ゼハート・ガレット

登録日 :2012/02/12(日) 20:10:50
更新日 : 2017/08/07 Mon 17:41:20
所要時間 :約 16 分で読めます




ゼハート・ガレットとは、『機動戦士ガンダムAGE』の登場人物。
第二部「アセム編」から登場。

CV:神谷浩史能登麻美子(幼年期)

年齢:17(初登場時)
性別:男性
所属:ヴェイガン
階級:特務工作員→地球攻略艦隊総司令官→ヴェイガン総司令



ヴェイガンの一員であり、第二部開始時にコールドスリープから目覚める。
銀髪の美少年で、その顔立ちから瞬く間に校内の女子たちやユノアの憧れの的となる。

表向きの年齢は17歳だが、コールドスリープを使用していたため実際の年齢はフリットとそんなに変わらないと思われる。
第一部で登場したデシル・ガレットは彼の兄であるというところからもそれが伺える。
昔は彼に見下されていたが、後に立場が逆転することになる。

幼少期にイゼルカントから「プロジェクト・エデン」の構想を直接伝えられ、その理想に共感し彼に強い忠誠を誓っている。
なお、その際Xラウンダーとしての資質を見出されていたようでもある。



【第二部・アセム編】

ガンダム=AGEシステム及びその情報を手にするために学生としてコロニー「トルディア」へと潜入。

そしてアセムに近づく為にMSクラブへ入部。
その優秀さと気さくさ、ロマリーを危険から救った事も手伝い、アセム達から信頼を得ていく。

アスノ家の馬小屋でガンダムAGE-1を発見し、強奪しようと試みるも失敗。その後半年の間、見失ったまま時が経ってしまう。


そして卒業式の日に正体が連邦に露見しことで戦闘となり
学校でAGE-1を組み敷いたときにアセムに対して通信を入れ正体を明かす。
この時、同時に居合わせたロマリーにも見られてしまう。

直後にウルフの部隊が駆け付けた事もあり、撤退。そのままゼハートは彼らの前から消えた。

またその時には既に、アセムらとの友情とヴェイガン兵士としての矜持の間で葛藤している描写がある。
ある意味、彼は第二部においてアセムと並ぶヴェイガン側の主人公であると言える。


なお半年の出来事については小説版やゲームにおいて補完されており、いくつか変更点も。

まず、「俺」と「私」を使い分けていた一人称は、「私」に統一(ゲームでは前者)。
MS部入部のきっかけも、プチ・モビで転倒事故を起こしかけたアセムを咄嗟の指示で救った事からに。

また、転入当日に番長格ロッド・アブスに絡まれた際には「土下座しろ」という彼に対して美しすぎる土下座をしてあしらい、
同時に女生徒を何名か惚れさせるというイケメンぶり。
しかし、ロッドが八つ当たりで下級生の弁当を踏み潰した際はマジギレ。(火星圏という厳しい環境で生きてきたが故であろう)
アセムも乱入して、学校始まって以来の大乱闘を繰り広げることに。

夏には、MS部の合宿でトルディアの海洋ブロックを訪れた。
そこでロマリーが溺れてしまい、助けに行ったゼハート、それをサポートに向かったアセム共々遭難するハメに。
冬休み(多分)にはロマリーやアセムと映画を見た(エンディングの写真はその時撮った物)

そこでの会話で、アセムは(恐らく他のMS部員にも話したことのない)自分が父に抱いているコンプレックスを吐露した。
この時ゼハートは、アセムが自分と根本的なところで似ているのだと気付いた。
アセムはフリットの期待に、ゼハートはイゼルカントの期待に、それぞれ応えようとしていたのだと。



要塞ダウネスに帰還後、イゼルカントにより地球侵攻軍の総司令として任命される。

第二部のOPに付けていた仮面は正体を隠す目的ではなく、
彼自身の強すぎるXラウンダーとしての能力を制御する為のものであり、着脱を繰り返す度に効力を失っていく仕様。

つまり普段の生活でも、極力仮面を装着する必要があるというデメリットがある。
しかし後にアセムに会いに行った際には仮面を外し、素顔で相対している。


また、当初はXラウンダー専用機ゼダスRに搭乗していたが、卒業式の時点でゼダスRは彼の反応速度に追い付いていなかった。
そのためダウネスに戻った後は、専用機として開発されていた新型機ゼイドラに乗り換えている。
尚、これ以降彼の乗機は赤いMSとなる。

受領後の初戦で新型ガンダムであるAGE-2に搭乗したアセムと交戦。
どっかで見たことあるようなシチュエーションで完膚無きまでに叩きのめし、自分との差を認識させた。

以後もアセムとは戦闘、再会を繰り返すが、迷いを捨て完全な戦士になるため、
そしてアセムの優しさを知っているがゆえにアセムには連邦軍人をやめてほしいと願っていた。

ソロンシティに出向きアセムを説得しようとするも平行線に終わりに銃を向ける。引き金を引こうとした時、ロマリーが介入。
彼女に庇われるという予期せぬ事態によって(まあ銃を奪われたのは、ロマリーに気を取られたせいでも有るが)
あらかじめ湖に隠しておいたゼイドラを使い、離脱した。

その後の戦闘でXラウンダーとしての能力や機体の性能差からフリット相手に優位に立ち、その実力を知らしめる。

MSパイロットとして優秀であるが、指揮官としてはとても優秀とは言えず私情を挟んだり功を焦ったりして何度も作戦を失敗させている。
というか作中で書かれた限りでも全戦全敗である。

ノートラムの決戦では命令無視を頻発しあまつさえ仲間も道具にするデシルを見殺しにして救援などは送っていなかった。
また同決戦において、アセムと戦闘に入り激闘を繰り広げる最中、地球へ落ち始めたダウネスを破壊するために要塞のエネルギーコアへ突入。
久々のゆっくりとした会話の中アセムを「戦士」と認め地球を守ると言う共通目的の元、一時的ではあるが和解する。
そして破壊工作に成功、共にダウネスから脱出をする。

が、要塞の破片が直撃しそうになったアセムを庇うその衝撃でゼイドラが大気圏に突入してしまうが、ドールのゼダスMによる捨て身の行為に助けられ生存。
イゼルカントによりコールドスリープされた。

小説版ではダウネスの地球落下はデシルの差し金であり、彼の凶行を食い止めるためにアセムと共闘しデシルに挑む。


【第三部・キオ編】
一話目から登場。
地球侵攻作戦に参加しており、どうやら立場は変わっていないようだ。
その際、民間人の虐殺という昔の彼からは想像できない残虐な行為に手を染めている。

ゼハート個人は納得いかないだろうと想像出来るが、余命幾許もなく焦っているイゼルカントの厳命の前では、そんな個人的な感傷に意味は無い。
小説版によると虐殺は部下の独断だったらしく、愚かだと嘆いていた。

だが、死んだ部下の名前を忘れないとか、信頼できる部下に極秘任務を教えるなど、本質的な性格と、部下思いな面は変わっていない。
兄貴は見殺しだったが、まあアレは味方を平気で盾に使うなど素行に問題があったので仕方ないといえば仕方ない。


新たな専用機・ギラーガを駆り、イゼルカントの悲願成就のため再び戦地に立つ。
また、連邦軍総司令部ロストロウラン攻防戦では、専用のカラーリングが施された水陸両用MSのウロッゾにも搭乗している。

コールドスリープの影響か、さほど歳を取った印象はない。兄貴は魔中年になったのに不公平である。

ガンダムには並々ならぬ因縁を抱いている。あと妙にどっかのロリコンっぽい台詞を言うようになった

ザナルド下から来たフラム・ナラがドールの妹であることに感付いていたが、彼女の決意を汲みあえて見過ごしていた。
そしてゼハートの本質に惹かれたフラムと互いをかけがえのない存在と思う仲にまでなった。

なお、アセムが宇宙海賊であることは知っていた(MEMORY OF EDENによればさすがに初期は知らなかった模様)。
彼との因縁に決着を付ける決意を固めており、戦場でダークハウンドを見つけた際には迷わず襲いかかっていた。


44話にて、イゼルカントからプロジェクト・エデンの真実を聞かされ新たな決意と共にヴェイガンの総司令に就任。ガンダムレギルスを受領した。


プロジェクト・エデンの実態を知った際には流石にイゼルカントの狂気にドン引きしつつ憤慨していたが、
(イゼルカントの思想は冷静に考えれば相当アレなのだが、突っ込むのは野暮である)
瀕死寸前のイゼルカントに同情した他、今になって計画を投げ出すことは死んでいった仲間達と
自分の人生全てをふいにするに等しく、退くにも退けず前進を続ける。
この辺りから一層精神面で均衡を失い、余裕がなくなりだす。



そして最終決戦に至って、精神的に追い詰められた様子が見られ、死んでいった仲間の幻覚を見るまでになってしまう。
その焦りから味方ごとディーヴァを撃沈しようとするなど暴挙に出るものの、それによってフラムを失って尚ガンダムが生きている事に激昂。
レギルスで出撃しガンダムに突撃するも、アセムとの一騎討ちになり、彼の言葉に怯んだ隙を突かれる形で連続攻撃をうけて機体は大破。

なおこの時の戦闘時間は僅か 1分 であることは有名である。
数話前に「ガンダムレギルスの力を完全に制御した」的な事をいっておきながらあっさり敗北したが、
これはアセムの言葉で完全に戦意を叩き折られたことが大きい。

ゼハートは理想郷エデンを目指して戦っていた。それが誰のため、何のための物かは気にも留めていなかった。
しかしアセムは、ダウネスにおけるゼハートとの対話で、彼が火星 で暮らす民 のために戦っているのだと理解した。
だからこそ、人の感情を捨てたと嘯く彼に対してアセムは叫ぶ。
「人が人であるためのエデンじゃなかったのか!!」
守るべき民を殺し、自らも人であることを捨てなければ築けない、そのようなエデンは彼本来の望みに適うものではなかったのだ。

アセムの言葉に納得してしまったゼハートに一瞬の隙が生じ、レギルスの左腕を切断される。
「エデンに全てを捧げたのだ! 悔いなどない!」
鼓舞する言葉も空虚に響き、反撃のことごとくを先読みされ潰されていった。

そして決着がつく。
アセムは拳を寸止めしたが、その前の攻撃でゼハートは既に致命傷を負ってしまっていた。
彼は死に際にMSクラブで過ごした日の思い出と本心を語り、幸せだった頃を夢想する。
何も成せず、自分は何のために生きてきたのか…
そう考えるゼハートにアセムは言った。
「お前がいたからここまでやれたんだ」
それはかつてアセムがかけてくれた言葉と同じものだった。
彼があの頃と何一つ変わっておらず、今も友達のままであることの証明。
「ありがとう、アセム…」
ゼハートがそう言って微笑むと、軋みをあげてレギルスが動く。
最後の力で突き刺さったアンカーを切断、AGE-2を蹴り遠ざけ、一人と一機は宇宙に散った。

最期を看取ったアセムは一人呟く。
「ゼハート、俺は前に進むぞ… お前の想いも、全て背負って!」
ただ一人、彼本来の願いを知るアセムが、それを引き継いでいくという宣言だった。


幻想と言う名の理想の為に戦った彼を端的に表すと

「道を誤ったアセム・アスノ」
「家族や対等な友人がいなかったフリット・アスノ」

全てを一人で背負い重みに押され過ぎた彼の周りには、自分を「軍司令官」と見る者しかおらず(最も信頼していたフラムですら)、真の理解者はいなかった。
フリットの息子ではなく一個人として見てくれたウルフ・エニアクルや仲間たちや家族がいたアセムとは大きな違いである。
それゆえ、自分を純粋にゼハートとして見てくれたアセム達がいたMSクラブ時代が最も幸せな時期だったのかもしれない。

また、フリットとは「自分が守れなかった人達の為、平和実現の為に救世主となるべく先陣を切って戦う」という生き様はほぼ同じだが、
反論する部下や対等の友人、先輩、そして時には諌めてくれる家族が居たフリットとは境遇が異なった。
突出したXラウンダー、エデンの住民の代表例であり、
絶対的指導者イゼルカントの信頼の厚い彼を陰ながら支えようとする理解者こそ居たものの、
そんな彼を正面から諌め、友人ないし恋人として接することは許されなかった。

そうした同朋が不在のまま戦い続ける他無かったことは、
図らずも彼のことを想う人々皆で彼の精神が耐えられない孤独な一本道に追いやってしまった形になってしまっており、彼の最大の不幸と言える。



MEMORY OF EDEN
アセムとゼハートにスポットライトが当てられたOVAでは、本編ラストであった死んでいった者達の幻影に苛まれる描写が増え、
「自分のせいで死んでいった者達の死を無駄にしてはならない」という思いで自縄自縛に囚われていく様子がわかりやすくなった。

最終決戦前の連邦軍MSを撃破していった時の描写はアセム戦も含めて彼が徐々に壊れていく姿が丁寧に描写されている。
まさにイゼルカントが考えていた真のXラウンダーへと覚醒していったのが分かる。

更にイゼルカントの真の目的を聞かされ、それがヴェイガン理想とはかけ離れたものであることを知ったせいで、

「死んでいった者達の死を無駄にしないためにプロジェクト・エデンを遂行するが、
 そのプロジェクト・エデンが死んでいった者達を裏切っている(たとえヴェイガンの民であろうと不適格ならば排除される)」

というどうにもならない矛盾を抱えてしまう。

その葛藤をぶつけるようにアセムと舌戦も交えながらの死闘(テレビ本編とは異なり拮抗したギリギリの闘い)を繰り広げるも一歩及ばず、アセムの魂の篭った一撃でレギルスは大破。
自分を助けるためにレギルスのコクピットに入ってきたアセムに、自分がこれまで抱えてきた苦悩と、ずっと友人でいたかったという本音を伝える。
それを聞いたアセムに「俺たちはずっと友達だ」と告げられ、憑き物が落ちたゼハートは爆発寸前のコクピットからアセムを押し出し、AGE-2も遠ざけ、宇宙に散っていった。
「ありがとう」と、親友に心からの感謝の言葉と笑顔を向けながら……

終戦後には、湖のほとりの緑豊かな丘に、フラム、ディーン、ルウと共に墓標が建てられた。







上記の通り、アセム編から登場した正統派ライバルキャラでヴェイガン側の主要人物の中でも(本当に)数少ない人格者である。

TV版最終決戦における彼の豹変ぶりはキャラ崩壊レベルとも言われ、あっけない散り様共々不満の声も多い。
先述の通り、ゼハートの精神力やコールドスリープによる経験・人脈不足等の弊害といった理由はちゃんと存在するものの、
火星出身ながら、アセムやロマリー達と触れ合い、初めて地球側とヴェイガン側の和解の可能性を示した事。
アセム編ラストでドールがその身を犠牲にしてまで助けヴェイガンの未来を託された事。
幾度となくガンダムと対峙してきた彼がヴェイガン開発のガンダムレギルスを受領後、
制御装置無しで搭乗しシド戦を経てその性能を十二分に引き出す事に成功する。
これらの要素による期待感の高さが災いした模様。

更に、彼が戦死した時点でレギルスの隠しギミックであるレギルス・コアが作中未使用のまま終わり、
ヴェイガン側の主要人物がほぼ全て死亡してしまい、最終的には地球とヴェイガンがあっけなく和解するという結果に終わってしまった為、
「レギルスコアなんて脱出機能があったならゼハートの生存は妥当だったのではないか?」
「ゼハートが生きていれば火星代表としてもっと円滑に和解への道が示せたのではないか?」
「どうせ和解するんだったら、ゼハートとフラムは殺す必要は全く無かったのではないか?」
との意見も多い。

「世代を経て息子や孫ができ、彼らのお陰で重圧から放たれて最終決断を下せたフリットとの対比で、
ゼハートが孤独に戦い続けた場合のフリットというIFを担っているキャラクターである以上、彼やフラムの死は不可欠である」
という見解も反論として多いものの、敵側の主要人物であったことやガンダムパイロットになったこと等による期待感の裏返しからか、彼の処遇は最終決戦の批判の要因となっている。


【ExtremeVS】
アーケードゲーム『機動戦士ガンダムExtrmeVS』には、アセム篇からゼイドラに、3世代篇からレギルスに乗って参戦。
ゼイドラのコストは2500で、格闘寄り万能機といった性能。クセのないメイン、扱いやすい格闘、サブのビームサブマシンガンに繋がるキャンセルルートの豊富さなどから、初心者向け機体と言われる。
「Xラウンダー解放」を行うとゼイドラが赤く輝き、各種性能が向上する他、様々な攻撃からキャンセルできる稲妻キックが追加される。
覚醒時にはアニメで使われていたXラウンダー能力の発動を指すSEがきちんと鳴り、「ピポポポポ…」というヴェイガンのMS特有のSEも再現されている。
また、アシストとして兄のクロノスを呼び出せるが、原作再現(勝手な行動を取る再現)からかクロノスの行動は3種類からランダムに選ばれる。

レギルスは最高コストの3000で、シンプルなビームライフルや、ビットを絡めた兵装を持っている万能機。ゼイドラの腹部ビームも受け継いでいる。
TV版からの参戦のためレギルスは白色だが、セリフやBD格闘のマウントパンチなどMOEの要素もそれなりに含まれている。
アシストはフラムのフォーンファルシア。星型を描く特徴的なエフェクトも再現されている。

また、親友であり仇敵であるアセムの他、フリットやキオ、ニュータイプパイロットなどに対して特殊セリフが存在する。


スーパーヒーロージェネレーション
ヒーローやモビルスーツが擬人化している設定であるためにゼハートが直接登場することはないが、
ゼイドラの声や性格はゼハートがベース。中の人などいない!!


スーパーロボット大戦シリーズ
スーパーロボット大戦BX
初参戦作品。
序盤はギラーガに搭乗し、終盤からレギルスに乗り換える。
最終的にヴェイガンギア・シドの攻撃からアセムを庇って死亡するが、条件を満たすと法術士ニューの転移魔法に救われる。
その後はフラム、レイルと共に自軍に参入し、原作では行えなかったアセムと酒を飲み交わしたり、フリットやロマリーとの和解が描かれる。
セリックの生存フラグとも連動していたり、アセムとの合体技「MEMORY OF EDEN」が使用可能になったりするので是非とも仲間にしよう。




俺も愛する人と子を作り、追記・修正したかった…

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