サンダーブラスター(ゲーム)

登録日:2011/06/16 Thu 01:50:26
更新日:2023/01/22 Sun 11:29:35
所要時間:約 5 分で読めます




『シューティスト』



アイレムが1991年に販売した縦画面縦スクロールシューティングゲーム。

全6ステージ/1周エンド。
2人協力プレイ可能。


8方向レバーで自機の操作。

1ボタンで装備されているショットを放つ。
2ボタンはサンダーボール発射ボタン。
サンダーボールについては後述。


○ゲームシステム

本作にはパワーアップの概念が無く、ショットボタンを連打するとショットが強化されるシステムになっている。
画面左(1Pの場合)にショットレベルゲージがあり、最大で6段階まで区分されている。
ボタンを連打していくとレベルゲージが上昇し、ショットが変化していく
基本的に連打するほど強力な攻撃が行える。

ステージクリア後のリザルトでは、ショットレベル別に倒した敵の数がカウントされ、
高いショットレベルで倒した敵ほど高い得点を得られるようになっている。

高得点を狙うにはショットレベル6で敵を倒し続けることが重要となる。


○サンダーボール

ショットレベルゲージが3以上に達すると、2ボタンが解禁されサンダーボールを発射することが出来るようになる。
サンダーボールは往来のシューティングのボムのようなはたらきをし、一定距離先に爆風を起こして暫く留まり続ける。
爆風には敵の弾を消す能力があり、もちろん攻撃力もある。
ショットレベルゲージが高いほどサンダーボールの効果も高く、爆風の範囲や持続時間に恩恵を得られる。

弊害として、サンダーボールの発動中(爆風が続く間)は自機のショットがレベル1まで弱体化する。
更に効果が切れてもサンダーボールが自動回収されるまでは、いくら連打してもショットレベルを上げることはできない。


○ウェポン

途中現れるアイテムキャリアーを破壊すると、自機のショットをチェンジできるアイテムが出現する。

  • 緑(バルカン)
初期装備。
連打すると幅が広がり、レベル6ではかなりの広範囲を攻撃出来るようになる。
接近して全弾撃ち込んだときの威力は驚異的なもの。

  • 青(屈折レーザー)
貫通能力のない直線レーザー。
連打するとレーザーの本数が5本にまで増え、端の2本は一定距離を進むと90度屈折して真横に飛んで行く。
威力は低く、連打しても弾の発射は遅い。
レーザーの屈折の癖が強いため扱いづらいが、3面ではこれを使いこなせないと辛いものとなる。

  • 赤(ファイアー)
直線的に伸びる太い火炎を放射する。
連打するとリーチが伸びる。
威力が非常に高く、2面ボスなどの耐久力が高い相手に効果を発揮する。
反面攻撃範囲は非常に狭く、道中などでは扱いづらい。

  • 黄(ボール)
レバーの上下入力で発射角度を調整できるショットを発射する。
レバー上で散開、下で収束。
連打すると判定と威力が高くなる。
特定箇所を攻略するのに必須で、非常に重要なショットとなる。


○本作についての解説

アイレムには数少ない縦スクロールシューティングの中の一作。

先に紹介したようにショットレベルゲージシステムがあるが、これはレベル6を維持するには最低でもおよそ秒間10連射ほどの連打力が必要となる。
これを持続させるのは並大抵のことではない。


そして本作は敵が異様なほど堅い
ショットレベル6での張り付き連射をもってしても一向に壊れない敵のオンパレード


即ち、連打が遅い人はお断りという実にエッジのきいたゲーム性を持っている。


そして、先に挙げたサンダーボール。
これはショットレベルがある程度高まればいつでも/すぐに撃てる、いわゆる“無限ボム”なのだが
敵の異様な堅さと飛び交う敵弾は、これを“無限ボム”として使わせてくれない。

サンダーボール自体は、各面の攻略と切っても切り放せない武器となっているのだが、発射までのタイムラグやある程度離れたところで爆風が展開するなどといった特性から
「あくまで攻撃的・戦略的な兵器」
としてのシステムとなっている。

画面を横断する隕石群を抜けるために先手で発射して、隕石を消しながら空いた空間を抜けたり
特定の敵の放つ弾を無効化させておいて、自機で違う敵を破壊したり
その使い方はパターンを知った上での先読みを求められるものとなる。

さらにはどの武器にも一長一短があり、場面場面によって変える必要がある。


本作には
「雑魚戦は非常に辛くなるが、ある敵を破壊して安全に先に進むにはこの武器に変える必要がある」
といったような場面が細かく散りばめられており、1つの武器で始終を通すというのは非常に困難。


最後に、敵のパターンや配置。

これが非常に練り込まれており、超連打を必要としながらも自機の動き方が分かってくると
ある種のパズルに近いパターンとなってくる。

“この弾幕はこうしないと避けられません”

“ここは障害物が落ちてくるからこう避けましょう”

といった具合いに決まりきってくるのである。
この辺りがアイレムの高いパターン性たる所以であろう。

無論、必死に構築したパターンであれ道中・ボスともに一筋縄ではいかないため、構築したパターンに沿うのもかなりの集中力と技術、連打力が必要となる。



○評価・その他

当時91年のゲームセンターにはまだ連射装置の普及も少なく、多くの者が腱鞘炎とその高すぎる難易度に悩まされた。
その一方で

  • 高い難易度の中にも活路を見い出せる、しっかりパターンが組めること
  • ショットレベルゲージシステム、サンダーボール、ショットチェンジなどといったゲームシステムを100%活かしきっていること
  • 余計な設定やストーリーなどが一切存在しない(項目最上部のキャッチコピーのみ)
  • シューティングにあるべき“連打”をメインとしている

など、極めて硬派な設計。


攻略に理不尽な場所が存在しない上に、相互武器の重要性が活かされている点、高水準なゲームバランス、完成度が非常に高く細部に至るまでの丁寧な作り込み、「ボムを無限に撃てる→簡単」というある種の常識に似た考えを覆したシステムなどこれらがコアなシューターにはおおいに評価され、今なお根強い人気を誇っている。


ゲーム本編とは関係のない余分なモノを一切排除し、徹底的にストイックで、どこまでも硬派にシューティング性を追求した本作。

この時のアイレムのスタンスが、90年代以降のR-TYPEシリーズに全く受け継がれなかったのが非常に悔やまれるところである。


海外では『LETHAL THUNDER』の名前でリリースされた。

主な変更点
  • ステージの内容が一新され、幾つかのステージ順序が国内版と異なっている
後ろから敵が来る場面が減った、硬い敵が減少傾向にある等全体的に甘い調整がされている。

  • 復活方式が戻りからその場に変更
このおかげでゴリ押しが利くようになった。

  • 連射によるパワーゲージが溜まりにくくなっている
ただ、敵の配置が大幅に優しくなった為(相応の連射力があれば)こちらの方が難易度は低い。

  • その他細かい点
敵が柔らかくなった、ネームエントリーの入力文字数変更、自機のカラーリングetc…


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最終更新:2023年01月22日 11:29