スーパーマリオランド3 ワリオランド

登録日:2011/07/01 Fri 18:25:49
更新日:2023/12/28 Thu 00:10:34
所要時間:約 10 分で読めます





『自分のお城がほしい…でもお金が無い…。』

マリオの城を奪い取ることに失敗してしまったワリオ。ワリオは、ワリオ城を建てる方法を思案していました。そんな時、海賊のウワサが流れてきました。
《海賊ブラックシュガー団が巨大な黄金像を盗んだ。そして、マリオが盗まれた像を取り戻し海賊たちをこらしめようと、ブラックシュガー団を探している。》
このウワサを聞いたワリオは、『これほどの海賊なら根城のキッチン島には、山のような宝物が隠されているに違いない。それを横取りして、お城を建てよう!』と考えました。そして、意気揚々と出かけました。キッチン島には海賊の手下がいっぱいいます。また、ちょっと変わった生き物もいてワリオの邪魔をします。
ワリオは島に隠された財宝を見付け出し、みごと横取りに成功できるでしょうか?そして、どんなワリオ城が建つのでしょうか?



『スーパーマリオランド3 ワリオランド』は、1994年1月21日に任天堂から発売したゲームボーイ用ソフト。


◆概要

スーパーマリオランド2 6つの金貨」の続編。
マリオランドシリーズの第3作目でワリオの初主役作品。だが、主役が変わったことと後にワリオの看板シリーズになったこともあってどちらかと言えばワリオランドシリーズの第1作目として認知されている。仮タイトル時は「怪力ワリオ」という名称であった。
ワリオの生みの親である清武氏曰く『名前は「ワリオランド」だけにしたかったが、当時は「マリオ」という言葉が冠で「スーパーマリオランド3」というちょっと無茶な付け方をした』とのこと。マリオランドシリーズの前作である6つの金貨から地続きのストーリーなのも影響しているのかもしれない。一応形としてはマリオからのスピンオフ作品ということになっている。
しかし、結果的には本作以降は「ワリオランド」として発売され、ワリオの独立した看板シリーズと化した。
ワリオは前作でマリオの城の乗っ取りには失敗したがシリーズの乗っ取りには成功したのである。

ゲームとしては、ステージを進めて先を目指しつつ、集めたコインをできるだけ多く貯金したり、コース内に隠されたお宝を探し出すことが目的となる。
ゲームオーバーになると、持っているお宝のうち1つを没収されてしまい、お宝を持っていない場合はコイン総額が半減してしまう。
没収されたお宝は未入手の状態になり、再び取りに行く必要がある。


◆アクション

本作は横スクロールのワールド制など基本的にはマリオのアクションをベースにしているが、ワリオ独自の特徴も存在する。
  • マリオに比べて強い(マリオは敵に当たっただけでミスだがワリオは逆に転倒させる)
  • ジャンプアクションのマリオに対して「タックル」が基本アクションにある(ワリオ主役作品の共通技である)
  • マリオに比べてジャンプした時の横への移動距離が長い(これはスマブラでも再現されている)
  • 音楽やステージが若干メトロイドっぽい(開発部署の影響。後の作品にもメトロイドっぽい要素があり、逆にメトロイドもワリオランドに影響を受けていたような作品もある)
  • 転倒した敵を掴んで投げられる
  • 敵をタックルで倒した時のみコインを落とす。またブロックを破壊したときランダムでコインが出てくることがある。
  • ドドンの押しつぶし攻撃、ピッカリくんの雷で敵を倒すとなんと10コインを落とし、チキンダックという敵に敵を食べさせると10コインを最大3枚落すといった敵を利用したコイン回収法も存在する。
  • ゴールあるいは中間地点の使用には所持コインを10枚消費した10コインが必要になる。この10コインは敵に投げつける武器としても使用でき、消える前なら回収も可能
  • 宝集めやコイン収集の要素(これの数でエンディングが変化)
などの点が挙げられる。全体的にマリオより鈍重だがパワーがあるという現在のイメージ通りの動きをする。
ゲームボーイの狭い画面でのアクションを模索してきたマリオランドシリーズにおいて、「キャラが小さく見た目にショボい初代」「キャラは大きいが移動速度を落とし爽快感に欠ける6つの金貨」を経て「鈍重ながらパワーのあるアクション」という解を導き出したと言えよう。
初の主役作品でありながら、ワリオのイメージはこの時点で完成されていたといえる。

また、ニンニクやツボを入手するとパワーアップすることができる。以下がパワーアップした形態。

  • ブルワリオ
(角の生えたツボ、または通常・他強化形態でニンニクを入手)
タックルが強烈になりヒップドロップをすることが可能に。地上にいる敵は一定時間ひっくり返る。
更に十字キー上を押しながら天井にぶつかるとそのままぶら下がる。そこがベルトコンベアなら移動可能。
この状態だと空中ダッシュからのジャンプが可能だったり、敵に近づくと自動でタックルをかましたり優遇されている。
また、ヒップドロップはこの作品が初出であり、後にヨッシーアイランドやマリオシリーズに輸入された。

  • ジェットワリオ
(両側に羽がついたツボ)
通常のタックルは出来なくなるが移動速度が早くなり、タックル状態で一定時間飛行することが出来る。
タックル→キャンセル→再度タックルで半永久的に飛行可能。
水中でもタックルができる。
ショートカットや敵からのコイン回収などにお世話になった人も多いだろう。タイムアタックでも定番。

  • ドラゴンワリオ
(顔のような形のツボ)
タックルが出来なくなるかわりに、一定時間竜の形をした帽子から火を吹くことが出来る。
ブボボボボと竜の鼻から出る火は水中でも有効で、ブロックを壊すのに大変便利。
範囲内の敵は塵と化す。
ただし、タックル+ジャンプで飛距離を稼ぐ事が出来ないので総合的な使い勝手は微妙。
おまけに炎で倒した敵はコインを落とさないのもマイナス。
また打点の関係で一部の敵に攻撃できなくなる。


強化状態や通常状態でダメージを受けるとチビワリオになってしまう。
チビ状態ではタックルができず、敵を倒すには10コインか踏んで気絶させてから投げてぶつけるしかない。
この状態で更にダメージを受けるとミスとなる。


◆ボーナスステージ

コースをクリアすると、コインを精算する前に2つのボーナスステージの内、好きな方に挑戦できる。
コインボーナスとハートボーナスの2つあり、挑戦するにはそのステージで集めたコインが必要。
コインを消費したくない場合はそのままスルーできる。コインが無い場合は強制的にスルー。

コインボーナス

コースで集めたコインを更に増やすためのボーナス。
ぶら下がった2つのバケツから1つを選択する。
ドル袋が落ちてこれば成功で、コインが倍増する。
10t錘が落ちてくると失敗で、コインが半減してしまう。
チャンスは3回だが、途中で切り上げることもできる。
上手くいけば8倍の儲けとなり、最悪の場合は8分の1までスることになる。
途中でコインが0枚になっても続行できるものの、どちらの結果になっても増減が無くなるため無意味。
アタリかハズレの1/2と思わせて、実はそういうわけではないらしい。
ぶっちゃけ完全にギャンブル。「倍プッシュだ…!」な人に。

ハートボーナス

残機数を増やすためのボーナス。
A・B・Cの3段階の難易度があり、それぞれ必要なコインも100枚・40枚・20枚と大幅に違う。
10秒以内に、爆弾を投げるパワーをゲージの目押しによって決定し、対岸の敵に命中させる。
命中すれば成功、外すが制限時間を過ぎると失敗。
成功数と難易度によって報酬の数が上下する。
コインが20枚未満か、ライフ・ハートが最大の場合は挑戦できない。


◆登場キャラ

本作の主人公。城を手に入れるために海賊の財宝を狙う。
ゲーム開始早々にボートに乗ってタックルで船を吹き飛ばすという滅茶苦茶なことをやった。
今回はファイル選択画面でお馴染みの(W)マークの帽子を落としてしまったので、代わりに壁にかけられていた物を被っている。
本作では城の他に鳥小屋や惑星を手に入れることも出来た。


  • キャプテン・シロップ
ブラックシュガー団の女ボス。マリオの城から黄金像を盗む悪事を働き、侵入してきたワリオにデンプーをけしかける。
が、返り討ちにされて逆にランプを奪われてしまい、負け惜しみで爆弾を置いて退散する。
これ以降ワリオとの間に因縁が生まれ、本作以外に「ワリオランド2」と「ワリオランドシェイク」でも登場している。

  • デンプー
ランプの魔人。本作のラスボス。
最初はシロップに呼び出されるが、ワリオに敗れた後はワリオが持ち主に。
ランプから呼び出した人の願いを叶えるが、金をくれ、と要求してくる。
しかし総額が大きいほどいいことが起こる……かも?

エンディングでヘリコプターに乗って登場。ピーチの黄金像を持ち去っていく。
プレイヤー視点から見ると本作の彼は悪役に見えるかもしれない。
完全に漁夫の利


◆ワールド

キッチン島という島が舞台。全7ステージ、全40コース。

ステージ1・ライスビーチ

最初に訪れる海岸のステージ。コースは1〜6。
ステージ構成は基本的な内容でまとまっている。
ボスを倒すと満潮になり、コース1とコース3が浸水し一部変化する。この状態でないと取れないお宝と隠しゴールも。
コース6は砂浜に一見何もいないように見えるがブルワリオでヒップドロップすると…。

ボス・トゲブロス

亀。甲羅にこもってスピンしながらステージを飛び回る。
背中の棘は鉄壁だが、腹が無防備。

ステージ2・ティーポット山

ライスビーチの北にある、その名の通りティーポットのような山。コースは7〜13。
内部にはマグマが流れている。
ここから高低差の激しいステージが増える。
とあるコースの隠しゴールに入ると下記にあるシャーベッ島に行けるようになる。
コース12をクリアするとコース10の地形が変わりコース13というボスのステージに変化する。
コース10は犠牲になったのだ、ボスステージの乗っ取りというその犠牲にな…

ボス・ビーフン

牛。攻撃を受けてもミスにはならず、ステージからの落とし合いとなる。
マグマに落とさないと倒せないがぶっちゃけ弱い。

ステージ3・シャーベッ島

隠しステージ。ティーポット山の北西に浮かぶ氷山。コースは14〜19。
一面が凍っていてよく滑る。あまりの寒さに至る所で敵が氷漬けになっている。
コース16の隠しゴールがかなり判りづらい。
コース19をクリアしないとシャーベッ島から出て一度でもマップ移動するとまたティーポット山の隠しゴール経由でしかここに来れなくなる。

ボス・ヒンヤリ

ペンギン。パンチが自慢だが、トゲ付きヘルメットしかワリオにダメージを与えることができない。グローブにもトゲがついて見えるのは気のせいだ。
ヘルメットを脱がすにはタックルが必要なので、チビワリオでは倒せないと思わせて、10コインを投げつければ脱がすことが可能。
しかし所持コインが10枚未満の場合は倒せないので、救済処置としてか倒さなくても無視してクリアできる。
でも倒せば最大15UPのチャンス。また、ほかのボスと違って何度も挑戦できる。

ステージ4・ストーブ谷

ティーポット山の南東にある灼熱の谷。コースは20〜25。
落ちた瞬間にミスとなるマグマが流れており、溶岩流やトロッコといったギミックも存在する。

ボス・フンフン

顔。巨大な鼻クソ岩で攻撃してきたり、舌で足場の岩を砕く化け物。
戦いが長引けば長引くほど状況が悪化するため、岩をぶつけ返して速いこと倒してしまいたい。
間違っても決してブルワリオで足場にヒップドロップしてはいけない。

ステージ5・ティーカップ号

ストーブ谷の先の岬に停泊する、ブラックシュガー団の海賊船。コースは26〜30。
ここから隠しゴールが無くなり完全にマップが一本道になる。
海を渡って船に侵入する。唯一ボスステージに宝部屋があるエリア。
クリアすると強制的にパセリの森に飛ばされる。

ボス・ボウボウ

鳥。羽ばたきで強風を起こし、ザコ敵をけしかけてくる。
強風があるためかなり強いが、ドラゴンで顔を焼けば楽。

ステージ6・パセリの森

ティーカップ号の北にある妖しげな森。コースは31〜36。
コース32をクリアしないとステージから出られない。
コース32をクリアすると湖の水が無くなり、コース31が一部変化する。この状態でないと取れないお宝も。
ブラックシュガー団の貨物列車が走っている。

ボス・ゼニスキー

幽霊。背景と同化してかなり見えにくい。
本体に触ってもダメージは無いが数秒動けなくなる。
財布の中から飛び出すコインがザコ敵と化して襲ってくる。

ステージ7・シロップ城

ラストステージ。パセリの森の先にあるブラックシュガー団の本拠地。コースは37〜40。
最後だけあって、激しいギミックが展開される。
コース38とコース39をクリアすると城の外壁が剝がれるがステージに変化は無い。
最上階では親玉のキャプテン・シロップが待ち構える。
コース37にある宝の部屋の場所がかなり意地悪なことで有名。初見で見つけた人はほとんどいないだろう。たぶん

正規手段でのゲームクリアではこのステージに旗が立つ事はないが、コース39でバグ技を使ってバグゴールにたどり着けば旗を立てる事ができる。
なお、このバグゴールにたどり着くとエンディング→再度コース39スタートの無限ループに突入する(例えコース40をクリアしていなくても)。

ボス・デンプー

前述の通りランプの魔人でラスボス。シロップによって呼び出され、ワリオと対峙する。
落ちているランプを投げ、直立させると雲が出てくるため、それに乗って頭を攻撃する。
攻撃する手段がなかなかに面倒くさい。
なおジェットを使えばハイジャンプ飛行するだけで簡単に倒せる。
倒すと強制的に300コイン手に入る。


◆エンディング一覧

換金された宝と合わせて、集めたコインの総額で6種類に分岐。
10000枚未満・・・鳥小屋 一応バッドエンド?
10000~39999枚・・・大木ハウス
40000~69999枚・・・コテージ風の家 とりあえず合格ライン?
70000~89999枚・・・和風の砦
90000~99999枚・・・立派な洋城 正史ルート
99999枚超(コインメーターカンスト)&お宝を全て集める・・・惑星丸ごと ベストエンド


◆余談

本作のメインテーマ曲は、「マリオカート7」のコース「ワリオシップ」にてフレーズが使用されている。コースの途中にはブルワリオの看板があり、コース自体がワリオランドを意識して作られている。ファンなら思わずニヤリとするだろう。



追記・修正は自分の城を手に入れてからお願いします

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 任天堂
  • GB
  • ワリオ
  • ワリオランド
  • ゲーム
  • アクション
  • 豪快
  • マリオランド
  • ワリオ初主役作品
  • マリオ
  • 怪力
  • コイン
  • 財宝
  • 海賊
  • 黄金像
  • ワリオの出世作
  • タックル
  • ニンニク
  • マルチエンディング
  • マリオランドシリーズ
  • ワリオランドシリーズ
  • マリオシリーズ
  • ゲームボーイ

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2023年12月28日 00:10