仮面ライダー響鬼

登録日 :2010/10/10(日) 15:10:58
更新日 : 2017/07/26 Wed 09:38:39
所要時間 :約 8 分で読めます






鍛えてますから、シュッ!

響く鬼達.jpg


画像出典:仮面ライダー響鬼
(C)2005 石森プロ・テレビ朝日・ADK・東映



『仮面ライダー響鬼』は、平成ライダーシリーズ第六作……なのだが仮面ライダー要素が全く無いというかなりの異色作で、『完全新生』と銘打たれた。

序盤は専用バイクなし(中盤で登場)。変身ベルトや「変身」の掛け声もなし。
見た目も仮面ライダーに見えない(複眼なし)。なお、平成ライダー第14作目の仮面ライダーウィザードも複眼がないデザインだが、そちらも魔法使いという異色設定である。脚本家も同じきだつよし氏。
メインプロデューサーは仮面ライダークウガを手がけた髙寺成紀とあって、大人向きの作品を期待するファンも多かった、当初は。
ライダーキックもなく(跳び蹴りは通常技)、必殺技は“音撃”。
そのあまりの異色ぶりから『平成のアマゾン』と呼ばれる(アマゾンだって響鬼に比べれば仮面ライダーの要素はあるが……)。
しかし、これは構想段階では仮面ライダーではなく、『変身忍者 嵐』のリメイク作品だったためである(後半で嵐をリメイクしたスーツが登場する)。


怪人が妖怪でライダーが鬼だったり、画面に漢字の演出が入ったり、話数が『(漢数字)之巻』でカウントされるなど、非常に和風テイストな作品。
経緯が経緯なので全く仮面ライダーらしくはないものの、それはそれで独特の味があってなかなか好評だった。
だが、大人向けな内容と渋い設定は子供ウケせず、販売業績などは低かった(特に玩具売上が極めて低い)。

しかし後半から脚本とプロデューサーが突如井上敏樹白倉伸一郎に交代、作風もガラッと変わる事になりファンの間では大混乱と論争を巻き起こし、2chの特撮板は大戦争となった(当時はまだtwitterが普及する前)。
交代の理由は現在に至るまで公式に明かされていないが、前半Pの髙寺はクウガ時代にも脚本や設定にこだわりすぎるあまりスケジュール管理が崩壊しかかり、怒った上層部に白倉を手伝いとして付けられた前科がある。また他作品でも商業的実績が芳しくないと言う「だけ」ではP降板にはなっていないという現実があり、響鬼より1億円も売上が下回った未来戦隊タイムレンジャーの担当日笠淳は途中降板もなく完投した。
この状況から鑑みて現在では寧ろ玩具の売上より予算やスケジュール管理の問題が響いたという見方が多い。
なお、髙寺はその直後東映を退社し角川に移籍したが退社の原因はこれとは関係ないと公言している。

ただ、降板を余儀なくされたきだも後半の展開を嫌っていたわけではない旨を公言している。


仮面ライダークウガ』以来、久しぶりにEDが存在する(ただし後半で消滅)。

クウガと響鬼は平成ライダーで主役スーツアクターが高岩成二ではないという共通点もある(クウガは富永研司、響鬼は伊藤慎)。高岩氏はこの年、三十分前の番組『魔法戦隊マジレンジャー』のレッドを演じていた。
クウガ、響鬼ともに、髙寺P作品ということもあり、髙寺Pと高岩氏の間の不仲説も囁かれている。

後に放送された『仮面ライダーディケイド』の『響鬼の世界』は、本作でできなかった話の補完的な内容となっており、なかなか評価が高い。
また、『ディケイド』作中において、ディケイドの変身という形ではあるが、高岩氏がクウガ、響鬼を演じ、晴れて平成ライダーをコンプリートすることになった。


【劇場作品】


『劇場版 仮面ライダー響鬼と7人の戦鬼』




【小説作品】


小説 仮面ライダー響鬼
こちらは前半メインライターのきだが手がけている。




【あらすじ】


ぼく、安達明日夢は東京の下町に住む中学3年生。
屋久島で奇妙な男の人――ヒビキさんに出会ったのですが、ヒビキさんは魔化魍という怪物と戦う鬼だったんです。




【登場人物】


ヒビキ響鬼
主役ライダー。
気さくで器が大きい不思議なおじさん。音撃鼓を使う鬼。「鍛えてます」が口癖で、「シュッ」と言いながら敬礼みたいな仕草をする。よく“カエルのうた”の替え歌を歌う。
車やバイクの運転ができないという仮面ライダーにあるまじき欠点を持つ(後に練習して乗れるようになた)。


安達明日夢
受験を間近に控えた中学生。本作は彼の成長劇であり、もう一人の主人公。
屋久島でヒビキと出会い、以降猛士に関わることになる。ヒビキからもらったコンパスを御守り代わりにしている。ドラムをやっている。
当初は鬼になる予定だったが、プロデューサーの一存で取り止めになった。
一応ハイパーバトルビデオでだが鬼になった。

◆持田ひとみ
明日夢の同級生。明らかに明日夢に好意を持っている。いわゆる友達以上恋人未満な関係。


◆イブキ(威吹鬼)
穏やかな性格の優男で、音撃菅を使う鬼。お洒落に気を遣い、バイク(一般車)を持っている。香須実と良い感じ。

◆天美あきら
イブキの弟子であり、イブキのサポートをしている女の子。努力家。高校で明日夢やひとみの同級生になるが、猛士の仕事であまり出席できていない。

◆戸田山登巳蔵/トドロキ(轟鬼)
ひとみの従兄で、斬鬼の弟子。斬鬼大好き。免許皆伝して一人前の鬼『トドロキ』となる。音撃真弦を使う。
生真面目な性格で目上に対しては語尾に「~ッス」と付ける体育会系。かつては警官だった。終盤の様は涙腺崩壊
八年後に絶望の淵から立ち直り魔法使いとなった。

◆ザンキ(斬鬼)
轟鬼の師匠の強面おじさん。弦の鬼。身体にガタがきたため現役を引退。轟鬼のサポートに回る。
朝八時のお茶の間に生尻を晒した伝説の人。三年後に盛った狼になってたりする。


◆立花勢地郎
皆から「おやっさん」と呼ばれる男性。立花だけに。
孟士の関東支部『たちばな』の責任者。常に軟らかい物腰で笑顔を絶やさない。
同じタチバナでも一年前のタチバナとはえらい違いである。


◆立花香須実
勢地郎の娘。はっきりとした性格で思ったことはすぐに口にする。『たちばな』の店番以外は主に現場でのサポーターを担当。イブキとは幼なじみで良い感じ。


◆立花日菜佳
勢地郎の次女。テンションは高いが「姉上」や「父上」など言葉遣いは古風。轟鬼に惚れている。主に『たちばな』の店番や、連絡係、資料探しを担う。
2008年に演じた神戸みゆきさんが急逝、響鬼ファンが涙した。


◆滝澤みどり
猛士の技術者であり、鬼の装備の開発を担当する気さくな女性。ヒビキの中学時代の同級生。


◆安達郁子
明日夢のおりゃべりな母親で、タクシー運転手。イケメンに会うとはしゃぐ。後半は出番激減。


桐矢京介
後半登場キャラ。明日夢の自信過剰なクラスメート。なぜか突然勝負をしかけてくる。他人は上辺だけ見て貶し、自分には甘い。
いろいろな意味で後半の象徴的キャラである
2年後にはツンデレな2号ライダーに転身した。


◆シュキ(朱鬼)
後半登場。女性の鬼で斬鬼の師。憎しみに固執し、鬼の資格を剥奪された。奇妙な術を使う。
彼女の登場があきらに変化を与え・・・


【用語】


◆猛士(たけし)
昔から続く魔化魍退治の組織。直接戦う鬼以外にも、現場でサポートする者や装備を作る者などがいる。表向きはオリエンテーリングのNPOとして活動。


◆鬼
本作の仮面ライダーで『音撃戦士』と呼ばれる。 修行を積んで変身する
変身すると服が消失し、変身解除すると全裸になるため、戦闘が終了した際には頭だけ変身解除した状態になる。一人立ちした鬼は、鬼の名前を名乗る。


ディスクアニマル
円盤から様々な生き物に変形するサポートアイテム。『式神』の現代版。主に魔化魍の探索に使われる。音叉などに装着し、回転させて発生した音から情報を読み取る。
2006年グッドデザイン賞獲得。
仮面ライダーW以降定番化する自律型サポートアイテムの先駆け的存在。


◆魔化魍(まかもう)
いわゆる妖怪。各魔化魍には、それを育てる“童子”と“姫”という雌雄の親役がいる。魔化魍は鬼が音撃で“清めの音”を打ち込まなければ倒せず、魔化魍の種類によって太鼓やギターなど有効な音撃が異なる。
普通の魔化魍は巨大だが、夏の魔化魍は人間大で分裂する特性を持つ。

後にクグツと呼ばれる者が多くの個体を故意に生み出していることが明らかになる。


◆童子・姫
魔化魍を育てる雌雄の怪人。普段は人間の姿で、怪人形態は“怪童子”“妖姫”という。声が性別とは逆(童子は女声、姫は男声)。


◆たちばな
立花勢地郎が経営する甘味処。猛士の関東支部であり、地下には魔化魍の資料や鬼の装備開発室がある。半ば忍者屋敷。




【主題歌】


OP
前期『輝』
後期『始まりの君へ』

ED
前期『少年よ』

この年の紅白歌合戦に布施明は『少年よ』で出場。
熱唱のバックで響鬼たちが戦い、最後にヒビキが登場して全国の少年たちにエールを送る、非常に熱い時間となった。



【交代騒動】


先述の通り、後半(30話)から脚本とプロデューサーが交代、作風が大きく変わり騒ぎになった。

前半は明日夢がヒビキと関って成長する光景を描きつつ、孟士の活動や彼らの葛藤や成長も綿密に見せていた。リアルな設定やじっくりした作風が好まれたが、子供ウケは悪く玩具の売上等も伸び悩んだ(一部ディスクアニマルだけはバカ売れしたが)。
そのため、後半では子供が楽しめない明日夢の描写が薄くなり、戦闘に力が注がれた。しかし、展開は駆け足気味で登場人物の内面描写が不足し、また設定の無視や矛盾が発生。日常の風景や細かい描写が削られる等、前半の自然な世界観を壊す結果になった(もっとも、前半は前半で結構な矛盾や伏線放置があったためそう手放しで誉められたものでも無いが)。
いわば、 大人向けドラマ子供向けヒーロー番組 になったわけである。

元々そういう作品だったならいざ知らず、一つの作品であまりにも異なる作風に変化したため、批判的な意見が多い(個々のエピソードの善し悪しはともかく)。主演の細川茂樹もブログやイベントで「不完全燃焼」や「プチ詐欺」など否定的な意見を出している。
だが視聴率や販売業績が低ければ打ち切られていただろうと考えるとやむを得ないことであり、前半で予算を使い過ぎた過酷な状態から最後まで持っていった事は大きな功績である。


《主な変更点》


◆アバンの明日夢の語り消滅。

◆OP変更。時代劇風からヒーロー風に(縦書きも横書きに)。

◆ED消失。

◆明日夢の成長劇が薄くなり、戦闘メインに。

◆地方ロケ予算の不足による町中の戦闘シーン増加(魔化魍は滅多に人里に下りない。しかし前期の段階でフラグはあった)。

◆調査や修行など細かい描写が減少。様々な演出の簡略化。

◆鬼爪や鬼火など戦闘での特殊効果が減少。

◆設定の改変や無視。明らかな後付け。


これらの変化により、「響鬼は前半(第29話)まで」という意見も少なくない。
勿論後半も好きというファンもいるし、前半脚本家のきだつよし氏も後半の展開を評価している。





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