエンジェルを襲撃したメンバー。どちらもフラガが手動操作するゴットフリートに撃ち抜かれて戦死した。



  • 主な搭乗機


以下ネタバレ








私にはあるのだよ! この宇宙でただ一人、全ての人類を裁く権利がな!

私は己の死すら金で買えると思い上がった愚か者…貴様の父、アル・ダ・フラガの出来損ないのクローンなのだからな!


その正体は ムウの父、アル・ダ・フラガの細胞から作られたクローン人間。
アルは妻の反対によって自分の思うように教育できなかったムウを後継者と認めず、自他共に認める天才であった自分の才能を受け継いだ後継者を作るべく、自身のクローン人間を生み出した。
その事を知っていたのは本編時点ではレイデュランダルのみであった。

製作者はキラ・ヤマトの実父ユーレン・ヒビキ。個人のクローン作製が違法と知りつつ、研究費の援助をちらつかされてクローン作製に手を染めた。
この資金援助により、ヒビキの研究は実を結び、スーパーコーディネイター「キラ・ヤマト」が誕生している。

つまり、ラウは生まれこそ特殊だが遺伝子操作を受けて生まれていないため、分類上コーディネイターではなく ナチュラル である。
しかしアル・ダ・フラガの類まれな能力を受け継いでおり、事実その才能はムウ並かそれ以上 *1
さらに彼自身の努力でその才能に磨きをかけ、それによってコーディネイターで構成されたザフト内でも目を見張るほどの驚異的なまでの実績を挙げてきた *2

しかしクローンニングが技術的に不完全だったがために生まれつきテロメアが短く、生まれた時点でアルと同じくらいの寿命しか残っていなかった。
作中では25歳だが、最早残りの寿命はわずかしかない。
その短い寿命の為アルからは失敗作と見做され、アルのエゴでクローンとして生み出されただけでなくその人生を 「失敗作」 と断じられたクルーゼはアルを憎んだ。
その憎悪は肥大化し、常人よりも遥かに短い寿命もあって性格も酷く屈折。
最終的にはアルだけでなく 自身を生み出す背景となった世界=全人類の滅亡 を望むようになった。

そして、アルを屋敷ごと焼死させた後、流れ流れてプラントへと渡り素性を偽りザフトへ入隊。
ナチュラルでありながら優秀な成績を残し、エリートの証である赤服を身に纏い、やがては指揮官と言う役務を得る。
本来ならコーディネイター用に調整されたMSはナチュラルにとって操縦困難な代物となるのだが、クルーゼは全く苦にしていないため、
彼の能力は ナチュラルでありながらコーディネイター並であった ことがうかがえる。
なお、トレードマークである仮面はこの頃から着用しているが、これは 急速な老化現象が表れ始めた素顔を隠す という目的からだった。

その後、本格化したザフトと連合の大戦の陰で自身の目的の為に暗躍。
ナチュラルに対する憎しみを秘めたパトリック・ザラの懐刀として活動しながら同時にその立場を利用し、地球連合に作戦内容を漏らしアラスカに降下したザフト軍を壊滅に追いやった他、
フリーダム・ジャスティスに使用されたNジャマーキャンセラーのデータをフレイ・アルスターを利用して地球連合に伝えるといった謀略により、戦争を泥沼の消耗戦へと誘導。

最終的に連合は核ミサイル、ザフトは巨大中性子砲『ジェネシス』といった戦略兵器までも持ち出し、まんまと 「人類を滅亡させる最終戦争」 を演出するに至り、
自身も最後の詰めとして新たな愛機 プロヴィデンス を起動させ、満を持してヤキン・ドゥーエ攻防戦に参戦。
パイロットとしての超人的な技量とドラグーン・システムの圧倒的な火力で、ジェネシスに迫る連合軍や戦争を止めようとする三隻同盟蹂躙し、因縁深いムウのストライクすら一蹴。
更には 戦場から撤退しようとする地球軍の避難船を撃墜し、中に搭乗していたフレイを、助けようと駆けつけたキラの目の前で抹殺 した。

しかし、フレイの死を受けて一度は戦意を喪失したキラがSEEDを覚醒させながら戦線に復帰。
ラウはキラが駆るフリーダムと死闘を繰り広げ、ミーティアを破壊するだけでなくフリーダムそのものも半壊状態まで追い詰めるが、
最後の力を振り絞ったフリーダムの突撃を防ぎきれずにビームサーベルをコクピットに受けてプロヴィデンスは機能を停止。
直後にジャスティスによって爆発するジェネシスに巻き込まれ、プロヴィデンスと共にラウもその爆発の中に消えていった。

この最終決戦では、キラと互角以上の戦いを繰り広げつつも、自身の憎悪と絶望から見出した人間の闇・悪性を吐き出し続け、舌戦においては彼を圧倒。
…というよりも彼の信念は細かい理屈などない『破壊』な上に最期まで頑なに心を閉ざしていたので、キラの言葉に耳をかそうとはしなかった。
戦争の悲しさ・愚かしさを身をもって知りなるべく不殺を心掛けていたキラだが、 説得しようがなく、そして殺してでも止めなければいけない存在 がクルーゼだったと言える *3

「それでも、守りたいものがある」 と奮起したキラによって討たれはしたものの、
メンデルから続いたラウとのやりとり *4 はキラの心に深い衝撃とトラウマを刻み付けることとなった *5


ちなみに、この最終決戦ではキラもラウと互いの存在を感知し合うようになっており、続編の『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』ではレイとキラも同様の気配を感知している。


戦火を広げ、キラとアスランのように人々が憎しみ合い苦しむ姿を見て暗い喜びを得ていた一方で、自分の命さえもゲームの駒のように感じており、常に虚無感に苛まれていたらしい。
ノベライズ版では急速に老いていく自身の肉体も憎悪していて、 「人間の肉体そのものが醜い」 と思うほどに人間を嫌っている。
そして、全ての破滅を望みながらも同時に人類に対し完全に絶望しきっていたわけではなかった。

その為心の何処かでは「自分を止めて欲しい」と願う気持ちも捨てきれずにいた。
実際、Nジャマーキャンセラーの流出についても他にもっと確実な方法があったはずなのに一か八かの賭けに近い方法での受け渡しを実行しており、
最後は全てを運命に任せようとするなど決して策謀を徹底していたわけではなかった。(結果、運命は最悪の方向に動いてしまったが)
そのためか、メンデルでは自身の宿敵であり、(肉体的には)息子でもあるムウに対して 「貴様に討たれるなら、それもまた…と思っていたがな!」 と告げており、
最終決戦で「人類の作り出した夢」という憎悪と愛おしさの象徴であるキラに討たれた時には安堵とも嘲笑ともとれるの笑みの表情を浮かべていた。

人間が秘めた闇によって生まれ、その中で他者の光に触れることなく生き、
人間の善性に正面から目を向けることが出来なくなってしまったことが彼にとって最大の悲劇だったのかもしれない。
ノベライズ版ではムウが「奴は(愛などの感情を)知らないのだ」と、どことなくラウを哀れんでいるような独白をしている。

なお、劇中でラクスに対し 「君の歌は好きだった」 と語っている。
その言葉が本当なのか、本当だとしたら彼女の歌をどう受け止めていたのかは謎のままである。


ギルバート・デュランダルとは友人関係にあり、その経歴を知る数少ない人物。
これはデュランダルが遺伝子工学の権威であり、かつてメンデルの遺伝子研究所に研究員として在籍していた事が大きな理由だと思われる。
彼から細胞分裂を抑える薬物を貰い、老化の促進をある程度防いでいる。しかしその副作用は激しく、効果が切れたときは苦しんでいる。
デュランダルに対しては自身の野望を隠していなかったようで、デュランダルもまたクルーゼの言葉に影響を受けていた節がある。

フレイを助けたのは彼女がクルーゼの声を聞いて「パパ?」と呟いたため、アルの関係者ではないかと疑ったから。後に全く無関係だとわかった。
ちなみに、フレイの父親であるジョージの声も関俊彦氏が担当していることもあり、声質が似ている公式設定があると思われる。

監督曰く、SEEDで視聴者に伝えたかった事の一つに 『努力は才能を凌駕する』 という事があるらしい。
つまり種の主人公はラウ様と言っても過言でh(ry


◆ゲーム作品

第3次スパロボαではSEEDの最終面で対決。MAP移行前は幾ら倒してもド根性で復活する。
しかし、プレイヤー側は三万ダメージなんて軽い機体がうじゃうじゃしてるのと、プロヴィデンスの装甲があまり高くないことから案外普通に倒せてしまうため、重要な資金源となってくれたりする。
MAP移行後はHPが4倍ほどに跳ね上がる、また出撃枠が少なく少数の機体しか出せない。
しかし、その状況ですら自軍の総火力でアッサリ撃破されて、本来の目的であるジェネシスを規定ターンまでに余裕で破壊される。
アスラン、ディアッカ、イザーク(仲間になった場合)と会話イベントが発生。
人類の滅亡を願っていることから、前作、前々作での地球の危機には、内心ウキウキしていたらしい。
が、そのたびに世界を救うαナンバーズには鬱屈した感情を抱いていた模様。小物臭い。

Jでは声繋がりでマサトとの対戦時に専用セリフが存在する。また、『機動戦艦ナデシコ』の草壁に引導を渡すという誰もが予想しなかったであろう役どころを担い、
結果として劇場版へのフラグをへし折った。

Wではボン太くんに癒されかけた。
あと味方側にもっと過酷な運命を背負ってる奴がいるせいか、若干小物臭い。
似たような出自の叢雲劾からは一定の理解を示されてはいたものの、行動には弁護の余地なしと切り捨てられている。

Gジェネアドバンスだとザフトを裏切り連邦からフリーダムを受け取るが、イージスに乗ったアスランに押されたり、あげくストライクに乗ったムウと相打ちになりフリーダムもキラに奪われるとこれまた小物臭い扱い。

この様にゲーム作品でもほぼ全ての作品で絶対悪として君臨し続けていたが、ソーシャルゲーム「スーパーロボット大戦Card Chronicle」では、
最後の最後まで自軍であるカイルスに敵対し続ける点に関しては同じだが、『冥王計画ゼオライマー』の塞臥の境遇に共感して自らの素性を明かして手を差し伸べるというこれまでの作品では見られなかったクルーゼの内心を掘り下げる一幕があったり、
最終決戦においてはシンやルナ達との触れ合いから未来への希望を見出したレイとの直接対決の果てに、敗北を認め、レイの歩む未来にエールを送り、満足して散るという救いがようやく用意された。


◆クルーゼの呪い?
スパロボZにてネオやレイといったクルーゼと関連する二人に『声が低くなる』といったバグが生じ、それによって両者は声の雰囲気が驚くほどクルーゼそっくりに。

特に同じ声優のレイは完全にクルーゼにしか聴こえない。
何故このような事態になってしまったのかは不明。一時は仕様と発表されていたが、ファンディスクでは修正された事から本当にバグだったようだ。


◆セリフ集

  • 無印
「所詮、子は親には勝てぬということかな!?」

「知りたがり…欲しがり…やがてそれが何の為だったかも忘れ、『命を大事』と言いながら弄び殺し合う!」

「何を知ったとて!何を手にしたとて変わらない!……最高だな、人は」

「使ってみせるさ……あの男に出来て、私に出来ないはずがない」

「これが人の夢、人の望み、人の業!」

「『他者より強く』、『他者より先へ』、『他者より上へ』!」

「私は結果だよ。だから知る!自ら育てた闇に喰われて人は滅ぶとなぁ!」

「知れば誰もが望むだろう。『君の様になりたい』と、『君の様で在りたい』と!故に許されない、君という存在も!」

「これが運命(さだめ)さ!知りながらも突き進んだ道だろう!」

「正義と信じ、分からぬと逃げ、知らず!聞かず!その果ての終局だ!もはや止める術など無い!」

「知らぬさ!所詮人は己の知ることしか知らぬ!」

「人が数多持つ予言の日だ!」

「君の歌は好きだったがねぇ…だが世界は歌のように優しくはない!!」


  • 種運命

「全てのものは生まれ、やがて死んでゆく。ただそれだけのことだ」

ギル「だから何を望もうが、願おうが、無意味だと?」

「いやいや、そうではない。ただそれが我らの愛しきこの世界、そして人という生き物だということさ。どれだけ、どう生きようとも」

「誰もが知っていることだが忘れていること。だが私だけは忘れない。決してそれを忘れない。こんな私の生に価値があるとしたら、知ったときから片時も、それを忘れたことが無いということだけだろうがね」

「そんなことは私は知らない。私は私のことしか知りはしない」

「迷路の中を行くようなものさ。道は常に幾つも前にあり、我らは選び、ただ辿る。君たちはその先に願ったものがあると信じて。そして私は、やはり無いのだと、また知るために」

「そうして考えている間に時は無くなるぞ?選ばなかった道など、無かったと同じ。もしもあの時。もしもあの時。いくら振り返ってみても、もう戻れはしない。何も変えることなど出来ない。我らは常に、見えぬ未来へと進むしかないのだ」

「今ではない何時か、此処ではない何処か。きっとそこにはある。素晴らしい『モノ』。それを求めて永劫に、血の道を彷徨うのだろう?君たちは……。不幸なことだな」

「救いとはなんだ?望むものが全て、願ったことが全て叶うことか?『こんな筈ではなかった』と、だから『時よ戻れ』と祈りが届くことか?
ならば次は間違えぬと、確かに言えるのか?君は。誰が決めたというのだ。何を?」


  • スパロボJ
「君の悪あがきも、楽しませてもらったがね、だが世界は、正義と悪だけで語れる物とは思えんな」
「信じていた物に裏切られるのは辛いだろう?楽になりたまえ」


  • スパロボCC
「それが君の答えか、レイ…。ならば、辿ればいいさ…。君が選んだ、その道を…」
「願ったものが先にあると信じるのは…君次第だからな…」
「フ…フフフ…ハハハハ。ハハハハハハハハハハ!」



「機動戦士ガンダムSEED X ASTRAY」一巻の外伝に黒髪の姿に変装した彼らしき男が登場しており、スーパーコーディネイターの失敗作であるカナードに成功体であるキラ・ヤマトの存在を教えている。

また同作では、クルーゼと似た境遇の人物としてプレア・レヴェリーが登場する。


世界を憎みながら戦うスーパーコーディネイターの失敗作であるカナード。
余命が幾何かのクローンでありながら、愛すべき世界のために戦うプレア。
それは奇しくも、キラとクルーゼの関係と逆であった。






私にはあるのだよ!この宇宙でただ一人、全ての項目を追記・修正する権利がな!



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