マルディアスの神々(ロマサガ)

登録日:2011/05/15(日) 17:52:41
更新日:2024/04/17 Wed 12:54:37
所要時間:約 7 分で読めます




『ここは、マルディアス』



◆The Gods of MARDIAS

『マルディアスの神々』とはスクウェア(現スクウェア・エニックス)から発売されたRPG『ロマンシング サ・ガ』(以下、ロマサガ)及び、
そのリメイク作品に当たる『ロマンシング サガ ミンストレルソング』(以下、ミンサガ)ロマンシング サ・ガ3にて言及される架空の神性。

『ロマサガ』の物語は千年前の神々の戦いを起源とし、「神」と「人」が共存すると云う「神話」を地で行く様な世界観にあるのが特徴であり、
彼ら神々の設定、性格も詳細に練られ、また物語にもしっかりと取り込まれている。

尚、物語中で信仰されているのは千年前の戦いを制した『光の神エロール』が生み出した新たなる神々である。

ゲーム独自の設定を持つが、「ギリシャ神話」や「バビロニアの創世神話」に共通のモチーフが見出だせる為に、それらがアイディアの元になっていると思われる。



【神々の一覧】

◆マルダー
『創世神』

最初に顕れた「神」で古代神の主神。
「世界」を創り出した。
「マルディアス」とは彼の名に由来する。
サイヴァの夫だったが、何故彼女と敵対したのかは不明。
……サイヴァが倒された後、破壊された世界を見捨てて仲間と共に何処かへと去った非情な創世神。
一応、古き神々は遠く離れた世界から力を送ってくれていて、それが星々の輝きの正体だったりする。


◇サイヴァ
『破壊女神』

マルダーの妻で「破壊」を司る。
黒い衣を纏った麗しい婦人の姿で描かれるが、古代神の中でも最強で、
何を契機としたのか夫を始めとする他の古き神々と敵対し、彼らとの戦いの中で世界を破壊した。
名の由来は「シヴァ」にあると思われる。
エロールに倒され砕け散った彼女の肉体から、後に悪名高き『三柱神』が誕生する事になる。

◆エロール
『光明神』

最後の古代神にして、新たなる神々の父たる主神。ロマンシング サ・ガ3にもデスと共に小林智美氏の絵コンテでは宿命の子生誕に関わっているとされる(サラか少年、そのどちらであるかは描かれていない)。ロマンシング サ・ガ3では太陽を司る主神、そして吟遊詩人として相も変らず当人はバレていないはず、とタカをくくって英雄達の活躍を謳い上げている。
なおデスは仮にも2柱主神として自分の責務を重々承知しているためか世界に対しても干渉は滅多に行わない。

膠着状態に陥った神々との戦いを制する為にサイヴァが生んだ息子。
……だが、彼を生み出した小指はサイヴァの「良心」が最後に残った場所であった事から、
エロールは「善なる神」更にはサイヴァをも凌ぐ力を持つ神となり母を倒した。
主神の座をマルダーから引き継いだ後、妻としたニーサと共に世界の復興と新たなる神々を生む。
誕生経緯と神話は「マルドゥク」を思わせる。
……かなりの人格者……であるはずである、がどうもつい遊び歩く悪癖があるようだ。
ちなみに、このページに載ってる神話の大部分を人々に伝えたのはハオラーンという名の吟遊詩人だったとされる。
一部ファンからは『人間の味方ではあるが、間違っても善神とは言いがたい』と言う微妙な評価を得ている。
……ちゃんと真実を伝えたんだろうな?
●象徴:光 太陽
●神殿:メルビル(太陽の祭壇)


◇ニーサ
『大地母神』

マルダーら古代神の一人であったが、世界の破壊後もマルディアスに止どまり、エロールの妻として世界の復興と新たなる神の誕生に尽力した。
姿は麦の穂を抱いた婦人。
一説では「大地」その物である為にマルディアスから離れられなかったともされる。
ガレサステップに住む“草原の民”タラール族はある理由からニーサのみを主神として崇める。
●象徴:土
●神殿:クリスタルシティ(地下世界)

◆ウコム
『海神』

新しき神の一人で、荒廃した世界に水を注ぎ「海」とそこに棲む生物を作り出した。
「海路」で結ばれたマルディアスでは、最も信仰されている神。
姿は海賊みたいな偉丈夫。
『三柱神』との戦いでも自らの腕を鉾に変えて勇ましく戦ったとされる。
間違いなく善神のはずなのだが、ただでさえ不幸なアルベルトに嵐をくらわせて遭難させたり、ウコムのミニオン部下のマリーンがイベントで腹黒い一面をチラつかせながら主人公達を度々利用するなどの姿を見せるため、やり込みプレイヤーからは半ばネタ混じりで邪神扱いされている。
●象徴:水、風
●神殿:メルビル・南エスタミル(黒海の海底神殿)


◆シリル
『森の神』

新しき神の一人で、荒廃した世界に種を蒔き、世界に森を広げた。
『三柱神』との戦いでは破壊されてゆく世界を哀しみ、自らが最初に作り出した森に隠れたとされる優しい神。
●象徴:気、水、風
●神殿:無し(迷いの森)

◇エリス
『銀の月の女神』
『獣の女神』

マルディアスの夜を照らす為に生まれた第一の月の女神にして、世界に多くの生き物を放った獣の女神。
姿は銀髪で褐色の美女。
何と全裸。
『三柱神』との戦いでは弓を手に戦った謎多き女神で、神殿が存在しない。
●象徴:幻、気、光
●神殿:無し(迷いの森、二つの月の神殿)


◇アムト
『赤い月の女神』
『愛の女神』

新しき神の一人だが、少し遅れて『三柱神』との戦いの最中に誕生した。
姿は赤い髪に魅惑的な羅(うすもの)を纏った美女。
闇の女王シェラハの底知れぬ「闇」に対抗するべく生み出された第二の月の女神で、エリスと協力し、その「光」の力でシェラハとデスを封じた。
「恋愛」を司る神として信仰を集めるが、本来アムトが司るのは「博愛」。
彼女の神官にはアグネスがおり、聖杯を用いてヴァンパイアを封印したという伝承があり、聖杯はエスタミル下水道のカタコームに眠っている。
●象徴:幻、気、光
●神殿:北エスタミル(二つの月の神殿)

◆ミルザ
『戦の神』

伝説の「銀の戦士」と謳われたかつての英雄で、
多くの人々とエロールが作り出した十種の「ディスティニィストーン」の力を得ると共に、神々の試練を乗り越え遂に破壊の神サルーインを封印した。
その戦いで自らも命を失うも、死後その身をエロールに天に上げられ「神」の一人となった。
……ガラハドが篤く信仰している。
八人の主人公は運命に導かれる様に「彼」の足跡を辿る事になる。
●象徴:気
●神殿:クリスタルシティ



【三柱神】

エロールに倒された破壊女神サイヴァの肉体から生まれた三柱の兄妹神。
各々、サイヴァの属性を引き継いでいる。『ミンサガ』においてはこの設定を踏まえ、デスは骨、サルーインは脈打つ血管、シェラハは大量の髪の毛と、自身が生まれた部位の特徴を取り込んだデザインになっている。
母の恨みを晴らすべく新しき神々に戦いを挑むが……。


デス
『死の神』

サイヴァの白骨から生まれた三柱神の長兄。ロマンシング サ・ガ3の小林智美氏の絵コンテにも登場。宿命の子生誕と見守る役目を持つ。
神々との戦いでは死者を解き放ち地上を覆うが、エリスとアムトの「光」に追われた後に戦いからは手を引く。
その後は厳格なる「冥府」の支配者として、そして2柱神の1人として非常に重要な神となる。エロールと違って遊び歩いたりもしない。
きっちり約束も守ってくれることもあり、エロールと違って善神扱いされておりファンも多い。神殿こそないが一般的に大っぴらに信仰しても邪教扱いされたりもしない。
この辺りがサルーインと違う点である。
死神なので不死身。
●象徴:邪
●神殿:無し(冥府)

サルーイン
『破壊神』

サイヴァの特性を色濃く引き継いだ『三柱神』の次兄にして破壊の神。
肉体が砕けても尚、脈打ち続けたとされる破壊女神の心臓から誕生した。
モンスターの父でもあり、兄と妹が戦いを止めた後も神々との戦いを止めなかったが、人間の英雄であるミルザに破れて封印された。
「力」はエロールに匹敵するが人格が低い。
かつての戦いでモンスターの支配者たる『四天王』と『ジュエルビースト』を生み出している。
封印の中に在りながら分身(ミニオン)を生み出し、世界に混乱をもたらす。
本作のラスボス。
SFC版では、実は特定のターンまでは完全に無敵になっており、そのターンに到達するまでに与えたダメージ総量で強さが変動する仕組みになっている。
自動的にプレイヤーの強さに合わせた強さになるため接戦を演じることになる。
つもり全くダメージを与えずに待っていれば最も弱いバージョンと戦える。

●象徴:邪、闇
●神殿:メルビル、ワロン島(支配領域)


シェラハ
『闇の女王』

サイヴァの魔力の籠った漆黒の髪から生まれた『三柱神』の末妹。
単純な「魔力」の高さは兄達をも凌ぐ。
彼女の「闇」を払う為にアムトが生み出された。
長い戦いに虚しさを感じ、エロールに説得されたとの異説もある。
『ミンサガ』では、関連イベントが強化されている。
●象徴:闇
●神殿:エスタミル地下


なお「火」は、エロールが自身の「光」の力が持つ光と熱の力を、ニーサの大地の力と結び付かせて、
当時は獣だった人間に与える知恵の象徴として新たに生み出した光と熱の力であるため、「火」を象徴する神は存在しない。
また、「火」の力によって生まれた人間の知性から「魔」の力が生まれたため、「魔」を象徴する神も存在しない。


【他の神性】

この他、「神」に匹敵する存在としてはサルーインが神々との戦いを有利にするべく、生み出した地水火風のモンスターの首領たる『四天王』や、
サルーインがエロールに対抗して作り出した“もう一組”のディスティニィストーンを埋め込まれた“あらゆる魔力”を無効化する凶獣『ジュエルビースト』が居る。
制御はできなかったが。

【四天王】
「神」に匹敵する力を持つ僕だったが、モンスターを駒としか考えない「父」に反発してエロールに味方をした。
大体は「父」に似ず人格者。


◆フレイムタイラント
『炎の帝王』
トマエ火山に棲み「冥府」の門を守る。
アイスソードが大嫌い。

◆水竜
『大湖の主』
マラル湖の神殿に棲む。
四天王では最も人間と関わり深い。

◆タイニィフェザー
『翼の栄皇』
世界で最も高い「スカーブ山」に棲む。
羽根は勇気の証。

◆アディリス
『大地の誠』
地の底に広がるベイル高原の「グレートピット」に潜む。
『ミンサガ』では地竜らしい姿に変更された。




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最終更新:2024年04月17日 12:54