メタルギアRAY

登録日:2012/02/26(日) 01:39:53
更新日:2024/04/15 Mon 01:24:44
所要時間:約 6 分で読めます







そこで我々は、メタルギアの亜種に対する迎撃兵器として
この「メタルギアRAY」を開発した!


メタルギアに対抗できるのはメタルギアだけだ!



メタルギアRAY(レイ)とは、『METAL GEAR SOLID 2: SONS OF LIBERTY』を始めとする『メタルギアソリッド』シリーズに登場する兵器である。



【概要】

初出は『MGS2』のタンカー編。

シャドー・モセス事件によって開発されたメタルギアREXの存在がリボルバー・オセロットによってブラックマーケットを通じて世界中に広まったことから、発展途上国も含め各国でメタルギアの亜種と呼べる兵器が開発されていった。

アメリカではこの事態に対処すべく、REXを基礎とした新型のメタルギアの開発に着手。
そして世界中で開発されているメタルギア亜種を凌駕する性能を持つ対メタルギア用メタルギアが完成した。
それがこのメタルギアRAYである。水陸両用なのは、開発したのが沿岸部からの奇襲戦法が得意なアメリカ海兵隊であったため。
なお開発にあたっては、その職掌範囲を侵されると懸念した海軍からの妨害や圧力があった模様。

ちなみにRAYの由来は、マンタレイ(オニイトマキエイ)と、アメリカにおける零戦のコードネーム「Ray」からだと言われている。


【性能】

試作機は有人操作型だったが、量産型はアーセナルギアのAI「G.W.」によって無人で戦闘をこなす。アーセナルギアの護衛を務める役割を持っている。
人工筋肉と各部センサーにより生物と同じような動作が可能。
前身のREXの駆動系は油圧を主として構成し、そのスタイルも重厚で安定感があったが、通電式の人工筋肉を採用した本機はより生物的でスリムな外観に、脚部の接地面積も極めて小さく抑えられており安定感はやや低く見られる。
試作機には長い尻尾があり、これで姿勢の安定を図っていたのだろうが、量産にあたってはこの尻尾すらオミットされている。
つまりこの不安定性を俊敏な機動に活かせるだけの、柔軟で敏捷性に優れた駆動系と、その性能を引き出せる高度な姿勢制御システムとを確立しているということであり、REXからの驚異的な技術進歩が伺える。

ダメージコントロールにも優れており、ある程度の損傷は損傷区画の閉鎖とナノペーストにより応急的ではあるが修復されるなど、継戦能力でもREXを凌駕する性能を持ち合わせている。
被弾時に噴出する血のような液体がナノペーストで、これを破損箇所周辺から分泌・凝固することで損傷を閉塞し、簡易な自己修復機能を実現している。
まさに哺乳動物の血液の役割を擬似再現しているといえる。
なお鳴き声のような甲高い音を常に発するが、これは機動により各部の装甲が軋む、いわば身体が悲鳴を上げているに近い現象によるもの。

しかしセンサーが集中している頭部が弱点で、特に口腔部の奥に攻撃を受けると重大な損傷となる。口腔部には大型の水圧カッターを備えているが、当然これの発射時には内部を露出させる必要があるうえ、比較的脆弱な膝部を攻撃され姿勢を崩した際にも同様に露出してしまう。
とはいえ、こちらの所持する武器ではスティンガーミサイルでないと刃が立たない。


◆攻撃手段

・踏みつけ
脚で踏みつけてくる。近距離にいると使用。
当たると当然大ダメージ。また周囲に振動が起きるが、ローリングしていれば防げる。

・垂直ミサイル
対艦・対戦車ミサイル。一回につき3発発射してきて、こちらを追尾してくる。チャフグレネードで追尾機能は無効にできる。
動き続けていれば当たらないが、行動を阻害されるため鬱陶しい。

・脚部ミサイル
両脚部から小型ミサイルを発射する。
横からクロスする軌道で来る。速度が速いのでローリングで避けるといい。
スティンガーで1発は爆破できるが、もう1発来るので素直に回避すること。むしろ脚狙いで撃ったものを迎撃されることが多い。

・機銃
腕の先にある機銃で攻撃してくる。
横に薙ぎ払う軌道なので、縦に避けた方がいい。ちなみに一定距離まで接近すると使ってこない。

・水圧カッター
RAYの特徴的な武装。口腔部脇の取水口から海水を補給した後、装甲を展開して口腔部奥(喉にあたる部位)から高圧水流を発射する。
しかし前述の通り弱点を露出するので攻撃チャンス。発射された場合は縦に薙ぎ払う(高難易度では直接雷電を狙ってくるので注意)ので横に避けるといい。
劇中ではタンカー船倉の隔壁を切断して脱出するシーンが印象的だが、実際の工業用水圧カッターは水流に微細な金属粒子や砂を混合させ、材料を「削る」要領で切断しているため、海水だけでは金属の切断は困難と思われる。

ちなみにREXの後継としてメタルギアの系譜に連なる機体ではあるが、劇中では核兵器は搭載しなかった。 

【劇中での活躍】

METAL GEAR SOLID 2: SONS OF LIBERTY

○タンカー編

試作機が登場。海兵隊の偽装タンカーの船倉にあったが、オセロットによって奪取されてしまう。

奪う? 返してもらうのだよ

オセロットとセルゲイ・ゴルルコビッチによって制圧されたが、オセロットはセルゲイを射殺。
船中に設置していたセムテックス爆弾を爆破し、RAYに搭乗して逃走した。



○プラント編

試作機量産型が登場。
ヴァンプソリダスの乗ったハリアーが撃墜されたところで海中から現れ、口でキャッチ。さらにクラスター爆弾を放った後姿を消した。
ボロボロのハリアーでは水中に潜れば中の人間は無事ではすまなそうだが、RAYのコクピットへ乗り換えたのだろうか。


終盤ではアーセナルギア直腸*1にて雷電が量産型と対峙、戦うことになる。


合計で25体を配備しているらしいが、難易度によって必要撃破数が変わり、EASYで3体、NORMALで5体、HARDで7体、VERYHARDで10体、EXTREMEでは20体を倒す必要がある。EXTREMEでは数が多いこともありかなりの長期戦となる。
一度に現れるのは3体ずつだが、順序立ててスティンガーを撃ちこまないとミサイルの雨を喰らうハメになる。撃破すると戻っていき、また次の機体が現れるのである。

ちなみに試作機と比べると、カメラがモノアイ、尻尾が短い、機体色が茶系の色に変更されているなどの相違点がある。またクラスター爆弾など一部の武装は使わない。


その後、ようやくワームクラスターによってG.W.が破壊され始めたことによって暴走。
それをソリダスは超人的な動きでその場の3機を全て機能停止させる。口を狙っていたとはいえこちらはスティンガーでないと効かなかったはずなのに……使っている武器はP90である。
余談だが、ムービーエディタでソリダスをローズやおばさんなどに変えると腹筋崩壊する。

アーセナルギアが浮上した後、艦橋で試作機を駆るオセロットがスネーク達を倒そうとするが、フォーチュンの最期の奇跡によってミサイルを全弾外させられる。その後、リキッドが完全にオセロットの体を乗っ取り、愛国者達を滅ぼそうとRAYで海へと消えた。



METAL GEAR SOLID 4: GUNS OF THE PATRIOTS

ACT4の終盤、無理やり起動したメタルギアREXを使い地下基地から脱出したスネークの前に、リキッドが操るRAYが突如現れる。
このRAYはツインアイ仕様の頭部から2に登場した試作機と思われるが、試作機と異なり尻尾が短いなど無人機の特徴が混在しており、試作機が改修されたか、もしくは無人機を有人型に改造したと推定されるが作中では特に明言されていない。

シリーズ初にして唯一となるメタルギア同士の対決という胸が熱くなる展開。この場面は完全に別ゲーと化す。
性能面では対メタルギア用兵器たるRAYが勝り対するREXは満身創痍、初めて操縦するスネークと違いリキッドはオセロットとしてRAYの操縦経験を十分積んでおり、操縦者の技量にも差がある。

だがタダでやられるREXではなかった。REXには当時のオタコンの趣味で、まさかの白兵戦を想定した近接格闘戦機能がプログラムされていたのである
本来開発初期でお蔵入りした機能のために柔軟性には難があり、REX本体も半壊状態にあったものの、開発責任者のオタコンのサポートと、機体制御を外部処理することで損傷状態にありながら本来の性能を発揮出来た為に、結果として両者の戦闘力は互角となった。

武装は『MGS2』の量産機戦とほぼ同じだが、脚部ミサイルは使わない。垂直ミサイルはガトリングで着弾前に叩き落とすことができる。他にも接近してきてのしかかってくることもあるが、後方に回避すれば近接攻撃のチャンスとなる。
なおウォーターカッターはREXの装甲には一切通用しないとのこと。

激闘の末撃破すると、スネークは満身創痍となるがリキッドは逃走、機体は乗り捨てられた。

ちなみに小説版MGS4では、このときのRAYは無人型を無理に有人型に改修したものだとされている。
量産型RAYは本来AI制御による完全自動兵器であり、操縦者に無理矢理従わされては十全に性能を発揮出来ない状態であり、(リキッドが乗りこなしたのは試作型のRAYなのである)対するREXは元々有人兵器として設計されていたために操縦面でのアドバンテージが大きかったようだ。


その他、通常の量産型もアウターヘイブンの護衛用として登場している。こちらとの戦闘は無いが、それまで何体も倒されてきたRAYがムービー中でミズーリに取り付く様は兵器としての性能が決して低くないことを思い出させてくれる。
『2』の時と違い、カメラがモノアイからラインアイに変更されている(モノアイレール自体がカメラになったような感じ)。



METAL GEAR RISING REVENGEANCE

デスペラード社によって改造された量産型が複数登場。
カメラがこれまでの機体と大幅に異なっており、20個もの眼を持つ多眼仕様になっている。また、試作機同様に尻尾が長い。

最早サイボーグにとって大した敵ではなくなった月光 等と違って、通常のサイボーグにとってはまだまだ強大な兵器として活躍している。
愛国者達が壊滅して漏洩したCNT繊維量産技術の影響で、RAYもまた大幅な駆動系の小型化を実現。
その分の余剰スペースにより多くの火器を搭載出来るようになった。
右翼には高出力で小回りの利くサイボーグ等小型兵器用へ対応する為の近接戦闘用大型ブレード、左翼には多目的榴弾及びミサイルを多数発射可能なランチャーを内蔵。
また、従来の水圧カッターではチタン合金等の装甲が強固な兵器には効果が薄いので、口内武装をプラズマ砲へ換装する等、かつてのものと比較すると大幅に強化されている。

が、らにとっては最早少々厄介な障害物以上の存在ではなくなってしまった。


『METAL GEAR SURVIVE』

CO-OPにてクバンエナジーを消費して召喚される「大型戦術兵器」としての登場となる。
『4』仕様だが、「時代や空間を超えて様々なものが漂着する」というのがディーテ世界の特性なので一応矛盾はない。
膨大なクバンエナジーの消費と引き換えだけあり、その能力は絶大。
アーマードやトラッカーは勿論、ハード以上で出現するデヴァステイターですら水圧カッターの一撃で葬り去ってくれる。






フォックス………


ダーイ!










じゃなぁーーーい!



【余談】

実は厳密には初登場作品は『MGS2』ではなく、その2年前に発売された『メタルギアソリッド インテグラル』である。
全300個ある「VR TRAINING」を全てクリアすると、「CONFIDENTIAL(機密)」と書かれた極秘ファイルが特典として表示され、そこでRAYの設計図(というよりデザイン画)を先行して閲覧できるというものだった。


他作品においては『大乱闘スマッシュブラザーズX』の背景として登場。
シャドーモセス島にて背景をぶっ壊して登場することがある。しかし攻撃は一切して来ない。
他にもREXか月光がランダムで出てくることがあるが、いずれも攻撃はしない。




追記・修正は水圧カッターを口から発射できる人がお願いします。

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最終更新:2024年04月15日 01:24

*1 メタルギアRAYの格納庫らしく、屋外と見間違えるくらい広い。