棒読み

登録日 :2009/06/05(金) 01:52:53
更新日 : 2017/06/30 Fri 21:42:53
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ここでは主に劇や吹き替えで生じる棒読みについて述べる。

その名の通り、台本等の文章を声に出して読むに際して、棒の如くほぼ一定の音程で読むこと。
読む時に気持ちを込めていなかったり、演技系統の経験が浅かったりすると起きる。

主に声がくぐもってる、声に起伏がない、滑舌が酷い例:(オンドゥル語)、絵は二次元なのに声が三次元で違和感、等デメリットの塊である。

また最近のアニメや映画の吹き替えでは話題性の為に、声優としての経験が殆どない俳優やアイドル、お笑い芸人、スポーツ選手等が起用されたりしている。
宮崎駿作品の場合、本人の芸術肌がもろに影響されるらしく、初めこそ声優からも候補を上げるがすぐ素人のほうが望んだ声が出せると結局素人が起用される。
(声優のアニメのような声に違和感を感じてしまうらしい)
その為主要キャラの殆どが棒読み等、本来有ってはならないことが当たり前の様に起きている。

また、分野の違いというのもある。
俳優が声以外にも様々な要素を含めて表現するのに対して声優は声だけて勝負せねばならない為、
ベテラン俳優であっても勝手の違いから棒気味になってしまう事が多い。
多くの俳優が本業の声優と共に吹き替えを担当した「KAMENRIDER DRAGON KNIGHT」においても、
俳優と声優のやり方の違いに戸惑ったキャストが多かったという。
舞台俳優の演技がテレビでは若干オーバーに映るのと似たような物である。

キャラの「声」は内容の次、いや同等と言っていいくらい重要であり、
「声」が最悪ならばどんなにシナリオや演出が良くとも全体としての評価は低いものになってしまうだろう。

洋画の実写作品の場合、芸能人の声が俳優本来の声とかけ離れている事も多く、
棒読みとは別の意味で低評価となってしまう事もしばしばある。
シリーズ作品の場合は、1度芸能人が演じた役柄を続編では本職の声優が新たに担当する事も多い。

話題性の為に芸能人等を声優に起用しても、評判が悪ければ結局は多くの点においてマイナスになる事が多い。
タレントとしても高い知名度を持つ山寺宏一は、芸能人声優と公開アフレコなどで共演する事も多いが、某アニメ作品の劇場版の声優変更問題について、遠回しに苦言を呈した事もある。

もちろん芸能人声優の中にも本職に匹敵する実力を持っている人もおり、そういう方々なら問題ないのだが。

中でも芸人勢ではダウンタウンの浜田が「シュレック」、爆笑問題の太田光は「アイスエイジ」、相方の田中は「モンスターズインク」での評価が高い。特に「アイスエイジ」は配給会社がアニメ映画の公開に消極的になった事で4作目以降が劇場未公開となるが、そんな中でも太田氏は引き続きシリーズへの出演を果たしている。
洋ドラの吹き替えなら「アルフ」の所ジョージも印象深いところ。

ストレンヂアでのTOKIO長瀬は初挑戦でありながら、全編通して主人公・名無しの役柄にハマった高い演技力を披露、
「ジャニーズ=大根役者」というネット上のイメージから来る前評判を見事に覆して見せた(勿論実際は演技派ジャニーズも何人もいるがここでは置いとく)。

大泉洋に至ってはレイトン教授や茄子のペペ等人格やノリの全く異なる役を演じ分けておりこちらも評価が高い。
ただしレイトン教授については大泉くん曰く
「結局日野さんが言う英国紳士ってなんだか分からなかったから、 完全な棒読みで収録したらOK出た 」とぶっちゃけている。

また鬱ゲーとして有名なドラッグオンドラグーンでは、
ピーターが赤竜アンヘルを演じたが最初は人間を認めない無機質で傲慢な演技から始まり、
最後は戦友となったカイムの為の自己犠牲からくる声の温かみ、
そして旅路の果てに理不尽を通り越し意味不明な事態に巻き込まれた嘆きを見事に演じた。

他にも攻殻機動隊の合田一人役である西田健は、公安9課最大の敵としての悪役を西田氏曰く演技者として高い次元で熱演。

天空の城ラピュタにおける寺田農(ムスカ)の記憶に褪せない往年の名演技も忘れてはいけないだろう。

また「いいですとも!」で知られる鹿賀丈史は上手いだけでなく、キャラソンまで歌ってしまっている。

そして忘れてならないのが国民的アニメであったこち亀の両さんことラサール石井。
タレントながら他の声優達と肩を並べられるほどに演技力がよく、キャラクター性がありいい役者であった。
…最もこのアニメ、他のレギュラー陣に「アニメメインじゃない」俳優・タレント陣が多い珍しい番組だった。

最近では、ゲームトリック・ロジックにてデーモン小暮閣下がその力を見せ付けた。


つまり声の演技の世界においては

キャラクターに命を吹き込める事

が正義である。

故に稀に棒ながら愛されるキャラがいるのは、それがただの棒ではなく、そのキャラに命を吹き込んでいるという事でもある。

声のみで勝負するアニメや吹き替えではその性質上全くでは無いがあまりいないものの、
身振りや表情も加わる実写では、演技力自体は拙くとも熱意は十分に伝わってくる故にあまり批判されることがない、
言わば「愛すべき棒」はしばしば見受けられる。
例えば、ウルトラマンゼアスで主人公の朝日勝人を演じた関口雅晴氏はとんねるずのマネージャーであり、当然役者としては素人なので棒読みが目立ったが、
演技力が拙くとも一生懸命な姿勢が好評で、「フレッシュな若手ウルトラマン」というキャラ像と上手くマッチしていた事もあってあまり批判されない。

最悪なのは、演技力は低いわやる気は無いわな「愛せない棒」である。

なお最初は棒読みで不自然だったキャラが段々と自然に感じてきた時は、中の人が上達したか、耳が慣れたか、またはその両方かである。
しまいには棒読みボイスに魅力を感じてしまい「 うまい棒 」と呼んだりするようになる。

時として棒読みが何かの伏線であることも極稀にあるし、
そのキャラがガチガチに緊張してい(例えば歌劇の舞台上等で)たり、アンドロイドなどの感情が希薄なキャラであるために態と棒読みにすることも。
また、態と声を加工して棒読みにすることもある。

ラノベや漫画等でよく使われる手法として、本心でもないことを言ったときに全部カタカナで表記し、

「オカネハセカイヘイワノタメニツカイマス」

棒読みを表現するというものがある。大体は直後に「棒読みだぞ!」と突っ込まれる。


また、非常に稀だが、漫画でも棒読みが発動することがあったりする。
目が死んでいたり、あまりにも表情にやる気(精気)が感じられなかったり、セリフと漫画のキャラの表情が合致しなかった時等が主な発生原因だと思われている。
しかし、上記の全てを満たしていても発動しないときもあるので注意。

棒読み漫画としてポピュラーなのは、漫画版“リアル鬼ごっこ”等である。


フリーの文章読み上げソフト「Soft Talk」は棒読み声でとても有名。
ゆっくりの声と言えば大体の人が分かると思われる。
そのゆっくりとした喋り方、組み合わせられたゆっくりの絵と相まってかなりの人間がイライラさせられる。
……筈だったのだが、技術が向上したせいか、聞く側に変革が起きたせいか、その独特な声が多数の人に愛されるようになっている。
某動画サイトでは一大ジャンルを気づくに至った。
更には謎の技術により、棒読み声に音程を付ける事で歌を歌わせる物まで現れる。
Soft Talkの同じ音源であるUTAUのデフォルト(通称デフォ子)もちゃんと歌うことができる。
(ただし重音テトと同じく、スキルがないとゆっくりと同じ棒読みになってしまう)


■棒読みの作品のセリフ

マクロスF
ランカ「キミガキミガスキナンダー」
後のゲーム作品で棒読みが改善された結果、逆に違和感を感じる人が多数出現。

機動警察パトレイバー 2 the Movie
「SIFショウゴウ」
指令室を中心に展開されるスクランブルシーン。
オリジナルでは敢えて演技がド素人の本職の自衛隊員を起用。
サウンドリニューアル版ではプロの声優に総入れ替え。
DVDには両方の音源が収録されている。お好みはどちら?

◇遊☆戯☆王デュエルモンスターズ
遊戯「サァ、ジョウノウチクンノターンダヨ」
闇遊戯「ミンナ、アリガトウ!オレワモーナニモオソレナイ」
丸1年かかったが改善され、4年後の最終回付近ともなると完璧に演じ分け出来るようになった。

◇真夏の夜の淫夢
DRVS「フェラもできないの?そんなんじゃ甘いよ(棒)」

NSOK「調子こいてんじゃねーぞこの野郎、ホモのくせによー。何がしゃぶれだー? お前がしゃぶれよー。ほら上手いんだろー?ほらしゃぶれよー(棒)」
(このセリフのある真夏の夜の淫夢 第二章はキャスト全員が極端な棒読みで有名)

◇オーバーマン キングゲイナー
ザッキ「たいいー!」(大尉)

ローグギャラクシー
キサラ「ジェスター」(上戸彩)
ジェスター「キサラー」

FINAL FANTASY Ⅶ
ティファ「イヤー!」

FINAL FANTASY ⅩⅡ
ヴァン「オイヨイヨ!」

◇鬼武者
左馬介「ユキヒメーヌメマル-!」

El shaddai
エゼキエル「オトートノカタキヲトルノデス!」

◇デスクリムゾン
コンバット越前

◇冒険!イクサー3
イクサー3「くすくす」(キューティー鈴木)

◇屍姫
マキナ「人は、畏怖と憐憫と侮蔑と嘲笑をこめて屍姫と呼ぶ」

機動戦士ガンダムSEED
アイシャ「アツクナラナイデ!マケルワ!」
※スペシャルエディション以降は別の声優が担当し、棒読みではなくなった。

◇うみねこのなく頃に
「アクマノシワザヤー」

ラブライブ!
西木野真姫「ナニソレイミワカンナイ!」

デビルマン(実写)
「おれでえもんになっちゃったよー」
「あーー。」(棒読みな上に声も小さい)

龍が如く4 伝説を継ぐもの
谷村正義「サイッコー↓」
堂島大吾「コイヨキリュー」

◇クロヒョウ 龍が如く新章
右京龍也「わーっはっはっ(棒)」

超電子バイオマン
高杉真吾「やべどぉ~!高いんだどごの車ぁ~!!」(エゲ声)

劇場版 仮面ライダーカブト GOD SPEED LOVE
黒崎一誠「ウラギリモノノアカイチト、クツジョクノナミダヲ!」(武蔵)
後にゲーム作品で再び演じる事になるが…

ロマンシングサガ ミンストレルソング
ナイトハルト「我が名はカール・アウグスト・ナイトハルト、イクゾー」

スーパーマリオブラザーズ ピーチ姫救出大作戦!
ピーチ姫「マリオー、タスケテー」

ドラえもん(水田わさび版)
出木杉くん「にっぽんが、せますぎるんだよ」

仮面ライダーゴースト
天空寺タケル「イノチ、モヤスゼ!」(第1話の時点。その後はメキメキと上達)

仮面ライダー響鬼
仮面ライダー朱鬼「バカメ、コレガオニノシゴトダ!」

また、「ストライクウィッチーズ」「ぐるみん」のように専業声優が意図的に棒読みで演技する場合もある。
OVA製作当時でも中堅声優として名が売れていた山口勝平氏がジャイアントロボ世界最後の日にて主役の「子供の演技」を要求され、
わざとTV慣れしてない子役っぽい棒読みにしたなんてケースも。


ツイキ・シューセータノンダゼ!

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